【虎になれ】岡田彰布のにおいを感じさせる藤川球児 采配が楽しみだ
13日を最後に退任した前監督・岡田彰布が指揮についた22年オフ、一部にこんな論調があった。「チームを勝たせるのは当然、監督としての後継者を育てるのも使命だ」。特に古くから岡田を知るメディア関係者の中に多かったように思う。そういう人たちの意見を受け、ネットでもその手のコメントもよく見た。 申し訳ないが、こう思っていた。「そんなはずないやろ」と。当時からチラホラ...
記者生活30年超の高原寿夫編集委員が、阪神タイガースに鋭く迫る。
13日を最後に退任した前監督・岡田彰布が指揮についた22年オフ、一部にこんな論調があった。「チームを勝たせるのは当然、監督としての後継者を育てるのも使命だ」。特に古くから岡田を知るメディア関係者の中に多かったように思う。そういう人たちの意見を受け、ネットでもその手のコメントもよく見た。 申し訳ないが、こう思っていた。「そんなはずないやろ」と。当時からチラホラ...
<セ・CSファーストステージ:阪神3-10DeNA>◇第2戦◇13日◇甲子園異例の幕切れではあった。敗退が決まれば、通例なら指揮官以下、ナインがグラウンドに立ち並び、1年間の礼をするもの。それがなかった。さらにシーズンが終われば「オーナー報告」という行事もあるのだがそれも予定しないという。 球団によれば、すべては指揮官・岡田彰布の体調を考慮して、ということだ...
<セ・CSファーストステージ:阪神1-3DeNA>◇第1戦◇12日◇甲子園テルよ、打て! ここで言いたいのはそれしかない。DeNAとのCS初戦、阪神は完敗を喫した。4万2642人の観衆を飲み込んだ甲子園は1回から最高潮のボルテージだったが終わってみれば1-3。9回に木浪聖也の適時打で1点こそ返したもののハッキリ言って見どころはほとんどない試合だったと思う。 ...
あと「10勝」だ。それができれば阪神は2年連続日本一に到達できる。12日に始まるクライマックスシリーズ、ファーストシリーズでDeNAにまず2勝。そしてファイナルで巨人に4勝、そこから日本シリーズでパ・リーグ代表に4勝だ。2+4+4=10である。 日本一に輝いた昨年、阪神はシーズンだけで85勝53敗5分けという成績を収めた。今季は74勝63敗6分けなので、ポス...
ちょっと不思議な感じもする“発表”だった。言うまでもない指揮官・岡田彰布の退任劇だ。クライマックスシリーズへ向けて練習が再開された6日、阪神球団社長・粟井一夫が岡田の今季限りでの退任、フロント入りを明かした。 一般にはこういう発表は事前に告知し、報道陣を集めるものだが、そこは常に新聞からテレビから記者がうじゃうじゃいる阪神、即席の囲み取材で十分、公式発表にな...
<DeNA1-3阪神>◇3日◇横浜カブス鈴木誠也が広島にいたとき、こういう話をしたことがある。指揮官・緒方孝市(現・日刊スポーツ評論家)の3連覇時代。ハッキリ言って緒方は厳しい監督だったと思う。ベンチ裏などはともかく、ファンの目に見えるところで笑いながら選手と話すようなことはまずなかった。ピリピリしていたのである。 「緒方監督、こわいかな?」。雑談で鈴木に聞...
<阪神0-2DeNA>◇30日◇甲子園満員の甲子園に流れる「六甲おろし」である。長年の習性で、一瞬、「負けたのになんで?」と思ったが、この日だけは特別だ。今季主催公式戦のラスト。この日も4万2620人を飲み込み、通算300万人を突破した甲子園はとりあえず、ひと区切りというムードだろうか。 その区切りの試合で不名誉な記録をつくってしまうところだった。DeNA先...
<阪神7-6DeNA>◇29日◇甲子園ずばりCS前哨戦だ。DeNA23回戦は阪神が7回に一挙5得点で逆転勝利。2位を確定させた。これでクライマックスシリーズはまず甲子園で3位チームを迎え撃つ形になる。そこを勝ち抜いて東京ドームへ乗り込むのだ。DeNAにすれば、それこそ3位を決めたい戦い。シーズン最終盤まで来ても真剣勝負だ。 そんな戦いの中で、しぶいシーンを見...
<ヤクルト7-2阪神>◇28日◇神宮神宮で9回表に佐藤輝明が最後の打席に入っているころ、マツダスタジアムで巨人が優勝を決めた。球団初のリーグ連覇への夢がついえた瞬間だ。ここに至るまでポイントは多くあったろうが、やはり23日の敗戦は大きかったと思う。 「あそこのゲームやな。今年を象徴しているような。そういう負け方やったもんな」。V逸が決まったこの日、指揮官・岡...
<広島3-2阪神>◇27日◇マツダスタジアム反撃の本塁打を放ちながら、こんなところで名前を出されてしまう。それが佐藤輝明のつらさということかもしれない。痛恨の1敗を振り返り、そんなことを思ってしまった。 広島対阪神 12回裏広島1死二塁、末包昇大にサヨナラ二塁打を浴びた村上(中央)はうつむきながらベンチに引き揚げる(撮影・上田博志) サヨナラ負けのきっかけは...
そうか。ええやんか。こっちも同じ思いやで。心の中で、つぶやいた。3日連続で試合予定のない阪神は、この日も甲子園で全体練習。指揮官・岡田彰布は前日に次いで虎番キャップたちを前にあれやこれや、と話した。そこで出た話題が心に残った。 「おう。アイツなんか特によお分かってるよ。ソフトバンクとしたいらしいから」。27日の広島戦(マツダスタジアム)で先発する左腕・大竹耕...
<阪神0-1巨人>◇23日◇甲子園王道野球で散った-。そんな気もする今季ラストの巨人戦だった。前日の「1-0勝利」の後は痛恨の「0-1敗戦」。虎党のため息とともに首位・巨人はM4となり、ゲーム差は再び「2」に開いた。 甲子園を埋め尽くした虎党の大声援を受け、序盤から優勢に進めたように見えた試合だ。だが「あと1本」が出ない。6回までイヤというほど、そんな場面が...
<阪神1-0巨人>◇22日◇甲子園才木浩人は投球以外でも“ストライク”を投げたことが勝利につながったのかもしれない。1-0で阪神が勝った試合の流れを一気に引き寄せたのは開始早々、1回表の守備だ。 広島時代から優勝経験豊富な丸佳浩が才木からいきなり二塁打を放つ。無死二塁。ここで2番・浅野翔吾は犠打を試みた。これを素早く処理した才木は迷わず三塁へ送球。二走・丸は...
<DeNA5-6阪神>◇21日◇横浜「勝ててよかった…」。死闘とも言える試合を制した後でつぶやいたのは島本浩也だ。勝利投手の権利があった青柳晃洋を4回2/3であきらめ、指揮官・岡田彰布が送り込んだ2番手左腕。宮崎敏郎に代打逆転3ランを被弾する。序盤の4点リードをはき出し、追う展開になってしまった。 だが再び流れが変わる場面は8回にやってくる。1点を追う阪神打...
<DeNA9-6阪神>◇20日◇横浜「1個も負けられへんでえ」と言っても、相手のあること、ずっと勝ち続けるわけにはいかないのだ。残り10試合になった時点で、ここでは勝手に「猛虎 運命の十番勝負」と名付けたが、その2戦目、DeNA戦は豪快に負けた。 「3回で終わりや。もう」-。指揮官・岡田彰布はあきれたように話した。ハッキリ言ってベテランの背信投球がすべてだっ...
<中日3-8阪神>◇18日◇バンテリンドーム「ジャンボ鶴田 試練の十番勝負」とか藤波辰巳の「飛龍十番勝負」とか、昔のプロレスは血湧き肉躍るキャッチフレーズで子ども心にわくわくさせたが、それでいけば、いまの阪神は「猛虎 運命の十番勝負」という感じか。この中日戦を含めた10試合は文字通り、ペナントの行方を左右する戦いである。 その初戦、敵地での中日戦に阪神は圧勝...
<阪神3-0ヤクルト>◇16日◇甲子園指揮官・岡田彰布の持論の中に「なんとなく勝つ」というフレーズがある。 圧倒的な投手力や、派手な本塁打などはなくても終わってみれば勝っている。そういうチームが強い…ということだ。言い方を変えれば守りを中心とした総合力ということかもしれない。 なんだか、この日はそんな試合だったような気もする。阪神が放った12安打はすべて単打...
<阪神2-1ヤクルト>◇15日◇甲子園16日は「敬老の日」。総務省が15日、発表したところによると現在、65歳以上の高齢者は前年より2万人多い3625万人で総人口に占める割合の29・3%だという。約3人に1人は高齢者という計算だ。 阪神の熱戦を見つつ、そんなことを考えたのはモニターに映る指揮官・岡田彰布の表情を見ていたからだ。しんどい展開。そのたびに岡田はふ...
<阪神4-3広島>◇14日◇甲子園これも9月ということか。なかなか異例のパターンかもしれない。試合後の指揮官・岡田彰布は、結構、怒っていた。サヨナラ決着で3点差を逆転する勝利で今季最多の貯金9…と、いい部分が出たように思える試合で何を怒るのか。 ズバリ、先発・才木浩人が6回に2失点した場面について、だ。先頭打者の秋山翔吾や3点目の適時打を浴びた5番・小園海斗...
<阪神7-3広島>◇13日◇甲子園指揮官・岡田彰布の「セプテンバー・スペシャル」か。7回に3番手で登板した桐敷拓馬が3者凡退で切ると8回も登板。矢野雅哉には安打を許したものの危なげなく3アウトを取り、2回を無失点で終えた。桐敷にとって今季初の2イニング登板だ。 「狙いもクソも勝ちにいっただけですよ」-。岡田はNHKアナの「桐敷、2イニングの狙いは?」という質...
<阪神-DeNA>◇12日◇甲子園ゲリラ雷雨で甲子園は試合直前に中止が決まった。だがその少し前、虎番キャップたちの上に指揮官・岡田彰布のカミナリが落ちていたのである。そのことに少し触れたい。 前日11日の敗戦後。岡田が「1つ負けただけでシュンとして」などと我々、記者たちに苦言を呈したことはこのコラムで書いた。続けて読んでいただいている読者ならご存じだろう。 ...
<阪神3-4DeNA>◇11日◇甲子園虎番キャップたち、およびこちらも指揮官・岡田彰布にしかられた。「何や。お通夜みたいに。1つ負けただけやんか。ええ試合してるのに。シーズン終わったわけちゃうねんで」-。苦笑を浮かべながら岡田はそう話し、エレベーターに乗ったのである。 それは間違いない。岡田もいつも言うことだし、ここでも書くけれど、全部は勝てない。当たり前の...
「勝敗の分岐点」は4回の攻防だったのではないか。阪神が1点リードしていた4回の守備だ。好調オースティンの適時打で同点にされた。なお1死一、二塁。ここで牧秀悟にも中前に適時打を許す。これで逆転を許した直後だった。 一走・オースティンが三塁を強引に狙ったのである。これを近本光司の送球を木浪聖也がカット、佐藤輝明までボールが渡り、刺したのだ。これで2死一塁となり、...
<ヤクルト5-3阪神>◇8日◇神宮5連勝でストップ、もったいない試合を落とした後だが指揮官・岡田彰布の表情は穏やかだった。「そんな、全部、勝たれへんて」-。囲んだ虎番キャップを前に、そう話したのである。ここでまた岡田の持論を思い出す。 以前にも書いたが、それは「勝負事は勝ち続けたらあかん」というものだ。大型連勝をすると大型連敗もやってくる。勝っている間にブル...
<ヤクルト0-6阪神>◇7日◇神宮阪神の「流れ」はまだ続くかもしれない。そう感じさせる大山悠輔の一撃だった。1回に佐藤輝明の2ランなどでいきなり4点を先制する最高のスタート。だが、その後、走者は出ても得点が入らない。指揮官・岡田彰布も犠打作戦を繰り出し、なんとか追加点をと狙うが結果につながらないイニングが続いていた。 この時期になれば、内容は度外視。勝てばい...
<阪神9-1ヤクルト>◇6日◇神宮おそろしいと感じるのは勝負の「流れ」だ。いったん悪くなると考えられないことも起こる。阪神戦を見ながら気になるのは、やはり広島戦。その1回の攻撃だ。1番から3連打、そして4番は四球と記されている。だがスコアは「0」。一体、何があったのか。 結論を言えば途中で走塁死があったので、そういう結果になった。走塁死はめずらしくないがこの...
<阪神2-1中日>◇5日◇甲子園必死なのだ。阪神も、そして中日も。当たり前のことだが。中日にすれば優勝の可能性がほとんどなくても、Aクラス浮上が苦しくても、同じプロ同士。おまけに甲子園では1つも勝っていなかった。0勝9敗1分け。何としても…という気持ちだったろう。 両軍、得点は少ないのに長い試合になったのはそれが1つの理由だと思う。中日打線は1回から大竹耕太...
<阪神9-4中日>◇4日◇甲子園久しぶり、と思った光景は1回だ。2点を先制され、その直後。近本光司が左前打で出た。続くは中野拓夢だ。1球目はセーフティーバント。これがファウルに。そしてフルカウントまで進んで左前打が出た。ここから6連打、一挙6得点で逆転に成功するのだ。 「(セーフティーバントは)サインです。ファウルになったんで、そこからずっと打てのサイン。な...
<阪神4-1中日>◇3日◇甲子園指揮官・岡田彰布が「80番」を背負っている理由は諸説あるが、その1つに優勝の確率が高い80勝を目指しているから…というのがある。数字にこだわる岡田なので、もっともらしい話だが、80勝が優勝条件なのは正解だろう。 阪神はこの勝利が今季60勝目となった。セ・リーグでは広島、巨人に次いでの到達だ。残りは21試合なのでなんとか80勝の...
<阪神1-3巨人>◇1日◇甲子園この敗戦の何が痛いと言って、前日の劇的展開を受け、阪神に流れが来ている! と思う展開だったからだ。試合前から雨が降る気配は濃厚。そういうときは先取点が必須だ。そこで首尾よく先制に成功。しかも、そこにはもう1つの“要素”があった。 先制点に相手の失策が絡んでいたことだ。1回、1死一塁から森下翔太の当たりは遊ゴロ。「併殺か」と思っ...