ニッカンプロ野球

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虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】“得意技”四球攻撃を繰り出し勝利 1試合の平均四球3・6個と昨季を上回るペース

DeNA対阪神 逆転勝利に笑顔を見せる大山ら(中央左)、中野(同右)ら阪神ナイン(撮影・山崎安昭)

<DeNA3-5阪神>◇24日◇横浜間違いなく大きな勝利だろう。雨が降り続く中での試合。「最後まで何が起きるか分からんような展開」。指揮官・岡田彰布をしてそう振り返ったゲームは、しかし、先制点と決勝点がいずれも「ノイジーの押し出し四球」というところが阪神の強みを象徴する。 9回、勝ち越しとなる押し出し四球を選んだ瞬間、ノイジーが何ごとかほえた。助っ人もこの雨...

番記者コラム・阪神

トミー・ジョン手術は「大谷翔平さんがしているから分かりやすい」小川一平の笑顔が順調の証し

阪神小川一平(2024年4月13日撮影)

阪神小川一平投手(26)は右肘の手術痕を見つめて「大谷翔平さんとほぼ一緒やんって言われます」と笑う。昨年9月に「右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術」(通称トミー・ジョン手術)を受けた。オフには友人、家族から「トミー・ジョン手術って大谷翔平が受けたやつだよね」と声をかけられた。 「大谷さんがしてくれているから、分かりやすいですよね。トミー・ジョン手術=野球選手...

評論家コラム

【大石大二郎】阪神佐藤輝明は今のままだとしんどい タイミングのとり方がさらに良くない方向に

DeNA対阪神 4回表阪神無死一塁、空振りしヘルメットを飛ばす佐藤輝(撮影・河田真司)

<DeNA3-5阪神>◇24日◇横浜土砂降りのハマスタで“勝利の女神”は虎に微笑んだ。9回にDeNA山崎を引きずり下ろし、2点差をひっくり返した。 大石 山崎の不調に付け込んだ阪神は、先頭の代打糸原が出塁したのが大きかったですね。ぼくは1回から6回まで毎回続けて先頭打者が出塁したゲームは記憶にない。阪神は降雨で早い仕掛けをしたが点をとれなかった。結局は先取点...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】元気者・度会隆輝に打たせるな 阪神3度目ドローも大きい試合だ

DeNA対阪神 12回裏DeNA2死二、三塁、空振り三振して悔しがる度会(左)。投手岩崎(撮影・山崎安昭)

<DeNA1-1阪神>◇23日◇横浜ドラ1ルーキー・度会隆輝を空振り三振に切り、敵地・横浜スタジアムで引き分けに持ち込んだことは大きいと思う。これは今後のDeNA戦にも意味を持つと、独断で予測したい。 勝負事、特に長時間、試合を行う野球には“流れ”が存在する。ちょっとした何かをきっかけに流れがよくなったり、その反対だったり。流れをもたらす存在もいる。そういう...

評論家コラム

【梨田昌孝】DeNAの猛追かわした阪神5人の投手起用 ポイントは村上頌樹に「8回」任せたこと

DeNA対阪神 引き分けに持ち込んだ選手をタッチで迎える阪神岡田監督(中央)(撮影・山崎安昭)

<DeNA1-1阪神>◇23日◇横浜阪神は負けていれば首位から転落していた。阪神5人、DeNA8人で計13人の投手起用。結果は4時間13分を戦った末のドローだった。 梨田 阪神は9回から4イニング続けてサヨナラのピンチに見舞われたが、それを耐え忍んだ。勝つに越したことはないけど、ゲームを落とさないのが大事で、負けなくて良かったという一戦だったね。リリーフ4人...

評論家コラム

【西本聖】佐々木朗希が勝てなかったのは、なぜなのか? 今後の課題が見えた試合

ロッテ対ソフトバンク 4回表ソフトバンク無死、今宮に右前打を浴びる佐々木(撮影・鈴木みどり)

<ロッテ2-4ソフトバンク>◇23日◇ZOZOマリン中8日の先発となった佐々木朗希が、7回3失点の投球をしたが、今季初黒星を喫した。 エラーもあり自責点は2点。球数は105球で、今季3度目の100球以上をクリア。それでも勝てなかったのは、なぜなのか? 今後の課題が見えた試合だった。 ここまでの佐々木の登板を見ていて、左肩の開きが早いことが気になっていた。まだ...

番記者コラム・オリックス

中嶋聡監督ら出身地秋田で8年ぶり試合 小木田敦也-吉田輝星「秋田リレー」なるか

オリックス中嶋聡監督(2024年4月11日撮影)

オリックスのチーム内でも話題となっていた長期遠征が5月に待っている。6日・仙台(対楽天)→8日・秋田(同)→11日・宮崎(対ソフトバンク)→12日・鹿児島(同)→14、15日・那覇2連戦(対ロッテ)と続くもの。その中で、秋田での試合はチームにとって16年以来。同県にゆかりのある人もいる。 出身者としては中嶋聡監督をはじめ、投手では3年目右腕の小木田敦也と、昨...

岡田の野球よ

【内匠宏幸】ベンチ組を大事にする岡田彰布「アイツらで十分」植田海、熊谷敬宥の評価

24年4月16日、阪神対巨人 7回裏阪神1死二、三塁、三走植田海(右)は代打糸原健斗の右犠飛で生還する

中日との初戦(4月19日)、試合前の練習を終えたあと、ヘッドコーチの平田勝男が近づいてきた。「いやー、よく粘ったかいがありました。監督が言っていた通り、チームがガラリと変わりましたからね」。長く続いた底の状態を抜けた。ポイントになったのは? こちらの問いに平田は即座に返してきた。「あのゲームです。よく引き分けたから。負けていたら、どうなっていたか。巨人と引き...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】誰にでもできることをキチンとやった木浪聖也、流れ変えたあの場面 阪神首位浮上

阪神対中日 4回表中日無死一塁、一塁走者カリステは中田の中飛で二塁へタッチアップも濡れた土とベースで塁上に止まれずアウトになる。野手は木浪(撮影・加藤哉)

<阪神3-0中日>◇21日◇(甲子園)強竜ファンにすれば「ここまでやったのに止めるのか…」という思いも募ったかもしれない。それでも独断で言って申し訳ないが、あの3ランで、まず決まりなのは野球好きなら分かるのではないだろうか。 それほど衝撃的な佐藤輝明の1発だった。ライナーでフェンス直撃か。そう思ったら、そのままスタンドイン。雨も無縁のすさまじいパワーだ。まる...

田村藤夫のファームリポート

【田村藤夫】ヤクルト高卒ルーキー捕手・鈴木叶へ サインは完璧に覚えなきゃダメだぞ!

ヤクルト鈴木叶(2024年3月撮影)

【177】<ファームリポート:ヤクルト2X-1ロッテ>◇21日◇戸田ヤクルトの高卒ルーキー捕手・鈴木叶(18=常葉大菊川)がサヨナラヒットを放ち非常に印象に残った。また、キャッチングの技術的な部分と、もっとも根本的な部分での課題と、いろんな側面を見ることができた。    ◇   ◇   ◇ サヨナラヒットを放った場面では、フォークを鮮やかにレフト前に運んだ。...

評論家コラム

【岩田稔】雨中で光った阪神才木浩人の奪三振力 簡単にゴロを打たせない特殊能力が内野手助けた

阪神対中日 力投する阪神先発の才木(撮影・前田充)

<阪神3-0中日>◇21日◇甲子園虎が今季初の6連勝で首位に浮上した。雨が降り続く悪条件下での完勝。元阪神投手で日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(40)は古巣の勝利を見届け、7回完封勝利を飾った才木浩人投手(25)の特殊能力を絶賛した。【聞き手=佐井陽介】 ◇ ◇ ◇ ◇ 先発投手にとっては相当にタフなゲームとなりました。試合開始が53分も遅れ、準備のテンポを大...

野球の国から

大谷翔平の周りには魅力が満載“酔える”ブドウ畑や熱気球、乗馬での光景/カリフォルニア紀行3

<大谷翔平から足を延ばせば(3)>ドジャース大谷翔平投手(29)の誕生で、カリフォルニアを訪れる日本人がますます増える。“最高のプレイグラウンド”を全世界にPRするカリフォルニア観光局のプレスツアーに日刊スポーツの野球記者が参加。市販ガイドブックにはない魅力を探した。    ◇   ◇   ◇    ロサンゼルス圏の海岸から130キロほど、車に揺られた。仮眠...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】先発全員安打の阪神、最後にヒットを打ったのは誰でしょう?そこには打撃の極意が…

阪神対中日 7回裏阪神1死一、二塁、右前適時打を放つ中野(撮影・前田充)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園どないしたんや? と言いたくなる変身ぶりだ。湿りきった「2点打線」はどこへやら。打ちも打ったり、阪神は先発全員安打の14安打、得点はそれを上回る15点をマーク。甲子園では今季初のデーゲームとなった首位・中日戦は「虎祭り」と化したのである。 そこでクイズです。先発投手・大竹耕太郎を含むスタメン全員が安打を放ったこの試合、最後...

田村藤夫のファームリポート

【田村藤夫】日本ハムの快速左腕・細野晴希は今後、空振りを取るようになるかが鍵を握る

日本ハム対オイシックス プロ初登板を果たした日本ハム細野(撮影・黒須亮)

【176】<ファームリポート:日本ハム3-0オイシックス>◇20日◇鎌ケ谷日本ハムのドラフト1位・細野晴希投手(22=東洋大)がプロデビュー戦で先発した。1イニングだけだったが、最速158キロ左腕の片りんは十分に感じることができた。      ◇     ◇     ◇ 全16球のうち11球がストライク。うち変化球は6球投げて、4球がストライク。制球はいいと...

番記者コラム・阪神

893日ぶりに帰ってきた高橋遥人 何度も度肝抜かれた直球と愛されるトークを次は1軍の舞台で

4月17日、阪神対オリックス 阪神先発の高橋遥人

元気に投げる姿が、個人的にもうれしかった。阪神高橋遥人投手(28)が893日ぶりとなる実戦復帰を果たした。17日ウエスタン・リーグ、オリックス戦(鳴尾浜)で先発し、1回を1安打無失点。「入団してから1回も見たことない人もいると思うので、普通に珍しいだろうな。珍しいからみんな応援してくれてるかなという感じですかね。ありがたいです」。チームメートに感謝する言葉も...

評論家コラム

【谷繁元信】判断ミスで流れ手放した中日 阪神はベンチの意図を選手が理解、通常運行になった

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園阪神対中日 2回裏阪神1死一、三塁、大野は中野に四球を与え痛恨の表情(撮影・加藤哉) 2回でほぼ勝負は決まった。「ミスをした方が負ける」という典型的な試合だった。 中日は攻撃では(1)2回表、上林が飛び出しアウト。守りでは(2)1回裏に大野が先頭へ四球。(3)2回裏も先頭へ四球。(4)無死満塁となり、大野が大竹のゴロをはじ...

評論家コラム

【大石大二郎】阪神坂本、木浪の「見事なつなぎ」大山はチームに勇気と勢い与える打撃内容

阪神対中日 1回裏阪神2死二塁、先制の中前適時打を放ち筒井コーチ(左)とグータッチを交わす大山(撮影・前田充)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園現役時代は近鉄一筋17年で4度の盗塁王に輝き、オリックスで監督を務めた日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏(65)が試合をチェック。今季初の先発全員安打の15得点で快勝したポイントを分析しました。    ◇   ◇   ◇ 阪神は2回に一挙7点のビッグイニングを作り、先発全員安打の大量15得点で連勝を5に伸ばした。ポイントは坂...

野球の国から

大谷翔平の壁画にアトラクションのような現実世界 魅惑LAビーチサイド/カリフォルニア紀行2

<大谷翔平から足を延ばせば(2)>ドジャース大谷翔平投手(29)の誕生で、カリフォルニアを訪れる日本人がますます増える。“最高のプレイグラウンド”を全世界にPRするカリフォルニア観光局のプレスツアーに日刊スポーツの野球記者が参加。市販ガイドブックにはない魅力を探した。     ◇    ◇    ◇   大谷がいた。ロサンゼルス空港の南10キロほど、ハモサビ...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】快勝の裏にあった2回の大勝負 4連勝岡田阪神 今季初貯金

阪神対中日 中日に勝利し、青柳らとタッチを交わす阪神岡田監督(右から2人目)(撮影・藤尾明華)

<阪神7-0中日>◇19日◇甲子園指揮官・岡田彰布の予言が的中した試合となった。前日18日、スコアは2-1だったものの阪神打線は2桁安打を放って、巨人にサヨナラ勝ち。試合後、テレビ・インタビューで岡田はこんな話をしていた。 「今日でちょっと吹っ切れたかもわからないですね、打線も。明日からもっと打ってくれるでしょう」。まさにその通りの結果となった。打線は2日連...

評論家コラム

【桧山進次郎】森下&大山弾で快勝&4連勝も課題は三塁で止まった佐藤輝明の走塁

阪神対中日 5回裏阪神1死、大山は中越えソロ本塁打を放つ(撮影・上山淳一)

<阪神7-0中日>◇19日◇甲子園現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(54)が試合をチェック。4番大山にも待望の1発が出るなど低調な打線が目を覚ました快勝試合で、あえて佐藤輝明内野手(25)の走塁を課題に挙げました。【聞き手=松井清員】 投打がかみ合って、今年一番ともいえる快勝でした。特に低調だった打線は3番...