初のカタカナ名前、初の外国人トレード 若生さんの交換相手ソロムコは個性派助っ人
プロ通算121勝の名投手、若生智男さんの訃報に接し、ある外国人選手を思い出した。若生さんとの交換トレードの相手だった、マイク・ソロムコ外野手である。さまざまな意味で、球史に名を残す存在である。 ソロムコは60年に米球界から阪神入りした。球団ではそれまでハワイから日系アメリカ人選手を獲得したことはあった。ただ、いわゆるカタカナ名前の外国人はソロムコが初である。...
プロ通算121勝の名投手、若生智男さんの訃報に接し、ある外国人選手を思い出した。若生さんとの交換トレードの相手だった、マイク・ソロムコ外野手である。さまざまな意味で、球史に名を残す存在である。 ソロムコは60年に米球界から阪神入りした。球団ではそれまでハワイから日系アメリカ人選手を獲得したことはあった。ただ、いわゆるカタカナ名前の外国人はソロムコが初である。...
ようやく連敗を止めた。それもギリギリの内容。ゲームセットのあと、トラ番に囲まれた監督の岡田彰布は「しんどいわ」と漏らした。 6月2日のロッテ戦。正直、ロッテの選手のことは深く知らなかった。そこで知名度より現実度ということを知った。その前の日本ハム同様、若い選手の躍動感が素晴らしかった。中でも小川、高部、友杉の小気味のいい動きに目を見張った。 とにかく積極的で...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ0-1阪神>◇2日◇ZOZOマリン「絶対、オレで止めたると思って」-。ヒーローインタビューで胸を張る才木浩人の関西弁が心地よかった。気が早い、早過ぎるけれど、もしも阪神がリーグ連覇に成功した暁にはMVPは才木浩人だろう。 もちろん、これから何がどうなるかは分からない。しかし現時点では間違いなくそうだ。これほどにブルペンを使わず、...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ0-1阪神>◇2日◇ZOZOマリン打線の状態が悪く、連敗が続いているチームが勝利するためには、やはり先発投手の踏ん張りが必要になる。 野球という競技は、どんなに得点できなくても、失点しなければ負けない。私は本格派投手ではなかったが、ここ一番で負けられない試合や、打線が湿りがちのときは「1点もやるものか。俺が点をやらなければチーム...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ0-1阪神>◇2日◇ZOZOマリン阪神が完封で今季ワーストの6連敗を阻止した。先発の才木浩人投手(25)が今季2度目の「1-0完封勝利」を飾り、リーグトップタイの6勝目。日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(40)は9回無死一、二塁からストレート勝負を続けた右腕の精神力に感嘆した。【聞き手=佐井陽介】 ◇ ◇ ...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ3X-2阪神>◇1日◇ZOZOマリン「もうエエわ」「もうエエやろ」-。敗戦後の指揮官・岡田彰布は連日のワンフレーズだった。本当はいろいろ言いたいのだろうが口を開けばグチになる。そもそもグッタリして話す気にもならないのか。正直、“取材拒否”というモードでもないのだ。 交流戦勝ちなしの4連敗で今季初の5連敗か。負けもそうだが接戦を落...
少年時代の苦労が、いまにつながっている。今季から阪神の通訳として伊藤ヴィットルさん(29)は、新天地で充実の毎日を送っている。22年までは社会人野球の日本生命で内野手としてプレー。選手から通訳への珍しい転身を果たした。 「外国人が日本に来ると、最初はいろんなことで苦労する。この仕事をしていたら、やっぱりそうだなと思う。ちょっとでも、力になりたいなと思ってやっ...
ドジャース打線は大谷を含め、ロッキーズ・ハドソンの術中にはまった。試合前の時点で、今季は10試合に投げ、1勝7敗、防御率5・54。普通にいけば、強力打線が打ち崩すだろうと思ってしまうが、全く違う結果となった。 大谷の打席を振り返ると、初回は1ボールから沈む球を引っかけ二ゴロ。4回の第2打席は、アウトコースにツーシームとカーブを出し入れされ、最後はカウント2-...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ5-4阪神>◇31日◇ZOZOマリン痛すぎる敗戦だ。交流戦3連敗、今季初の4連敗。久々の2桁安打を放ち“2点打線”にしては4点を奪ったものの、抑えのゲラがリードを守れず、延長10回、最後は漆原大晟が押し出し四球ときた。 痛すぎる…と決めつけるのは、独断で言ってこの試合は阪神にチャンスだったと思うからだ。ローテーション通りならロッ...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ5-4阪神>◇31日◇ZOZOマリン阪神がまさかのサヨナラ負けで今季ワーストの4連敗を喫した。1点リードの9回裏にハビー・ゲラ投手(28)が同点犠飛を献上。10回裏に漆原大晟投手(27)が2死走者なしから満塁とされ、最後は押し出し四球を許した。両チームのOBでもある日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)は、序盤から徹底してフルカウ...
<何かのご縁なので 後編>野球取材の現場は無数にある。いつもと違う場所に「何かのご縁なので」と行ってみる。今回のご縁は東京新大学野球リーグ。公式記録の訂正おわびメールがよく届く。その文面がとても律義だ。発信主は「学生委員長 鈴木青空」。どんな人物なんだろう。 ◇ ◇ ◇ 春季リーグ戦中の公式記録で、勝ち投手の訂正があった。報道各社にこんな...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神0-6日本ハム>◇30日◇甲子園厳しい。木曜のナイター、雨の可能性があったにもかかわらず今季最多観衆4万2614人が詰めかけた甲子園。その前で敵将・新庄剛志率いる日本ハムの強さばかりが目立った。阪神はまたも得点できない0封負け。交流戦でいきなり連敗、それも今季2度目の3連敗だ。これで本拠地試合での貯金もなくなった。 なにしろ打てな...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神0-6日本ハム>◇30日◇甲子園阪神が交流戦に入っても得点力を上げられない。一方の日本ハムはまんまと甲子園で連勝し、首位ソフトバンクに3ゲーム差に迫った。 吉田 全くいいところのなかった阪神、逆にいいところばかりが目立った日本ハム。チーム状態は対照的でした。阪神西勇は集中打を浴びた上に失策もあってリードを奪われた。打線は日本ハム山...
<日本生命セ・パ交流戦:巨人6-5ソフトバンク>◇30日◇東京ドーム12球団で得点が最少だった巨人が、5点のビハインドをひっくり返して逆転勝ちした。得点は3回に新外国人のヘルナンデスの来日初アーチと、不振だった4番・岡本和の逆転2ランなどで一挙6得点。「打てない」と言われた打線が奮起した。しかし、これから勝ち星を積み上げていくなら、やはり投手力を中心にした「...
岡田彰布は66歳、新庄剛志は52歳。年の差「14」の2人、阪神での接点はわずかな時間だった。バース、掛布が去った後、ひとり残った岡田も晩年を迎えていた。1992年、そこに現れたのが新庄だった。亀山とのコンビでタイガースに新たな風を吹かせた。 「入団してきた時から、身体能力の高さはずぬけていたわ」。岡田は当時のことを記憶している。「ああ見えて、礼儀正しい男やっ...
プロ5年目の阪神西純矢投手(22)は、母校・創志学園(岡山)の1学年下の後輩からの伝言に静かに耳を傾けてくれた。 言葉の主は立命大の主将、竹内翔汰外野手(4年=創志学園)。関西学生野球連盟で春季リーグの首位打者に輝いたプロ注目の打者だ。 春季リーグ最終戦を終えた後、記者は竹内から西純への伝言を預かった。 「西さんが投げられた試合は基本、全部見させていただいて...
<阪神2-8日本ハム>◇29日◇甲子園敵将・新庄剛志ばかりが目立つ試合になったかもしれない。メンバー交換で阪神時代の63番ユニホームをまとった新庄には笑わせてもらった。しかし仰天サプライズだけではない。上位を狙う今季の日本ハムは、評判通り、強い。 その最大の特徴は12球団トップの盗塁数「45」に代表される機動力だろう。スキあらば走ってくるし、常に次の塁を狙お...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-8日本ハム>◇29日◇甲子園阪神が交流戦スタートから出鼻をくじかれた。パ・リーグで優勝争いに参戦する日本ハムの実力を見せつけられた形だ。 梨田 日本ハムは新庄監督が仕込んだ試合前セレモニーから、絵に描いたような勝利だった。その“新庄ハム”を食い尽くしたい阪神だったが、逆に食われた感じだね。やりたいようにやられたし、この一戦に関...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-8日本ハム>◇29日◇甲子園 西本聖氏(67=日刊スポーツ評論家)が29日の阪神-日本ハム戦(甲子園)で両軍の現状を鋭く分析した。昨季日本一の阪神には「上積み」を感じず、就任3年目の新庄監督率いる日本ハムには「勢い」があるとした。 ◇ ◇ 前日は雨天中止で、この日が交流戦の初戦となった阪神-日本ハム戦。セとパの2...
大会を陰で支えた、補助員の選手、女子マネージャーたち(撮影・河野匠) 26日、白鴎大足利(栃木1位)の初優勝で、6日間に及ぶ高校野球春季関東大会が終わった。 表彰式が終わると、ほうきで丁寧にベンチをはく選手たちの姿があった。この日の大会運営の当番校、前橋育英の選手たちだった。熱戦の後のベンチでホコリまみれになりながらも一生懸命。それを見つめていた群馬県高野連...
ドジャースのムーキー・ベッツのバッティングの特徴に、動きが大きいわりにボールを捉える能力が高いことが挙げられる。まずは突っ立ったように構え、投手が動き始めるのに合わせてタイミングを取る。そこから膝を曲げ、前傾姿勢になって打ちにいく。一連の動きの中でタイミングを取ってバットを振り、ボールを捉えている。動体視力がいいのだろう。 今のメジャーの主流は「静から動」。...
<日本生命セ・パ交流戦:中日3-0西武>◇28日◇バンテリンドームいい意味でも悪い意味でも、監督が代わった西武は、交流戦での注目度が高くなった。ここで気になるのが「監督が代わってチームは強くなるのか?」ということ。渡辺監督代行は、日本一の経験もある監督。松井監督の悔しさを考えると同情してしまうが、実績的には申し分ない人選だったと思う。初戦を見ただけでこまごま...
阪神が対戦する日本ハムは、パ・リーグで“台風の目”としての存在感を示してきた。 ソフトバンクには2、3点で抑えないと勝てそうにない。前評判の良かったオリックスだが、相手によって動いた余裕が、今は切羽詰まっている動きにみえて仕方がない。 日本ハムから伝わってくるのは「守備」「走塁」に対する意識の高さだ。特に外野手の守備力はハイレベルで、新庄イズムが浸透している...
さすがスター。そんな感じです。28日に甲子園で予定されていた阪神の交流戦初戦・日本ハム戦は午後4時40分、悪天候のため、中止になりました。その直前「様子はどう?」と球場ロビーに登場したのが日本ハム新庄剛志監督でした。 姿を見せれば関係者の注目を一身に浴びます。甲子園と新庄。かつてを知る人、いや知らない人でもそのオーラを感じてしまう。スターとは、こういう存在を...
今年の高校生は遊撃手に逸材が多いと言われる。 大院大高対須磨翔風 3回表大院大高2死満塁、今坂幸暉は左飛を放つ(撮影・石井愛子) 18日から21日まで群馬県前橋市の関東大会で、25、26日は兵庫県明石市の近畿大会で注目のショートストップを見てきた。 まずは関東大会。 一番の注目は花咲徳栄(埼玉)の石塚裕惺。すでにドラフト上位候補の呼び声が高い。しかし右脇腹を...
「あのダルビッシュがなあ…」とつぶやきながら。日本高野連の名物事務局長だった田名部和裕さんは笑っていた。パドレス・ダルビッシュが日米200勝を達成した数日後だった。 19日、日米通算200勝を達成したパドレス・ダルビッシュ(USA TODAY) 快挙を伝える記事の中、日本ハム時代の喫煙事件が取り上げられていた。プロ1年目の春季キャンプ中、たばこをくわえながら...
<鳥谷スペシャル>日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)が27日、阪神貧打解消のキーポイントを考察した。チームは28日の日本ハム戦(甲子園)から交流戦をスタートさせ、31日ロッテ戦(ZOZOマリン)からはDH制も活用する。誰をどの打順でDH起用するのか。レジェンドは1番近本光司外野手(29)の役割にも注目している。【聞き手=佐井陽介】 ◇ ◇ ◇...
「うーん、それはないわ」。このひと言だけで、次の話に移った。 5月24日、甲子園で行われた巨人3連戦の初戦。練習前に阪神監督の岡田彰布と少しの時間、話した。話題は一向に上向かぬ打線について。「ここまで悪いとは…。この状態、まだ続くかもしれんな」と、岡田はさえない顔で漏らした。 こういう状況に陥った時、岡田という人は、大胆になにがしかの手を打つ。これまでもそう...
<阪神1-2巨人>◇26日◇甲子園2年目に入る指揮官・岡田彰布の第2次政権であるが、これほどボヤいたのは初めてではないか。そう思うぐらい情けなさそうに話した。もちろん、打線についてだ。 「伝統の一戦」にふさわしく今季、12球団最多となる4万2613観衆の前での逆転負けがこたえたのか。虎番記者の記事でも読んでほしいが、とにかく打線に文句たらたらだった。 「1-...
プロ4年目で、意識が変化した。ロッテ小川龍成内野手(26)は昨季、代走からの出場が多く、先発出場は4試合にとどまった。「去年までは、打席数が少なかったので、自分の持ち味を出すことしかできなかった」と振り返る。 今季はすでに18試合で先発出場。持ち味の俊足も生かし、攻守で活躍し、チームに貢献している。「スタメンだと1日4打席とかあるので、その4打席を自分の持ち...