【虎になれ】犠打できずおかしな流れにはまっていった阪神 中日に借金2

<阪神0-6中日>◇16日◇甲子園不思議な光景を見た気がする。 0-2の9回、なおも中日打線に3点を追加されて、敗色がいよいよ濃厚になっていた阪神。その2死一、三塁だ。ここで阪神ベンチは8回から登板していた3番手・木下里都に代わり、先日、支配下登録されたばかりの早川太貴をマウンドに送る。 それはいいのだが迎える打者は完投を目指す高橋宏斗だ。点差を考えれば、こ...
記者生活30年超の高原寿夫編集委員が、阪神タイガースに鋭く迫る。
<阪神0-6中日>◇16日◇甲子園不思議な光景を見た気がする。 0-2の9回、なおも中日打線に3点を追加されて、敗色がいよいよ濃厚になっていた阪神。その2死一、三塁だ。ここで阪神ベンチは8回から登板していた3番手・木下里都に代わり、先日、支配下登録されたばかりの早川太貴をマウンドに送る。 それはいいのだが迎える打者は完投を目指す高橋宏斗だ。点差を考えれば、こ...
<阪神2-3中日>◇15日◇甲子園なんとなくイヤな相手になるかもしれない。中日のことだ。延長11回の末に左腕・島本浩也が打たれ、阪神は7月の2敗目を喫した。それでも大きく響く敗戦ではないとは思う。そこにはセ・リーグの“現状”があるからだ。 先日、広島3連覇監督・緒方孝市(日刊スポーツ評論家)が言っていたことだが、この状況だと「取りこぼし」という感覚があまりな...
<阪神2-1ヤクルト>◇13日◇甲子園指揮官・藤川球児は開催中のイベントに引っかけ「『ウル虎の夏』ですね」と切り出した。ラストは右翼・森下翔太のビッグプレー。得点は佐藤輝明の2ランだ。スター2人の活躍に、復活した伊藤将司の好投もあり、虎党にはこたえられないゲームだろう。 だが、きわどい試合だったのも事実。どちらに転んでもおかしくない展開だったと思う。阪神打線...
試合の流れが変わりかねないプレーが出たのは4回の攻撃だ。2点のビハインドを大山悠輔、小幡竜平の連続適時打でひっくり返す。なおも無死一、二塁で坂本誠志郎は犠打で1死二、三塁に。ここで打順は豊田寛に回る。今季、新しく指揮官になった藤川球児が積極的に起用している選手だ。その期待に応えたい場面ではあったと思う。 だが打球は遊撃手の正面をつくゴロに。作戦はおそらくゴロ...
<阪神3-6ヤクルト>◇11日◇甲子園「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」。若い人はあまり知らないが中高年は誰でもうなずく短歌だろう。歌人・俵万智の歌集「サラダ記念日」(87年初版発行)に収録されたこの短歌が有名になり、広まった。 ここ数日、阪神の“記念日”も続いていたのである。今月8日は「最速M記念日」だ。闘将・星野仙一の下で戦った...
<広島3-6阪神>◇10日◇マツダスタジアムマツダスタジアムの広島ファンは赤い風船を持つ手がしびれていたかもしれない。7回裏、応援歌「それ行けカープ」に合わせて宙に飛ばすため、大きく膨らませていたがその表の攻撃が長すぎた。6回裏に逆転に成功した…と思った直後、一挙、阪神打線が5点を奪うのである。 この回は森下翔太、佐藤輝明の阪神が誇る3、4番に連続適時二塁打...
<広島1-3阪神>◇9日◇マツダスタジアム佐藤輝明は必ずタイトルを取らなければならない。そう強調するのは広島3連覇監督の緒方孝市(日刊スポーツ評論家)だ。 広島に来たので久しぶりにゆっくり話す機会をつくった。そこで強調していたのは佐藤輝がタイトルを獲得する「必要性」についてだ。 緒方自身、強烈に記憶に残るのはカープ時代の恩師・山本一義から言われたことである。...
<広島1-6阪神>◇8日◇マツダスタジアム今の阪神には「勝つ流れ」がある。逆説的な感覚でそう思う場面があった。前川右京の適時二塁打で3点リードとなった4回、1死満塁。打席は9番の才木浩人に回ったところだ。 才木は初球にバントの構えをするなど揺さぶっていたが、正直、ここは何もやらないと予想していた。2死満塁で1番・近本光司に回れば十分と思ったからだ。バットに当...
<DeNA1-5阪神>◇6日◇横浜なんとまあ、圧倒的なことよ。苦手の部類に入るDeNAジャクソンに対し、1回から森下翔太、佐藤輝明が連弾をぶちかまし、一気に阪神ペース。伊藤将司が好投する間に、中押しもダメ押しもあって、言うことなしの圧勝である。8連勝で貯金は今季最多の「15」にまで増えた。 試合前まで今季最多タイだった貯金「14」は交流戦で7連敗を喫する前の...
先発デュプランティエ(愛称デュープ)は圧倒的だった。 強打のDeNA打線をほとんど相手にせず、散発3安打で完封。猛暑の中、屋外球場でのゲームが続くところでブルペン陣を温存できたのは大きいし、貢献度は高いと思う。 1カ月前に彼を高く評価していたのは日本ハム監督・新庄剛志だ。交流戦での対戦前に警戒していたが、はたしてデュープは6月5日の日本ハム戦(エスコンフィー...
「意気に感じる」なんて言葉はこのご時世、ほとんど死語のような気もするが、この試合を見ていて、思わずその言葉が頭に浮かんだのである。シーズンには「いいな」と思うゲームが何度かあるがこれはその1つだ。5球団の中でも比較的、苦しんでいるといえるDeNA相手に逆転勝利できたのは、それ自体がいいのだけど、逆転した内容、様子にそう思う。 阪神1点ビハインドの7回裏、1死...
<阪神3-2巨人>◇3日◇甲子園NHKの朝ドラ「あんぱん」を見る。主演・今田美桜がときどき高知弁で「たまるかー」と発するのが面白い。「アンパンマン」で知られる高知出身のやなせたかしとその妻を中心に展開するストーリー。朝ドラは当たり外れがあるが、なかなか当たりの方だ(個人の感想です)。 「たまるかー」はうれしかったり、驚いたりのときに出る感嘆符のようなものらし...
<阪神1-0巨人>◇2日◇甲子園大竹耕太郎と井上温大の投手戦。少し驚いたのは8回、巨人の攻撃だ。 先頭の代打キャベッジが内野安打で出て無死一塁。ここで打席は1番・丸佳浩に回った。丸はここまで2安打。大竹にとって、しのぎどころやな…と感じたが巨人ベンチの策は犠打だ。丸はこれを投手前に決め、1死二塁と得点圏に走者を送った。しかし後続なく、無得点に終わったのである...
<阪神2-1巨人>◇1日◇甲子園石井大智が頭部に打球を受け、戦線離脱した6月6日のこと。その朝、阪神ナインは札幌・新千歳空港からの便を利用している。前日までの日本ハム3連戦に勝ち越し、交流戦2カード目、いわゆる“移動ゲーム”のナイター、オリックス戦を甲子園で戦う前だ。 早割で安いチケットが取れていたので、こちらもたまたまその便に乗った。出発ゲートを越えて機内...
<ヤクルト0-6阪神>◇29日◇神宮完勝だ。最下位に沈むヤクルト相手とはいえ、投げては酷暑のデーゲームで伊藤将司が復活をアピールする完封劇。 打っては打点王を争う3番森下翔太、4番佐藤輝明のアベック弾も出て、虎党にはこたえられないゲームになった。 前川右京が6番スタメンに復帰し、森下が右翼、佐藤輝もサードにそれぞれ戻って、開幕時のオーダーに回帰。シーズン後半...
<ヤクルト0-2阪神>◇28日◇神宮勝つには勝ったが…という気がしてならない。 森下翔太の1発による2点をディプランティエからのリレーでヤクルト打線を0封しての勝利。「最後までいいゲームになったと思いますね」。指揮官・藤川球児はそう振り返った。 実際、投手を中心にした守りの野球は阪神の持ち味である。相手に得点を与えず、少ないリードを守り切れたのは大きい。リー...
<ヤクルト4-3阪神>◇27日◇神宮村上頌樹もか…と思った。7回、ヤクルト打線の2発で同点にされた先発・村上はこの回限りで降板する。8回表に阪神の勝ち越しもなく、雨天による中断にもめげず、続投していたものの勝利投手にはなれなかった。 近年のペナントレース、1つの区切りである交流戦からリーグ戦再開のタイミング。注目したのは12球団の先発投手だ。3カ月前、3月2...
昔話にお付き合いいただいて、イチローが甲子園に初登場したときのエピソードである。日米レジェンドのイチローが、オリックス在籍中に甲子園でプレーしたのは2試合のみ。当時、交流戦はなかったので公式戦の甲子園でイチローがプレーしたことはない。 オープン戦も1試合だけ。オリックス最終年の2000年3月11日に甲子園で開催された阪神戦にスタメン出場している。3打数2安打...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-3ソフトバンク>◇22日◇甲子園やはり、阪神1点ビハインドの7回裏だろう。短い間にいろいろな場面が展開され“ツッコミどころ”満載という感じか。少しだけ説明すれば先頭の大山悠輔が左前打。続く高寺望夢はバントの構えで入ったがバスターエンドランを決め、無死一、三塁に。これで甲子園は最高潮。無死一、三塁はもっとも得点しやすいケースとさ...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0ソフトバンク>◇21日◇甲子園交流戦に強いソフトバンク戦に勝ったが指揮官・藤川球児はあまりご機嫌がいい様子には見えなかった。試合を見ていれば分かる気もする。1回に首尾よく3点を先制したが、その後の展開がよくなかった。 2回に近本光司が先頭で出たがソフトバンク側のリクエストがあった結果、盗塁死。3回は1死一塁から小幡竜平のバン...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-2ソフトバンク>◇20日◇甲子園投手戦、接戦を予期したビッグプレーだった。阪神1点ビハインドの2回表。この回先頭の牧原大成が右翼線二塁打を放ち、無死二塁となった。ここで8番・海野隆司の当たりはセンター前へライナーだ。 これに突っ込んできた中堅・近本光司が、さらに前へダイブして地面すれすれでキャッチ。すでにスタートを切っていた二...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-0ロッテ>19日◇甲子園阪神ディプランティエ、ロッテ種市篤暉の投手戦、勝敗の分岐点は4回、阪神の攻撃だろう。先頭の6番・小幡竜平が中前打で出た無死一塁。ベンチのサインはラン・エンド・ヒットだったはず。ここで坂本誠志郎が放った打球は中前へフラフラと上がった。 中堅手にダイレクトで捕られれば一塁へ転送されてゲッツーだ。それを避ける...
<日本生命セ・パ交流戦:阪神8-1ロッテ>◇18日◇甲子園「打つならもっと早う打てよ」。うれしさを隠し、そう言いたくなるのも虎党だったりして。とにかく8回、佐藤輝明のちゃんと走り出した一発を含め、一気に5得点。計8点でロッテに快勝、連敗を「7」で止めた阪神である。 なにしろ連敗中は4点止まり。ジリジリする展開の日々だったが、これでなんとか抜け出した。さらにも...
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ3-1阪神>17日◇甲子園これは厳しい。大阪弁で言わせてもらえば「ドツボにはまっとる」という感じである。それを強く感じた場面は2点を追う展開になっていた8回の攻撃だ。途中出場の坂本誠志郎が左前打で出て、無死一塁。ここで打順は近本光司に回る。 ちょっと見せ場、できるかな。そう思った瞬間だ。近本の放った強い打球は遊撃正面を突く。ロッ...
<日本生命セ・パ交流戦:楽天3-2阪神>◇15日◇楽天モバイルパークなぜ岡田彰布(前監督、オーナー付顧問)が仙台のローカル放送に出ているのか。試合中に流れる各スポーツ紙発のネット記事を見て、そう感じた虎党もいたかもしれない。 岡田は仙台の東日本放送(テレビ朝日系)で以前、放送されていたスポーツ番組で“最高顧問”を務めていた。阪神でやるより前から「顧問」だった...
<日本生命セ・パ交流戦:楽天5-4阪神>◇14日◇楽天モバイルパーク「代打、キナミーッ!」。あの場面、指揮官・藤川球児にそう叫んでほしかった。そんな風に思えて仕方がないのである。 阪神が1点を追う形になっていた9回表。元猛虎戦士・加治屋蓮を攻め、1死満塁の好機だ。ここでベンチは途中出場していた梅野隆太郎に代わり、糸原健斗を代打に送った。残る捕手は栄枝裕貴1人...
これはいけるか-。1点を追う9回1死二、三塁と絶好のチャンスでそう思ったが3番・森下翔太、4番・佐藤輝明が則本昂大に抑えられ、阪神は楽天の前に1点差で屈した。今季ワーストタイの4連敗。交流戦は5勝5敗の五分だ。 試合前「ははあ」と思ったスタメン発表だった。6番に捕手・坂本誠志郎が入っている。最近、勝負強い打撃が目立つ坂本だが6番は今季初めて。2回にしぶとく四...
<日本生命セ・パ交流戦:西武4-1阪神>12日◇ベルーナドーム叱られるかもしれないがオールド・ファンには懐かしいムードだろうか。やることなすこと、うまくいかず逆転負け。「昔はこんなんやったな」。苦い記憶を思い出していた虎党も少なくないはず。強い阪神しか知らない若いファンに「こんな試合ばっかしてた時代から強くなったんやで」と教えてあげてください。 と言ったけれ...
選手起用は采配同様、監督の“専権事項”だ。どういう場面で、どんな選手起用をするか。それは監督が決めること。いわゆる“外野”から、どうこう言っても仕方がない。 さらに言えば、チーム内にしか分からない事情、状況というものも必ず存在する。別にプロ野球に限らず、どんな組織、あるいは家庭においても同じことだろう。外側から見て「おや?」と思うことがあっても、それは内部の...
<日本生命セ・パ交流戦:西武4-2阪神>◇10日◇ベルーナドーム8回に登板した鉄腕左腕・桐敷拓馬が2点のリードを守れず被安打5、4失点を喫してしまった。 逆転負けの阪神、ある意味、きょう11日の西武2戦目は初の「交流戦V」、さらにその後へ向けて、大きなポイントになると見ている。 先発・才木浩人は絶好調という感じではなかったが地力を発揮し、6回まで西武打線を相...