ニッカンプロ野球

長期連載「野球の国から」。喜怒哀楽、提言、分析、突撃、閑話休題…プロアマ問わず、野球界の「今」をあらゆる角度で切り取ります。

野球の国から

指導者にもデータの正しい理解と専門性必要 スポーツ界のさらなる発展願い研究

<シン・ベースボール(4)~科学が野球を変える>科学的アプローチを推進するサイエンティスト(科学者)の原点は、感覚的な表現への違和感だった。ネクストベース社の取締役で、同社のスポーツ科学R&Dセンターを総監修した神事努氏は大学野球をプレーしていた頃、指導者の言葉に疑問を抱いた。「例えば『ボールを前で離せ』とか『体の軸で回れ』って非常に感覚的でピンと来なかった...

野球世界ランク42位スリランカ出身の精鋭アナリスト 日本の技術で国と国の懸け橋に

<シン・ベースボール(3)~科学が野球を変える>最先端の知見や技術を将来、母国へ還元する。スポーツ科学R&Dセンター「ネクストベース・アスリートラボ」のアナリストは5人の精鋭たちがそろう。バイオメカニクス(生体力学)を学び、大学院で修士や博士課程を修了したエキスパートだ。そのうちの1人でスリランカ出身のニローシャン・プンチヘーワさん(34=以下、ニローさん)...

ネクストベース社が民間初のスポーツデータ計測施設を開設「すべてのアスリートにサイエンスを」

<シン・ベースボール(2)~科学が野球を変える>都心から最も近い道の駅「いちかわ」。千葉の特産・落花生が売られ、のどかな雰囲気が漂う。そのすぐ隣に日本で民間企業初のスポーツ科学R&Dセンター「ネクストベース・アスリートラボ」が誕生した。ボールや人の動きを可視化し、科学的データを活用して選手のパフォーマンス向上を図る最先端の高度計測施設。「すべてのアスリートに...

最新機器でデータ解析、日本でも普及へ 加速度的に進む科学と野球の融合

<シン・ベースボール(1)~科学が野球を変える>科学的データの活用が野球に新たな進化をもたらしている。テクノロジーの発展によって球質や動作を瞬時に数値化し、米ワシントン州シアトルで誕生したトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」は先駆的存在として、選手のパフォーマンス向上を目指している。一方、日本では今年8月27日にネクストベース社が千葉県市川市にス...

元火の国・芦谷汰貴 異色の経歴を糧に海外で活躍するビジネスマンに

<明日に向かって(6)>九州アジアリーグの火の国サラマンダーズから今季限りで任意引退した最速145キロ左腕、芦谷汰貴(たいき)投手(24)は、世界を股にかける一流ビジネスマンを目指す。 「野球選手としては、現役引退を決めました」と区切りをつけた。同リーグから11月18日に任意引退選手として公示されて、現在は就職活動中。「次の道は普通に一般企業に就職して、一か...

関大・定本拓真 ツイッターで可能性拡散 2年後プロ入りへの自信はジャイロボール

<明日に向かって(5)>「大学からのプロ入りは入学時の目標でした。上位へのこだわりもありました」。だが、関大・定本拓真投手(22)は最終学年を迎える頃には、早々と社会人野球に進路を決めていた。 投球する関大・定本 三重高3年春に甲子園ベスト4。大阪桐蔭との激闘で知名度を上げ、鳴り物入りで進んだ関大でも1年時から登板。順調な滑り出しだったが、2年春、新型コロナ...

愛工大名電・伊藤基佑 同期2人に続けず…ドラフト指名漏れを機に改めて欠点と向き合い

<明日に向かって(4)>親友たちとの明暗はくっきりとしていた。じっと指名を待ったが、育成ドラフトでも名前を呼ばれることなく「快挙」は幻になった。愛工大名電・伊藤基佑内野手(18)は「終わっちゃったな…というのが一番でした。正直、指名はないかな、と思っていました。みんなが指名されてうれしい気持ちと、自分も呼ばれないかなという気持ちと。悔しさもあります」とドラフ...

早大・中川卓也 注目を集める選手人生 志願の主将も予想以上の悩み「人間として成長できた」

大阪桐蔭に続き早大でも主将を務めた中川

<明日に向かって(3)>高校、大学、そしてこれからも、注目を集める選手人生を歩む。早大・中川卓也内野手(4年)は、大阪桐蔭で主将として春夏連覇を達成。戦う集団の先頭に立って、駆け抜けてきた。大学でも昨秋、小宮山悟監督(57)に自ら志願して主将に。「予想以上にしんどかったし、予想以上に悩みました。でも1人の野球人として、人間として、本当に成長させてもらった1年...

慶大・生井惇己 痛すぎる被弾、トミー・ジョン手術も…心折れず

<明日に向かって(2)>くじけても、そのたびに立ち上がってきた。だから、慶大・生井惇己投手(4年=慶応)は強くなった。「なかなかうまくいかないなと思った4年間だった。でも、折れなくなったと思います」と爽やかに笑う。 11月6日、東京6大学野球秋季リーグ戦での対戦後に早大・蛭間(右)と記念撮影する慶大・生井 人生を左右する1敗になった。4年間で27試合に登板し...

山梨学院・榎谷礼央、家族3世代で甲子園出場 父を超えたい…4年後へ向け再出発 

<明日に向かって(1)>今年のプロ野球ドラフト会議では、育成も含め126人が指名された。夢の舞台へ羽ばたいていく選手たちがいる一方で、指名されなかった選手やプロ志望届を出さなかった選手もいる。彼らの思いを探る。 4年後のプロへの思いを語った山梨学院・榎谷(撮影・星夏穂) 4年後、祖父も父も見たことのない景色を見るために、再出発する。山梨学院・榎谷礼央(れお...

思いこんだら先の塁を 行くがプロのど根性/巨人の星・浅野翔吾

<田村藤夫が見た浅野のRoad to 巨人の星(3)~走塁編>田村藤夫氏(63=日刊スポーツ評論家)が巨人ドラフト1位の高松商・浅野翔吾外野手(18)のルーキーイヤーに向けて「浅野のRoad to 巨人の星」として連載する。最終回は走塁編。    ◇   ◇   ◇ 強打で強肩俊足。浅野は望ましい身体能力を備えている。中でも俊足というのは武器になる。ゆえに、...

翔吾見よ、あれがプロの1歩目だ/巨人の星・浅野翔吾

<田村藤夫が見た浅野のRoad to 巨人の星(2)~守備編>田村藤夫氏(63=日刊スポーツ評論家)が巨人ドラフト1位の高松商・浅野翔吾外野手(18)のルーキーイヤーに向けて「浅野のRoad to 巨人の星」として連載する。2回目は守備編。     ◇    ◇    ◇   俊足の浅野の外野守備には多くの可能性を感じている。肩も強い。もちろん、高卒ルーキー...

振れ振れ翔吾、どんと行け! コース打ち分け、まずはミートを心がけよ/巨人の星・浅野翔吾

<田村藤夫が見た浅野のRoad to 巨人の星(1)~打撃編>田村藤夫氏(63=日刊スポーツ評論家)が巨人ドラフト1位の高松商・浅野翔吾外野手(17)のルーキーイヤーに向けて「浅野のRoad to 巨人の星」として、走攻守について3回連載する。1回目は打撃編。 14日、仮契約を終え「開幕一軍」と書いた色紙を手に笑顔を見せる浅野 最大の魅力は打力になる。巨人、...

【WBC】谷繁元信氏が選ぶ日本代表 相手打者を見て感じられる 正捕手に中村

<マイ侍ジャパン(5)谷繁元信>前提として今大会は優勝を争うライバル国のレベルアップに拍車がかかっている。日本の戦い方として、先制点を奪って少ないリードを守り抜く。基本的すぎるかもしれないが、バッテリーを含めてディフェンス力を高めた方が優勝の可能性が積み上がっていく。 谷繁氏が選ぶ侍ジャパンのスタメン 先発は第2先発を含めて8枚をそろえる。対戦相手にもよるが...

【WBC】佐々木主浩氏が選ぶ日本代表 DH大谷を「大魔神」に指名

<マイ侍ジャパン(4)佐々木主浩>私の理想だけでなく、強化試合を見ての予想を加味しての選考とした。現時点でメジャー1年目となる可能性がある選手(千賀、吉田正、山崎康ら)は、実力や実績があっても選考から外した。まずはスプリングトレーニングでチームに溶け込むことが大事。そこを考慮した。メジャー組では、前田も手術明けとなるために外した。 佐々木氏が選ぶ侍ジャパンの...

【WBC】鳥谷敬氏が選ぶ日本代表 想像絶する重圧、経験値ある坂本が精神的支柱

<マイ侍ジャパン(3)鳥谷敬>個人的には「メジャーリーガーが何人出場できるか」に注目しています。自分がメンバー入りした13年WBCは全員が国内組。内野手はメジャー経験が豊富な松井稼頭央さん(当時楽天)からアドバイスをもらえましたが、他のポジションの選手は特に米国開催の準決勝では神経をすり減らしたと思います。どれだけ優秀なスコアラーがそろっていても、集めてくれ...

【WBC】建山義紀氏が選ぶ日本代表 先発と第2先発をひとくくりに7回までが理想

<マイ侍ジャパン(2)建山義紀>日本の投手陣は、世界で通用するレベルになってきていると思う。昔は技術で勝負しないといけなかったが、世界相手でも真っすぐで押し込めるくらいにレベルは上がっている。だから、投手陣は真っすぐで勝負出来る投手を選んだ。 建山氏が選ぶ侍ジャパンのスタメン 大事なのは第2先発。千賀、今永は先発に回ってもいい。先発投手と第2先発をひとくくり...

【WBC】宮本慎也氏が選ぶ日本代表 スタメンは守備力より攻撃力重視 機動力は頼りすぎ危険

<マイ侍ジャパン(1)宮本慎也>これがマイ侍ジャパン-。23年3月のWBC開催を控え、代表選出が迫っている。 日刊スポーツでは国際経験豊富な評論家が独自の視点から、いち早くメンバーを選考。第1回は06年WBCで世界一に輝いた宮本慎也氏(52)が日本の戦い方を説いた。 メンバー選考で難しいのが、メジャー組がどれぐらい参加してくれるかだろう。この時期に考えても結...

安藤美穂さん、「人を育てる、そして見捨てない」日大三・小倉監督と接し1つの答えに近いものを

GODAIスポーツアカデミー教頭の安藤美穂氏

<日大三・小倉全由監督に学ぶ 部活指導員の理想(2)>安藤美穂さん(GODAIスポーツアカデミー教頭)は日大三高の教員を離れた後、帝京ロンドン学園、中国・深センの日本人補習校で現場に立ち続けた。 安藤さん イギリス現地校では、生活指導上の出来事はカウンセラーが、放課後からは地域クラブのコーチが指導します。コーチは競技ごとのコーチング資格を得たライセンス制でし...

安藤美穂さん、日大三・小倉監督に学ぶ「部活動指導員」の養成 生徒を観察 声がけ出来る人材を

<日大三・小倉全由監督に学ぶ 部活指導員の理想(1)>日大三高で体育教師を務めていた安藤美穂さん(GODAIスポーツアカデミー教頭)は、結婚をきっかけに04年から英国、中国の教育現場を歩いてきた。12年に帰国し、今は神奈川県を中心に、部活動での指導者不足の課題に取り組む日々を送る。折を見て元の職場を訪れ、同僚だった野球部の小倉全由監督(65)に生徒との接し方...

達や畔柳、松浦ら充実の日本ハム高卒投手陣 同期が多いことで成長速度早まる可能性も/田村藤夫

<田村藤夫のフェニックスリポート(6)>田村藤夫氏(63)が3年連続でフェニックスリーグ(宮崎)から現地リポートする。今季のファームを振り返る。    ◇   ◇   ◇ フェニックスリーグを含めて、ファームを今年も30試合は見てきた。スタンドからの取材が解禁されていない球団もあり、訪れた球場はヤクルトの戸田、日本ハムの鎌ケ谷、DeNAの横須賀と偏りはある。...

スケールと長打が魅力の巨人秋広優人、課題は自分の弱点をどう分析しているのか/田村藤夫

秋広優人(2022年3月11日撮影)

<田村藤夫のフェニックスリポート(5)>田村藤夫氏(63)が3年連続でフェニックスリーグ(宮崎)を現地からリポートする。巨人の秋広優人(20)の課題は、弱点をどこまで自己分析しているかにある。     ◇    ◇    ◇ 昨年のルーキーイヤーから大きな期待を集めてきた。スケールの大きさと長打が魅力だ。私が見た18日のソフトバンク戦では本塁打を放っているが...

オリックス来田涼斗は初見での対応力必要 感覚研ぎ澄まし更に精度を上げたスイングを/田村藤夫

安打を放つオリックス来田涼斗(22年4月撮影)

<田村藤夫のフェニックスリポート(4)>田村藤夫氏(63)が3年連続でフェニックスリーグ(宮崎)を現地からリポートする。高卒2年目のオリックス来田涼斗外野手(20)と、巨人秋広優人内野手(20)の打撃を解説する。    ◇   ◇   ◇ 来田が15日に日本ハム姫野と対戦した打席に注目した。姫野のボールは球速154キロで力もあった。対応力がポイントだった。初...

中日石橋康太 捕手としての応用編、コミュニケーション力つけろ/田村藤夫

<田村藤夫のフェニックスリポート(3)>田村藤夫氏(63)が3年連続で、フェニックスリーグ(宮崎)を現地からリポートする。日常会話の1コマから、コミュニケーション力が垣間見えた。    ◇   ◇   ◇   フェニックスリーグが雨天中止の際、中日の室内練習場を取材する機会に恵まれた。ちょうど石橋康太捕手(21)が、片岡2軍監督から打撃指導を受けていた。プロ...

リーグ連覇オリックスの「底上げ」ルーキー育成法、選手にとっては大いなる励みに/田村藤夫

<田村藤夫のフェニックスリポート(2)>田村藤夫氏(62)が3年連続で、フェニックスリーグ(宮崎)を現地からリポートする。リーグ連覇を果たしたオリックスの「底上げ」に着目した。    ◇   ◇   ◇ オリックスの育成が明確な狙いをもって先に進んでいる印象を受けた。 15日のオリックス-日本ハム戦では、オリックス野手の大半がルーキーだった。大卒組は野口(ド...

試合の大事なところで必ずほころびを…ファームでも阪神に染みつく緩慢守備/田村藤夫

<田村藤夫のフェニックスリポート(1)>田村藤夫氏(61)が3年連続で、フェニックスリーグ(宮崎)を現地からリポートする。1回目は阪神の1、2軍でシンクロする「ほころび」について語る。    ◇   ◇   ◇ ヤクルトとのCSで敗退した阪神の負け方が非常に鮮明に残っていた。だからよけいに、フェニックスリーグで感じた阪神のスキがより印象に残ってしまう。 16...

運命のドラフト会議 沖縄大・仲地礼亜 沖縄球児に新たな夢を示すパイオニアに

<指名を待つ男たち(5)>ドラフトファイル:仲地礼亜 沖縄本土復帰50年の節目に、沖縄県の大学から初のドラフト指名プロの誕生が確実になった。米軍嘉手納基地に近い嘉手納高を経て沖縄大でもまれ、NPB12球団が注目するまでに成長した剛腕が、最速151キロ右腕、沖縄大・仲地礼亜投手(4年=嘉手納)だ。12球団との面談は終え、中日が1位指名を公表。仲地は指名順位に関...

運命の20日ドラフト会議 呉港・田中多聞、長尺バット1日2000振り

ドラフトファイル:田中多聞

<指名を待つ男たち(4)>この秋、呉港(広島)の田中多聞外野手(3年)が野球人として至福の感触を味わった。思わず声がはずむ。「長い。思ったよりも軽いです」。10月下旬、学校の好意で白木のバットに触れる機会に恵まれた。初代ミスタータイガースと称された、藤村富美男さんの「物干しざお」だった。 誰よりも長いバットはそう形容され、トレードマークになった。同校の前身、...

運命の20日ドラフト会議 鷺宮製作所・小孫竜二、1人の指導者との出会いが運命を変えた

鷺宮製作所対日立製作所 力投する鷺宮製作所・小孫(撮影・宮地輝)

<指名を待つ男たち(3)>3度目の指名漏れから1年、鷺宮製作所・小孫竜二投手(25=創価大)が、再びドラフト上位候補に名を連ねた。高校、大学、そして最速155キロをマークした社会人2年目の昨季もプロから指名がかからなかった。今季は制球力と安定感で評価が急上昇。17日の関東選手権準決勝の日立製作所戦(等々力)で1回を3者連続三振の快投を演じた。20日のドラフト...

運命の20日ドラフト会議 中大・北村恵吾、救われた同部屋だった「アニキ」DeNA牧の言葉

ドラフトファイル:北村恵吾

<指名を待つ男たち(2)>中大のグラウンドには、夜遅くまで北村恵吾内野手(4年=近江)がバットを振る姿がある。フルスイングで振り切ると、打球は広角へ力強く飛んだ。 北村の野球人生に大きな影響を与えた先輩がいる。「今まで関わった先輩の中でぶっちぎりの存在。自分のアニキです」と言うのが2つ上のDeNA牧だ。中大に入学し2年間、寮で同部屋。「牧さんの取り組む姿勢を...