ニッカンプロ野球

ふくださんの高校野球が好き

◆ふくださん 福田豊(ふくだ・ゆたか) 85年日刊スポーツ新聞社入社。野球記者11年、野球デスクを7年勤めた後、現在は毎朝6時半出社で「ニッカンスポーツ・コム」の編集を担当。取材で世話になった伝説のスカウト、木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)を野球の師と仰ぐ。@fukudasunのアカウントでツイート中。

ふくださんの高校野球が好き

金足農、横手焼きそば、ライトレール、餃子 秋田と宇都宮で高校野球秋季大会を取材

16日から24日まで東北大会と関東大会を取材に秋田と宇都宮に出張した。 金足農対久慈 4回無死一塁で救援登板し、無失点で切り抜ける金足農・吉田(撮影・木村有優) 【16日】 東京から秋田に移動。午前7時32分の「こまち」に乗車。秋田を目指す。空いているかと思ったら席が次から次へと埋まっていく。私は窓側の指定席だったが、隣に同年代らしき男性が乗ってきた。結局、...

「伝説のスカウト」が語った北別府学さんの「伝説の遠投」

広島で通算213勝を挙げ、球団初の名球会投手となった北別府学(きたべっぷ・まなぶ)さんが16日午後0時33分、広島市内の病院で亡くなった。65歳だった。 北別府投手の投球フォーム 北別府さんを直接取材したことはなかった。ただ、懇意にさせていただいた元広島の「伝説のスカウト」こと木庭教(きにわ・さとし)さん(故人)から何度か北別府さんの話を聞かされた。 木庭さ...

今夏も東北勢から目が離せない 八戸学院光星、仙台育英、花巻東… 春の東北大会は熱かった

春季東北大会の取材で岩手に行ってきた。高校通算本塁打記録を更新中の花巻東(岩手)佐々木麟太郎内野手(3年)の一発は見られなかったが、ハイレベルな戦いを見ることができた。 17年ぶりに春の東北王者に輝いた八戸学院光星ナインは、笑顔いっぱいで記念撮影(撮影・濱本神威) 【7日】 今春、オープンした「きたぎんボールパーク」へ。盛岡駅からJR東北線の北上行きに乗って...

茨城にいた「大谷翔平2世」は最速150キロの二刀流 レンコンどら焼もゲット 第3試合は…

ゴールデンウィーク中の4月29日と5月3日の2日間、休みを取って高校野球を観に行った。 霞ケ浦対土浦日大 先発し力投する霞ケ浦・木村(撮影・星夏穂) 【4月29日】 千葉に好投手がいると聞いて春季大会が行われる市原市のゼットエーボールパークへ。 午前6時に都内の自宅を出発。東横線、地下鉄日比谷戦、JR京葉線、同内房線を乗り継いで五井駅へ。8時過ぎに到着したが...

元巨人の東北高・佐藤洋監督「ヒロシさんと呼ばせ」「丸刈りやめて」「BGM流して」名門復活

高校野球秋季東北大会で、東北(宮城)が準優勝。12年ぶりとなるセンバツ出場をほぼ確実とした。 春夏合わせ41度甲子園出場の名門を復活させたのは同校OBで元巨人の佐藤洋監督、60歳。8月に監督に就任。わずか2カ月で結果を出してみせた。 シートノックを行う東北・佐藤監督(撮影・相沢孔志) もっとも佐藤監督にとって今回の準優勝は第1歩に過ぎない。監督就任にあたって...

名門Y校ショートストップの素晴らしいスローイング 地方大会で印象に残った4選手

甲子園出場校を決める地方大会が7月31日、終了した。甲子園に出られなかったチームの中から印象に残った選手を紹介したい。 盛岡中央・斎藤(7月16日撮影・山田愛斗) まずは右投手から。 ネット中継で見た盛岡中央(岩手)斎藤響介投手(3年)のストレートに魅力を感じた。177センチ、68キロとけっして大柄ではない。それでもコンスタントに140キロ台後半のスピードを...

あぁ、栄冠は聖光学院に輝く 春季東北大会は熱かった/取材日記

7日から13日まで春季東北大会の取材で福島に出張した。大会は地元の聖光学院が4年ぶり4度目の春の東北王者に輝いた。 東北対聖光学院 4年ぶり4度目の優勝を果たした聖光学院ナイン(撮影・山田愛斗) 【7日】 まずは築地の会社へ。前日から始まった全日本大学野球選手権をテレビ観戦しながら速報。第2試合が終わったところで同僚に引き継ぎ、東京駅へ。新幹線で郡山に向かっ...

春の和歌山は熱く暑かった 智弁和歌山、和歌山城、和歌山ラーメン

近畿大会の準決勝と決勝を取材するため前週に続き和歌山へ出張した。 智弁和歌山対大阪桐蔭 公式戦29連勝でストップした大阪桐蔭ナイン(撮影・和賀正仁) 【28日】 前日27日、エンゼルス大谷翔平投手の速報後、東京から大阪まで移動。夜はホテルでロッテ佐々木朗希投手の阪神戦登板をテレビ観戦。岩手が生んだ大投手は好投も、揃って白星を挙げられなかった。 翌早朝6時2分...

近畿大会の和歌山から関東大会の宇都宮へ 750キロ長距離移動のてん末は…

5月20日から24日まで高校野球春季大会の取材で和歌山、宇都宮に出張した。最初の2日間は省略して、3日目の22日からの様子をリポート。 【22日】 JR海南駅からタクシーで紀三井寺球場へ。前日21日は和歌山市駅7時半発のバスに乗ったが日曜日は運休。アクセス方法を探ったところ、海南からタクシーが無難と判断した。 タクシー代金は1500円ほど。途中、小高い丘の上...

ドラフト会議 高校生は30人が指名受ける/ポジション別ランク

DeNAに1位指名された市和歌山・小園(左)は、口元についたマスクの繊維をロッテ1位指名の松川に取ってもらう(撮影・上田博志)

11日に行われたドラフト会議で高校生は30人(育成除く)が指名された。ポジション別に指名順位によるランク付けをしてみた。 【右投手】 9人が指名を受け、うち4人が1位指名された。1位は入札方式のため2球団が1位指名した市和歌山・小園が1位。2位はそれぞれ一本釣りされた天理・達、明桜・風間。阪神の外れ1位となった高知・森木が4位。「BIG3」と呼ばれた3人と、...

仙台育英、大阪桐蔭、花咲徳栄、智弁学園 夏の甲子園、優勝予想メール届く

5月30日、智弁学園対大阪桐蔭 閉会式で優勝旗を受け取る大阪桐蔭の池田主将(撮影・滝沢美穂子)

夏の甲子園を目指す熱い戦いが先週26日、全国のトップを切って南北海道で開幕した。今年も先日(6月19日)、高校野球ファンのNさんから恒例のメールが届いた。 Nさんから「優勝校予想メール」が届くのは今年で9年連続。新型コロナで中止となった昨年も{幻の夏」と題してメールをいただいた。Nさんは毎年、地方大会開幕前に(代表が決まってからではない)夏の甲子園優勝チーム...

北海・木村、敦賀気比・大島、大阪桐蔭・池田に注目

センバツ大会の開幕が19日に迫った。今大会の注目選手をピックアップしてみた。 まずは投手から。 最速150キロ超の投手が4人出場する。大阪桐蔭・関戸康介(154キロ)、市和歌山・小園健太(152キロ)、中京大中京・畔柳亨丞(151キロ)、大阪桐蔭・松浦慶斗(150キロ)。彼らの投球が楽しみなのは当然だが、4人以外に個人的に最も注目している投手がいる。北海のサ...

センバツ出場32校をズバリ予想 29日選考委員会

第91回センバツ高校野球大会の開会式(2019年3月23日撮影)

センバツ出場校を決める選考委員会が29日に迫った。出場32校をズバリ予想してみた。 ちなみに12年以降の予想は、12年=3校外れ、13年=2校外れ、14年=1校外れ、15年=2校外れ、16年=4校外れ、17年=1校外れ、18年=3校外れ、19年=予想休み、20年=2校外れ。 まずは例年最も頭を悩ませる21世紀枠から。今年は神宮枠がなく1校増えて4校になった。...

東大の夢かなわず 元名門4番が踏み出した新たな道

レッド吉田さん(左)と動画の収録を行う山本大貴さん(山本さん提供)

3年ぶりの再会だった。 2017年夏、名門・春日部共栄の4番打者として活躍した山本大貴さん(21)。 惜しくも埼玉大会準決勝で敗れ甲子園出場はならず。だが、彼にはもう一つの大きな目標があった。 「東大合格」。 大会前、東大を目指す名門校の4番打者として彼を取材した。学業成績はオール10。厳しい練習後、野球部寮に設けられた「東大ルーム」と名付けられた勉強部屋に...

合同練習会実現 18年前に米国で見たショーケース

大リーグの公式球(2020年2月22日撮影)

6月25日、興味深いニュースが飛び込んできた。日本学生野球協会が、日本高野連が申請したプロアマ共催による「合同練習会」の実施を承認したという。プロを目指す高校3年生救済へ、日本野球機構(NPB)と日本高野連がタッグを組んで、8~9月の週末に合同トライアウトを行うというのだ。 このニュースに18年前、2002年7月に米国で見た「ショーケース」を思い出した。 1...

幻の夏、甲子園優勝校は…今年も予想メール届く

甲子園球場(19年夏開会式)

5月下旬のある日、高校野球ファンのNさんから「幻の夏…」というタイトルのメールが届いた。 Nさんからは8年前から地方大会開幕前の6月に夏の甲子園優勝校を予想するメールをいただいている。ただ、コロナで甲子園大会が中止となった今年はさすがに来ないだろうと思っていた。しかし、今年もNさんからメールが来た。ご本人からも「お願いします」という言葉をいただいたので紹介し...

頑張ることはつながる…高校球児が受け継ぐエール 

甲子園球場

「頑張ることは…つながるんやって」 21日に放送されたNHK連続テレビ小説「エール」で、早大の応援部団長が主人公に語りかけた言葉だ。 夏の甲子園大会の中止が決まった一夜明け。応援歌「紺碧の空」を作曲してもらうため、古山裕一(窪田正孝)を涙ながらに説得する田中隆団長(三浦貴大)の言葉が心に刺さった高校野球ファンも多かったことだろう。 朝、新聞を開くと多数のプロ...

14都県、4地区で中止 春季大会開催状況一覧

関東大会が行われる予定だった山梨県の山日YBS球場

新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初めてセンバツが中止となった高校野球。春季大会も開催中止や延期が相次いでいる。3月31日現在、開催されているのは沖縄だけ。すでに東京、埼玉など14都県で春季大会の中止が発表された。また関東、東海、中国、四国大会も中止となった。地区大会と春季大会の開催状況を各都道府県高野連HPなどの情報をもとにまとめた。 【北海道】 札幌...

センバツ出場32校をズバリ予想 24日選考委員会

昨年のセンバツ決勝・習志野対東邦 優勝し歓喜の東邦ナイン(撮影・清水貴仁)

センバツ出場校を決める選考委員会が今週24日(金曜)に迫った。出場32校をズバリ予想してみた。 ちなみに12年以降の予想は、12年=3校外れ、13年=2校外れ、14年=1校外れ、15年=2校外れ、16年=4校外れ。17年=1校外れ、18年=3校外れ(19年は予想お休み) まずは例年最も頭を悩ませる21世紀枠から。 【21世紀枠=3校】 磐城(福島)平田(島根...

渡辺元智氏の金言「指導者は役者になった方がいい」

横浜高元監督の渡辺元智氏(2019年1月20日撮影)

元横浜高校監督の渡辺元智氏(75)が12日、東京・代々木で行われた野球指導者講習会にパネリストとして参加した。15年夏を最後に監督を勇退したが、変わらぬ情熱で小、中、高の指導者を前に熱く語った。 まずはこの講習会のテーマの一つでもある「投球数制限」について話した。渡辺氏は「1週間で500球以内」という答申を出した有識者会議のメンバーでもある。 「答申は尊重し...

履正社優勝 V予想6年ぶり外したNさんの敗因とは

夏の甲子園大会が終わった。履正社(大阪)が星稜(石川)を破り初優勝。決勝戦は手に汗握るナイスゲームだった。 初優勝を飾り喜ぶ履正社ナイン(撮影・清水貴仁) 翌日、私のもとに1通のメールが届いた。送り主は高校野球ファンのNさん。Nさんは毎年、夏の地方大会前に、その年の甲子園優勝校予想を送ってきてくれる。8~10校程度優勝候補を挙げてくるが、今夏、その中に履正社...

奥川、林、敦賀気比の1年生打者にも注目/甲子園

甲子園大会が6日に開幕する。個人的に注目する選手を挙げておきたい。 星稜・奥川(2019年7月28日) 【投手】 伊藤 樹(宮城・仙台育英=1年) 鈴木寛人(茨城・霞ケ浦) 飯塚脩人(千葉・習志野) 奥川恭伸(石川・星稜) 笠島尚樹(福井・敦賀気比=2年) 前佑囲斗(三重・津田学園) 林 優樹(滋賀・近江※) 中森俊介(兵庫・明石商=2年) 西舘昂汰(福岡・...

明石商、明豊、星稜がV候補 今年も予想メール届く

夏の甲子園を目指す熱い戦いが今週末の22日、全国のトップを切って南北海道と沖縄で開幕する。今年も先日(6月15日)、高校野球ファンのNさんから恒例のメールが届いた。 今春センバツで力投する明石商・中森俊介投手 Nさんから「優勝校予想メール」が届くのは今年で7年連続。Nさんは毎年、地方大会開幕前に(代表が決まってからではない)夏の甲子園優勝チームを予想する。過...

星稜・奥川投手と白えびと富山アルペンスタジアム

高校野球春季北信越大会を取材に富山県に出張した。 北信越大会3連覇の星稜ナイン 【5月31日】 早朝から会社でルーチンワークをこなし午後4時24分東京駅発の「かがやき」で富山に向け出発。上野、大宮に停まると次は一気に長野へ。トンネルが多く、車窓からの景色は思ったより楽しめず。午後6時34分、富山に到着した。 徒歩で5分程のビジネスホテルにチェックイン。とりあ...

県岐阜商新ユニホームと智弁対決を見に静岡~奈良へ

5月24日から26日間まで、春季東海大会と近畿大会をはしご取材した。 「智弁」がいっぱい 【24日】 午前7時過ぎ、都内の自宅を出発。東海大会の行われる静岡へ向かうため新横浜へ。「ひかり」で静岡へ。静岡まではノンストップで約40分。あっという間に到着した。改札でフリーライターのNさんと合流。徒歩で新静岡駅へ。静岡鉄道に乗り換え県総合運動場まで約10分。午前9...

「令和の怪物」大船渡・佐々木投手を見に岩手へ/2

釜石にサヨナラ負けで初戦敗退を喫した大船渡・佐々木(中央奥)は、表情を隠して相手を見つめる(2019年5月18日撮影)

「令和の怪物」163キロ右腕、大船渡の佐々木朗希投手の岩手県大会を取材しに再び岩手へ出張した。 【16日】 午前に都内の自宅を出発。岩手県の宮古市を目指す。まずは東京駅から新幹線「はやぶさ」で盛岡へ。そこから在来線「快速リアス」に乗り換えた。初めて乗る列車。1両編成で乗客は私を入れて15人ほど。盛岡の住宅街の中を20分ほど走ると深い山の中へと入っていった。 ...

「令和の怪物」大船渡・佐々木投手を見に岩手へ

「令和の怪物」大船渡・佐々木朗希投手(3年)を見に岩手に行ってきた。大型連休真っただ中の1日に東京を出発、6泊7日の長い旅になった。 住田対大船渡 1回表住田無死、令和初戦の第1球を投球する大船渡・佐々木(撮影・足立雅史) 【1日】 出張支度をしていつものように午前6時半に出社。ルーチンワークをこなしていると既に岩手入りしているK記者から午前8時過ぎにLIN...

智弁和歌山・細川、春日部共栄・村田らに注目

春日部共栄・村田賢一

センバツ高校野球が今日23日、いよいよ開幕する。開幕当日となってしまったが注目選手を何人かピックアップしてみた。 まずは投手から。 星稜・奥川恭伸(3年)と横浜・及川雅貴(3年)の2人はともに150キロ超の速球を投げ込むドラフト1位候補。奥川は制球力が抜群で安定感は今大会NO・1。一方の及川はサウスポー。183センチ、73キロの恵まれた体から最速153キロの...

イチロー引退 忘れられないレーザービーム記念日

イチローの「レーザービーム」を伝える01年4月13日付日刊スポーツ1面

忘れられないイチローのプレーがある。メジャー1年目の2001年(平13)4月12日。当日は編集局野球部の当番デスクだった。 鮮烈なデビューを飾ったイチローはアスレチックス戦に臨んでいた。ただこの日は休養日でスタメンを外れていた。8回表に代打で出場。安打を放つとその裏の守備で、その後イチローの代名詞となる「レーザービーム」という言葉を生むプレーが飛び出した。1...

福井国体取材日記 恐竜と根尾と輝星と松井博物館

9月29日から10月4日まで福井国体高校野球取材のため福井県に出張した。大会は台風のため短縮され準決勝、決勝が行われず。4強入りした浦和学院(埼玉)金足農(秋田)近江(滋賀)大阪桐蔭の4校が「優勝」(1位)を決めた。 常葉大菊川対金足農 試合前、マウンド上で「侍ポーズ」を披露する金足農・吉田(撮影・垰建太) 【9月29日】 昼過ぎまで都内の品川プリンスホテル...