中嶋監督もぼう然…「失敗しない男」小田裕也がまさかの走塁時に勢い余り転倒
不運は悲運にならずにすんだ。 今月10日のオリックス-ソフトバンク12回戦(京セラドーム大阪)。オリックスが1点を追った9回無死一塁で、森が右中間に安打を放った。一塁走者の代走・小田は二塁ベースを蹴り、三塁に向かった…と思った。それがそうはならなかった。二塁ベース付近で、小田は勢い余って転倒した。打者走者の森も二塁へ向かいかけていたが、ストップ。うまくいけば...
不運は悲運にならずにすんだ。 今月10日のオリックス-ソフトバンク12回戦(京セラドーム大阪)。オリックスが1点を追った9回無死一塁で、森が右中間に安打を放った。一塁走者の代走・小田は二塁ベースを蹴り、三塁に向かった…と思った。それがそうはならなかった。二塁ベース付近で、小田は勢い余って転倒した。打者走者の森も二塁へ向かいかけていたが、ストップ。うまくいけば...
新顔ばかりのオリックスのリリーフ投手陣が、最近かなり奮闘している。7月の救援防御率は1・30。リーグトップの数字だ(ちなみに他チームはソフトバンク3・19、ロッテ3・76、日本ハム3・89、西武4・75、楽天5・35)。 特徴的なのは、加入1年目の選手が大部分だということ。リーグ3連覇に貢献した平野佳、宇田川、小木田、山崎らは故障や不振による離脱が相次ぎ、長...
あの“悪夢”から3週間が過ぎたころだったか。「まだ引きずってんの?」。久々に会ったオリックス安達了一内野手(36)に、あえて軽いトーンで声をかけた。つらい経験だっただけに、会話が重々しくなるのが嫌だったから。すぐ帰ってきた言葉はこうだ。「そりゃ引きずるに決まってるでしょ!」。 5月1日ロッテ戦(ほっともっと神戸)の9回、安達は二塁手イニング3失策のパ・リーグ...
戦力外のどん底からはい上がって勝利投手に…。こんなストーリーは、50歳目前の中年記者の心に染みる。オリックス井口和朋投手(30)のことだ。19日の楽天戦で自身2年ぶり勝利。延長10回を3者凡退で抑え、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。前回の白星時は、まだ日本ハムの一員だった。 仕事人の雰囲気を漂わせる。飾らない言葉がいい。ヒーローインタビューで言った。 「毎試合、今...
オリックスのチーム内でも話題となっていた長期遠征が5月に待っている。6日・仙台(対楽天)→8日・秋田(同)→11日・宮崎(対ソフトバンク)→12日・鹿児島(同)→14、15日・那覇2連戦(対ロッテ)と続くもの。その中で、秋田での試合はチームにとって16年以来。同県にゆかりのある人もいる。 出身者としては中嶋聡監督をはじめ、投手では3年目右腕の小木田敦也と、昨...
顔に少し明るさが戻っていた。3月中旬。大阪・舞洲にあるオリックス球団施設で、高卒2年目の内藤鵬内野手(19)が右腕1本のティー打撃を行っていた。左腕はギプスで固定。見た目は痛々しいが、人懐っこい笑顔で言った。 「あれはもう、練習じゃないです。ストレス発散です。膝の時に比べたらやれることは多いですけど、痛みは膝の時がマシ。めちゃめちゃ痛かったです」。キャンプ中...
「時代は変わるもんですね。今昔物語ですね」-。 大挙押し寄せたファンを見ながら、オリックス湊通夫(みなと・みちお)球団社長兼オーナー代行が感慨深そうにつぶやいた。宮崎・SOKKENスタジアムの正面口から目に飛び込むのは人、人、人…。立ち話をしている私たちの隣では、広報歴10年以上の町豪将チーフが「お客さんの数、カコイチですよ」とうれしそう。観客、来賓、球界関...
この1月から、6年ぶりに取材現場に復帰し、7年ぶりにオリックス担当を拝命しました。49歳になりましたが、新人のような気持ちで情報をお届けしたいと思います。そんなわけで、オリックスの新人の話題をひとつ。地元大阪出身のドラフト2位右腕、河内康介投手(18=聖カタリナ学園)です。 3年夏の愛媛県大会はベスト4で敗退。ただ最速150キロをマークし、プロから注目を浴び...
オリックス若月健矢捕手(28)は捕手として球団初を狙う。 昨季はチーム最多の83試合に先発捕手として出場。ダブル起用となった森友哉捕手(28)の56試合を上回った。主に山本由伸や山崎福也とコンビを組み、リーグ3連覇へと導いた。 自身初のゴールデングラブ賞も獲得。オリックスでは14年伊藤光以来、9年ぶりだった。球団捕手では過去に72年種茂雅之、78年中沢伸二、...
日本シリーズ開幕戦の1番スタメン起用から2カ月、オリックス池田が大阪・舞洲で自主トレに励んでいる。昨季は、ウエスタンリーグで首位打者(3割1厘)と最高出塁率(3割6分2厘)の2冠を獲得。毎年のように陣容を変えながらリーグ制覇を続けるオリックスで今季、レギュラー取りを期待される若手の1人だ。 周囲をあっと驚かせた1番起用だった。昨年10月28日の阪神との頂上決...
ポスティングシステムを使って、ドジャースへの入団が決まったオリックス山本由伸投手(25)。12年総額3億2500万ドル(約455億円)の契約で、球団への譲渡金は5062万5000ドル(約70億9000万円)になる見込みだという。 あまりの金額に、エースが残すものの大きさを感じる。でも、エースを昔からよく知る主砲は、言いたいことがある様子? 24日のテレビ収...
愛される人柄がにじみ出る時間だった。オリックス杉本裕太郎外野手(32)は6日に行われた契約更改後、7200万円からアップした300万円の使い道について、直後の取材でこう話した。(金額は推定) 「上がった分、歳も上の方になってきたんで、後輩をご飯に連れて行きたいと思う」。ラオウの愛称で親しまれる選手会長らしく、太っ腹な宣言…。と思った直後、いきなり繊細な一面を...
今オフにポスティングシステムで大リーグ移籍を目指す、オリックス山本由伸投手(25)は、大忙しだ。27日に都内で行われた最優秀バッテリー賞の表彰式に出席すると、翌28日はNPBアワード。沢村賞、MVP、ベストナイン、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、勝率1位…。文字通り抱えられないほどのタイトルを手にした。 そんな中、うれしい再会が待っていた。最優秀バッテリ...
11月5日、阪神の38年ぶりの優勝で日本シリーズが終わった。 頂上決戦連覇にはあと1勝届かなかったが、オリックスはリーグ3連覇。偉業は何ら色あせるものではないが、最終戦を終えた選手たちが京セラドーム大阪の駐車場に出てくるのを待ちながら、寂しさが募った。この日と同じメンバーによる試合を見ることは2度とないのだ、という思いからだった。 試合終了後、球団はメジャー...
オリックスは今年、2年連続の日本一こそ届かなかったが、最後まで強さを見せた。主力がケガを抱えながら、第7戦までもつれる熱戦。リーグ3連覇、3年連続の日本シリーズ出場を成し遂げたことは変わらない。 シーズンを通して離脱者も多かったが、全員が戦力として、その都度カバーし合って勝利をつかんできた。そんなチームをまとめたのは、他でもない中嶋聡監督(54)。発する言葉...
1964年(昭39)に行われた「元祖 関西シリーズ」。青い目の助っ人による、とてつもなく日本的な大記録が達成された。南海ジョー・スタンカ投手が成し遂げた「2試合連続完封勝利」である。 60年に来日したスタンカは、1年目に17勝を挙げるなど着実に力をつけた。64年には26勝し、南海を優勝へと導いた。そして阪神との日本シリーズに臨んだのだった。 第1戦で完封勝ち...
常勝への布石となるドラフトになったかもしれない。2年連続の日本一を目指す阪神との日本シリーズを2日後に控えた26日。オリックスはドラフト会議で、オリックスは横山聖哉内野手(17=上田西)を1位指名した。 10球団が競合した中、12球団唯一の高校生野手を単独指名に成功。福良淳一GM(63)は「予定通り。狙い通りです」ときっぱり。今年は大卒の即戦力投手が豊富と言...
オリックスがCSファイナルステージでロッテを下し、3年連続日本シリーズ進出を決めた。2勝1敗で迎えた21日の第4戦で、森友哉捕手が初回に先制2ラン。今CS初本塁打がV打になった。シーズンでリーグトップの勝利打点18をマークした勝負強さは、ポストシーズンも健在。オリックス1年目で、新主砲の役割を期待通りに果たした。 西武からFA移籍した初年度、森の活躍を間接的...
首位打者となったオリックスの頓宮裕真捕手(26)は現状、プロ野球史上唯一無二の存在である。 「盗塁を知らない首位打者獲得者」なのだ。 今季は123安打を放ち、初の栄冠を手にした。ところが、盗塁はゼロ。それどころか、通算280試合に出場しながら、盗塁はまだ1個もない。 1リーグ時代も含め、首位打者に輝いたシーズンに盗塁がなかった選手は他に以下のメンバーがいる。...
ベテラン守護神が達成した偉業の裏には、後輩たちのさまざまな思いがあった。 2日のオリックス-日本ハム戦(京セラドーム大阪)で、オリックス平野佳寿投手(39)が、日米通算250セーブを達成した。3点リードの9回にマウンドに上がり、1回1安打無失点。その直前、先発の山本からバトンを受け、8回に登板してつないだのは、山岡泰輔投手(28)だった。 「僕はいい状態でつ...
20日にオリックスがリーグ3連覇を果たす少し前、1枚のポスターがSNSで話題となっていた。 それはオリックスのシーズンファイナルスパートプロジェクト「全員で勝つ!2023 supported by わかさ生活」のポスター。終盤戦の9月16日~10月2日に開催されるホーム公式戦を知らせるものだった。 金色の大きな「全員で勝つ!!」ロゴが前面に描かれ、その後ろに...
ブーマーとユーマーが、ついに“対面”した。 オリックスがリーグ3連覇を果たす1週間前。13日日本ハム戦(エスコンフィールド)前に、オリックス頓宮は日本プロ野球外国人OB選手会の代表理事、ウィリアム・ブルックス氏から「ブーマー」の文字が入ったファーストミットを受け取った。阪急で84年に外国人初の3冠王に輝いたブーマー・ウェルズ氏からの贈り物だった。 8月3日の...
節目の安打が決勝タイムリーというのも、勝負強い男らしかった。 10日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、オリックス森友哉捕手(28)が通算1000安打を達成した。28歳1カ月での到達は主に捕手で出た選手では、63年野村克也(南海)の28歳2カ月を抜いて史上2位の年少記録。森は「うれしいですね。でもまだまだ通過点というか、これから頑張らなあかんなと思います」とさら...
よく一緒にいる2人を見る気がする。8月11日の楽天戦の試合前(楽天モバイルパーク)。オリックス宇田川優希投手(24)が山崎颯一郎投手(25)を相手に、ベンチ前でキャッチボールを始めた。 宇田川がワンバウンドで投じるボールを、山崎颯がキャッチャーのように捕球。時には後ろにボールをそらし、笑いが生まれた。何度も繰り返していたその練習法は、宇田川が平井投手コーチか...
「44」と「44」がついに共演した。3日の楽天戦(京セラドーム大阪)。始球式を行ったのは、阪急で84年に外国人初の3冠王に輝いたブーマー・ウェルズ氏(69)だった。 捕手役は、助っ人の後輩となるレアンドロ・セデーニョ内野手(24)。そして打席に立ったのは、頓宮裕真捕手(26)だった。ブーマー氏とは背番号「44」つながり。球団スタッフから打診され快諾したようだ...
首位オリックスの連敗ストップへ、同学年の2人がつないでいた。 3連敗で迎えた29日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。2回先頭の5番中川圭太内野手(27)が三塁への内野安打で出塁。6番宗佑磨内野手(27)が中前打で続き、この回3得点のきっかけをつくった。 3回も2死から中川圭が左前打を放つと、宗も中前打で続き、決勝点となった押し出し四球での1点を呼び込んだ。...
かつてのエースとの絆を感じた1日だった。1日の日本ハム-オリックス戦(エスコンフィールド)で、オリックスで長らくプレーしていた日本ハム金子千尋特命コーチ(39)の引退セレモニーが行われた。 「ファイナルピッチ」の審判役はオリックス比嘉幹基投手(40)、打者役は平野佳寿投手(39)だった。同学年の平野佳は練習開始前、ベンチにやってきた金子コーチから直接頼まれた...
「アラレちゃん」が、上昇ムードを運んできたのかもしれない。オリックス紅林弘太郎内野手(21)は、5月24日の楽天戦(ほっともっと神戸)で自身初のサヨナラ本塁打を放った。 1点を追う9回1死一塁、紅林の打席で流れた登場曲は「Dr.スランプ アラレちゃん」のテーマ曲「ワイワイワールド」だった。チームメートの宗佑磨内野手(27)が「今日は楽しみにしとけよ」と内緒で...
カラフルな水着をつけたまるいおしりが、真っ青なサイパンの海にぽっかり浮かんでいた。シュノーケルマスクの管の先が、海上でゆらゆら揺れていた。なぜかそのそばで、立派な体格のオジサンが海面に向かい、大きな声で叫んでいた。 「こら!! いくら水着姿を見られるのが恥ずかしいからって、いつまでもぐっとるんや!? 溺れるぞ、まどか!!」 1989年2月の近鉄サイパンキャン...
オリックス小木田敦也投手(24)がプロ初勝利を挙げた、4月30日ロッテ戦(京セラドーム大阪)の試合後。同じ98年生まれの山崎颯一郎投手(24)が、囲み取材でつぶやくように言っていた。「1人足らんのですけどね…」。 山本由伸投手(24)、宇田川優希投手(24)、小木田、山崎颯の4人はともに同学年。「小木田世代」というワードで、ファンの間でも呼ばれて親しまれてい...