ニッカンプロ野球

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阪神高山プロとして一段上へ努力の積み重ねしかない

阪神高山 鳴尾浜通信の話題を求めて阪神-ソフトバンク戦の取材に出向いた。いつも通り、阪神の1軍と2軍の現状を分析しながら車を運転して球場へ。到着してグラウンドをのぞいてみる。なぜか空気が重たい。理由はひと目で分かった。 メッセンジャーがいる。ガルシアがいる。マルテがいる。3人の外国人以外にも藤川、桑原、藤浪といった主力が鳴尾浜球場に集合している。ペナントレー...

がんから復帰目指す阪神原口「少しでも夢や希望と」

大腸がんの手術後、初めて屋外でフリー打撃を行った阪神原口文仁捕手(2019年4月16日撮影) 青空が気持ちいい。4月16日の鳴尾浜球場で“大腸がん”からの復帰を目指す阪神原口文仁捕手が、術後75日目で初の屋外フリーバッティングを行った。明るい前途を見通しているかのような快晴の中、桧(ひのき)舞台に向かって力強い大きな第一歩を踏み出した。 突然、大腸がんを宣告...

阪神才木に復活の兆し、松坂も認める直球戻ってきた

オリックス戦に先発も2発を浴び5回5失点の阪神才木浩人(2019年4月9日撮影) 投手の命であるストレートのMAXは150キロ超。期待通り2年目の昨シーズンは1軍で6勝をマークして頭角を現した。阪神才木浩人投手、須磨翔風からドラフト3位で入団して3年目。今季は開幕ローテーション入りが約束されていたはずの投手だったが、オープン戦の時期が最悪の調子。結果を出すこ...

支配下視野!元気印の阪神育成片山は勝てる捕手目標

新入団会見を行い声の大きさをアピールする片山(2018年12月3日撮影) 野球が好きである。張り切りボーイである。ポテンシャルは高い。野球に取り組む姿勢が現状を物語っている。今季、育成枠で入団した新人でありながら、5日、鳴尾浜球場で行われたウエスタンリーグ公式戦で“4番"に抜てきされた。阪神片山雄哉(24=BC福井)である。 開幕して12試合目。早々と打線の...

V4狙う広島、2軍でも林ら次世代担う若手が研さん

林晃汰 広島のチーム作りには定評がある。自前で育てた選手で見事リーグ3連覇を継続中で今季もV4目指しペナントレースに突入した。今季の1軍オーダーにトレードで獲得した選手はいない。巨人にFAで移籍した丸佳浩外野手の人的補償で長野久義外野手が加わったが、代打出場はあったものの開幕3連戦のスタメン出場はなかった。こうした広島の育成環境に思いをめぐらせ、ウエスタン・...

鬼の阪神平田2軍監督が対話路線へ 活性化に期待

インタビューに答える阪神平田2軍監督(2019年3月15日撮影) ファームとはいえ「1軍ありき」がこの世界の基本である。1軍戦力の現状、ペナントレースの展開を見極めながら、必要な戦力を優先して調整させ、2軍選手のレベルを上げていくのが役目。今年もファン待望の開幕が間近に迫っている。オープン戦の成績は下から数えて2番目。戦力が見えてこないままのチームをバックア...

さすが阪神メッセンジャーすでに開幕への準備は万端

大商大戦に先発した阪神メッセンジャー(2019年3月15日撮影) 阪神のマウンドには開幕投手のランディ・メッセンジャー投手が上がっている。マスクは正妻の梅野が被っている。15日、鳴尾浜球場で行われたプロアマ交流戦。相手は大学生だが、チームは本番態勢の構え。ペナントレースが近づいているのがヒシヒシと伝わってくる。確かにこの時期調整登板することはあっても、同球場...

阪神秋山、故障乗り越え開幕ローテ入りへ復活間近

奈良学園大戦に先発した秋山拓巳(2019年3月6日撮影) 鳴尾浜に“根尾フィーバー”が--。中日のドラ1、注目の根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が実戦の場に初登場したとあって早朝からファンが殺到した。そこへ、阪神の先発は矢野燿大監督が早々と開幕投手を宣言したメッセンジャー。9日の試合では午前10時過ぎに入場制限がかかり、場外で我慢強く並んで待機する人が出るあり...

パワハラか指導か 今どきの野球コーチと選手の関係

福原忍コーチ(右)の指導を受けながら居残り練習をする藤浪晋太郎 時は流れている。終戦から70年超。過ぎ去った歳月を考えてみた時、社会の動向に大きな違いがあって当然だ。プロ野球の世界も同じである。今回の今昔物語を執筆するにあたって過去を振り返っているうちに、ぶち当たったのがアドバイスを与える首脳陣と選手間のコミュニケーション。いまや、選手を育てる上で必要不可欠...

サイン複雑化で緻密さ増す一方、試合時間は長く…

矢野燿大監督(右)は藤本敦士コーチ(中央)とブロックサインのパターンを確認する(2018年11月13日撮影) チームは1シーズンの土台を築くための大事なキャンプに出払った。私は間もなく80歳。動きが少々鈍くなって我が家でシーズンインに備えて英気を養うことにした。そこで今回はもう一度プロ野球の今と昔を比較する“今昔物語”をひねり出してみることにした。 プロ野球...

矢野監督も直球◎ 4位斎藤が新人唯一1軍キャンプ

投球練習を行う斎藤友貴哉(2019年1月20日撮影) 阪神の新人投手でただ1人1軍キャンプに抜てきされた。斎藤友貴哉(24)である。ホンダからドラフト4位で入団。新人の合同自主トレ初日から鳴尾浜球場で動きを追ってきたが、キャッチボールをしている時から、大きなフォームとバランス、球の勢いを目にして、即戦力の可能性を十分に秘めたルーキーと見た。ブルペンをのぞいた...

矢野監督と面談希望、1位近本の超前向き姿勢に好感

3000メートル走のスタート直後に独走を見せる近本(2019年1月10日撮影) 今年初の鳴尾浜球場だ。目的は1月9日からスタートの阪神新人合同自主トレである。7人のルーキーは寒波の襲来などものともせず一斉に始動。プロとしての第一歩を踏み出した。 大きな夢を抱き、前を向け。プロの世界、桧(ひのき)舞台で活躍するための基本は心技体の充実だが、プラス技術面の投、攻...

評価180度反対に!ワンバン投球が今や理想の攻め

ワンバウンドを止める阪神梅野隆太郎 ワンバウンドピッチ--。今や、バッターに相対するピッチングの組み立てに大事な球になっている。我々の現役時代と近代野球との比較。進化しているプロ野球界の現状を考えた場合、一つ一つのプレーにギャップはあって当然だし、時代によっては大きな違いがある。もう、現在の野球では当たり前になっているワンバウンドの投球。ファンの方々にはあま...

日本旅館からホテルへ、常宿の移り変わり今昔物語

V8を達成し、宿舎でビールかけをする長嶋茂雄(1972年10月28日撮影)  今回は、プロ野球のチームが利用する宿舎の今と昔にスポットをあててみます。そう、ビジターゲーム時の常宿についてだ。各チームとも毎年のことで、宿舎は前もって決めているし、改めて手を打つ必要はない。10月に行われる日程会議で翌年のカードが決定した時点で予約を入れて、部屋をおさえておくのが...

選手と用具の関係、変化もたらした日本製の品質向上

1964年、南海との日本シリーズに登板する著者 野球用品-。プロ野球界の選手が試合で、練習で使用する商売道具。自分の生活を懸けてお金を稼ぐ大事な物。日本でも全ての用具を製作していたが、本を正せばアメリカで産声を上げた競技。本場の商品に一日の長があって当たり前。選手にとってもプロである以上、ファンにいいプレーを見せたい。品質にこだわって当然だし、使いやすい自分...

バッキーでも木造アパート、今とは雲泥の外国人待遇

開幕9連勝を挙げた阪神バッキー(左)はリリーフ登板した本間勝(中央)をねぎらう。右は辻佳紀(1964年5月16日撮影) 外国人選手の待遇。今と昔を振り返ってみると大きく変わった。今や、住まいは一家が余裕を持って暮らせる高級住宅であり、高級マンション。家にかかる経費は球団持ち。そして、遠征先の宿舎は一流ホテルが当たり前。活躍しようがしまいが、契約期間中の変更は...

阪神西岡インスタ退団発表…戦前生まれの男には驚き

退団を発表した当日の試合で、出場せず終了を迎えた西岡剛(2018年10月2日撮影) 今と昔。時代は流れている。世の中が移り変われば生活に変化があって当然。今と昔を語るなら、古くからの伝統を引き継いでいるものがあれば、事が進化して新たにスタートするものとがある。プロ野球界もしかり。我々の現役時代と現代とを比較する。各システムに違いがあって当たり前。昨年のオフシ...

積極性追求し阪神2軍でV 選手と首脳陣が徹底対話

ウエスタン・リーグを制覇し胴上げされる矢野耀大2軍監督(2018年9月22日撮影)

貯金“28”余裕の優勝。今季ウエスタン・リーグを制した阪神の強さはどこにあったのか。戦いの中で目立ったプレーといえば盗塁のみ。163個で同リーグの記録は塗り替えたものの、スチールの数だけで残せる貯金の量ではない。矢野燿大監督はじめ、各首脳陣の話を聞きながらポイントを分析してみると、若手成長には欠かせないコミュニケーションがはかられていた。首脳陣と選手間の意見...

阪神浜地、ストレートは一級品 変化球磨けば1軍も

阪神浜地真澄

急きょ、甲子園球場に変更して行った試合。20日(木)は雨天で中止となったが、1つ勝てば今季のウエスタン・リーグ優勝が決まるソフトバンク戦(21日)。マウンドを託されたのは阪神に入団して2年目、現在、評価急上昇中の浜地真澄投手だった。金本監督が時々、登板日に合わせて鳴尾浜球場へ視察に来場する存在。持ち味はスピンの効いたストレート。期待の若手、ピッチングに注目し...

ウエスタンV目前の阪神、勝利の経験を成長の糧に

阪神矢野2軍監督

優勝--。リーグ戦、トーナメント、個人競技等々、いずれの大会でも一番の目標は頂点に立つことである。プロ野球界のペナントレースでも、1軍が優勝にかける意気込みは半端ではないが、ファームに限っては各チーム、リーグ戦を展開しながらも1軍ほど勝ち負けにこだわっていない。何故……。 あくまでも「選手育成の場」であるからだ。勝敗は「1軍ありき」であって、ファームの勝率を...

阪神安藤コーチ、緩急自在の個別指導で若手育成に汗

高橋遥人のフリー打撃登板を見守る安藤優也コーチ(2018年2月8日撮影)

阪神浜地真澄がマウンドにいる。谷川昌希が登板した。牧丈一郎、石井将希ら若手が投げている試合中、毎回のようにベンチと、記録をつけているネット裏本部席を頻繁に行き来するコーチがいる。スコアラーとのピッチング内容のチェックである。球数、コントロール、球の切れなどの確認だ。手帳とにらめっこしながら、難しい顔で往復する。その姿につい声をかけたくなって「現役時代より忙し...

阪神馬場、ストレートの“自信”身につけて殻を破れ

DeNA戦に先発した阪神馬場皐輔(2018年8月12日撮影)

同一リーグのチームと初対決。阪神のドラ1馬場皐輔が8月12日のDeNA戦に先発。無残にもプロの洗礼を浴びてKOされた。試合前から思い描いていたピッチング内容とは程遠かったはず。ストライクが先行する思い切りのいいピッチングはできなかった。ストレートを武器にした真っ向勝負ができなかった。まだ若い。経験も浅い。現状を力不足の一言で決めつけてしまうのは酷。己の持てる...

微妙な制球に苦しむ広島薮田、復活へ地道な積み重ね

広島薮田和樹(2018年5月31日撮影)

鳴尾浜球場への広島戦の取材に足を運んだ。まさに猛暑。とにかく暑い、浜風はゆるやかに吹き抜けてはいるものの、熱風だ。思考力は熱中症とまではいかないまでも、練習を見るのも慢性化していて、ただ、何となく目で追っているだけ。思考力なくしていいネタと遭遇するはずがない。ゲームをみていて広島のエルドレッド、メヒアの両外国人に連続ホームランが飛び出したが、ここはファーム。...

阪神青柳1軍ローテ定着のカギは左打者への苦手克服

阪神青柳晃洋(2018年2月18日撮影)

 プロ野球界でも得手不得手、相性はつき物である。例えば、左対左の対戦は投手有利とか、右のアンダーハンド、サイドハンド対左バッターは打者有利などなど……。  先日、鳴尾浜球場で行われた試合でオリックスが極端なオーダーを組んだ。打順は1番から坂本、岡崎、吉田雄、T-岡田、小島、飯田、後藤、西浦、根本。なんと指名打者を含め8人の左バッターを並べた。確かに最近の傾向...

阪神ドラ1馬場1軍でタブーの四球…鳴尾浜で出直し

DeNA戦に先発した馬場皐輔(2018年8月12日撮影)  同一リーグ公式戦のデビュー。かたちは違え、私も初登板は体験した。楽しみと不安が入り交じる。ファンの前で胸を張って優越感に浸る自分。期待を裏切り、ファンに顔向けできない自分がいる。  現在、その境地に立っているのが阪神ドラフト1位馬場皐輔投手である。8月7日、鳴尾浜球場で行われたオリックス戦(ウエスタ...

剛速球持つ阪神藤浪、自分信じて全力投球が復活の鍵

広島戦に先発するも1回1死しか奪えず3失点で降板する藤浪晋太郎(手前右)(2018年7月26日撮影)

 プロ入り最短のKO。先発して1/3回で無残に打ちのめされて2軍落ちした。現在炎天下で懸命に修正ポイントをさぐりながら、厳しい練習に取り組む中、阪神藤浪晋太郎投手(24)が8月4日、鳴尾浜球場で行われたウエスタン・リーグのソフトバンク戦に先発した。両チームが2ゲーム差で競う首位攻防戦で7回を投げて1失点。勝ち投手となってチームの勝利に貢献したが、これはあくま...

スイッチ目指す阪神熊谷、同タイプ赤星の助言も一考

ダッシュを行う熊谷敬宥(2018年7月7日撮影)

 海からの風が吹き抜ける。風通しのいい球場だが、酷暑の各地同様鳴尾浜も暑い。ゲーム中、小学生が気分を悪くしてクーラーの効いた本部席で、しばらく休息をとるひと幕があったほど。意外に元気で安心したが、その子を見ながら「これに凝りず、野球が好きであり続け将来はプロ野球選手になってほしいな」との思いで7月27日、阪神ー広島戦を取材した。  今年の阪神ファームは強い。...

阪神江越大賀、インサイドアウトの打撃習得へ1歩

右中間へ適時三塁打を放つ江越大賀(2018年2月27日撮影)

 グラウンドで、もがき苦しんでいる選手を見ると、つい声をかけたくなる。ルーキーイヤーは大いにブレークした。今季4年目。長打あり、走力あり、広い守備範囲に肩もいい。阪神江越大賀(25)を見ていると、ファームで苦しむ現状が実力だとは到底思えない。昨年はそうつぶやいていた『なんぼ、どないしても、すべてがうまくいかない時はある。焦るな。悩むな』と―。何の足しにもなら...

阪神ファーム、執念と積極性から生まれた集中力

矢野燿大2軍監督(右)(2018年6月6日撮影)

 まさに猛暑日。灼熱の太陽が照りつける鳴尾浜球場。前半戦首位で折り返した阪神が、14日ウエスタン・リーグの後半戦に備えてスタートを切った。アップに始まりキャッチボール、フィールディング、バッティング、ピッチング等々、次々と消化していく。炎天下だ。半端なく暑い。熱中症が気になるほど。水分を十分補給しながら練習を拝見した。  貯金の13(74試合、41勝28敗5...

阪神大山、今度こそ 試行錯誤の末に取り戻した自信

2軍ソフトバンク戦で大山悠輔は右越えにソロ本塁打を放つ(2018年6月28日撮影)

 鳴尾浜球場のライトへたたき込んだホームランには正直、驚いた。「凄い」思わずうなっていた。海の上に築いた埋め立て地にある球場。常にやや強めの浜風が心地よく右から左へ吹き抜けているが、この日の風は通常より強かった。スコアボードの連盟旗、球団旗が勢いよくなびいている。逆風、その風に負けることなくスタンドまで運んだ1発。現在絶好調。大山のすべてを物語っていると見た...