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ニッカン芸能!

洋邦問わず、日刊スポーツの映画担当記者がオススメ映画を紹介します。

映画この一本

大泉洋の吹き替え版も見事/シング・フォー・ミー、ライル(米)

映画「シング・フォー・ミー、ライル」

米・ニューヨークを舞台に、ショーマンのヘクターが見つけた、魅惑の歌声の持ち主でありながらステージ恐怖症で取り残されたワニのライルが、突然現れたひとりぼっちの少年...

スランプ経験ある人に刺さる映画/零落(日)

(C)2023浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会

なぜか、うまくいかない。いつも何かに対し、漠然といら立ち、周囲の人々と衝突を繰り返す。8年間の長期連載をかきあげ、売れ行きに陰りが見え始めた漫画家の葛藤、表現者...

トム・ハンクスだから味わい深い人情喜劇/オットーという男(米)

ソニーピクチャーズ提供

最愛の妻を亡くした初老の男は、生来のしゃくし定規な性格が高じ、気むずかしいと近所から煙たがられている。実は妻の後を追おうと自殺を企てている。 そんな時、底抜けに...

60歳ヨーのカンフー今もキレキレ/エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(米)

(C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

12日(日本時間13日)に授賞式が行われる米アカデミー賞でミシェル・ヨーの主演女優賞、キー・ホイ・クァンの助演男優賞など最多10部門で11ノミネートされた。前哨...

熱い湯につかりたくなること間違いなし/湯道(日)

(C)2023映画「湯道」製作委員会

第81回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」で知られる、小山薫堂氏が入浴の伝統や精神を受け継ぐ「道」として、茶道、華道と同様に「湯」に向かう心の姿...

大金巡る壮絶なだまし合い/シャイロックの子供たち(日)

(C)2023映画「シャイロックの子供たち」製作委員会

だまし、だまされ、だまし合う。「半沢直樹」シリーズなど数々のベストセラーを誇る直木賞作家、池井戸潤氏の小説が原作。東京第一銀行の小さな支店で起きた現金紛失騒ぎに...

ハリウッド黄金期の映画撮影現場を活写/バビロン(米)

(C)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved

主演俳優が泥酔しようが、エキストラに死者が出ようが続く撮影…「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督は、コンプライアンスとは無縁だったハリウッド黄金期の撮影...

日本社会の矛盾を問いかける/茶飲友達(日)

(C)2022茶飲友達フィルムパートナーズ

「茶飲友達、募集」と書かれた新聞の三行広告…その実態は、登録した男女に売春をあっせんする高齢者売春クラブだった。2013年(平25)10月に警視庁が摘発した驚き...

目を奪われた“夫婦”の絆/レジェンド&バタフライ(日)

(C)2023「THE LEGEND&BUTTERFLY」製作委員会

誰もが知る織田信長の誰も知らない、歴史上最大の政略結婚で結ばれた濃姫との30年間、「本能寺の変」の謎を、現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」の古沢良太氏...

失敗しない「完璧」ドライビングテクニック/パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女(韓)

(C)2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD&M PICTURES.All Rights Reserved.

冒頭のカーチェイスから一気に引き込まれた。ミッション車のBMWを天才的なドライビングテクニックで操り、市街地を激走する。スピンにターン、車幅がギリギリの狭い道を...

竹野内豊のオーラ生きた/イチケイのカラス(日)

(C)浅見理都/講談社 (C)2023映画「イチケイのカラス」製作委員会

正月のトーク番組で、女優の木南晴夏がプライベートの食事会で感じた竹野内豊のオーラを語っていた。 「来られたときに、ふわーって風が吹く感じがあって、そこにいた女子...

次代担う若手との邂逅に燃えた役所広司/ファミリア(日)

(C)2022「ファミリア」製作委員会

役所広司は一体、どこまで突き進んでいくのだろう…。そんな感情にとらわれるほど、21年の「すばらしき世界」の劇中で、出所した元殺人犯として生きる姿は突き抜けていた...

大人も泣ける謎解きミステリー/かがみの孤城(日)

(C)2022「かがみの孤城」製作委員会

累計発行部数160万部を超える直木賞作家の辻村深月氏のベストセラー小説が原作。監督は、「大人が泣けるアニメ」と評判になった劇場版アニメ「クレヨンしんちゃん 嵐を...

文字通り息をのむ水中アクション/アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(米)

(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

光線の揺らめき、手で水を切る感覚…最新の3D映像は、まるで海中に引きずり込まれるような感覚だ。 海洋冒険家への憧れを公言しているジェームズ・キャメロン監督が、そ...

妥協なき二宮和也、アイドルとは一線を画す姿で出色の演技/ラーゲリより愛を込めて(日)

(C)2022映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 (C)1989 清水香子

第2次世界大戦後の1945年(昭20)、身に覚えのないスパイ容疑でロシア・シベリアの強制収容所に収容され、過酷な労働の日々を送った山本幡男さんら抑留者の実話を映...

最強アンチヒーローの目に怒りと悲しみ/ブラックアダム(米)

(C)2022 Waner Bros.Ent.All Rights Reserved TM&(C)DC Comics

破壊力は満点だ。アメコミのアンチヒーローを実写映画化。5000年前の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダムが、大暴れする姿を描く。強大な力で破壊の限りを尽くすブラ...

胸キュン巨匠が女性の本音ドロリ/母性(日)

(C)2022映画「母性」製作委員会

娘を愛せない母親もいる。「イヤミス」の女王、湊かなえ原作の映画に登場する女性たちが語る本音は、ぼんやりと母性に抱いてきたイメージを打ち砕く。 愛されたい一心で母...

迷路に分け入るような映像体験/宮松と山下(日)

(C)2022「宮松と山下」製作委員会

刀で斬られ、矢で射抜かれ、銃で撃たれて死んでも、何事もなかったかのように立ち上がり、また演じる。端役専門のエキストラとして京都で活動する宮松は、ロープウエーの整...

何度も「おいしそう…」/土を喰らう十二ヵ月(日)

(C)2022「土を喰らう十二ヵ月」製作委員会

長野・信州の人里離れた山荘。米をとぎ、まきをくべ、ご飯を炊く。炊き上がったばかりの白米はつやつやだ。掘り起こしたばかりの小芋の土を指先で丁寧に水洗いし、皮をむき...

無敵の巨体と童顔にひかれ/犯罪都市 THE ROUNDUP(韓国)

(C)ABO Entertainment Co.,Ltd.&BIGPUNCH PICTURES&HONG FILM&B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION

主演俳優に引かれて映画を見る、という点から言えば今一番の人かも知れない。マ・ドンソク(51)。「無敵の巨体」に磨きがかかり、変わらぬ童顔との組み合わせがますます...

脚本、役にシンクロ/窓辺にて(日)

(c)2022「窓辺にて」製作委員会

当て書き、という言葉がある。あらかじめ演じる俳優を決め、その俳優を念頭に置いてキャラクターを作り、脚本を書くことだ。 今作のきっかけは、18年の東京国際映画祭で...

線と内面がリンク タイトルに納得/線は、僕を描く(日)

(C)砥上裕將/講談社(C)2022映画「線は、僕を描く」製作委員会

百人一首競技かるたの世界を描いた「ちはやふる」シリーズを青春映画の金字塔にした小泉徳宏監督らの製作チームが再び結集し、「水墨画」の世界に挑んだ。原作は水墨画家で...

時宜を得たタイムループ作品、不思議世界に誘う/MONDAYS また月曜日がやってくる(日)

「MONDAYS また月曜日がやってくる」のワンシーン(C)CHOCOLATE Inc.(PARCO提供)

最近、新聞の日付欄で曜日を確認する機会が増えた気がする。コロナ禍で日常の変化が乏しくなったからだと思う。今なら「同じ1週間」が繰り返しやってきても、気付かないか...

“俳優は与えられた役の人生を生きる”この田中裕子にこそふさわしい/千夜、一夜(日)

映画「千夜、一夜」のワンシーン、左が田中裕子、右は尾野真千子(C)2022映画『千夜、一夜』製作委員会

思い人を待つ…そこには、さまざまな感情が交錯する。きっと帰ってはこないと分かっていて待ち続ける人もいれば、自分の中で決着をつけたいと待つのをやめる人もいる。待っ...

ホラーの名匠・中田秀夫監督の最新作はホラーが苦手でもOK/“それ”がいる森(日)

(C)2022「“それ”がいる森」製作委員会

人間はどういうときに恐怖を感じるのか? 未知なるもの、経験したことがないものに対して、反射的に恐怖を抱くという。「リング」(98年)「事故物件恐い間取り」(20...

IT大国のバイタリティーと格差社会の根深さ/SUPER30 アーナンド先生の教室(インド)

(C)Reliance Entertainment(C)HRX Films(C)Nadiadwala(C)Grandson Entertainment(C)Phantom Films.

7世紀に「0」の概念を生み出したインドは、今も国際IT企業に数多くの人材を輩出している。今作の実在モデルとなった数学者アーナンド・クマール氏は、最難関インド工科...

西谷弘監督&福田靖脚本、最強タッグの最新作「実に面白い」/沈黙のパレード(日)

(C)2022フジテレビジョン、アミューズ、文藝春秋、FNS27社

8月31日に都内で行われた完成披露試写会で、柴咲コウが語った一連の内容は、もう、評論など必要がないくらい、作品をしっかりと分析、論評していた。 <1>脚本を読ん...

記憶と感情に向き合わされる/百花(日)

(C)2022「百花」製作委員会

老いていくなかで、だれにでも起こりうるし、だれもが家族としてかかわる可能性がある認知症。本作は、認知症にかかったピアノ教師の母とレコード会社に勤務する1人息子の...

新幹線車内が格闘変形リングに/ブレット・トレイン(米)

 

伊坂幸太郎さんの小説には、しばしば生死を懸けた戦いが描かれるが、不思議と悲壮感は漂わず、すんなりエンタメ世界に浸ることができる。殺し屋3部作の「マリアビートル」...

真面目な人へエール/異動辞令は音楽隊!(日)

(C)2022「異動辞令は音楽隊!」製作委員会

20年の「ミッドナイトスワン」で日本映画界を席巻した内田英治監督が、警察音楽隊のYouTube映像に感銘を受けて書き上げたオリジナルの脚本は、同監督らしく人間く...