日刊スポーツ

佐野日大が乱打戦制す 元阪神麦倉監督「先に点を取って逃げ切るパターン」

作新学院対佐野日大 優勝し選手と集合写真におさまる佐野日大・麦倉監督(後列中央)(撮影・保坂恭子)

<春季栃木大会:作新学院10-13佐野日大>◇6日◇決勝◇栃木県営球場

佐野日大が、乱打戦を制して2大会連続6回目の優勝を飾った。

13安打のうち9安打が長打と打撃力の高さを見せた。終盤に追い上げられたが、継投で逃げ切った。元阪神の麦倉洋一監督(49)は「初回の大量得点が大きかった。先に乗れた。この大会はずっと先に点を取って、大差にして逃げ切るパターンになった。もったいない守備や失点が多い。そこを関東大会でしっかりしたい」と話した。

初回、いきなり6点を奪って流れを引き寄せた。無死満塁で4番の岡佐昌樹内野手(3年)が走者一掃の先制適時二塁打を放った。「相手が苦しくてストライクを取りにくると思った。甘い球がきたらいこうと思っていた」と振り返った。前日の準決勝白鴎大足利戦では守備でミスがあり「自分がやってしまったので、決勝で取り返してやろうと気合が入っていました」と明かした。

さらに無死一、二塁で今大会初スタメンに抜てきされた青木琢実内野手(3年)が、初球の内角低め変化球を左翼スタンドまで運ぶ3ラン。公式戦初本塁打で「(初スタメンで)緊張はしなかった。自信にはなるけど、守備の課題が出たので、しっかり克服したい」と話した。

両チーム合わせて9本の二塁打を放ち、1試合最多二塁打記録の大会タイ記録。

さらに岡佐は3打席連続で二塁打をマークし、個人の1試合での連続記録で大会記録に並んだ。

作新学院対佐野日大 1回裏佐野日大無死一、二塁、左越えの3ランを放った青木(撮影・保坂恭子)
作新学院対佐野日大 1回裏佐野日大無死満塁、先制の適時二塁打を放つ岡佐(撮影・保坂恭子)
作新学院対佐野日大 1回裏佐野日大無死一、二塁、3ランを放った青木に声をかける麦倉監督(左端)(撮影・保坂恭子)
作新学院対佐野日大 優勝した佐野日大の選手たち(撮影・保坂恭子)

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仙台育英が能登半島地震で被災した石川・輪島、飯田の2校を招待し練習試合

記念撮影する仙台育英、輪島、飯田の選手、関係者ら(撮影・木村有優)

仙台育英が27~29日、今年1月の能登半島地震で被災した石川・輪島、飯田の2校を招待。須江航監督(40)と選手の家に両校ナインらがホームステイし、交流を深めた。28日には招待試合を開催。飯田戦に先発した山口廉王(れお)投手(3年)をはじめ仙台育英ナインが、恵まれた環境で野球ができることへの感謝と甲子園出場に向け、気持ちを新たにした3日間となった。

  ◇  ◇  ◇

きっかけは「3・11」だった。東日本大震災が発生した2011年、須江監督は系列の秀光中野球部を指揮、震災発生直後に石川県から招待を受け、合宿が実現した。そして、今年の元日に能登半島地震が発生。須江監督は「(その時の)恩返しがしたい」と輪島、飯田の2校を招き、招待試合と合同練習を行った。試合前、ナインに指揮官は「いろんな“ご縁″があって、ここにいるので、それを大切にしながらワンプレーごとにお互いが高まるような試合にしよう」と呼びかけた。

仙台育英ナインにとっても感慨深い3日間となった。山口投手の自宅には飯田の2選手が宿泊。震災当時や現在の生活について聞いたという。「震災は経験したことはないが、自分のことのように悲しく、心にしみた」と山口。翌日の練習試合では飯田戦に先発し、自宅に宿泊した2選手とも対決した。だが、被災地の現状が頭をよぎり、複雑な気持ちが投球に表れ、初回に3点を失った。それでも、2回は立て直し、3者凡退に-。「いろいろな話を聞いた中で今後、絶対にプレーが変わってくる。恵まれた環境で野球ができていることに感謝していきたい」と心の変化と感謝を口にした。

暗闇に明かりをともす光となる。山口は東京都出身。だが、親の転勤で各地を転々とした。「3・11」発生当時は神奈川県に在住、幼稚園バスの中で大地震に見舞われた。それから“縁″あって宮城に移り住み、同校に入学。チームスローガンの「地域のみなさまと感動を分かち合う」を大切にする山口は「自分のプレーで勇気や笑顔を与えたい。夏は自分たちが甲子園に出場して、感動を分かち合いたい」という思いが、今回の経験でさらに強くなったという。

別れの時が来ても、最後の最後まで言葉を交わすナイン。須江監督は「頑張れよ!」と、力強い言葉で背中を後押しした。新たな縁は、これから先も3校を結び続ける。離れていても心はひとつ。遠く離れた地で高め合い、明るい未来に向けて一歩ずつ歩んでいく。【木村有優】

輪島、飯田ナインを見送る須江監督と仙台育英ナイン
さまざまな思いを胸に、飯田戦に先発した仙台育英・山口
昼食を手にピースサインする仙台育英、輪島ナイン
仙台育英父母会が炊き出しで昼食を用意
試合前、ノックを打つ仙台育英・須江監督
試合前、合同ノックを受ける仙台育英、輪島ナイン

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【センバツ】報徳学園2年連続決勝へ「背番号1」間木歩「強い気持ちで」今朝丸裕喜超え活躍誓う

強い気持ちで臨みたい」

第96回選抜高校野球大会は30日に甲子園球場で準決勝を行う。2年連続の決勝進出を目指す報徳学園(兵庫)は休養日の29日、西宮市の同校グラウンドで調整。中央学院(千葉)戦での先発が予想される間木歩主将(3年)が、準々決勝の大阪桐蔭戦で完投勝利を挙げた今朝丸裕喜投手(3年)を超える活躍を誓った。

県勢初の4強入りを決めた星稜(石川)は、高崎健康福祉大高崎(群馬)との決戦に挑む。

   ◇   ◇   ◇

間木が今朝丸超えでチームを2年連続の決勝進出に導く。西宮市内の同校グラウンドで約1時間、練習を公開した。前日28日の大阪桐蔭戦では今朝丸が1失点完投。主将で背番号1の間木も負けてはいられない。中央学院との準決勝で先発が見込まれる。普段は仲良しの2人だが「今朝丸よりもいいピッチングを目指して戦いたい」と意気込んだ。大角健二監督(43)は「2人キラキラしてるところは残ってますんで、いい関係」と2枚看板が切磋琢磨(せっさたくま)する姿に目を細めた。

昨年のセンバツでは準決勝で大阪桐蔭を破ったが、決勝では山梨学院に敗戦。指揮官は「去年は打倒桐蔭ということを常に口にして、達成後の決勝で、ちょっと浮ついた」と振り返った。「去年を経験してる子が何人もいてスムーズに反省を生かして、すんなり次に向いている。去年以上の色のメダルを取りにいきたい」と苦い経験を生かす。

練習前には中央学院の試合映像をチェック。間木と今朝丸はノースローでランニングやストレッチなどで調整した。間木は「一戦必勝で、目の前の相手を絶対倒す強い気持ちで臨みたい」と決意をにじませた。勝利の余韻に浸ることなく、一戦必勝で臨む。【中島麗】

中央学院戦を前日に控えリラックスした表情で話す報徳学園の今朝丸(左)と間木(撮影・上山淳一)
準決勝の中央学院戦を前日に控え報徳学園の大角監督は練習でナインらに話す(撮影・上山淳一)
中央学院戦を前日に控えノースローで調整する報徳学園の今朝丸(手前)と間木(撮影・上山淳一)
中央学院戦を前日に控えノースローで調整する報徳学園の今朝丸(撮影・上山淳一)

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【センバツ】日替わりヒーロー続出の星稜「全員野球」だ!山下智将監督「また次は違った選手が」

調整する選手とともにランニングする星稜・山下監督(撮影・滝沢徹郎)

日替わりヒーロー続出の星稜が、「全員野球」でセンバツ初の決勝進出を狙う。1、2回戦、準々決勝では2桁背番号の選手の活躍が光り、県勢初の4強入りを決めた。山下智将監督(42)は「20人みんながいつでも行ける準備をしてもらって、頑張ってもらいたい。また次は違った選手が出てくるんじゃないかなっていう期待もあります。みんなに期待」と新たなヒーローの登場を心待ちにした。

兵庫・西宮市内のグラウンドで素振りなど約30分の軽めの調整を行い、高崎健康福祉大高崎との決戦に備えた。相手は夏の大会前の6月下旬に毎年練習試合を行う旧知のチーム。指揮官は青柳博文監督(51)について「何をしてくるかわからない。奥が深くて、勉強することばかり」と話し、「なかなか厳しい試合になるかもしれないですけど、うちらしく1点を大事に取りにいって、最後1点でも多く取って勝ちたいです」と力を込めた。

調整する選手を見守る星稜・山下監督(左)と谷村部長(撮影・滝沢徹郎)
練習前に集合する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・佐宗(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・山下智将監督(中央)(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)
調整する選手を見守る星稜・谷村部長(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】中央学院 蔵並龍之介、臼井夕馬、颯佐心汰の右腕トリオが優勝へ導く

調整を終え記念撮影する、左から中央学院の臼井、蔵並、颯佐(撮影・滝沢徹郎)

第96回選抜高校野球大会(甲子園)で初の4強入りを果たした中央学院が休養日の29日、兵庫・西宮市内のグラウンドで練習を行った。走り込み中心のアップから始まり、ロングティーに2カ所バッティングと、約2時間、たっぷり汗を流した。

右腕トリオが初優勝へ導く。準々決勝の青森山田戦で今大会初先発し7回0/3を1失点と好投したエースの蔵並龍之介投手(3年)と、3試合連続で抑えで登板した颯佐心汰投手(3年)はブルペンには入らず、打撃練習に専念。蔵並は「自分だけ出遅れていたので安心しました。良かったです」と笑顔を見せると、颯佐は「ショートから蔵並を見ていても、エースに相応しいピッチングでしたね」と、頼もしく見つめた。

1、2回戦と先発の臼井夕馬投手(3年)は「試合前日は、登板があってもなくても必ず投げているので」と、30球を投げ込んだ。「今は調子がいいんです。報徳学園さんは強豪。失投は許されない。コースを間違えないように投げたい」と、気持ちを引き締めた。

エース・蔵並の復活で役者がそろった。臼井は「明日と明後日は3人で勝ち上がりたい」と力を込めると、颯佐は「3人で全力でいこうと話しています」と話し、力を合わせ優勝まで駆け上がる。

ブルペンで投球練習する中央学院・臼井(撮影・滝沢徹郎)
調整する中央学院・颯佐(撮影・滝沢徹郎)
リラックスした表情で調整する中央学院の颯佐(左)、中村(中央)、蔵並(撮影・滝沢徹郎)
調整する選手を見守る中央学院・相馬監督(撮影・滝沢徹郎)
リラックスした表情で調整する中央学院・臼井(中央)(撮影・滝沢徹郎)
練習中に声を出す中央学院・中村(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】「健大園芸」で心ひとつ 健大高崎ナインが泥水と格闘「バケツ、洗って返さなきゃ」

センバツ準決勝前日の練習をグラウンドの水抜きから始めた高崎健康福祉大高崎(撮影・金子真仁)

雨の多かった選抜高校野球大会は30日、準決勝を迎える。初の決勝進出を目指す高崎健康福祉大高崎(群馬)は29日、兵庫・西宮市内での練習を、グラウンドの水抜きから開始。“健大園芸”で心を1つにし、新チームの公式戦で無敗の星稜(石川)にぶつかる。報徳学園(兵庫)は中央学院(千葉)と戦う。

  ◇  ◇  ◇

準決勝開始の22時間前、高崎健康福祉大高崎ナインが泥水と格闘した。前夜の雨の影響で、グラウンドには二遊間の定位置などに大きな水たまりが。20人のメンバーも練習補助の部員も一丸で排水を始めた。

箱山遥人主将(3年)らが泥水いっぱいのバケツを運び、一塁ファウルエリアの排水溝に流す。「もう5、6往復してます」。ちりとりも活用しながら約30分で“健大園芸”を完了。打撃練習が可能なコンディションに回復させた。

青柳博文監督(51)は自チームについて「中学時代の実績でいえば全国屈指のチームなんですよね」と評し「でもいい選手が多いとバラバラになるんですよね、意外と」と添えた。箱山主将もその真理を悟っていた。だから。

「遠回りをしてでも、心を使って、力のある選手が泥くさくという思いを全員に浸透させたくて」

箱山は続ける。「控え部員も遠方から来て寮生活する選手が大半。いろんな感情を持っていると思うので」。全員で作る部活動。心技とも強くなり「日本一を取れるチーム」と自負するまでになった。決勝進出へ快音を響かせるグラウンドの外で「バケツ、洗って返さなきゃ」と蛇口をひねる部員がいた。【金子真仁】

センバツ準決勝前日の練習をグラウンドの水抜きから始めた高崎健康福祉大高崎(撮影・金子真仁)
センバツ準決勝前日の練習をグラウンドの水抜きから始めた高崎健康福祉大高崎(撮影・金子真仁)

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【センバツ】石川県勢初の優勝へあと2勝の星稜 地元の思い感じながらも気負わず/中村順司の目

取材に応じる星稜・山下智将監督(中央)(撮影・滝沢徹郎)

昨秋明治神宮大会王者の星稜が、4強に勝ち上がった。石川県勢初の大旗取りにあと2勝に迫ってきた。

元監督の山下智茂名誉監督は、情熱的な指導で星稜を甲子園常連校に育て上げられた。そんなお父さんの背中を見て来られたのが、山下智将監督だ。高校時代は監督と選手の関係。私も経験があるが、「親子鷹」の監督がわが子を特別扱いせず、厳しく接しても、子どもは周囲に遠慮する。山下監督もいろんな気遣いをし、チームを率いる今の下地を作ったのではないか。

能登半島地震で被災した地元の思いを感じながら、準決勝以降も戦う。昨秋王者ならではの自信を随所に感じさせる好チーム。気負うことなく臨んでほしい。

対する高崎健康福祉大高崎はもともとすぐれた機動力を持つが、今大会では打撃技術の高さが目を引く。バットのヘッドが下がらず、しっかりボールを上からたたいて、野手の間を抜く鋭い打球を飛ばしている。総合力が高い。

投手力では、報徳学園・今朝丸君に目を見張った。左打者の内角、右打者の外角へぶれることなく、あれだけ直線的に投げ込める投手を久しぶりに見た。好投手を伝統の堅守が支える。日頃の鍛錬の成果を感じさせる報徳学園のようなチームの進撃は、全国の野球部にとっても励みになる。対戦相手の中央学院も蔵並君、颯佐君、臼井君ら強力な投手陣をそろえる。遊撃手でもある颯佐君は、しっかりした投げ方をしている。このカードも楽しみだ。

新基準のバットが導入されたセンバツ。「芯で捉えないと飛ばない」と言われる新バットの導入は、バットの正しい扱い方を身につけるきっかけになると思う。フライボール革命の影響か、バットのヘッドが下がり、こすったような打球を打ち上げる打者が最近の大会で気になっていた。バットは振るのではなく、打つもの。相手投手が打たせまいと思って投げてくる球を捉えるには、指先でしっかり握ってつかまえにいく。基本の大事さを思うきっかけになると期待を込め、残り3試合を見守る。(PL学園元監督)

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【センバツ】石川県勢初4強星稜、準決勝前日に30分軽め調整「厳しい戦いになる」山下智将監督

調整する選手を見守る星稜・山下監督(左)と谷村部長(撮影・滝沢徹郎)

第96回選抜高校野球大会(甲子園)で石川県勢初の4強入りを果たした星稜が休養日の29日、兵庫・西宮市内のグラウンドで練習を実施した。ジョギングや素振り、小さめのバドミントンの羽打ちなどを行い、約30分の軽めの調整で練習を切り上げた。山下智将監督(42)は「とにかく疲労除去というか、明日に備えてということが第一で」と説明した。

30日の準決勝で対戦する高崎健康福祉大高崎(群馬)とは、毎年夏の大会前の6月ごろに練習試合を行う旧知のチーム。山下監督は「投手に打者に走塁、全てにおいて全国トップクラスのチーム。特に今年は戦力が非常に整っている」と警戒し、「なかなか厳しい試合になるかもしれないですけど、うちらしく1点を大事にとりにいって、最後1点でも多く取って勝ちたい」と力を込めた。

調整する選手とともにランニングする星稜・山下監督(撮影・滝沢徹郎)
練習前に集合する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・佐宗(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・山下智将監督(中央)(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)
調整する選手を見守る星稜・谷村部長(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)

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春季山梨大会組み合わせ決定 センバツ出場の山梨学院は4・13開幕戦で初戦 5・6決勝

春季高校野球山梨大会組み合わせ

春季高校野球山梨大会(13日開幕)の組み合わせが決まった。決勝は5月6日、山日YBS球場で行われる。上位2校が春季関東大会(5月18~21、25、26日、群馬)に出場する。

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【甲子園データ】星稜・戸田慶星が桑田真澄以来の快挙、2年生が8強以降で無四球完封

星稜対阿南光 星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)

<センバツ高校野球:星稜5-0阿南光>◇28日◇準々決勝◇甲子園

星稜の新2年生・戸田慶星投手が無四死球完封勝ち。センバツで2年生の無四死球完封は14年の履正社・溝田悠人(対小山台)以来10年ぶり。相手のレベルが高まる準々決勝以降では、84年準々決勝のPL学園・桑田真澄(対拓大紅陵)以来40年ぶりの快挙となった。背番号18は春夏を通じて完封投手の最大番号で、11年春1回戦の履正社・渡辺真也(対総合技術)以来2人目。

戸田の快投もあり、石川県勢はセンバツ準々決勝9度目(星稜は5度目)にして初勝利。春に4強がなかった5県(石川以外は福島、新潟、島根、佐賀)から脱した。春夏を通じて優勝がない12県からも抜け出すか。62年作新学院(栃木県宇都宮市)を更新するセンバツ最北端優勝も見えてきた。【織田健途】

星稜対阿南光 2安打完封勝利を挙げ、笑顔を見せる星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)

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【センバツ】「そんなことの徹底」で高崎健康福祉大高崎が4強入り あと2勝し師を送り出す

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 6回表山梨学院1死満塁、梅村の打球を処理し併殺とする二塁手高山(右)。中央は遊撃手田中(撮影・江口和貴)

<センバツ高校野球・高崎健康福祉大高崎6-1山梨学院>◇28日◇準々決勝◇甲子園

4強入りした高崎健康福祉大高崎(群馬)は“そんなこと”を徹底している。

両投手のボール球が少なく、かつ仕掛けも早い。山梨学院との関東対決は、4回裏終了時点でまだ39分経過というハイペースで進んだ。

ともに元プロ野球選手を父に持つ高山裕次郎内野手、田中陽翔内野手(それぞれ3年)の二遊間コンビが計14個のゴロをさばき、甲子園の黒土を制圧した。

高山は冬に外野から二塁に転向した。「土が硬くて、ボコボコになりにくいし怖さがないです。イレギュラーも少なくてて」。聖地で10個のゴロを完璧にさばき、二塁守備を「すごく楽しいです」と言えるようにまでなった。

低反発バットの影響で、詰まったゴロが増えた。二遊間は特に前へのダッシュが肝になる。5回、先頭打者の遊撃へのゴロは象徴的。田中はしっかり足を動かしてさばいた。「準備もできていたので」。

実は直前の4回裏の攻撃、2死満塁を無得点で終えた瞬間、田中はベンチからダッシュした。普通ならベンチで「あ~」と天を仰ぎそうなところ、田中は駆け出していた。3アウトの11秒後にはもう、ショートの位置に立っていた。

12年ぶりのベスト4入り。青柳博文監督(51)は「(12年前より戦力は)断然上」というほどのタレント軍団だ。そこでスキを見せないよう、技術以外でも圧倒できるよう、生方啓介野球部長(42)と赤堀佳敬コーチ(30)が攻守交代時の全力疾走を口酸っぱく言い続けてきた。

9イニングなら1試合18度の全力疾走になる。赤堀コーチは言う。

「選手たちによく言うんです。『そんなこと、にもこだわりなさい』と。そんなことに? って言われるくらい徹底力をもってこだわっていこうと。試合に勝たせていただくにしても、勝ちに対して価値をつけられるチームじゃないと日本一になっていけない」と大会中も訴えかけた。

その赤堀コーチは大会後、4月から磐田東(静岡)の監督に就任する予定だ。すでに報告を受けている選手たちは「赤堀さんのために」と帽子つば裏に書く。そんなことの徹底に、損なことはない。強い組織がきっと、最後に勝てる。ちゃんと示してから師を送り出す。【金子真仁】

◆高崎健康福祉大高崎の二遊間の父 二塁高山の父は広島、西武の内野手だった高山健一氏(52)で現在は広島スカウト。遊撃田中の父はロッテ、ヤクルトで投手だった田中充氏(48)。

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏、先発の津島に代わり桜田が登板する(撮影・上山淳一)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏途中、マウンドに上がる山梨学院2番手の桜田(撮影・江口和貴)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 6回表山梨学院1死満塁、梅村の打球を捕球し併殺を決める二塁手の高山(右)。左は遊撃手の田中(撮影・加藤哉)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 試合後、校歌を歌う箱山(左端)ら高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・江口和貴)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 6回表山梨学院1死満塁、梅村を併殺し仕留めガッツポーズを見せる石垣(撮影・江口和貴)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎1死一、三塁、斎藤銀乃助の中前適時打で先制し喜ぶ箱山(左から3人目)らベンチの選手たち(撮影・上山淳一)

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【センバツ】寺の息子 山梨学院・河内佑樹、強運で野球継続の危機乗り越え 年末は仏像磨きに精

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 8回表山梨学院無死満塁、犠飛を放つ河内(撮影・江口和貴)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎6-1山梨学院>◇28日◇準々決勝

準々決勝で敗退の山梨学院は、河内佑樹外野手(3年)がチーム唯一の打点を挙げた。6点を追う8回無死満塁で中犠飛を運んだ。昨秋の関東大会で代打で公式戦デビューを果たし、今春に「3番・右翼」の定位置を獲得。初の聖地で堂々とプレーした。

勝負強さに加え、強運も備えている。「人よりもちょっと運が良いかなと思います」。実家は、山梨・韮崎市にある「永明院」で、曹洞宗の寺の息子。実は中学時代、野球継続の危機に直面した。

ボーイズチームでの練習時、送球が右目に直撃した。「痛すぎて目が開けられなくて。最初はずっと人が三重くらいに見えてて」。すぐさま病院へ向かうと、負傷箇所があと少し下だったら失明の可能性もあったという。手術はせず2週間安静にすると、1カ月で視力は回復。これ以降大きなケガなく、野球に打ち込めている。

もしかしたら当たり前にこなしている慣習が、強運の秘訣(ひけつ)なのかもしれない。寺の息子らしく「自分の家は年末年始が忙しいので。帰省の時はずっと掃除してます」と、仏像磨きに精を出している。「全力で集中力がもつまではやります。2時間くらい」。やるからには、とことんきれいにしたいタイプ。ここぞの集中力には自信がある。

甲子園では9打数3安打1打点。全3試合をスタメン出場し、憧れの場所でもひるまなかった。「平常心でいつも通りの野球ができたのはすごく良い経験になりました。また夏にここで試合がしたい」。

さらなる中心選手となって帰ってこれるように。再びこの場所に戻ることを誓った。【佐瀬百合子】

山梨学院・河内佑樹外野手(3年)の実家「永明院」の内装(本人提供)

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【センバツ】青森山田・桜田朔、4回途中5失点に悔し涙「真っすぐに全然気持ちが…」

中央学院対青森山田 試合に臨む青森山田先発の桜田(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:中央学院5-2青森山田>◇28日◇準々決勝◇甲子園

青森山田が中央学院(千葉)に2-5で敗れ、春夏通じて初の4強入りを逃した。先発した桜田朔投手(3年)が4回途中5失点と試合をつくれず。初回、先頭打者に四球を与え、2回には自身の暴投や連打などで3失点。4回に左越え2点適時打を浴び、1-5となったところで降板。以降はエース右腕・関浩一郎投手(3年)が無失点投球も、打線がチャンスをものにできず14残塁の拙攻。4回途中5失点の桜田は試合後、悔し涙を浮かべた。

  ◇  ◇  ◇

「自分のせいで負けてしまった」。桜田の口をついて出るのは反省ばかりだった。「気持ちも弱々しくて、真っすぐに全然気持ちが乗っていなかった」。マウンド上での弱々しい投球は野手のエラーにもつながった。自責点は「2」だが、「悪い流れをつくってしまったのは自分。自分がすべて悪いと思っています」。全責任を背負うかのように重い口調で振り返った。

後を託した関には何も言えなかった。普段からご飯の量やトレーニングで競い合うライバルは、1死二塁での登板もわずか4球で2死を奪ってピンチを脱すると、以降は散発3安打無失点。「『0』で抑えてくれた。さすがだなと思います。僕のせいで負けてしまったので、やっぱり関の方が上だなと思っています」。競い合う相手を上だと認めてしまうほど、ふがいない投球だった。「やめたいっす…」。桜田はぼそっとつぶやいた。

これまでも野球をやめたいと思ったことがある。中学時代にはリトルシニアでのエースの重圧や周りとのレベルの差、自身の体が細かったこともあり、自信をなくしていた。それでも野球と向き合い続け、21年夏にはリトルシニア日本一に輝いた。高校でも日本一を目指し、青森山田へ。しかし、高1の時にひじの痛みで右腕が上がらなくなった。クリーニング手術をしたが、今度は野球ができないことに投げやりな気持ちになって、落ち込む日々が続いた。

だが、その時期があったからこそ弱い自分と向き合うことができた。自分には努力が足りないと感じ、「もうやるしかない」と思えるようになった。

報道陣がいなくなってから、糸が切れたように座り込んで泣いた桜田。悔しくて悔しくて仕方がない春になった。だが、こういった局面から何度も立ち上がってきたのも事実だ。夏に向けて「何も見えないです」と言いながら、「勝ちたいです」と力強く言った。4月生まれで、名前は「さくらださく」。春に笑顔の桜を咲かせることはできなかったが、この代にはまだ夏がある。夏こそは笑顔の「さくらがさく」はずだ。【濱本神威】

中央学院対青森山田 青森山田先発の桜田(撮影・上山淳一)
4回途中、5失点で降板した桜田

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【センバツ】青森山田エース関浩一郎が意地0封投球 5失点桜田朔の涙に「これ以上点やらない」

5回2/3を投げ、3安打無失点に抑えた関

<センバツ高校野球:中央学院5-2青森山田>◇28日◇準々決勝

青森山田が中央学院(千葉)に2-5で敗れ、春夏通じて初の4強入りを逃した。先発した桜田朔投手(3年)が4回途中5失点と試合をつくれず。初回、先頭打者に四球を与え、2回には自身の暴投や連打などで3失点。4回に左越え2点適時打を浴び、1-5となったところで降板。以降はエース右腕・関浩一郎投手(3年)が散発3安打の無失点投球。打線がチャンスをものにできず14残塁の拙攻も、青森山田のエースが意地を見せた。

  ◇  ◇  ◇

「これ以上『点をやらない』と思いました」。降板後、ベンチで涙を浮かべる桜田を見て、そう思った。前日の広陵(広島)との2回戦では、5回途中から登板した関。先発桜田が無失点で粘ってきた中で、8回に2失点、9回に3失点を喫した。打線が8回に2点、9回に3点を取り返し、5-5で迎えた延長10回裏無死満塁、原田純希(あつき)内野手(3年)の中犠飛でサヨナラ勝ち。試合後、関は時折涙を浮かべて声を詰まらせながら、「この試合はチームのみんなに本当に感謝しなきゃいけない」と語っていた。

前日に助けられた分、好投で恩返しした。得点圏には3度走者を進めながらも、きっちりと「0」に抑えた。前日のような逆転劇とは行かず、チーム初の1勝をつかんだ春は8強で終わったが、関は「チームとしても個人としてもたくさん反省や課題が得られたと思う。1日1日改善しながら、また夏、チームの目標である『日本一』に向かって頑張っていけたらと思います」。青森山田の「背番号1」は前を向いていた。今度こそ「日本一」をつかむために、夏にまたこの場所に帰ってくる。【濱本神威】

中央学院対青森山田 4回表中央学院1死二塁、関が2番手で登板する(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 7回表、力投する青森山田エース関(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 青森山田2番手で登板する関(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 青森山田2番手で登板する関(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 8回裏青森山田1死一塁、関(左)は左前打を放ち一塁でガッツポーズ。右は一塁手・蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 7回表中央学院無死、関は水嶋の投ゴロに反応する(撮影・上山淳一)

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【女子センバツ】東海大静岡翔洋が静岡県勢初の決勝進出 4・7東京ドームで神戸弘陵と対戦

※写真はイメージ

全国高校女子硬式野球選抜大会の準決勝が28日、埼玉・加須きずなスタジアムで行われ、東海大静岡翔洋が蒼開(兵庫)を5-1で下した。

打線は、初回に川満芽衣内野手(2年)が先制の適時打を放つなど5得点。先発の垣崎瑠依投手(1年)も2安打1失点完投で応え、快勝した。県勢初の進出となった決勝は4月7日に東京ドームで行われ、神戸弘陵(兵庫)と対戦する。

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【センバツ】野球を辞めたかった…苦難乗り越えた青森山田・桜田朔は夏へ再び立ちあがる

中央学院対青森山田 4回表中央学院無死一、二塁、桜田は上村のバントを処理し三塁でアウトを奪う(撮影・上山淳一)

<涙は夏のため>

<センバツ高校野球:中央学院5-2青森山田>◇28日◇準々決勝

センバツが100年を迎えた。敗れて甲子園を後にする敗者には、今夏の甲子園へとつながっていくドラマがある。「涙は夏のため~新しい夢のため~」と題し、さまざまな角度から敗れたチームの物語を紡ぐ。

  ◇  ◇  ◇

野球がつらかった、やめたかった-。青森山田・桜田朔投手(3年)は、青森山田リトルシニア時代に何度も「野球をやめたい」と思ったことがある。中学時代は青森山田中に自宅から通っており、毎日送り迎えをしていた父博さん(47)は「毎日、朔が苦しんでいる顔を見るのがつらかった」。片道36キロ、往復72キロの道のりで、曇った表情の息子が心配だった。周りとのレベル差や細い体-。桜田は「多分自信がなかったんですよね」と振り返る。

リトルシニアで日本一に輝き、高校日本一を目指して青森山田に入学。しかし、高校1年で右ひじのクリーニング手術をし、今度は野球ができず、投げやりな気持ちになり落ち込む日々が続いた。苦しい時期を過ごしたが、だからこそ弱い自分と向き合えた。努力が足りないと感じ「もう、やるしかない」と前を向けるようになった。

この日は中央学院を相手に4回途中5失点で降板。目に涙を浮かべ「自分のせい」と何度も口にしたが、夏に向けて「勝ちたいです」と力強く言った。悔しい春となったが、まだ次がある。再び立ち上がり、夏こそ笑顔で締めくくる。【濱本神威】

中央学院対青森山田 青森山田先発の桜田(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 試合に臨む青森山田先発の桜田(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】報徳学園「つなぎの4番」斎藤佑征が3戦連続V打「つなぐ意識あれば対応できる」

報徳学園対大阪桐蔭 1回裏報徳学園無死満塁、斎藤は先制の左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:報徳学園4-1大阪桐蔭>◇28日◇準々決勝

報徳学園「つなぎの4番」斎藤佑征内野手(3年)が3戦連続決勝打で勝利へ導いた。

1回無死満塁、大阪桐蔭・平嶋の外角変化球を流し打ち、三遊間を破った。先制打に「後ろにつなぐ意識があればどんな球でも対応できると思った。ヒットになって本当によかった」と右拳を突き上げた。勝負強さを発揮し「秋とは変わった報徳の姿を見せたいと思った。それを表現できるのは4番の僕と思っている」と胸を張った。

報徳学園対大阪桐蔭 1回裏報徳学園無死満塁、斎藤は先制の左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)
報徳学園対大阪桐蔭 1回裏報徳学園無死満塁、斎藤は先制の適時打を放ち一塁で笑顔を見せる。右は一塁手ラマル(撮影・上山淳一)

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【センバツ】“ロッテ佐々木朗希フォーム”中央学院・蔵並龍之介が初登板、8回途中1失点粘投

中央学院対青森山田 5回裏青森山田2死一、二塁、橋場を見逃し三振に仕留め雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:中央学院5-2青森山田>◇28日◇準々決勝

中央学院(千葉)が青森山田を破り初の4強入りを決めた。

蔵並龍之介投手(3年)は、背番号1のプライドを今大会初登板のマウンドに賭けた。1、2回戦は臼井夕馬投手(3年)、颯佐心汰内野手(3年)の継投で勝利。蔵並は終盤、一塁での起用はあったものの、登板はなかった。「投げたくて悔しかった。それをこの1試合に出せました」。8回途中まで毎回走者を背負ったが動じない。決め球のフォークを武器に粘り8安打1失点。打撃でも同点打を含む2安打1打点と勝利に貢献した。

投げられない自分に腹が立った。2回戦の宇治山田商戦前日。ブルペンでいい球が投げられず涙がこぼれた。「直球の質、変化球。うまくいかなくて…」。だから、出番がない。現実を突きつけられたが、「自己改革」が新たな力を生んだ。「自分の性格はマイナス思考。でも、相馬(幸樹)監督やチームメートが変えてくれた」。周りの声かけで「今できることを精いっぱいやる」と、プラス思考に。無心で練習を重ね、全力投球のマウンドにかえた。

186センチ、90キロの恵まれた体で「実は意識をしている」という左足を高く上げる“ロッテ佐々木朗希フォーム”で、全国にその名を知らしめた。「マウンドに上がった選手がエース。次もその気持ちで投げ込みたい」。背番号1の復活が、チームに弾みをつける。【保坂淑子】

中央学院対青森山田 2回裏、力投する中央学院のエース蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 6回裏、力投する中央学院のエース蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 6回裏、力投する中央学院のエース蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 中央学院先発の蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 6回裏、力投する中央学院のエース蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 青森山田に勝利し雄たけびを上げる中央学院・蔵並(手前)(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 青森山田に勝利し雄たけびを上げる中央学院・蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 青森山田に勝利し雄たけびを上げる中央学院・蔵並(手前)(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 6回裏、力投する中央学院のエース蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 6回裏、力投する中央学院のエース蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 5回裏青森山田2死一、二塁、橋場を見逃し三振に仕留め雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 5回裏青森山田2死一、二塁、橋場を見逃し三振に仕留め雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 5回裏青森山田2死一、二塁、橋場を見逃し三振に仕留め雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 2回裏青森山田2死二塁、佐藤隆を二ゴロに打ち取り雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 2回表中央学院2死三塁、蔵並は左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 2回表中央学院2死三塁、蔵並は左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 中央学院先発の蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 1回裏青森山田2死二塁、打者・原田を前にマウンドで話し合う蔵並(左)と捕手・飯山バッテリー(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 2回表中央学院2死三塁、蔵並は左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 2回表中央学院2死三塁、蔵並は左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 2回表中央学院2死三塁、蔵並(右)は左前適時打を笑顔を見せる(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 2回裏青森山田2死二塁、佐藤隆を二ゴロに打ち取り雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 4回表中央学院無死一塁、蔵並は中前打を放つ(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 5回裏青森山田2死一、二塁、橋場を見逃し三振に仕留め雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 6回裏青森山田無死、蔵並は代打・蝦名を空振り三振に仕留める(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 6回裏、力投する中央学院のエース蔵並(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 試合後、中央学院・蔵並(左)は涙を流す颯佐(右)をねぎらう(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】山梨学院エース桜田隆誠、インフルエンザで調整遅れも緊急登板「また戻ってきたい」

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏、先発の津島に代わり桜田が登板する(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎6-1山梨学院>◇28日◇準々決勝

昨年の王者、山梨学院は連覇を逃した。

エース・桜田隆誠投手(3年)は、左手指のマメをつぶした先発の津島悠翔投手(2年)に代わり、5回途中からマウンドに上がった。「変化球でカウントをとれたんですが、決め球が決まらなかった」と、3回1/3を5安打2失点。「まだ諦めない気持ちで。ここから粘ってと思っていたんですが…」と肩を落とした。

大会直前、インフルエンザにかかり、調整が遅れた。急きょ津島がメンバー入りし初戦、2回戦と先発し勝ち進んだ。「制球が持ち味なのに、そこが全然もどらなくて。体調を崩した自分が悪い。そこは切り替えて少しでもチームに貢献できるように、と思ってやっていました」。しかし、本来の投球ができないままに、春のセンバツを終えた。

中学の卒業式、全校生徒と保護者の前で「両親へ、野球の練習にずっと送り迎えしてくれてありがとう。僕が必ず、甲子園につれて行きます」と、スピーチした。アルプスでは母・佳子さん(52)が「有言実行してくれた。それがうれしい」と、見守った。

「また戻って来られるようにやっていきたいです」と桜田。有言実行の男の目は、すでに夏の舞台を見つめている。【保坂淑子】

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏途中、マウンドに上がる山梨学院2番手の桜田(撮影・江口和貴)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎2死三塁、先発の津島(左)は桜田にマウンドを託しベンチへ引き揚げる(撮影・上山淳一)

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【センバツ】報徳学園・今朝丸裕喜1失点完投!大阪桐蔭に「秋のリベンジを果たせて良かった」

大阪桐蔭対報徳学園 9回表大阪桐蔭2死、今朝丸は最終打者・山路を一直に仕留め勝利し歓喜する(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:報徳学園4-1大阪桐蔭>◇28日◇準々決勝

昨春準優勝の報徳学園(兵庫)がセンバツ2大会連続で大阪桐蔭を下し、4強入りを決めた。昨秋近畿大会で同校にKOされた今朝丸裕喜投手(3年)が9回5安打1失点で完投勝ち。2年連続のベスト4進出へチームを導いた。星稜は8強唯一の公立校・阿南光(徳島)を破り、石川県勢初の春4強進出。高崎健康福祉大高崎(群馬)、中央学院(千葉)も4強入りした。準決勝は休養日をはさんで、30日に行われる。

  ◇  ◇  ◇

プロ注目右腕が、5カ月前の雪辱を果たした。報徳学園の長身右腕・今朝丸が「西の横綱」に9回5安打1失点で完投勝ち。昨秋近畿大会で7回途中4失点でKOされた相手を寄り切った。「やられた分、取り返そうと強い気持ちで臨みました。秋のリベンジを果たせて良かった」。すっきりした表情だった。

昨年10月28日、大阪桐蔭との近畿大会準々決勝に先発したが、7回途中4失点。センバツ当確ランプを灯せず、険しい表情で球場を去った。

冬は体重増とメンタル強化に励んだ。初回1死二塁、質の向上した高め直球で徳丸を空振り三振。「今日はいける」と手応えを得た。2-0の8回に1点を返されたが、女房役の徳田が二盗を刺しバッテリーでほえた。「本当に助かった。秋は気持ちに余裕がなかった。甲子園でもピンチの場面が絶対来ると思っていた」と動揺はなかった。

「ド」がつくほどの天然キャラ。チームで研究し尽くしたはずの相手校のエースも、試合当日になって「エース、だれやったっけ?」と首をかしげ、味方は「あれだけミーティングしてるのに…」と苦笑い。ただ、マウンド上ではマイペースで動じない。根っからの投手タイプで、この日も強気の投球でねじ伏せた。

甲子園6試合目の登板で初完投。お立ち台にも初めて上がり「マウンドより緊張した」と笑った。強豪ひしめくブロックを勝ち抜き、準優勝の昨春に続く4強入り。「今日が一番大きなヤマ場だと思っていた。勝ち抜けたので日本一を取る意識が強く持てる。強い意識を持って戦っていこうかな」。春夏4度目の悲願まであと2勝だ。【林亮佑】

◆大阪桐蔭に連勝 報徳学園が甲子園では昨年春の準決勝(7-5)に続き連勝。大阪桐蔭に甲子園で2勝した学校は初めて。

大阪桐蔭対報徳学園 報徳学園先発の今朝丸(撮影・上山淳一)
大阪桐蔭対報徳学園 6回表大阪桐蔭2死三塁、今朝丸はラマルを遊ゴロに仕留めガッツポーズ(撮影・上山淳一)
大阪桐蔭対報徳学園 大阪桐蔭から勝利を挙げた報徳学園の今朝丸(左)と笑顔で握手する大角監督(撮影・上山淳一)

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【センバツ】青森山田、14残塁で初の4強入り逃す「実力不足」橋場主将

中央学院に敗れ、引き揚げる青森山田ナイン(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:中央学院5-2青森山田>◇28日◇準々決勝

青森山田は春夏通じて初の4強入りはかなわなかった。

4回途中から救援したエース右腕の関浩一郎投手(3年)が無失点投球も、打線が14残塁と好機を生かせず。初球を遊撃に打ち上げ最後の打者となった橋場公祐主将(3年)は「つながないといけない場面で1本出せなかったのは自分の実力不足」と反省。「しっかり鍛え直して夏を迎えたい」と気を引き締めた。

中央学院対青森山田 試合に敗れ悔しがる青森山田の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 2回裏青森山田無死、橋場は中へ二塁打を放つ(撮影・上山淳一)
中央学院対青森山田 2回裏青森山田無死、橋場は中へ二塁打を放つ(撮影・上山淳一)

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【センバツ】星稜にまたヒーロー!公式戦初先発2年生戸田慶星が2安打完封「何も考えないよう」

星稜対阿南光 星稜先発の戸田(撮影・加藤哉)

<センバツ高校野球:星稜5-0阿南光>◇28日◇準々決勝◇甲子園

星稜(石川)が快勝し、初めて4強に入った。石川県勢としてもセンバツでは初の準決勝進出。能登半島地震で被害を受けた地元に、あと2勝で紫紺の優勝旗が届く。高崎健康福祉大高崎(群馬)は堅守で4強へ。山梨学院の春連覇はならなかった。関東勢では中央学院(千葉)も春夏通じて初のベスト4。大阪桐蔭を破った報徳学園(兵庫)は30日の準決勝に進んだ。

  ◇  ◇  ◇

試合ごとに2桁背番号の選手が躍動する星稜に、また新たなヒーローが生まれた。1回戦は20番東汰生(たいせい)外野手(3年)、2回戦は13番中島幹、そしてこの日は18番戸田慶星投手(2年)。公式戦初先発の2年生右腕が2安打完封で、県勢初の4強に導いた。

3回、先頭打者に初安打を許し、そこから1死二塁と得点圏に走者を背負った。だが連続内野ゴロでピンチを脱出。9回2死から2本目の安打を許すまでピンチらしいピンチもなく、堂々の完封勝利を挙げた。

登板前は「何も考えないようにして試合に入った」と無心を心がけた。女房役の能美とブルペン捕手の河上も作戦を練った。戸田の緊張しやすい性格を知る2人は、あえて「緊張しとけよ」と声をかけた。「緊張するもんだと思えと。緊張がダメと言えば、そっちにのめり込んで、意識が向いてしまう」という気づかいも功を奏した。

OBのヤクルト奥川の投球に心を奪われ、星稜中に入学。父岳仁(たけと)さん(52)の「星稜に入ってほしい」との願いで、慶星(けいた)の名前に「星」の字が入る。奥川がエースとしてけん引した当時の映像を、繰り返し見てきた。「小学校の頃は(甲子園で)投げられるとは思ってなかった」と、夢舞台に立つこと自体が夢心地だった。

冬場はウエートトレに励み、室内練習場に掲げられた「念ずれば花開く」の言葉を胸に刻んだ。戸田の志を知るエースの佐宗翼(3年)は「この冬で一番の成長。頼もしくて安心して見ていました」と明かした。

センバツ4強は星稜にとって5度目の正直。松井秀喜(元ヤンキース)、山本省吾(元オリックス)、奥川らも果たせなかった。「先輩を超えたとは…」と喜びがこみあげる。チームは昨秋から16連勝。「1球1球を大事にして、結果的に1点でも相手より多く取れるように」と春制覇に向かう。【中島麗】

星稜対阿南光 8回裏終了後、星稜山下監督(中央)の話を聞く先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回裏阿南光2死一塁、住江を右飛に仕留め笑顔でナインとタッチする戸田(右)(撮影・加藤哉)
星稜対阿南光 力投する星稜先発の戸田(撮影・加藤哉)
星稜対阿南光 8回裏終了後、ベンチに引き揚げる星稜先発の戸田(右)(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 力投する星稜先発の戸田(撮影・加藤哉)
星稜対阿南光 9回裏阿南光2死一塁、住江を右飛に仕留め、完封勝利を挙げた戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回裏阿南光2死一塁、住江を右飛に仕留め、完封勝利を挙げた戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回裏阿南光無死、二ゴロとした福嶋の打球に反応する戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 8回裏終了後、走ってベンチに引き揚げる星稜先発の戸田(右)(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 6回裏終了後、走ってベンチに引き揚げる星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 3回裏終了後、ベンチに引き揚げる星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 3回裏阿南光無死一塁、国吉(左)の送りバントを処理し一塁へ送球する戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 3回裏阿南光無死一塁、国吉の送りバントを処理し一塁へ送球する戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 2回裏阿南光1死、戸田は戸田大の打球を捕球(撮影・加藤哉)
星稜対阿南光 9回裏、力投する星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回裏、力投する星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回裏阿南光2死一塁、住江を右飛に仕留め、完封勝利を挙げた戸田(右)(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回裏阿南光2死一塁、住江を右飛に仕留め、完封勝利を挙げた戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 2回表星稜無死二、三塁、適時打を放つ戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 2回表星稜無死二、三塁、適時打を放った戸田(右)(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 阿南光戦に先発する戸田(撮影・加藤哉)
星稜対阿南光 2安打完封勝利を挙げ、笑顔を見せる星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 2安打完封勝利を挙げた星稜先発の戸田(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回裏阿南光無死、福嶋(手前)を二ゴロに仕留める戸田(撮影・江口和貴)

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【センバツ】大阪桐蔭・西谷監督「夏への課題がたくさん見つかった」昨年に続き報徳学園に敗れる

大阪桐蔭対報徳学園 8回裏を終え厳しい表情の大阪桐蔭・西谷監督(右)(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:大阪桐蔭1-4報徳学園>◇28日◇準々決勝

大阪桐蔭が2年連続で報徳学園に屈し、ベスト8で甲子園から姿を消した。

前回大会の準決勝で惜敗した相手にリベンジはならず。聖地で同じ相手に2敗は、同校初の屈辱となった。母校に苦汁をなめさせられた西谷浩一監督(54)は「粘り強い報徳学園さんに粘り勝ちしたいと思ってやったんですけど、粘りきれなかった」と悔やんだ。

初回の失点が最後まで尾を引いた。先発平嶋がいきなり連続四球を許し、4番斎藤に先制の左前適時打を許すなど2失点。2回以降は立ち直ったが、4回2失点で降板し「自分が試合を崩してしまった」とうなだれた。打線も大会屈指の好投手、今朝丸から1点しか奪えず、指揮官は「力負けだと思います」と脱帽した。

西谷監督は今大会で2勝を手にし、甲子園単独最多69勝監督となったが、春夏9度目の優勝はかなわず。王手をかけていた都道府県別で史上初の大阪春夏400勝も夏にお預けに。指揮官は「夏への課題がたくさん見つかった、詰まったゲームだった。何とかまたここで勝負をできるように、日本一を目指せるように準備したいと思います」と前を向いた。【古財稜明】

▽大阪桐蔭・境(2試合連続3安打と奮闘)「悔しいです。チームとしても個人としてももっとレベルアップして、また夏に戻ってこられるように練習をやっていきたい」

報徳学園対大阪桐蔭 報徳学園に敗れ落胆する大阪桐蔭の選手たち(撮影・上山淳一)
報徳学園対大阪桐蔭 ベンチから大きなアクションで指示を送る大阪桐蔭の西谷監督(撮影・上山淳一)
報徳学園対大阪桐蔭 4回表大阪桐蔭1死、大飛球を放つも中飛に倒れるラマル(撮影・上山淳一)

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【センバツ】大阪桐蔭が異例の連敗!甲子園で同じ相手に初めて2敗、8強で散る

報徳学園対大阪桐蔭 1回裏報徳学園無死満塁、マウンドに集まる大阪桐蔭内野陣(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:報徳学園4-1大阪桐蔭>◇28日◇準々決勝

大阪桐蔭が報徳学園に敗れ、2年ぶりのセンバツ制覇を逃した

報徳学園とは昨年のセンバツ準決勝で対戦。3回に5点の大量リードを奪うも、7回に追いつかれ、8回に2点を勝ち越されて力尽きた。その試合で8回から救援した今朝丸裕喜投手(3年)がこの日は先発で、1点しか奪えなかった。

大阪桐蔭が同じ相手に甲子園で2敗するのは初めてのケースとなった。

報徳学園対大阪桐蔭 完投勝利しガッツポーズする報徳学園・今朝丸(撮影・滝沢徹郎)
昨年のセンバツで報徳学園に敗れた大阪桐蔭ナイン
昨年のセンバツで報徳学園に敗れガックリと引き揚げる大阪桐蔭・西谷監督

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【センバツ】星稜・山下智茂名誉監督「能登の方々にとても大きな希望を」石川県勢初の4強入り

星稜対阿南光 試合前、グラウンドを見つめる星稜・山下智茂元監督(撮影・江口和貴)

<センバツ高校野球:星稜5-0阿南光>◇28日◇準々決勝◇甲子園

星稜(石川)が快勝し、初めて4強に入った。石川県勢としてもセンバツでは初の準決勝進出。能登半島地震で被害を受けた地元に、あと2勝で紫紺の優勝旗が届く。

  ◇  ◇  ◇

星稜・山下智茂名誉監督「選抜初のベスト4おめでとうございます。これまで4度、ベスト8で敗れていたので、今大会は能登の方々にとても大きな希望を与えているのではないでしょうか。これからが大変な戦いになるので頑張ってほしいと思います」

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【センバツ】プロ注目の健大高崎・箱山遥人が2点適時三塁打「仲間のために」大会終盤に本領発揮

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎2死二、三塁、箱山は左越え2点適時三塁打を放ち雄たけびを上げる(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎6-1山梨学院>◇28日◇準々決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎(群馬)の4番、箱山遥人捕手(3年)にようやくスカッとする当たりが出た。

2点を先制した5回、なおも2死二、三塁。山梨学院の技巧派左腕津島の初球の直球を振り抜いた。惜しくも本塁打とはならなかったものの、打球はフェンスに直撃。2点適時三塁打となり、滑り終えるとこぶしを突き上げた。

「友人であったり、家族であったり、いろんな方に支えられて、応援されて、自分がチームのために行動することが一番結果につながるって心に言い聞かせて、仲間のために初球から振っていこうと思いました」

そんな感情を吐露した。強肩強打の捕手として、今秋ドラフト候補に挙がる。2月に腰を痛め、全体練習に参加できない時期もあったが、ようやく大会終盤に本領を戻してきた。

中学時代から好捕手として評判で、山梨学院も進路先の候補にあったという。それが1年秋、2年秋と山梨学院に敗退。「それが本当に悔しくて。甲子園という舞台でやっと山梨学院さんに勝つことができて、特別な思いもありますし、そこはすごいうれしいなっていうふうに思います」と熱い感情を口にした。

30日の準決勝では星稜(石川)と戦う。「1試合1試合、1イニング1球1球をやりきる強い思いを持ってやっているので、自分たち9人でやった結果が勝利につながればいいなって思います」と意気込んだ。

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎2死二、三塁、箱山は2点適時三塁打を放つ(撮影・加藤哉)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎2死二、三塁、2点適時三塁打を放つ箱山(撮影・江口和貴)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎2死二、三塁、箱山は左越え2点適時三塁打を放ち三塁に向かう(撮影・上山淳一)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 試合後、校歌を歌う箱山(左端)ら高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・江口和貴)

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【センバツ】健大高崎2年生継投で勝利、血豆悪化で降板の佐藤龍月「次の試合もあるので」

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 高崎健康福祉大高崎先発の佐藤(撮影・江口和貴)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎6-1山梨学院>◇28日◇準々決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎はこの日も2年生の継投で勝った。

先発左腕の佐藤龍月投手は5回2死、左手人さし指の血豆が悪化。その後に直球で空振り三振を奪ったものの、6回からは右腕の石垣元気投手にマウンドを託した。「自分は『投げられる』って言ったんですけど、次の試合もあるので」と佐藤。報道対応を終え治療に向かった。

◆無失策試合 山梨学院-高崎健康福祉大高崎戦で記録。今大会4度目。

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回表、マウンドで指を気にする高崎健康福祉大高崎先発の佐藤(右)(撮影・江口和貴)
山梨学院対高崎健康福祉大高崎 6回表山梨学院1死満塁、梅村を併殺し仕留めガッツポーズを見せる石垣(撮影・江口和貴)

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【センバツ】報徳学園、星稜、健大高崎、中央学院が4強 大阪桐蔭、山梨学院は敗退/詳細

<センバツ高校野球>◇28日◇準々決勝4試合

センバツ高校野球第9日は準々決勝4試合。第1試合は星稜(石川)が阿南光(徳島)を5-0で破り春のセンバツで初の4強入り。第2試合は高崎健康福祉大高崎(群馬)が連覇を目指した山梨学院に快勝した。第3試合は中央学院(千葉)が青森山田を破って初の4強入り。第4試合は報徳学園(兵庫)が大阪桐蔭を4-1で破り2年連続の4強入りを決めた。

準決勝は明後日30日、星稜-健大高崎、中央学院-報徳学園のカードで行われる。

第4試合:大阪桐蔭1-4報徳学園

チーム
桐蔭
報徳

【桐】平嶋、南、中野

【報】今朝丸

大阪桐蔭対報徳学園 報徳学園先発の今朝丸(撮影・滝沢徹郎)

大阪桐蔭対報徳学園 1回表大阪桐蔭2死二塁、ラマルは死球を受ける(撮影・滝沢徹郎)

大阪桐蔭対報徳学園 ベンチから指示を送る大阪桐蔭の西谷監督(撮影・上山淳一)

大阪桐蔭対報徳学園 大阪桐蔭先発の平嶋(撮影・上山淳一)

大阪桐蔭対報徳学園 1回裏報徳学園無死満塁、斎藤は先制の左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

大阪桐蔭対報徳学園 1回裏報徳学園無死満塁、斎藤は先制の左前適時打を放ち一塁で笑顔を見せる。右は一塁手・ラマル(撮影・上山淳一)

大阪桐蔭対報徳学園 1回裏報徳学園無死満塁、斎藤の左前適時打で先制生還し笑顔を見せる橋本(左)(撮影・上山淳一)

大阪桐蔭対報徳学園 6回表大阪桐蔭2死三塁、今朝丸はラマルを遊ゴロに仕留めガッツポーズ(撮影・上山淳一)

大阪桐蔭対報徳学園 完投勝利しガッツポーズする報徳学園・今朝丸(撮影・滝沢徹郎)

第3試合:中央学院5-2青森山田

チーム
中学
山田

【山】桜田、関

【中】蔵並、颯佐

中央学院対青森山田 1回裏青森山田2死一、三塁、吉川は先制左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

中央学院対青森山田 2回表中央学院2死三塁、蔵並は左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

中央学院対青森山田 2回表中央学院2死一、二塁、青木の打球を左翼手・駒井が落球し2点二塁打となる(撮影・上山淳一)

中央学院対青森山田 2回裏青森山田2死二塁、佐藤隆を二ゴロに打ち取り雄たけびを上げる蔵並(撮影・滝沢徹郎)

中央学院対青森山田 4回表中央学院無死一、二塁、上村のバントで二走飯山(奥)をアウトにする三塁手菊池伊(撮影・上山淳一)

中央学院対青森山田 4回表中央学院1死一、二塁、青木は左越え2点適時二塁打を放つ(撮影・上山淳一)

中央学院対青森山田 8回裏青森山田2死二、三塁、佐藤洸を右飛に打ち取り雄たけびを上げる颯佐(撮影・滝沢徹郎)

第2試合:健大高崎6-1山梨学院

チーム
山学
健大

【健】佐藤、石垣

【山】津島、桜田

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 高崎健康福祉大高崎先発の佐藤(撮影・江口和貴)

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 高崎健康福祉大高崎戦に先発する津島(撮影・加藤哉)

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 4回裏、高崎健康福祉大高崎戦に先発する津島は左手の指から出血が見られる(撮影・加藤哉)

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎2死二、三塁、箱山は左適時三塁打を放つ(撮影・加藤哉)

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 5回裏高崎健康福祉大高崎2死二、三塁、箱山は左適時三塁打を放ちベースにヘッドスライディングする(撮影・加藤哉)

山梨学院対高崎健康福祉大高崎 6回表山梨学院1死満塁、梅村を併殺し仕留めガッツポーズを見せる石垣(撮影・江口和貴)

第1試合:星稜5-0阿南光

チーム
星稜
阿南

【阿】大坂、吉岡

【星】戸田

星稜対阿南光 1回表星稜2死二塁、萩原は左適時打を放つ(撮影・加藤哉)

星稜対阿南光 阿南光戦に先発する戸田(撮影・加藤哉)

星稜対阿南光 2回表星稜無死三塁、専徒は適時打を放つ(撮影・加藤哉)

星稜対阿南光 阿南光2番手の吉岡(撮影・江口和貴)

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【センバツ】報徳学園が2年連続4強 昨春に続き大阪桐蔭破る 今朝丸裕喜が1失点完投

大阪桐蔭対報徳学園 6回表大阪桐蔭2死三塁、今朝丸はラマルを遊ゴロに仕留めガッツポーズ(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:報徳学園4-1大阪桐蔭>◇28日◇準々決勝

報徳学園(兵庫)が昨春に続き大阪桐蔭を破り2年連続の4強入りを果たした。昨年は準決勝で対戦し7-5で勝利。大阪桐蔭とは甲子園対戦成績を2勝1敗とした。

先発のプロ注目右腕今朝丸裕喜が快投。188センチの長身から145キロ前後の角度ある直球とスプリットで大阪桐蔭打線を圧倒した。7回まで3安打無失点。8回に1点を失ったが最少失点で完投した。今朝丸は昨年の同カードでも勝利投手になっており2年連続で大阪桐蔭から白星を挙げた。

打線は1回、大阪桐蔭・平嶋の立ち上がりを攻め、連続四球と敵失で無死満塁。4番斎藤佑征の左前適時打と内野ゴロの間に2点を先制。1点差に迫られた8回には敵失から好機を広げ5番安井康起の適時打、暴投で2点を奪った。

大阪桐蔭は8回に一時は1点差に迫ったが3年連続の4強入りを逃した。西谷浩一監督は母校に敗れ70勝到達ならず。さらに大阪勢の春夏甲子園400勝目も夏以降に持ち越しとなった。

<30日の準決勝組み合わせ>

第1試合:星稜(石川)-高崎健康福祉大高崎(群馬)

第2試合:中央学院(千葉)-報徳学園(兵庫)

大阪桐蔭対報徳学園 6回表大阪桐蔭2死三塁、今朝丸はラマルを遊ゴロに仕留めガッツポーズ(撮影・上山淳一)
大阪桐蔭対報徳学園 6回表大阪桐蔭2死三塁、今朝丸はラマルを遊ゴロに仕留め喜ぶ(撮影・上山淳一)
大阪桐蔭対報徳学園 4回表大阪桐蔭無死、二塁手・山岡は徳丸の二ゴロで好守備を見せる(撮影・上山淳一)
大阪桐蔭対報徳学園 1回裏報徳学園無死満塁、斎藤(右)は先制の左前適時打を放ち笑顔を見せる(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】大阪桐蔭・吉田翔輝が途中交代、帰塁時に右肩痛めたか 直前には反撃の適時打

大阪桐蔭対報徳学園 8回表大阪桐蔭2死三塁、吉田は左前適時打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:大阪桐蔭-報徳学園>◇28日◇準々決勝◇甲子園

大阪桐蔭の吉田翔輝外野手(3年)が、試合中のアクシデントにより途中交代した。

2点を追う8回2死三塁から吉田が左前へのタイムリーを放ち、一塁へ出塁。その後、徳丸快晴外野手(3年)の打席で相手投手が一塁へけん制球。帰塁した際に右肩を痛めた模様で、治療のためベンチに下がった。臨時代走に境亮陽外野手(3年)が送られたが、8回裏の守備には就かず、そのまま交代となった。

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【センバツ】青森山田先発・桜田朔、涙の降板「自分のせいで負けてしまった」4回途中5失点

中央学院対青森山田 青森山田先発の桜田(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:中央学院5-2青森山田>◇28日◇準々決勝

青森山田は春夏通じて初の4強を狙ったが、同じく初の4強を狙った中央学院に阻まれた。先発した青森山田・桜田朔投手(3年)は4回途中5失点(自責点2)で降板。降板後はベンチで天を仰いだり、帽子のつばで顔を覆って目に涙を浮かべていた。

試合終盤は、ベンチから大きな声で声援を送った。勝利を願い続け、チームも再三チャンスをつくったが、なかなか得点にはつながらず。試合後「自分のせいで負けてしまったので、すごい反省しています」と涙目。マウンド上で弱気になり「真っすぐにも全然気持ちが乗ってなくて棒球のようなボールをずっと投げてしまっていた」と、弱々しい投球になった自分を責めた。

中央学院対青森山田 試合に臨む青森山田先発の桜田(撮影・滝沢徹郎)
中央学院対青森山田 4回表中央学院無死一、二塁、桜田は上村のバントを処理し三塁でアウトを奪う(撮影・上山淳一)

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