市和歌山快勝 プロ注目の小園は1回3者凡退、夏に向けレベルアップ図る
市和歌山が11日、今春センバツ後初の公式戦となる春季近畿地区大会和歌山県大会の初戦に臨み、橋本に9-1で7回コールド勝ちした。
プロ注目で最速152キロ右腕の小園健太投手(3年)は7回に3番手で救援登板し、3者凡退の1回無失点。小園は4日にセンバツ後の初実戦に臨み「春、和歌山で絶対に優勝する思いでやりたい」と話していた。センバツは2回戦で明豊(大分)に敗退。夏に向け、レベルアップを図る。
市和歌山が11日、今春センバツ後初の公式戦となる春季近畿地区大会和歌山県大会の初戦に臨み、橋本に9-1で7回コールド勝ちした。
プロ注目で最速152キロ右腕の小園健太投手(3年)は7回に3番手で救援登板し、3者凡退の1回無失点。小園は4日にセンバツ後の初実戦に臨み「春、和歌山で絶対に優勝する思いでやりたい」と話していた。センバツは2回戦で明豊(大分)に敗退。夏に向け、レベルアップを図る。
春日部共栄(埼玉)の本多利治監督(66)が、来年3月31日で勇退することが14日、分かった。関係者によるとすでに野球部員にも知らされているといい、後任は現時点では未定となっている。
同監督は選手時代に高知高で3度甲子園を経験し、75年センバツで優勝した。同校の野球部が創部した80年に22歳の若さで監督に就任。監督としては91年に初のセンバツ出場を果たし、93年夏の甲子園では同校最高成績の準優勝に導くなど、春夏通算8度出場で10勝を挙げている。
主な教え子は土肥義弘(元西武)、中村勝(元日本ハム)、中里篤史(元中日)、城石憲之(元ヤクルト、現ヤクルト総合コーチ)
村田賢一(ソフトバンク)。
<高校野球春季東京大会:明大中野3-1早実>◇14日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子
NPB4球団のスカウトが見守るなか、プロ注目の早実・宇野真仁朗内野手(3年)が、3試合連続の本塁打で高校通算58本塁打とした。
0-3の9回2死。直球をはじき返し、左越えソロで反撃に出た。しかし後続が倒れ、8強進出には届かなかった。宇野は「自分が打たないとっていう責任に負けてしまった。チャンスで打てなかったのが悔しい」と、反省を口した。宇野は今大会から木製バットを公式戦でも使用。木製バットでの本塁打はこれで3本目となった。
今春センバツから低反発バットが導入された。なおも木製バットを使用する理由については「逆に低反発の方が振りにくい感触で。しなりもあるので、木のバットを使ってるって感じです」と笑顔で話した。
将来については「もちろん高校からでも大学からでもプロに行きたいと思っていますけど、とにかく今の目標は夏の甲子園に出て、その上でアピールできるように。まずはチームのためにできることを探していきたいなっていう感じですね」と、丁寧な口調で話した。
視察に訪れたヤクルト橿渕聡編成部スカウトグループデスク(49)は「木のバットで、すでに2本(この試合で3本)打っていて力がある。打球は金属バットを使っている他の選手と遜色ないですね。高校生の中だと頭1つ、2つ抜けている印象です」と語った。
和泉実監督(62)は「結局宇野が打てないとこういう試合になっちゃう。宇野もマークが厳しいので、簡単な球はなかなか放ってくれない。もう少し戦力を整えていきたい」と、夏に向けてチームの底上げを誓った。【佐瀬百合子】
春季九州地区高校野球大会の組み合わせ抽選会が12日、佐賀県内で行われた。大会期間は20日から25日までの5日間(23日は休養日)。会場は佐賀県立森林公園野球場のみ。今春選抜大会出場4校を加えた16チームが参加する。
注目校は春日(福岡1位)だ。県内屈指の進学校で知られ、激戦区の春季福岡県大会で初優勝を飾った。初戦は佐賀北(佐賀1位)との顔合わせとなり、公立校対決となった。八塚昌章監督(55)は「守りの時間を短く、攻撃の時間を長くがモットー。それを実践できたら」と意気込んだ。センバツ16強入りで今大会V候補の神村学園(鹿児島推薦)は大牟田(福岡2位)と対戦する。
鹿児島実(鹿児島1位)はNPB12球団が注目する最速151キロ右腕・井上剣也投手(3年)を擁する。高校日本代表候補の神村学園・正林輝大外野手(3年)も今秋のドラフト候補に挙がる左のスラッガーだ。
北海道高野連は12日、札幌市内で24年度第1回理事会を開催し、昨年度の収益を活用した還元事業を実施すると決定した。
昨年は夏の道大会準決勝、決勝をエスコンフィールド、秋の道大会を札幌ドームで開催し、入場料収入が想定よりも多かった。そのため加盟各校に新基準バットとヘルメット、捕手用マスクの中から希望の用具を配布する。
また連合チームの規定も変更。昨年までは8人以下の複数校によって結成されてきたが、今年から総部員数20人を上限に、9人以上の学校が1校あっても連合チームを組めるようになった。新入生などが加わって1校が単独出場となった場合、残る少人数校の生徒が大会出場が難しくなる規定だったが、日本高野連の規定に準じて変更する。
春季大会は5月5日の空知地区を皮切りに地区大会が開幕し、22日から札幌円山で道大会が行われる。
クラーク仙台の入学式が10日、仙台市福祉プラザで行われ、新入生12人が女子硬式野球部に入部した。二松学舎大付(東京)のドラフト候補、片井海斗内野手(3年)の妹・片井凪海(ななみ)や、地元・宮城デイジーズで全日本中学女子軟式大会で準優勝投手に輝いた伊藤結月らが制服を身にまとい、入学許可証を授与。昨秋、初の全国制覇を果たした同校は、再び全国の頂点に向けて始動する。
◇ ◇ ◇
全国制覇を夢見て、強豪校の門をたたいた。これまで、準優勝が最高成績だったクラーク仙台がついに昨年、第14回全国高校女子硬式野球ユース大会で全国の頂点へと立った。これが、片井凪が同校を志す大きなきっかけとなり、「明るく楽しい野球をする先輩やコーチの雰囲気が良かった」と入学を決意した。
中学時代は練馬北シニアに所属し、唯一の女子部員としてプレーしてきた片井凪にとって、女子野球は初挑戦。ポジションは投手と内野手をこなし「毎回先発出場して、チームに欠かせない存在になりたい」と意気込んだ。
かっこいいお兄ちゃんからライバルへ。二松学舎大付で、今秋のドラフト候補の兄海斗は、同校で1年生から4番を務める。22年夏の甲子園2回戦、社(兵庫)戦では、甲子園初安打となるソロ本塁打を放ち、勝利に貢献。夏の甲子園の1年生4番の本塁打は、83年清原和博(PL学園)、10年萩原英之(九州学院)に次いで、3人目となる快挙だった。
兄の影響で小学1年から野球を始めた片井凪。弟、妹も野球を始め、4きょうだい全員が野球をしている。卓越したバッティングセンスを誇る兄から、スイングや選球眼を教わり、自宅駐車場などで練習をしている。
「兄はいろんな人の前に立ってプレーしていてかっこいい」と照れ笑い。これからはともに頂点を目指す、良きライバルへ。「兄よりも先に日本一を取りたい」と誓った。【木村有優】
◆片井凪海(かたい・ななみ)2009年(平21年)2月4日生まれ、埼玉県朝霞市出身。小学1年で野球を始め、朝霞三中時代は練馬北シニアでプレー。ポジションは投手、内野手。右投げ右打ち。身長165センチ。家族は両親、兄、弟、妹。
高校野球春季千葉大会の抽選会が行われた。
20日に開幕し、センバツ4強の中央学院は21日に初戦を迎える。決勝は5月5日、千葉県天台野球場。
上位2校が春季関東大会(群馬、5月18日~)に出場する。
4月から始動した聖光学院(福島)女子硬式野球部が11日、同校で創部発表式を行った。学校関係者、指導スタッフ、部員29人(県内出身者3人)らが参加。指揮を執る松崎克哉監督(37)は同校OBで、04年夏の甲子園では主将としてチームをけん引し、甲子園初白星、16強へと導いた。松崎監督は「まだまだ力はないが、“日本一″を取るために1歩ずつ山を登っていきたい」と、3年後の全国制覇を目指す。
初代主将は、立候補者の中から水野心投手(1年)に投票で決まった。「聖光学院の今後の色が決まる大事な役目。後輩たちにつなげるためにも、覚悟を持ってチームを先導していきたい」と胸を張った。
入部を志すきっかけは、同校硬式野球部に所属する兄裕次郎投手(3年)の存在だった。小学4年で野球を始めて以降、きょうだいで練習や走り込みを行い、ともに成長してきた。好きな野球選手には「兄」と答え、「下手でも諦めずに、気持ちでプレーする姿を尊敬している」と語った。これから先も、きょうだいでともに成長し、聖光学院の新たな歴史をつくっていく。【木村有優】
石川県の高校野球春季県大会の抽選会が11日に実施され、組み合わせが決まった。センバツ4強入りした星稜は門前と対戦し、日本航空石川は小松市立(ともに27日、石川県立野球場)で初戦に臨む。
1月の能登半島地震で被害の大きかった輪島市内に学校があり、1月中旬から山梨に拠点を移して活動を続けていた日本航空石川は、4月以降で東京・青梅市の明星大キャンパスに学校機能、生活拠点も置きながら、春季県大会にも出場する予定だ。
日本学生野球協会は9日、都内で審査室会議を開き、高校13件(1件は非公表)の処分を決めた。東浦(愛知)、種子島(鹿児島)、浦和工(埼玉)はそれぞれ春季大会を自主的に辞退した。
日本学生野球憲章違反の疑いがある事象の調査要請を拒否し、前回の審査室会議で継続審議となっていた盛岡誠桜(岩手)については、いまだに調査報告に応じていないとして、校長兼部長に対し、憲章違反行為により24年4月10日から5月24日までの謹慎とした。また、新たに5月10日までに調査、報告書を提出するよう求めた。
同校は、岩手県高野連に情報提供があった3年生部員の飲酒行為、野球部指導者による部員や一般生徒への暴言及びハラスメント行為などについて、審査室から調査報告を複数回、求められていたが、再三にわたって拒否していた。
滝川第二(兵庫)は監督(37=嘱託職員)の不適切発言により24年2月15日~24年8月14日までの6カ月の謹慎。
尚志館(鹿児島)は部長(37=教諭)による部内の体罰により24年2月27日から5月26日まで3カ月の謹慎。
東郷(愛知)の部長(33=教諭、既に依願退職)は盗撮により、無期謹慎。
日本ウェルネス(沖縄)の監督(57=教諭)は部内での暴力により、24年1月26日から2月25日まで1カ月謹慎。また、同校部長(25=教諭)は報告遅れのため24年3月13日から4月12日まで1カ月の謹慎。
菊池(熊本)の監督(67=外部指導者)は中学生練習参加規定違反により24年3月13日から6月12日の3カ月の謹慎。
東浦は部員の飲酒、喫煙により24年3月8日から4月7日まで1カ月の対外試合禁止。
種子島は部員によるいじめにより、24年3月4日から4月3日まで1カ月の対外試合禁止。
浦和工は部員の部内での金銭要求により、24年3月22日から4月21日まで1カ月の対外試合禁止。
富士見(埼玉)は監督(45歳=教諭)の中学生接触ルール違反により24年2月14日から25年2月13日まで1年間の謹慎。
八王子(東京)の助監督(41歳=教諭)は部内での体罰と不適切指導により24年3月22日から25年3月21日まで1年の謹慎。
<関西6大学野球:大商大1-0大院大>◇7日◇第1節2回戦◇南港中央
大商大は開幕節で2連勝し、勝ち点1を奪取した。その中で、プロ注目の渡部聖弥外野手(4年=広陵)は無安打に終わった。「結果を求めてしまって、打ち気になってボール球に手を出したりボールを引きつけきれなくて。修正したい。クリーンアップが中心にならないと勝てないので1週間調整したい」と出直しを宣言。今季は盗塁、走塁への意識を高めることを心がけてきた。この日は2度出塁したが、無安打で自己評価は厳しかった。
富山陽一監督(59)は「あかんしょ。ボールとバットが当たる瞬間が弱い。修正すると思うけど、今から帰って真鍋(慧)とバッティングですよ」とハッパを掛けた。
阪神2人を含む8球団のスカウトが視察。阪神岡本洋介スカウトは選球眼の高さも評価し「走攻守3拍子そろっていて、逆方向に長打が打てる。期待している選手」と語った。
<全国高校女子硬式野球選抜大会:神戸弘陵9-1東海大静岡翔洋>◇7日◇決勝◇東京ドーム
第25回記念全国高等学校女子硬式野球選抜大会の決勝が7日、東京ドームで行われ、前年度優勝の神戸弘陵(兵庫)が9-1で東海大静岡翔洋(静岡)を破り2連覇を達成した。初回に4点を先制し、エース伊藤まこと投手(3年)が4回無失点で好投。2番手坂井歩夢投手(3年)が、5回に1点を返されるも、その裏に5番山田佳穂外野手(2年)の適時打などで5点を追加し、点差を広げた。そのまま逃げ切り、頂点をつかんだ。
◇ ◇ ◇
神戸弘陵は悲願の2連覇を果たした。主将の1番田垣朔來羽捕手(3年)は、5回に5点目の適時打を放つなど、3安打1打点と大活躍。田垣は「自分たちの代は継続力がないと監督さんから言われていたんですけど、監督さんの厳しいノックを最後まで1球も諦めずに取りきったことが良かった」と、失点につながる失策はなし。笑顔で勝利を振り返った。石原康司監督も「本当に選手がよく頑張ってくれて夢のようでした」と話した。
<全国高校女子硬式野球選抜大会:神戸弘陵9-1東海大静岡翔洋>◇7日◇決勝◇東京ドーム
第25回記念全国高等学校女子硬式野球選抜大会の決勝が7日、東京ドームで行われ、前年度優勝の神戸弘陵(兵庫)が9-1で東海大静岡翔洋(静岡)を破り2連覇を達成した。
初回に4点を先制し、エース伊藤まこと投手(3年)が4回無失点で好投。2番手坂井歩夢投手(3年)が、5回に1点を返されるも、その裏に5番山田佳穂外野手(2年)の適時打などで5点を追加。9-1と点差を広げた。
最後の打者を打ち取り、優勝を決めるとナインはマウンドに駆け寄り、人さし指を天に突き上げて喜びを爆発させた。場内からはナインをたたえ、拍手が送られた。3安打1打点と活躍した田垣朔來羽主将(3年)は「みんなが支えてくれて優勝できたのでうれしいです」と声を震わせた。石原監督も「本当に選手がよく頑張ってくれて夢のようでした」と話した。
観戦のため東京ドームを訪問した秋篠宮家の次女佳子さまも、選手たちの全力プレーに拍手を送った。
<全国高校女子硬式野球選抜大会:神戸弘陵9-1東海大静岡翔洋>◇7日◇決勝◇東京ドーム
東海大静岡翔洋は、県勢初の優勝には届かなかったが、王者に食らいついた。
4点を追いかける5回。相手エースを4回で降ろし、2番手の坂井歩夢投手(3年)から1点を返した。王者を前に無抵抗で終わらなかった。
その秘訣(ひけつ)は、「中村塾」にあった。チームは創部当初から、弓桁義雄監督(60)と20年ほど親交のある元PL学園監督の中村順司氏(77)に打撃指導を受けてきた。2カ月に1度のペースで行われてきた「中村塾」を、今大会前の2月にも4日間にわたって開催。「中村塾」のおかげで決勝の大舞台でも、ひるまなかった。
一矢を報いた5回。リードオフマン1番井戸穂花外野手(3年)が2死から四球で出塁し、盗塁を決めた。続く2番池本愛結内野手(3年)も左安打でチャンスを拡大。なおも2死一、三塁から3番川満芽衣内野手(3年)の三遊間へ抜ける左安打で1点を返した。
しかしその裏に5点を追加され、点差を突き放された。それでも21年の創部から掲げる「笑顔で日本一」を大事にした。8点ビハインドでも、アウトカウントポーズは決まって笑顔。最後まで笑顔を絶やさなかった。
高かった女王の壁。この悔しさとともに得た自信を胸に雪辱の夏へ向かう。【佐瀬百合子】
東海大静岡翔洋が、県勢初の日本一に挑む。7日に東京ドームで行われる全国高校女子硬式野球選抜大会決勝で、昨年全国3冠を達成した神戸弘陵(兵庫)と対戦。チームトップの打率5割2分6厘をマークする「1番」井戸穂花外野手(3年)が、女王撃破のカギを握る。
◇ ◇ ◇
東海大静岡翔洋の1番・井戸が突破口を開く。今大会は、ここまで5試合で19打数10安打の打率5割2分6厘をマーク。3番・川満芽衣内野手(3年)も打率4割を超えるなど中軸も好調なことから、得点数も「11」を数える。絶好調のリードオフマンは「出塁すれば得点になる。決勝も自分次第。初回から積極的にいきたい」と意気込んだ。
昨年末の里帰りが“上昇カーブ”のきっかけとなった。「全然ダメだった」と打撃不振を抱えて岐阜の実家に帰省。美濃加茂高で甲子園を目指した2人の兄から助言を受け、打撃フォームを変更した。構えた時に立たせていたバットのヘッドを寝かせたことで「スムーズにバットを出せるようになった」。年明け最初の練習試合で2安打をマークすると、状態は右肩上がりとなった。
対する神戸弘陵は、120キロ台の直球を誇る左腕、伊藤まこと投手(3年)を中心に、ここまで全4試合無失点と堅守が光る。チームは、準決勝翌日の先月29日から、伊藤対策として打撃マシンの球速を上げて練習。井戸は「良い感じで振れていると思う」と手応えを口にし、決戦に向けた最終調整も順調だ。
21年の創部から「笑顔で日本一」を目標に掲げてきた。達成まであと1勝。「簡単ではないことは分かっているけど、チャンスが目の前にある。全力で取りにいきたい」と力を込めた。桜満開の春。東京ドームで笑顔の花を咲かせるべく、初優勝への道しるべとなる。【前田和哉】
○…エース垣崎瑠依(2年)も手応えを持って大一番に挑む。今大会は全4試合に先発し、現在3戦連続完投中。V候補のクラーク仙台(宮城)を破った3回戦では延長8回4失点と踏ん張り、準決勝の蒼開(兵庫)戦は7回1失点と好投した。大会を通して調子を上げる右腕は「神戸弘陵は、初球からバンバン振ってくる。今まで以上に気持ちを入れて投げたい」と腕をぶした。
野球のU18(18歳以下)日本代表候補は6日、奈良県内で行っていた強化合宿を打ち上げた。
合宿参加者の1人、今春センバツ8強の阿南光(徳島)の最速146キロ右腕・吉岡暖投手(3年)はこの日、キャッチボールや守備練習、体幹トレーニングに汗を流した。自身が「世代ナンバーワン」と憧れる広陵(広島)の高尾響投手(3年)と3日間で親睦を深めた。高尾のカットボールを土産に、今夏のU18アジア選手権出場を目指す。
共にプロ注目投手だ。「世代ナンバーワンの球を見ておかないと。人と違う球で、速いし伸びてくる。捕るときも普通に怖いです」。高尾をキャッチボール相手に誘った。ずっしりと重たい高尾のボール。捕球を繰り返すと、左人さし指はパンパンに腫れるという。
吉岡の持ち球のカットは縦に曲がる軌道。高尾は「胸の高さからひざぐらいまで落ちるので、甲子園で見ていても縦スラと思った」と告げると、吉岡自身も「今までは縦に曲がっていた」と振り返る。吉岡は高尾に「カットボール教えてくれ」と頼み込んだ。斜めや横に曲がる高尾カットを学び「世代ナンバーワンのカットを教えてもらって即投げました」と笑みが弾けた。
5日の紅白戦では打者6人から4三振を奪う好投を見せた吉岡。練習や宿舎で各選手と交流し「暖(はる)」の読み方をもじり「ダン」と呼ばれた。代表入りについて吉岡は「自分は選ばれたいですけどたぶん無理です」とレベルの高さを痛感しているが、高尾は「またキャッチボールできたらいいな」と顔を見合わせ、次は味方として投げ合う日を心待ちにしている。【中島麗】
野球のU18(18歳以下)日本代表候補は6日、奈良県内で行っていた強化合宿を打ち上げた。
合宿参加者の1人、今春センバツ8強の阿南光(徳島)の最速146キロ右腕・吉岡暖投手(3年)はこの日、キャッチボールや守備練習、体幹トレーニングに汗を流した。自身が「世代ナンバーワン」と憧れる広陵(広島)の高尾響投手(3年)と3日間で親睦を深めた。高尾のカットボールを土産に、今夏のU18アジア選手権出場を目指す。
共にプロ注目投手だ。「世代ナンバーワンの球を見ておかないと。人と違う球で、速いし伸びてくる。捕るときも普通に怖いです」。高尾をキャッチボール相手に誘った。ずっしりと重たい高尾のボール。捕球を繰り返すと、左人さし指はパンパンに腫れるという。
吉岡の持ち球のカットは縦に曲がる軌道。高尾は「胸の高さからひざぐらいまで落ちるので、甲子園で見ていても縦スラと思った」と告げると、吉岡自身も「今までは縦に曲がっていた」と振り返る。吉岡は高尾に「カットボール教えてくれ」と頼み込んだ。斜めや横に曲がる高尾カットを学び「世代ナンバーワンのカットを教えてもらって即投げました」と笑みが弾けた。
5日の紅白戦では打者6人から4三振を奪う好投を見せた吉岡。練習や宿舎で各選手と交流し「暖(はる)」の読み方をもじり「ダン」と呼ばれた。代表入りについて吉岡は「自分は選ばれたいですけどたぶん無理です」とレベルの高さを痛感しているが、高尾は「またキャッチボールできたらいいな」と顔を見合わせ、次は味方として投げ合う日を心待ちにしている。【中島麗】
野球のU18(18歳以下)日本代表候補は6日、奈良県内で行っていた強化合宿を打ち上げた。今夏のU18アジア選手権に備え、選手は3日間の合宿中は木製バットで練習や紅白戦に臨んだ。小倉全由監督(66)はナインへ「夏までに成長してくれ」と要望し、木製バットでの練習を勧めた。
今春から導入された低反発の新基準バットは、芯で捉えないと飛ばないため木製バットでの練習が有効。「木のバットでの練習も取り入れてほしい。センバツは(新基準バットを)使いこなしていなかったので、夏までに使いこなし、木のバットと併用して練習してほしい」と期待した。
<高校野球春季東京大会:東京2-1二松学舎大付>◇6日◇3回戦◇JPアセットスタジアム江戸川
東京が二松学舎大付を2-1で破り16強入り、今夏東東京大会のシード権をゲットした。
勝利の立役者はエース右腕の永見光太郎投手(3年)。直球、カットボール、カーブ、スプリットを武器に二松学舎大付の強力打線を3安打1四球1失点に抑え7三振を奪った。
1年時から4番を打ち、U18日本代表候補でドラフト候補の4番片井海斗内野手(3年)は3打数無安打1四球2三振に抑えた。「真っすぐは打たれると思ったので変化球で攻めました」と第1打席はカーブ、第2打席はカットボールで三振に仕留めた。
東京都高野連発行のメンバー表のサイズは178センチ、59キロ。「今は181センチで体重は70キロ近くまで増えました」。冬の間のトレーニング、食トレでサイズアップに成功。球速も秋の133キロから140キロまで上がった。さらに昨秋からプロ野球選手らも指導するスポーツトレーナーの北川雄介氏に師事。カットボールをマスターした。
「カットボールが通用するようになったので(二松学舎大付を)抑える自信はありました。片井君と(6番の)五十嵐君がキーマン。その前にランナーを出さないように気をつけました」と胸を張った。
2回戦に続き視察した日本ハム山田正雄スカウト顧問は「コントロールが素晴らしい。直球も変化球もコースに投げ分けられる。試合前の遠投も良かった。あとはこのまま真っすぐ伸びるだけ。将来が非常に楽しみ」と話した。
2日の初戦で成立学園、4日の2回戦ではドラフト候補の強打者のいる桐朋を連続完封。そして中1日での登板となったこの日、春夏12度甲子園出場の二松学舎大付も倒した。
「好きな投手は山本由伸さん。もっとレベルの高いピッチャーになって、どこでも通用するようになりたい」
ふさふさの髪にかわいらしさが残る顔。今夏のシンデレラボーイになる可能性を秘めた17歳は、次戦14日の日大豊山戦で春の8強入りを目指す。
◆東京高等学校 1872年(明5)、上野塾として創立の私学。その後、東京数理学校、東京数学院、東京中学を経て1954年から現校名。陸上部、ラグビー部は強豪で卒業生に陸上短距離のケンブリッジ飛鳥ら。野球部は1931年創部。春夏甲子園出場なし。近年では14年夏に東東京大会8強。所在地は大田区鵜の木2の39の1。
「みちのく勢 センバツマル秘ストーリー」第2回は青森山田の佐藤洸史郎外野手(2年)です。【取材・構成=濱本神威】
◇ ◇ ◇
お祝いムードの中で、佐藤洸はただ1人泣いていた。2回戦の広陵(広島)戦では8回に2点、9回に3点を先行されたが、2度追いつき、延長10回に勝ち越す劇的逆転勝利。甲子園を沸かせ、選手らはみな笑顔だった。だが8回裏に代打出場し、その後左翼、右翼の守備についた佐藤洸は、大盛り上がりの試合後控室で壁にもたれ掛かり、目を赤くしていた。「今日は準備不足でやるべきことをできなかった」。守備では、9回表1死一、二塁のピンチで左中間への大きな当たりに追いつけず、勝ち越しを許した。その後2点を追加されて2-5。その裏、チームは5-5と追いつき、なおも9回1死三塁のチャンスで佐藤洸に打席が回ってきた。しかし5球目、内角への直球をスクイズ失敗。飛び出した三塁走者の佐藤隆樹外野手(2年)が挟殺に。好機を逸し、その後は空振り三振と次につなぐこともできなかった。「あそこで自分が決めていたら勝てた。悔しいです」。チームに迷惑をかけた自分がふがいなかった。
次こそは-。その思いで臨んだ準々決勝の中央学院(千葉)戦でも、チャンスを生かせなかった。1-5で迎えた4回裏2死満塁で代打出場。2球目から積極的に振りにいったが右飛に終わった。8回裏2死二、三塁の場面でも打席が回ってきたが、また右翼へ打ち上げてしまった。「何回も自分の打席にチャンスが回ってきて『次こそは』と思ってたんですけど、打てなかった」。前日と同じく、控室ではただ下を向いていた。
「1番」を取り返す。昨秋は不動の1番打者として、公式戦10試合で打率4割2分1厘をマーク。何度もチャンスメークしてきたが、甲子園への遠征出発の2日前に右肩を痛め、今春は佐藤隆にポジションを奪われた。佐藤洸は「まずはけがをしない体作りをする。そして大舞台でのチャンスで、ヒットを打ってチームに貢献できるように頑張っていきたい」。「悔しい」だけで終わった春を糧に、今年の夏は甲子園で笑ってみせる。
◆佐藤洸史郎(さとう・こうしろう)2007年(平19)4月17日生まれ。青森県中泊町出身。小学1年時にNSゴールドスターズで野球を始め、中学では青森山田リトルシニアでプレー。22年夏のリトルシニア日本選手権連覇に貢献した。憧れの選手はヤクルト塩見泰隆。175センチ、69キロ。右投げ右打ち。
野球のU18(18歳以下)日本代表候補の強化合宿2日目の5日、奈良県内で7イニング制の紅白戦2試合を行い、両軍の女房役がアピール合戦を展開した。
紅組は高崎健康福祉大高崎(群馬)のセンバツVに貢献したプロ注目の箱山遥人捕手(3年)が木製バットで左翼へ本塁打を放ち、守っては計14イニング無失点。「うまく引き出せるように、(投手の)プライドを傷つけないように」と個性を尊重するリードで快投を導いた。
白組の広陵(広島)只石貫太捕手(3年)は3方向に3安打を放ち、守備では2度の二盗阻止。「箱山はいい捕手。見て学んで技術向上に生かしたい」。宿舎では同部屋で、互いを意識し合う間柄。互いにチームの主将を務め、U18の主将候補にも挙がる。合宿は6日に最終日を迎える。
甲子園で春夏通算5度の優勝を誇る横浜(神奈川)が5日、入学式を行い、古畑雄大内野手(1年)も名門の門を叩いた。
古畑の父和彦さん(43)はPL学園(大阪)出身で、98年夏の甲子園準々決勝では松坂大輔投手擁する横浜と延長17回の激闘を演じたことで知られる。
当時のPL学園主将を務めた西武平石洋介ヘッドコーチ(43)は「話は聞いていました。楽しみですよ」と笑顔を浮かべる。
動画でスイングを見たことがあるという。「生では見たことないんですけど、打つ方はあんな小中学生おるんかっていうくらいのものは持ってます。いいバッティングしますよ」と豪快なスイングを含めての素質を認めている。
PL学園の野球部が休部する状況で、当時のライバル校に仲間の子どもが挑戦することになる。
「なんかね、うれしい話ではありますよね。僕らもやっぱ、横浜っていうのに特別感というか思い入れがあるのは間違いないんで。古畑にも『これ、話題になるよな!』って話してたんですよ」
言葉通り、実にうれしそうなトーンで話していた。【金子真仁】
伝説のDNAが名門に注入される。甲子園で春夏通算5度の優勝を誇る横浜(神奈川)が5日、入学式を行った。
古畑雄大内野手(1年)は「数々の歴史がある横浜高校で野球ができるのは本当に幸せです。これからの3年間、楽しみです」と15歳とは思えないバリトンボイスを響かせた。
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松坂大輔投手を擁し、同校が春夏連覇した98年。語り継がれる夏の甲子園準々決勝、延長17回に及ぶPL学園(大阪)との激闘で、PL学園の4番を打ったのが古畑の父和彦さん(43)だった。何度も映像を見てきた。
「何回見たかも覚えてないです。つい最近も、おとといも見ました。YouTubeを見ていると野球関連で出てくるんです、もう勝手に」
そういうレベルで目に焼き付けてきた。スタメンも分かるし、お気に入りの場面もある。
「延長11回に横浜が1点取って、PLがその裏で返すんですよ。確か大西さんがレフト前に打って、平石さんが生還して。その場面が。横浜が突き放した時にPLが追いつくっていう、あの場面はめちゃくちゃしびれました」
父の姿ももちろん。
「4番で、松坂さんもギア上げてくると思うので。どうしても松坂さんも厳しいボールを投げるんで、お父さんは完全に抑えられたというか。4番に対する気持ちというか攻め方とか、そういうのを松坂さんから感じました」
そんな父に教わって、豪快なスイングにも面影がある。PL学園は野球部が休部中。横浜進学の決意に父は喜んでいたという。父と同じ「4番三塁」の座を目指し「高卒でプロへ行きたいです」。伝説の一戦から9360日。入学式の日に志を口にした。
体重90キロの恵まれた体格を生かしたフルスイングで、早くも名門で存在感を示しそうだ。父を通じ、松坂氏からグラブも贈られた。「感謝しかないです。お守りにして松坂さんたち以来の春夏連覇を達成したいです」と鼻息も荒い。そして「甲子園でホームランを打ちたいです」と夢見る。低反発バット時代、楽しみなスラッガーが高校野球に挑む。【金子真仁】
◆古畑雄大(ふるはた・ゆうだい) 2008年7月18日、東京・江東区生まれ。深川ジャイアンツで野球を始め、小6ではヤクルトジュニアに選出。神宮球場で2本塁打した。中学時代は東練馬シニアでプレーし、中学通算24本塁打。178センチ、90キロ。右投げ右打ち。家族は両親、弟。
甲子園で春夏通算5度の優勝を誇る横浜(神奈川)が5日、入学式を行った。沖縄県出身の東浜成和投手(1年)は「本格的な野球ができる場で、甲子園の大舞台を目指して戦っていく気持ちがすごく強くなりました」と引き締めた。
ソフトバンク東浜巨投手(33)は親戚にあたる。「父方のおじいちゃんが、巨さんのおじいさんと兄弟です。はとこにあたります」という間柄。今年の元日に沖縄で会い、交流を深めた。「憧れの、雲の上の存在というか。目指すべき人が身内にいるのはとてもうれしいです」と話す。
まだ細身ながら、181センチの上背から最速141キロを投げ込む。「去年の12月には非公式な場ですが、143キロも出ました」という伸び盛りの15歳だ。中学時代はU15の侍ジャパンに選ばれた経験も。小学校高学年まではドッジボールで肩を鍛え、九州大会に出場したこともある。
将来は「しっかり社会で生きていける人になりたいです」と言葉を強くする。「そのために勉強も絶対に必要だと思っているので」という。文武両道をしっかり意識した上で「プロ注目と言われるような投手になれれば」と横浜での夢を描く。
慣れない土地での慣れない生活が始まるが「寮でもしっかりハキハキしゃべったり、あいさつだったり、人間性の部分でも鍛えられる場所でしっかりやっていきたいです」と不安を感じさせない。
「巨さんみたいな強いメンタルを持てるようになりたいです」
22年にノーヒットノーランを達成した“お兄さん”の背を追う。【金子真仁】
◆東浜成和(ひがしはま・せいわ)2009年1月30日、沖縄・北中城村生まれ。安谷屋ライオンズで野球を始め、中学時代は宜野湾ポニーズでプレー。変化球はスライダー、カーブ、2種のフォーク。181センチ、72キロ。右投げ右打ち。家族は両親、姉。
今春センバツに出場した青森山田と八戸学院光星は、青森県勢として史上初の2校初戦突破を果たした。タイブレークでの逆転勝利や150球を超える力投など、青森を盛り上げた2校。日刊スポーツ東北版では「みちのく勢 センバツマル秘ストーリー」と題し、語られなかった涙や努力、笑顔を全3回でお届けします。第1回は八戸学院光星の最速140キロサイド左腕・森田智晴投手(3年)です。【取材・構成=濱本神威】
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“特別な人間”になりたかった-。左腕3本柱の一角を担う森田はこの春、登板がなかった。初戦の関東第一(東京)戦は、エース左腕の洗平比呂投手(3年)が先発。9回156球の熱投を見せ、試合を延長タイブレークに持ち込んだ。2番手は背番号10の岡本琉奨(るい)投手(3年)が担い、ピンチを乗り切る力投。2投手の好投でチームは勝利をつかんだ。
大舞台で堂々と投げるチームメートの姿は“特別な人間”に見えた。「何をするにも、取材とかも全部最初に岡本、砂子田(陽士)、洗平。やはり違うんだなって感じます」。昨夏の甲子園を経験したチームメートは取材に引っ張りだこ。普段から甲子園を経験している者とそうでない者の違いを感じていた。初戦の投球を見て、その思いは増した。「素直にすごい」。悔しさよりも尊敬が勝った。
初戦で156球を投げた洗平の疲労、岡本も重圧のかかる延長タイブレークで登板していたため、森田が2回戦で登板する可能性は高かった。雨天による2日順延があり、2回戦の星稜(石川)戦では休養を取れた洗平が再び先発した。だが先頭打者へ四球、その後連打を浴びるなど2失点。不安定な立ち上がりに、仲井宗基監督(53)から「肩を作っとけ」と森田は言われ、初回からブルペンに入った。「その後は『先頭出たら行くぞ』と言われていた。その準備をしていました」。4、5回にもブルペンに入り肩を温めた。
2-2で迎えた6回。登板チャンスが巡ってきたが逃した。相手先頭打者が左前安打で出塁。監督の話していた継投機会だった。森田はベンチにいた。「その時に自分が準備できてなかった。グラウンドコートを着ていて…」。先発洗平が続投も、決勝点を奪われて敗れた。「グローブをはめていたら『森田行け』と言われていたところで。準備ができていたらまた変わっていたのかなと思うと、悔しいです」と嘆いた。
夏はもっと貪欲になる。「もっと『今か今か』、『早く投げさせろ』みたいな気持ちが必要。大事なところで監督に頼られる、チームを引っ張って行ける存在になりたい」。夏こそは甲子園のマウンドに立ち、“特別な人間”の資格を得る。
◆森田智晴(もりた・ちはる)2006年(平18)8月17日生まれ。神奈川県横浜市出身。小学2年時に戸塚アイアンボンドスで野球を始め、中学は横浜旭峰ポニーでプレー。昨秋に頭角を現し、昨秋公式戦はチーム最多の25イニングを投げ、防御率0・72。チームのセンバツ出場に大きく貢献した。174センチ、79キロ。左投げ左打ち。
駒大苫小牧で04年、05年夏の甲子園連覇時のメンバーだった五十嵐大氏(36)が1日付で札幌大谷野球部監督に就任した。3月末まで同部部長を務めていた。夏の甲子園を制した実績を糧に、聖地へ地道に歩を進めていく。「(甲子園には)行きたいですけど、甘い世界じゃない。自然と応援されるようなチームづくりが最初」と抱負を口にした。
実戦での指揮は2日に静内とのダブルヘッダーによる練習試合2試合で1勝1敗だった。「選手起用については見定めている最中」と話す。春季大会の地区予選で公式戦初戦を迎える。「1点ずつ積み重ねて1試合でも多く戦いたい」と見据えた。
若き指導者も加わる。3月に札幌大谷大を卒業した同高OBで、同校2年時の18年に主将として明治神宮大会優勝を経験した飯田柊哉氏(22)がコーチを務める。飯田コーチは「全国のレベルを高校生に伝えていきたい」と意気込んだ。【石井翔太】
◆五十嵐大(いがらし・だい) 1987年(昭62)5月28日、札幌市生まれ。札幌平岡中央小2年時に野球を始め、札幌平岡中時代はポニーリーグ(硬式)の札幌東ベースボールクラブに所属。駒大苫小牧高では04年、05年夏の甲子園で三塁手として連覇に貢献。筑波大卒業後は札幌第一、札幌大谷のコーチを経て、13年に札幌大谷の部長に就任。家族は妻と1男1女。171センチ、63キロ。
野球のU18(18歳以下)日本代表候補の強化合宿が4日、奈良県内のグラウンドで始まった。
昨年世界一に輝いた、U18W杯の選考材料になる合宿で33選手が参加した。指揮を執る小倉全由監督(66)は「機動力野球を意識したい。1人1人いいものを持っている」と理想のチーム像を描く。初日は約3時間練習し、守備練習や打撃練習、一部の投手がブルペンに入った。合宿は6日までで、5日は紅白戦を実施する。
紅白戦に登板見込みの大阪桐蔭・平嶋桂知投手(3年)は報徳学園の今朝丸裕喜投手(3年)とキャッチボール。「結構伸びてズドンと落ちて、相手の球を感じて投げられた。明日は自分の攻めの投球で結果につながれば」とやる気十分だ。群馬県勢として選抜大会初優勝した高崎健康福祉大高崎の箱山遥人捕手(3年)は「短い期間でどれだけピッチャーの良さを引き出せるか、観察力やコミュニケーション能力が試される」と力を込めた。
高校野球春季神奈川県大会の抽選会が行われた。
6日に開幕し、5月4日に決勝予定。上位2校が春季関東大会(群馬、5月18日~)に出場する。
野球のU18(18歳以下)日本代表候補の強化合宿が4日、奈良県内のグラウンドで始まった。
侍ジャパン井端弘和監督(48)が合宿を視察した。視察後の取材で、記者からの質問で今秋ドラフトの上位候補で右の強打の遊撃手・花咲徳栄の石塚裕惺内野手(3年)について問われ、「みんなうまいし、肩強いなと思います。高校生が一気に伸びるんで」とし「ここからまた夏に、1つ2つ伸びてきたら楽しいかなと思います」と答えた。自身もかつては「守備職人」と呼ばれていた守備の名手。3月の欧州戦でトップチームに大学生が参加したが、高校生のトップチーム参加について問われると苦笑い。「大学生に限らず、それに負けない高校生が出てきたら考えます」と語った。
5日には紅白戦が行われる。紅白戦に備える石塚は「当たり前の全力疾走はしっかりやって、自分のスイングができるように強く振っていきたい」。また、石塚自身が今年掲げた3つの目標「甲子園出場・プロ入り・U18入り」に近づくべく、アピールに励む。【中島麗】
侍ジャパン入りへ猛アピールする。野球のU18日本代表候補選手強化合宿が4日から3日間、行われる。
北海道からは最速142キロ左腕の高橋幸祐投手(北照3年)が唯一参加。自慢の直球、カーブ、スライダーに加え、新球チェンジアップも駆使し、日本代表が2連覇を目指すU18アジア選手権(台湾)への生き残りを誓った。
関東合宿中の北照は3日、多くのプロ野球選手を輩出してきた横浜と練習試合を行った。高橋は4回無失点に抑え、代表候補合宿先に向かった。「夏に上林(弘樹)監督を甲子園に連れていくため、全国レベルのピッチャーの投球の全てを吸収してきます」と力強く言った。
今春のセンバツ甲子園出場がかかっていた昨秋の全道大会1回戦で、旭川実に敗れた。タイブレークの延長10回裏にロッテ育成・田中楓基投手の弟で、プロ注目の右腕・田中稜真投手(2年)に136キロ直球をはじき返された。逆転サヨナラ2点二塁打で、春の大舞台への夢が消滅した。「あの時から人が変わった。(冬のトレーニングで)体重も6~7キロ増えたんじゃないか」と神林監督は言う。
入学時に120キロ程度が限界だったバーベルは、170キロが上がるようになった。3月に練習試合で久々にユニホームを着ると、太ももがはち切れそうなほどだった。「出力が上がって、真っすぐ(直球)のボールの質が着実によくなっている」。この時期の練習投球で早くも142キロを計測するなど、成長は数字にも表れている。
直球、カーブ、スライダーの3種だった球種に、右打者からシュート気味に逃げていくチェンジアップを加えた。中学時代にソフトバンク前田悠伍投手の球を受けていたチームメートの寺畑旺盛捕手(3年)から前田のチェンジアップの握りと投げ方を教えてもらい、投球の幅が広がった。「小さい時からの夢ですし、秋のドラフトも意識しています」と言う。
小学校時代に料理教室で学んだ得意のお菓子作りは、しばらく封印。「甲子園も、アジア選手権の代表も、プロ選手になる夢も全てかなえるので、今は他のことは考えていません」。“候補”の文字を消し、本物の“侍”になるまで、野球道を究める。【中島洋尚】
◆高橋幸佑(たかはし・こうすけ)2006年(平18)12月31日、札幌市生まれ。横浜茅ケ崎台小1年の時に茅ケ崎エンデバーズで野球を始める。茅ケ崎中3年で横浜市選抜に選出され、県大会優勝で全国大会出場権を得るも、新型コロナウイルス感染拡大のため大会が中止。北照高では2年春の小樽地区予選で初のベンチ入り。目標の投手はオリックス宮城。左打ち左投げ。178センチ、81キロ。家族は両親と姉。
高校女子硬式野球の名門・開志学園が新監督の佐藤忠行監督(49)の下で3日に始動した。
高校野球の現場に身を置いてきたが、22年間勤めた県高校教員を辞して未知の世界に跳び込んだ。「白紙の状態で挑戦したい」。新潟市白根野球場での初練習は紅白戦で選手の可能性を探った。
開志学園は21年春の全国高校女子硬式野球選抜大会で優勝し、22年夏の同選手権では準優勝。佐藤監督は長岡向陵で甲子園を経験し、松井秀喜のいた星稜(石川)と92年夏1回戦で闘っている。日体大卒業後は青年海外協力隊員としてパラオで野球指導。「パラオの純粋な姿勢。高校野球の厳しさ。2つをベースに指導したい」と抱負を話した。