【虎になれ】死球を巡るヒーロー2人の“謎“ 森下翔太と佐藤輝明

<ヤクルト0-6阪神>◇29日◇神宮完勝だ。最下位に沈むヤクルト相手とはいえ、投げては酷暑のデーゲームで伊藤将司が復活をアピールする完封劇。 打っては打点王を争う3番森下翔太、4番佐藤輝明のアベック弾も出て、虎党にはこたえられないゲームになった。 前川右京が6番スタメンに復帰し、森下が右翼、佐藤輝もサードにそれぞれ戻って、開幕時のオーダーに回帰。シーズン後半...
記者生活30年超の高原寿夫編集委員が、阪神タイガースに鋭く迫る。
<ヤクルト0-6阪神>◇29日◇神宮完勝だ。最下位に沈むヤクルト相手とはいえ、投げては酷暑のデーゲームで伊藤将司が復活をアピールする完封劇。 打っては打点王を争う3番森下翔太、4番佐藤輝明のアベック弾も出て、虎党にはこたえられないゲームになった。 前川右京が6番スタメンに復帰し、森下が右翼、佐藤輝もサードにそれぞれ戻って、開幕時のオーダーに回帰。シーズン後半...
<ヤクルト0-2阪神>◇28日◇神宮勝つには勝ったが…という気がしてならない。 森下翔太の1発による2点をディプランティエからのリレーでヤクルト打線を0封しての勝利。「最後までいいゲームになったと思いますね」。指揮官・藤川球児はそう振り返った。 実際、投手を中心にした守りの野球は阪神の持ち味である。相手に得点を与えず、少ないリードを守り切れたのは大きい。リー...
<ヤクルト4-3阪神>◇27日◇神宮村上頌樹もか…と思った。7回、ヤクルト打線の2発で同点にされた先発・村上はこの回限りで降板する。8回表に阪神の勝ち越しもなく、雨天による中断にもめげず、続投していたものの勝利投手にはなれなかった。 近年のペナントレース、1つの区切りである交流戦からリーグ戦再開のタイミング。注目したのは12球団の先発投手だ。3カ月前、3月2...
昔話にお付き合いいただいて、イチローが甲子園に初登場したときのエピソードである。日米レジェンドのイチローが、オリックス在籍中に甲子園でプレーしたのは2試合のみ。当時、交流戦はなかったので公式戦の甲子園でイチローがプレーしたことはない。 オープン戦も1試合だけ。オリックス最終年の2000年3月11日に甲子園で開催された阪神戦にスタメン出場している。3打数2安打...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-3ソフトバンク>◇22日◇甲子園やはり、阪神1点ビハインドの7回裏だろう。短い間にいろいろな場面が展開され“ツッコミどころ”満載という感じか。少しだけ説明すれば先頭の大山悠輔が左前打。続く高寺望夢はバントの構えで入ったがバスターエンドランを決め、無死一、三塁に。これで甲子園は最高潮。無死一、三塁はもっとも得点しやすいケースとさ...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0ソフトバンク>◇21日◇甲子園交流戦に強いソフトバンク戦に勝ったが指揮官・藤川球児はあまりご機嫌がいい様子には見えなかった。試合を見ていれば分かる気もする。1回に首尾よく3点を先制したが、その後の展開がよくなかった。 2回に近本光司が先頭で出たがソフトバンク側のリクエストがあった結果、盗塁死。3回は1死一塁から小幡竜平のバン...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-2ソフトバンク>◇20日◇甲子園投手戦、接戦を予期したビッグプレーだった。阪神1点ビハインドの2回表。この回先頭の牧原大成が右翼線二塁打を放ち、無死二塁となった。ここで8番・海野隆司の当たりはセンター前へライナーだ。 これに突っ込んできた中堅・近本光司が、さらに前へダイブして地面すれすれでキャッチ。すでにスタートを切っていた二...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-0ロッテ>19日◇甲子園阪神ディプランティエ、ロッテ種市篤暉の投手戦、勝敗の分岐点は4回、阪神の攻撃だろう。先頭の6番・小幡竜平が中前打で出た無死一塁。ベンチのサインはラン・エンド・ヒットだったはず。ここで坂本誠志郎が放った打球は中前へフラフラと上がった。 中堅手にダイレクトで捕られれば一塁へ転送されてゲッツーだ。それを避ける...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神8-1ロッテ>◇18日◇甲子園「打つならもっと早う打てよ」。うれしさを隠し、そう言いたくなるのも虎党だったりして。とにかく8回、佐藤輝明のちゃんと走り出した一発を含め、一気に5得点。計8点でロッテに快勝、連敗を「7」で止めた阪神である。 なにしろ連敗中は4点止まり。ジリジリする展開の日々だったが、これでなんとか抜け出した。さらにも...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ3-1阪神>17日◇甲子園これは厳しい。大阪弁で言わせてもらえば「ドツボにはまっとる」という感じである。それを強く感じた場面は2点を追う展開になっていた8回の攻撃だ。途中出場の坂本誠志郎が左前打で出て、無死一塁。ここで打順は近本光司に回る。 ちょっと見せ場、できるかな。そう思った瞬間だ。近本の放った強い打球は遊撃正面を突く。ロッ...
<日本生命セ・パ交流戦:楽天3-2阪神>◇15日◇楽天モバイルパークなぜ岡田彰布(前監督、オーナー付顧問)が仙台のローカル放送に出ているのか。試合中に流れる各スポーツ紙発のネット記事を見て、そう感じた虎党もいたかもしれない。 岡田は仙台の東日本放送(テレビ朝日系)で以前、放送されていたスポーツ番組で“最高顧問”を務めていた。阪神でやるより前から「顧問」だった...
<日本生命セ・パ交流戦:楽天5-4阪神>◇14日◇楽天モバイルパーク「代打、キナミーッ!」。あの場面、指揮官・藤川球児にそう叫んでほしかった。そんな風に思えて仕方がないのである。 阪神が1点を追う形になっていた9回表。元猛虎戦士・加治屋蓮を攻め、1死満塁の好機だ。ここでベンチは途中出場していた梅野隆太郎に代わり、糸原健斗を代打に送った。残る捕手は栄枝裕貴1人...
これはいけるか-。1点を追う9回1死二、三塁と絶好のチャンスでそう思ったが3番・森下翔太、4番・佐藤輝明が則本昂大に抑えられ、阪神は楽天の前に1点差で屈した。今季ワーストタイの4連敗。交流戦は5勝5敗の五分だ。 試合前「ははあ」と思ったスタメン発表だった。6番に捕手・坂本誠志郎が入っている。最近、勝負強い打撃が目立つ坂本だが6番は今季初めて。2回にしぶとく四...
<日本生命セ・パ交流戦:西武4-1阪神>12日◇ベルーナドーム叱られるかもしれないがオールド・ファンには懐かしいムードだろうか。やることなすこと、うまくいかず逆転負け。「昔はこんなんやったな」。苦い記憶を思い出していた虎党も少なくないはず。強い阪神しか知らない若いファンに「こんな試合ばっかしてた時代から強くなったんやで」と教えてあげてください。 と言ったけれ...
選手起用は采配同様、監督の“専権事項”だ。どういう場面で、どんな選手起用をするか。それは監督が決めること。いわゆる“外野”から、どうこう言っても仕方がない。 さらに言えば、チーム内にしか分からない事情、状況というものも必ず存在する。別にプロ野球に限らず、どんな組織、あるいは家庭においても同じことだろう。外側から見て「おや?」と思うことがあっても、それは内部の...
<日本生命セ・パ交流戦:西武4-2阪神>◇10日◇ベルーナドーム8回に登板した鉄腕左腕・桐敷拓馬が2点のリードを守れず被安打5、4失点を喫してしまった。 逆転負けの阪神、ある意味、きょう11日の西武2戦目は初の「交流戦V」、さらにその後へ向けて、大きなポイントになると見ている。 先発・才木浩人は絶好調という感じではなかったが地力を発揮し、6回まで西武打線を相...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神8-1オリックス>8日◇甲子園めずらしいと言えばめずらしいシーンは6回の守備だ。1死一塁でオリックス杉本裕太郎の放った右方向への打球。これに二塁・中野拓夢が背走し、最後はスライディング・キャッチした直後のことだ。 中野は右翼・佐藤輝明と何ごとか話し合い、最後は軽くタッチしあっていた。あれは、どういう会話だったのか。ヒーローインタビ...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神8-2オリックス>◇7日◇甲子園「そんなに甘くないっスよ」。熊谷敬宥がニヤリとしたのは交流戦初戦の3日、日本ハム戦(エスコンフィールド)に勝った後だ。DH制のある試合で「熊谷スタメンはどうだ」と交流戦直前に書いた。自信はあったのだが当日、三塁にヘルナンデスが入り、指名打者は豊田寛だった。 そのゲームに勝った後。熊谷に「スタメンちゃ...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-0オリックス>◇6日◇甲子園こんなことを書くのもおかしい気もするが、甲子園に詰めかける虎党に少しお願いしたいことがある。桐敷拓馬が登板するとき、登場曲「J.BOY」のサビ部分を大きく歌ってあげてほしいな、ということだ。 先日、米国出張に出かけた東京本社の記者・久保賢吾が書いた記事を読んで少々びっくりした。米スタンフォード大に留...
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム1-7阪神>◇5日◇エスコンフィールドエスコン・フィールドに足を運んだ虎党は大喜びだった。もちろんテレビ観戦などでチェックしていたファンも同じだろうが。 交流戦スタート、敵将・新庄剛志率いる難敵・日本ハムに大勝して勝ち越しを決めた。そして佐藤輝明の記念弾まで飛び出す文句なしの試合になったのである。 だがこの日、勝てたのは言うま...
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム5-4阪神>◇4日◇エスコンフィールド昨年、甲子園であった日本ハムとの交流戦に佐藤輝明は参加していない。2軍にいたのだ。 その24年5月28日に予定されていた初戦は悪天候で中止に。そのとき敵将・新庄剛志に聞いたのである。「佐藤輝、どうしたらいい?」と。 スターとして虎党の大きな期待を受けながら、思うように結果の出ない日々。そん...
<日本ハム0-1阪神>◇3日◇エスコンフィールド新千歳空港からJRで北広島駅へ。そこからエスコンフィールドまでタクシーに乗る。 虎党でにぎわう駅前の光景を見て、地元ドライバーが言った。「この3連戦が今年一番の華ですよ」。そうなん? と思ったが12球団NO・1人気の阪神が来るとなれば、地元もそんな意気込みで迎えるのかも…と感じたのである。 人気だけではない。優...
<広島0-8阪神>◇1日◇マツダスタジアム交流戦直前のマツダスタジアム決戦。その3試合目は終盤の猛攻で阪神の快勝となった。 これで両リーグ30勝一番乗り。阪神が交流戦前で30勝に到達するのは日本一の23年以来という。前日に書いた「貯金10」への期待も現実となり、雰囲気が出てきた。 先発・伊原陵人の好投は外せないが派手なのはやはり森下翔太、佐藤輝明の本塁打だろ...
<広島0-2阪神>◇31日◇マツダスタジアム「ビジターに強い阪神」か「マツダスタジアムで強い広島」か-。そんな対戦は阪神が連勝。交流戦前最後のカード、勝ち越しを決めた。広島に強い大竹耕太郎がきっちり仕事をし、しぶとい攻撃で先取点を奪い、2-0で勝ちきった。 湯浅京己、石井大智もよかったし、岩崎優を温存できたことも大きい。まさに阪神が目指す「投手を中心にした守...
<広島2-5阪神>◇30日◇マツダスタジアム「土佐のいごっそう」らしく、現役時代から快活なしゃべりだったのが指揮官・藤川球児である。監督になってからは重責もあるのだろう、あまり冗談ぽいことは言わなくなっている印象だ。そんな中、最近、少し面白いな、と思ったのは25日中日戦(バンテリンドーム)に勝った後のこと。こんな話だ。 その試合、3回1死一塁で打席は先発投手...
<阪神1-5DeNA>◇29日◇甲子園「そら負けるよ、そんなん」。前監督・岡田彰布(現オーナー付顧問)なら、そう言う敗戦かもしれない。もちろん指揮官・藤川球児はそんな言い方はしないけれど「また、明日からですね、はい」と終始、多くを語る気配はなかった。 例えば先発デュプランティエが7回、度会隆輝に与えた四球が痛かったのでないか、森下翔太の左翼守備に慣れていない...
DeNA側には申し訳ないが、これが逆なら失神しそうな展開だ。 強打のDeNA打線が放った安打は11本。それで得点「0」だから苦しい。記録部によると阪神投手陣が無失点で抑えた過去の試合で最多被安打は「12」なので、それに続くレベルだ。 DeNAからすればなんとも拙攻、阪神からすれば守りに守ったということだろう。前日のサヨナラ勝ちに続き、連日の「1-0」勝利。得...
<阪神1-0DeNA>◇27日◇倉敷今季初のサヨナラ勝利は押し出し四球だった。本塁打や適時打とかでカッコよく決まればいいのだろうが勝ちは勝ち。しかも好調だったバウアーを打ちあぐんだ後での勝利なのだ。 「どちらに転ぶか分からない試合を白星にできれば、後半に大きな差になってくる」。指揮官・藤川球児はそう言った。これは正しい。「あの試合が…」という日は必ずやってく...
<中日1-5阪神>◇25日◇バンテリンドーム相手チームながら「これはたまったものではないな」と感じたのは阪神が勝ち越した9回の攻撃だ。中日3番手のマルテが、犠打の処理を巡って2度も送球ミスをやらかしてしまう。「マルテはテンパってたなあ」。敵将・井上一樹もそう苦い表情を浮かべたようだ。これもあって阪神はこの回、一気に4得点。それまで1-1と締まっていた試合が崩...
<中日5-4阪神>◇24日◇バンテリンドーム後味の悪い敗戦かもしれない。最後は判定にあまり文句を言わない中野拓夢が見送り三振に対し、あからさまに不満を示した。これについて指揮官・藤川球児は、9回最初の打者・渡辺諒の四球を巡って敵将・井上一樹が球審へ抗議に出たことが影響したのでは-と見たようだ。 球児の側に立てば、井上の様子を見て、そう受け取るのも無理はない。...