日刊スポーツ

U18選出の健大高崎・箱山遥人「意識の高さを吸収したい」、高山裕次郎「打撃アピール」

U18選出の健大高崎・箱山遥人「意識の高さを吸収したい」、高山裕次郎「打撃アピール」

優勝旗を手に笑顔をみせる高崎健康福祉大高崎・箱山(撮影・横山健太)

U18日本代表候補強化合宿(4月4~6日)のメンバーに選出された高崎健康福祉大高崎・箱山遥人捕手(3年)と高山裕次郎内野手(3年)が1日、意気込みを語った。

箱山は「すごい選手の中で選んでいただいた。個々の意識の高さをしっかり吸収して、参考にしていきたい」。高山は「すごい選手ばかりで自分がアピールできるか少し不安はありますけど、バッティングをアピールして、見せられたらと思います」と笑顔で話した。

優勝報告をする箱山(右)ら高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・横山健太)
握手を交わす高崎健康福祉大高崎・青柳監督(左)と箱山(撮影・横山健太)

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【センバツ】2年連続準Vの報徳学園が報告会「日本一にこだわるチームを作りたい」間木歩主将

センバツ準優勝の報告会でチーム関係者に感謝の思いを伝える報徳学園ナイン(撮影・古財稜明)

第96回選抜高校野球大会で2年連続の準優勝を飾った報徳学園(兵庫)が1日、西宮市の同校で報告会を行った。野球部員、OB、保護者に加え、この春入学する新入生も参加した。

講堂の壇上で大角健二監督(43)は「日本一に手の届くところまで来て、そのチャンスを逃したというのは本当に私は反省しかありません」と悔しい表情をみせながらも、「報徳は水準が上がってきている。『日本一』という言葉を口にできる、実行できるレベルまで来ている。さらにレベルアップして、夏にしっかり戦い抜いて、あの場でみんなでプレーできるようしっかり頑張っていきましょう」と投げかけた。

高崎健康福祉大高崎(群馬)との決勝に先発して8回3失点と力投した今朝丸裕喜投手(3年)は「悔しい気持ちはありますけど、もう切り替えた。夏に絶対日本一を取ることを意識して、練習をやっていきたい」。間木歩主将(3年)は「日本一にこだわるチーム、大会ごとに成長して、負けないチームを作りたい」と力強く誓った。

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【こんな人】甲子園優勝の健大高崎・青柳博文監督は優しい人 「自分の方を向けとか全くない」

センバツ優勝から一夜明けた高崎健康福祉大高崎の青柳監督(右)と箱山主将(撮影・金子真仁)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇3月31日◇決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎(群馬)が悲願の初優勝を果たした。野球愛好会の顧問からスタートした青柳博文監督(51)も涙した。

優しい人だ。2月10日、千葉・館山市で行われた合宿の取材へ行った。

「創部したころは大変でしたね。お金もなかったし。そこでつらくなって高校野球の監督を辞めてしまう人もいるから、もったいないなって」

初対面ながら、丁寧に思い出話をしてくれた。監督は「じゃ、ゆっくりしてってください」と練習を見に行った。1時間後、私はグラウンドの死角でぼーっと眺めていた。遠くにいた青柳監督が部員に何かを指示している。2人ともこっちを見ている気がした。

その部員が笑顔で走ってやってきた。「監督さんが、先にごはんを召し上がってくださいとおっしゃってます!」。勝手に押しかけた初対面の記者を、遠くからわざわざ気にかけてくれた。優しい人だ。中華丼をいただいた。

熱心に選手を指導している姿はない。複数のコーチに任せている。

「コーチに分担して、会社のような形で組織的にやるってことで。いろんな意見を聞きながら。自分1人だと間違えが起きるんですね。裸の王様になっちゃうので。意見を言ってもらいたいんで、自分は。風通しのいい野球部にしたい」

苦労も多く、長かった。野球愛好会の顧問からスタートし、すぐに部員が辞めたり、ボイコットされたり。「生活指導面ばかりで、野球にたどり着くには正直5年くらいかかりましたね」と今だから笑える。

大型バスを運転できる免許を取った。全国の強豪校に電話をかけた。星稜(石川)に仙台育英(宮城)、どこまでもバスを走らせた。「弱いチームに、強い高校を見せたくてね。甲子園に出るような監督さんは断らないですよね。快く試合をしてくれました」と感謝する。「断られた高校は今も覚えてますけどね」とオチも忘れない。

コーチを信頼し、会社のような組織を目指しながら、自身のことは「社長まではいかないですね。部長くらいですね」と決して大きく出さない。

「選手がコーチの方を向いても良いんですよ。勝てれば。自分の方を向けとか、そういう気持ちは全くないんですよ。組織として、選手が勝って良い思いできればいいなってだけ」

そんな優しい人の、見えない努力が報われるのも甲子園だ。【金子真仁】

センバツ優勝一夜明け、大阪市内のホテルで祝辞を聞く高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・金子真仁)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、初優勝の高崎健康福祉大高崎・青柳監督は胴上げされる(撮影・滝沢徹郎)
初優勝の高崎健康福祉大高崎・青柳監督は胴上げされる(撮影・石井愛子)

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【センバツ】健大高崎・生方啓介野球部長も大願成就 高校時代は甲子園Vのあの左腕に決勝敗退

センバツ優勝を果たした高崎健康福祉大高崎の生方野球部長(撮影・金子真仁)

センバツ優勝から一夜明けた1日、高崎健康福祉大高崎の生方(うぶかた)啓介野球部長(42)はもう頭を切り替えていた。

「夏に向けてどういうふうにチーム作りをしなきゃいけないかとか、コンディショニングも含めてどう持っていくべきか、そんなことをずっと考えてます」

05年から同校の指導に携わり、野球部長として青柳博文監督(51)を支えてきた。優勝が決まると、両こぶしの力を腰の横で凝縮。青柳監督に歩み寄り、抱き合った。

「監督と二人三脚でやってきて、OBたちのことも思い出しながら。すごく感極まりましたね」

健大高崎は母校ではない。県北の沼田高校を卒業した。四半世紀前、99年夏の群馬県大会決勝。

「3番、センター、生方君」

夢の甲子園まであと1勝と迫っていた。立ちはだかったのが桐生第一の左腕、正田樹投手だ。「カーブえぐかったですね。打てなかったです」。第2打席で直球をセンター前に運んだ。4打数1安打。1対10で敗れた。

自身の夢を夢で終わらせた相手が8月、甲子園で優勝した。春夏通じて、群馬県勢の初優勝だった。どんな感情だったか。

「まぁ、基本的には桐生第一を応援してたので。ともに戦った仲間たちですし。日本一になってくれておかげで私たちの名前もパッと出たりしたので」

そう笑う。あれから25年目となる春に「甲子園優勝」に並んだ。

「まぁ、現役と指導者の立場は違うので。ともに戦ってますけどね。この代で勝ったというよりは、今まで作り上げてきた健大高崎の野球で勝ち取った日本一という思いの方が私は強いです。もちろん、結果を出した選手たちには敬意を表しますけど」

投手を中心に指導し、試合運びも担ってきた。決勝では初回、連投の石垣元気投手(2年)がいきなり2点を先制された。

「2巡目くらいで継投に入ろうと準備してたんですよ」

一夜明け、ベンチとしての構想を明かす。しかし箱山遥人捕手(3年)は言った。「インコースが使えるようになって、変化球も定まってきています」。もう1回、もう1回。石垣には「出し切って行け」と指示し、8回まで2失点で投げ抜いたのが優勝につながった。

エースの佐藤龍月投手(2年)に負けじと、最速150キロ右腕の石垣は球の質にこだわってきた。でも生方部長は石垣に言った。

「投球をしろ。ゲームを作れるようになれないと佐藤に追いつけねえぞ」

決勝の大舞台でそれをやりきった教え子をたたえながら、桐生第一の大エースの姿を回想する。

「正田もゲームを作るのがすごくうまかったです。ゲームを作れる投手、タフな投手がそろっているのが優勝するために絶対条件なんだなとあらためて思って。それを支える仲間のバランスも大事。あの時の桐一も捕手がすごくいいリードして。ただ力があるだけじゃ優勝できるわけじゃない。タイミングとかバランスとかいろいろなことがかみ合って、と思いました。あの時の桐一もそんな感じだったなって」

負けも知るから、勝ちの意味が分かる。高校生じゃなくても夢をかなえられるのが、甲子園だ。【金子真仁】

センバツ優勝一夜明け、大阪市内のホテルで祝辞を聞く高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・金子真仁)
24年3月31日 第96回選抜高校野球大会 初優勝の高崎健康福祉大高崎・生方啓介部長は胴上げされる(撮影・石井愛子)

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【センバツ】健大高崎VにOBの西武是沢涼輔が祝福 箱山遥人主将は「発信力、発言力がすごい」

西武育成の是沢涼輔(2023年2月2日撮影)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎(群馬)が甲子園で初優勝した。OBで西武育成選手の是沢涼輔捕手(23)も「おめでとうございます」と祝福のコメントを寄せた。

チームメートには同校先輩でもある柘植世那捕手(26)もいる。「柘植さんと『すごいですね』と試合のたびに話していました」。是沢はテレビ中継で見た柘植の姿に憧れ、三重県から越境入学したほどだ。

優勝メンバーでは、やはり同じ捕手の箱山遥人主将(3年)が気になったという。「記事とか読んでも発信力、発言力がすごいですよね。みんなを引っ張っていく力とか」。

是沢自身、高校時代も法大時代も控え捕手だった。「ベンチから見ている景色、それが一番印象的ですね。自分が出ていない悔しさも、試合に出ても何もできないかもしれないみじめさも、両方です」と苦笑いしながら振り返る。

それでも青柳博文監督(51)は是沢のことを「本当に誰よりも一番練習していましたよ」と認める。プロになった今もそれは変わらず、誰よりも多く室内練習場でバットを振っている。

母校が勝った。恩師が喜んだ。「刺激になります。優勝して、控えの子の気持ちもすごく分かります」。育成契約の捕手としてプロ2年目。吉報に気合を入れていた。【金子真仁】

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ佐藤龍月(左)、箱山遥人(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手にする高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回裏高崎健康福祉大高崎2死一塁、箱山は左前打を放つ(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 6回表報徳学園2死一、三塁、今朝丸を見逃し三振に仕留めガッツポーズする捕手箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 6回表報徳学園1死二、三塁、三塁走者安井を本塁でアウトにする捕手箱山(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】 初V健大高崎・青柳博文監督「涙出ました」“機動破壊”かつて注目も今は個性重視

初優勝の高崎健康福祉大高崎・青柳監督は胴上げされる(撮影・石井愛子)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇甲子園◇決勝

高崎健康福祉大高崎(群馬)が、春夏通じて初の甲子園優勝を果たした。報徳学園(兵庫)とのセンバツ決勝は1回に2点を先制されるも、逆転勝利。かつて“機動破壊”で注目を浴びたチームは、低反発バットが導入された今大会で強い適時打を重ねるほど進化した。野球愛好会の顧問からスタートした青柳博文監督(51)は涙。群馬県勢はセンバツ初優勝で、競り負けた報徳学園は戦後初の2年連続準優勝に終わった。

   ◇   ◇   ◇

優しい人だ。青柳監督は夢がかなうと、すぐ隣にいた補助員の肩をたたいた。生方野球部長と抱き合い、またメンバー外の部員の肩をたたいた。「仲間とかコーチ、いろんな方々の支援があって。本当に感謝しかないです」。甲子園のお膝元、兵庫・西宮に校舎を構える相手を後押しするような球場の空気に、全員で勝った。

1回に2点先制され、すぐに森山の2点適時二塁打で追いつく。エース佐藤が負傷し、先発は連投の石垣だった。監督は「不利かも」とこぼしたが、その石垣が化けた。8回2失点。「ピンチを楽しんで投げられました」と石垣。最後を締めたエース佐藤は、心技とも強くなったから1点を守り切れた。

青柳監督にとっては、あの頃が懐かしい。01年冬、野球愛好会の顧問になった。会員15人。「あいさつしたら5人やめた。生意気言ったかな。丸刈りの話をしたら今度は3人やめた。練習をボイコットされたり」。創部2年目の夏、試合後に1期生の3年生と泣いた。「お前たち、本当にありがとう。絶対これから野球部を強くしていくから、これからもずっと応援していてくれ」。

誓いを果たそうと色を出した。学生時代は7番打者、盗塁もバントもなし。「それがトラウマでね」。勝つために機動力を選んだ。やがて“機動破壊”が高校球界で話題になる。「機動破壊、機動破壊って言われて、そうしないとまじぃのかな~って。甲子園でも『走れ』って、背中から聞こえる気がして」。雰囲気にのってサインを「盗塁!」に変えてしまったことも今は昔。打てる選手や優秀なコーチが多く集まり、個性重視の方針で機動破壊の先へ行った。

「本当にいろんなOBたちの顔が思い浮かんで、涙が出ました」。感慨深く聞いた「Be Together」の校歌。教え子たちと寄り添って羽ばたいた。夢の時間に、甲子園には7羽のハトが舞っていた。【金子真仁】

◆青柳博文(あおやぎ・ひろふみ)1972年(昭47)6月1日、群馬県吾妻郡東吾妻町出身。前橋商では3年春のセンバツに「4番一塁」で出場し、初戦で新田(愛媛)に敗れた。東北福祉大に進み、3学年上の阪神元監督の金本知憲、同期で現中日コーチの和田一浩らとプレーした。計7年間の会社員生活を経て、02年4月に高崎健康福祉大高崎の監督に就任。11年夏に甲子園に初出場。12年春のセンバツで4強入り。甲子園には春夏で計10回出場し、通算19勝。

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、初優勝の高崎健康福祉大高崎・青柳監督は胴上げされる(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、初優勝の高崎健康福祉大高崎・青柳監督は胴上げされる(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 場内を一周する優勝した高崎健康福祉大高崎ナインを見つめる高崎健康福祉大高崎の青柳監督(左から5人目)(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め、高崎健康福祉大高崎の青柳監督を胴上げするナインら(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合を終えあいさつをかわす報徳学園の大角監督(右)と高崎健康福祉大高崎の青柳監督(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合を終え報徳学園の大角監督(右)と握手をかわす高崎健康福祉大高崎の青柳監督(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏、高崎健康福祉大高崎・青柳監督(右)は生還した斎藤を迎える(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対報徳学園 甲子園球場入りする高崎健康福祉大高崎の青柳監督(手前)ら(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、あいさつを交わす報徳学園の大角監督(右)と高崎健康福祉大高崎の青柳監督(撮影・上山淳一)

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【データ】センバツ史上初!健大高崎投手陣は佐藤龍月、石垣元気の2年生だけでオール継投V

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を果たし雄たけびをあげる佐藤龍月(右)。左は箱山遥人捕手(撮影・石井愛子)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇甲子園◇決勝

高崎健康福祉大高崎の投手陣は佐藤龍月、石垣元気の2年生だけで優勝した。それも全試合継投。センバツの全試合継投Vは、55年浪華商(投手=谷本、広島、佐川)、87年PL学園(野村、橋本、岩崎)、94年智弁和歌山(松野、笠木)に次ぎ4度目だが、過去は全員3年生。2年生だけのオール継投Vは大会史上初めてだ。

佐藤は大会で初となる1点リードの決勝戦最終回から登板。厳しい場面を切り抜け胴上げ投手となったが、優勝投手を決めるには意見が分かれそう。優勝投手の定義はなく、投球回数は石垣が1回多い。ここでは先発3度でチーム最多の3勝を挙げ、無失点の佐藤とした。無失点でのセンバツV投手は38年野口二郎(中京商=36回)、40年大島信雄(岐阜商=36回)、52年田所善治郎(静岡商=36回)、21年石田隼都(東海大相模=29回1/3)に次ぎ5人目になる。【織田健途】

高崎健康福祉大高崎の今大会投手成績
センバツの2年生優勝投手
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を果たし雄たけびをあげる佐藤龍月(右)。左は箱山遥人捕手(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する高崎健康福祉大高崎の佐藤(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ佐藤龍月(左)、箱山遥人(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 高崎健康福祉大高崎2番手の佐藤(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を果たし雄たけびをあげる佐藤龍月(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め、高崎健康福祉大高崎の捕手箱山(右)は試合を締めた佐藤と抱き合う(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する高崎健康福祉大高崎の佐藤(撮影・石井愛子)
6回裏報徳学園2死一、三塁、今朝丸裕喜を見逃し三振に抑え雄叫びをあげる石垣(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 6回表報徳学園2死二、三塁、今朝丸を見逃し三振に仕留め、雄たけびを上げながらベンチへ戻る石垣(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 マウンドに立ち深呼吸する高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、記念撮影する高崎健康福祉大高崎・箱山(前列中右)と報徳学園・間木(前列中左)ら選手たち(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手に場内を1周する高崎健康福祉大高崎・箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(左)らナイン(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ佐藤(中央左)ら高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・石井愛子)

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【センバツ】ドラフト候補箱山遥人は健大高崎歴代一捕手 芝草宇宙と深めた信念を木村コーチ伝授

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇甲子園◇決勝

高崎健康福祉大高崎(群馬)が初優勝した。主将を務める箱山遥人捕手(3年)を中心に、心技とも強いチームになった。

箱山は強肩強打で今秋ドラフト候補に挙がる。青柳博文監督(51)も「現時点なら捕手では歴代で一番いい」と評する。その歴代もすごい。阪神・長坂拳弥捕手(29)西武・柘植世那捕手(26)是沢涼輔捕手(23)広島清水叶人捕手(19)とプロ野球選手だけでも4人の捕手を輩出している。

箱山は「歴代捕手が全員すごくて、先輩を見て学ぶというか。隣で練習を見て学べる環境がすごいです」とし、さらに「それにやはり、木村コーチの指導が大きいと思います」と言う。柘植や是沢も木村コーチの名を挙げている。

木村亨コーチ(54)は17年からバッテリー部門を担当し、主に捕手育成に尽力してきた。基礎練習も徹底的に仕込むが、それ以上に「一番は『どれだけ大人としゃべれるか』ですね。コーチも含めて、自分の考えをしっかり答えられる子が試合に出ていると思います」と話す。例えば柘植は、入学直後から会話ができる1年生だったという。

いくら配球を練っても投げるのは投手だ。「こっちの意図するところをいかに投手に表現してもらえるか。自分のことばかり考えると態度やしぐさに出ます。うまく導けないと、投手を乗せてあげられない」。いかに気持ち良く投げさせるか。それを教え込む。

原点がある。帝京(東京)でプレーし、高3時には主将として春夏連続で甲子園に出場。バッテリーを組んでいたのは芝草宇宙投手(54=現帝京長岡野球部監督)だった。

個性的な名前で全国的な人気を博したエースに、何度も言われてきた。

「やる気分にさせてくれる捕手だよね」

当時からそんなスタンスでいた。「投手が怒ってもいいボールは来ない。厳しいボールを投げさせたいなら厳しい言葉よりも、投手をいい気分にさせてあげたほうがいいんです」。芝草氏と深めていった信念を、健大捕手陣に伝授する。

「捕手本人の感性の部分はすごく強いし、なかなか(指導も)難しいんですけどね」

そう笑いながらも、次々と好捕手を育て、DNAをつなぎ、健大を日本一にまで導いた。【金子真仁】

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、記念撮影する高崎健康福祉大高崎・箱山(前列中右)と報徳学園・間木(前列中左)ら選手たち(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 6回表報徳学園2死一、三塁、今朝丸を見逃し三振に仕留めガッツポーズする捕手箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 6回表報徳学園1死二、三塁、三塁走者安井を本塁でアウトにする捕手箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(右)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手に整列に戻る高崎健康福祉大高崎・箱山主将(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め、高崎健康福祉大高崎の捕手箱山(右)は試合を締めた佐藤と抱き合う(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
優勝旗を持ち、列に戻る健大高崎の箱山遥人主将=阪神甲子園球場で2024年3月31日、北山夏帆撮影毎日新聞代表撮影 ※高崎健康福祉大高崎
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手に場内を1周する高崎健康福祉大高崎・箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手にする高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回裏高崎健康福祉大高崎2死一塁、箱山は左前打を放つ(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 6回表報徳学園2死一、三塁、今朝丸を見逃し三振に仕留めガッツポーズする捕手箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 6回表報徳学園1死二、三塁、三塁走者安井を本塁でアウトにする捕手箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(右)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(左)らナイン(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ佐藤龍月(左)、箱山遥人(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を授与される箱山遥人(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手に場内を1周する高崎健康福祉大高崎・箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め、高崎健康福祉大高崎の捕手箱山(右)は試合を締めた佐藤と抱き合う(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
優勝旗を授与される健大高崎の箱山遥人主将=阪神甲子園球場で2024年3月31日、中川祐一撮影 ※高崎健康福祉大高崎

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【センバツ】東高西低?甲子園では東日本の高校が4連続V 東日本4連覇は78年以降では2度目

初優勝の高崎健康福祉大高崎・赤堀コーチは胴上げされる(撮影・石井愛子)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇甲子園◇決勝

高崎健康福祉大高崎(群馬)が、春夏通じて初の甲子園優勝を果たした。

甲子園では東日本の高校が4連続Vを果たしている。最近の甲子園では夏の大会を含め22年夏の仙台育英から山梨学院、慶応に次ぎ東日本勢が4連覇。東日本を富山、岐阜、愛知、三重以東の24都道県、西日本を石川、滋賀、奈良、和歌山以西の25府県とすると、夏に全国47都道府県代表が定着した78年以降、東日本の4連覇以上は04年夏から駒大苫小牧-愛工大名電-駒大苫小牧-横浜-早実-常葉学園菊川と6連覇したのに次いで2度目。

初優勝の高崎健康福祉大高崎・青柳監督は胴上げされる(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め、高崎健康福祉大高崎の青柳監督を胴上げするナインら(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 場内を一周する優勝した高崎健康福祉大高崎ナインを見つめる高崎健康福祉大高崎の青柳監督(左から5人目)(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め、高崎健康福祉大高崎の捕手箱山(右)は試合を締めた佐藤と抱き合う(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手にする高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ佐藤龍月(左)、箱山遥人(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する高崎健康福祉大高崎の佐藤龍月(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を果たし雄たけびをあげる佐藤龍月(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を果たし雄たけびをあげる佐藤龍月(右)。左は箱山遥人捕手(撮影・石井愛子)

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【センバツ】高野連の宝馨会長 新基準バットで「盗塁やバントで確実に得点する野球になった」

大会を講評する宝馨・日本高野連会長=阪神甲子園球場で2024年3月31日、三浦研吾撮影 毎日新聞代表撮影

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇甲子園◇決勝

高崎健康福祉大高崎(群馬)が、春夏通じて初の甲子園優勝を果たした。報徳学園(兵庫)とのセンバツ決勝は1回に2点を先制されるも、逆転勝利。かつて“機動破壊”で注目を浴びたチームは、低反発バットが導入された今大会で強い適時打を重ねるほど進化した。競り負けた報徳学園は戦後初の2年連続準優勝に終わった。

   ◇   ◇   ◇

閉会式で日本高野連の宝馨会長が今大会を振り返った。能登半島地震の被害を受けた、石川県の日本航空石川と星稜へ「被災地に元気と勇気を届けた」と語った。21世紀枠の別海(北海道)と田辺(和歌山)2校を「チームの力を存分に発揮した」と講評。導入された新基準バットの戦いぶりには「各チームが盗塁やバントなど確実に得点する野球になった」と語った。

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【センバツ】雰囲気にのまれた報徳学園4番斎藤 夏は長打力を武器に暴れ回る

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、悔し涙を流す報徳学園・斎藤(手前)(撮影・滝沢徹郎)

<涙は夏のため>

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇甲子園◇決勝

センバツが100年を迎えた。敗れて甲子園を後にする敗者には、今夏の甲子園へとつながっていくドラマがある。「涙は夏のため~新しい夢のため~」と題し、さまざまな角度から敗れたチームの物語を紡ぐ。

   ◇   ◇   ◇

報徳学園の4番斎藤は、「甲子園の決勝」という独特の雰囲気にのみ込まれた。「優勝を意識してしまった」と力みが生じ、初回、3回と凡退。「打てなかった時にダメージがいつもより来て、そのまままたズルズル行ってしまいました」。1点を追う5回2死満塁で遊ゴロに倒れるなど4打数無安打。試合後は自然と涙があふれていた。

前回大会ではベンチ入りも決勝での出番はなかったが、新チームでレギュラーをつかんだ。副主将の福留は「斎藤はいつも朝練やって、放課後も最後まで自主練で残ったりして、めちゃくちゃストイックです」と認める努力家。大角監督も「この冬で斎藤はかなり伸びた」と成長に目を細める。今大会は愛工大名電(愛知)との1回戦では延長タイブレークで放ったサヨナラ打を皮切りに、3試合連続で決勝打をマークするなど勝負強さを発揮。ただ、決勝では涙をのんだ。

悔しさを味わった決勝で、新たな課題を発見した。斎藤は今大会で9安打を放つも、長打は0本だった。高崎健康福祉大高崎は長打を起点に得点を重ねるシーンを目の当たりにし、心に誓った。「夏は僕が長打を増やせるようにしていきたい」。夏は長打力を武器として暴れ回り、甲子園で悲願の金メダルを奪い取りにいく。【古財稜明】

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 5回表報徳学園2死満塁、斎藤は遊ゴロに倒れる(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回表報徳学園1死一塁、斎藤(中央)は二直に倒れ、走者西村は戻れず併殺となる。左は一塁手森山(撮影・上山淳一)

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【センバツ】報徳学園・間木歩「走攻守、全てレベルアップして最後は夏の甲子園に出たい」

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 準優勝旗を手にする報徳学園の間木主将(撮影・上山淳一)

報徳学園主将で背番号1の間木歩投手(3年)は、準優勝旗を手にした。先発今朝丸の投球を横目に、8回からブルペンで準備した。

「優勝だけ目指してやってきたので、結果が出なくて悔しい」。大角健二監督(43)の「夏に帰ってこよう」との声かけに再び奮起する。「走攻守、全てレベルアップして最後は夏の甲子園に出たい」。一から出直し、今朝丸とのダブルエースで夏の聖地に舞い戻る。

準優勝旗を授与される報徳学園・間木歩(撮影・石井愛子)
準優勝旗を手に悔しげな表情を見せる報徳学園・間木主将(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 準優勝旗を手に整列に戻る報徳学園・間木主将(中央)(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を逃し応援団へあいさつに向かう報徳学園・間木(左)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合の準備をする報徳学園・間木(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 9回表の攻撃中、ブルペンで報徳学園・間木(右)と話す今朝丸(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回表報徳学園2死一、二塁、安井康起の2点適時二塁打で先制し喜ぶ間木(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】健大高崎・斎藤銀乃助が金メダル!母が名前に「銀」を入れた由来を明かす

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏高崎健康福祉大高崎無死、右翼線へ三塁打を放ちガッツポーズする斎藤(撮影・前田充)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎(群馬)の斎藤銀乃助外野手(3年)は金メダルを誇らしげに掛けていた。

銀乃助が金メダル。「いやぁ、それは…」とさすがに素早い返答に困ったが、努力の勲章に表情はほころんだままだ。

母真希乃さん(45)が名前に「銀」を入れた由来を明かす。

「放っておくと結構黒ずんじゃったり、くすんじゃう。磨き続けなきゃいけないっていう金属なので。自分のことを磨き続けられるようにっていう思いで付けました」

少年時代から好打者として注目されていたが、才能におぼれることはなかった。中学時代も涙を見せることなく、淡々と努力を続けてきた。高校でも。

「野球だけじゃなくて人間のあり方だったり、人から信頼されるような人間になればおのずと…って。野球だけじゃなく、あまり人から見えない部分も自分の中で磨いて」

斎藤は「そういうところが勝負強さにつながったんじゃないかなと思います」とも言う。この日も3回、右翼への三塁打を放って、その後決勝のホームを踏んだ。優勝し、周囲は泣く選手もいたのに「優勝の実感がなくて、ぼーっとしていました」と笑う。まだまだ先がある。銀を磨く。【金子真仁】

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏高崎健康福祉大高崎無死、右翼線へ三塁打を放ち滑り込む斎藤。三塁手西村(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、記念撮影する高崎健康福祉大高崎・箱山(前列中右)と報徳学園・間木(前列中左)ら選手たち(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手に場内を1周する高崎健康福祉大高崎・箱山(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を手に整列に戻る高崎健康福祉大高崎・箱山主将(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝旗を授与される箱山遥人(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎の箱山主将(左)らナイン(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ佐藤(中央左)ら高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏、追加点に喜ぶ高崎健康福祉大高崎・金井(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】完投負け報徳学園・今朝丸裕喜が涙「夏にもう1回ここに戻ってきて、優勝する」

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する報徳学園先発の今朝丸(撮影・前田充)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇決勝

高崎健康福祉大高崎(群馬)が、春夏通じて初の甲子園優勝を果たした。

報徳学園(兵庫)とのセンバツ決勝は1回に2点を先制されるも、逆転勝利。かつて“機動破壊”で注目を浴びたチームは、低反発バットが導入された今大会で強い適時打を重ねるほど進化した。野球愛好会の顧問からスタートした青柳博文監督(51)は涙。群馬県勢はセンバツ初優勝で、競り負けた報徳学園は戦後初の2年連続準優勝に終わった。

   ◇   ◇   ◇

22年ぶり3度目の優勝を目指した報徳学園は、またしても「壁」に阻まれた。1点差の惜敗で、1933年の明石中以来91年ぶりの2年連続準優勝。先発で8回6安打3失点の力投も完投負けを喫した今朝丸裕喜投手は「悔しいっていうひと言です」。試合後に三塁側アルプス席の応援団にあいさつした際には、目を充血させ悔し涙を流した。

一瞬の隙を突かれた。初回に味方打線が2点を先取。右腕は「正直安心した部分も結構ありました」と振り返る。初回2死一、二塁から5番森山に左中間越えの2点二塁打を浴び、同点に追いつかれた。3回1死三塁から高山に右前適時打を浴び勝ち越し点を献上。4回以降はギアを上げ、8回にはこの日最速の149キロを計測したが、手放した流れは戻ってこなかった。

6回の攻撃が勝負の分岐点となった。1点ビハインドで無死二、三塁の好機をつくりながら、ヒッティング作戦が失敗し、まさかの無得点。大角健二監督(43)は「逆転を意識して、一気に2点を取りにいくという欲を出してしまった。私の甘さ、判断ミスでした」と悔やんだ。

17年の監督就任から初優勝を2年連続で目前で逃し「選手たちはよくやってくれました。去年は半分自信、半分悔しい感覚でしたけど、今年は悔しさ、反省100%です」と下唇をかみしめた。今朝丸は「夏にもう1回ここに戻ってきて、優勝するっていう目標を立てて、1日1日の練習をやっていきたい」。夏こそ“シルバーコレクター”を返上する。【古財稜明】

◆2年連続準優勝 報徳学園は昨年に続き準優勝。センバツでは同じ兵庫県勢の明石中が32年決勝で●0-1松山商、33年決勝で●0-1岐阜商と続けて以来、91年ぶり2度目。

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を逃し悔しげに引き揚げる報徳学園・今朝丸(右)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 7回裏を投げ終えた報徳学園・今朝丸(左)は大角監督とタッチをかわす(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎に負け肩を落とす報徳学園・今朝丸裕喜(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 7回裏高崎健康福祉大高崎2死一塁、代走四宮を牽制で刺しガッツポーズする今朝丸(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 7回裏を投げ終えた報徳学園・今朝丸(左)は大角監督とタッチをかわす(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 報徳学園先発の今朝丸(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する報徳学園先発の今朝丸(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する報徳学園先発の今朝丸(撮影・前田充)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回裏、マウンドで話す報徳学園・今朝丸(左)と捕手徳田(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 力投する報徳学園先発の今朝丸(撮影・石井愛子)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回裏高崎健康福祉大高崎2死一、二塁、今朝丸(手前)は辻本に左2点適時二塁打を浴びる(撮影・上山淳一)

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【センバツ】報徳学園91年ぶり2年連続準V 6回好機無得点に大角監督「私の甘さ、判断ミス」

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 試合後、整列する報徳学園・大角監督(右)(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:報徳学園-高崎健康福祉大高崎>◇31日◇決勝

報徳学園(兵庫)が、高崎健康福祉大高崎(群馬)に接戦の末に敗れた。2年連続の準優勝は1933年の明石中以来91年ぶり。大角健二監督(43)は「悔しさ100%です」と下唇をかみしめた。

初回2死一、二塁から5番安井康起外野手(3年)の右翼線への適時二塁打で、相手のミスもあり2点を先制。しかし、直後に先発した今朝丸裕喜投手(3年)が2点を失い、同点に。3回1死三塁から高山裕次郎内野手(3年)に勝ち越しとなる右前タイムリーを浴びた。

1点ビハインドの6回には無死一、三塁のチャンスをつくりながら、ヒッティング作戦が失敗し、ビッグチャンスを逸した。大角監督は「一気に2点を取りにいってしまって、欲を出してしまった。私の甘さというか、判断ミスでした」と悔やんだ。

1点ビハインドのまま試合が進み、今朝丸は8回3失点と力投。最後まで追い上げ届かず、無念の2年連続で決勝で敗戦となった。

◆2年連続準優勝 報徳学園は昨年に続き準優勝。センバツでは同じ兵庫県勢の明石中が32年決勝で●0-1松山商、33年決勝で●0-1岐阜商と続けて以来、91年ぶり2度目。

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を逃し応援団へあいさつに向かう報徳学園・大角監督(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 応援団へのあいさつを終え、引き揚げる報徳学園・大角監督(手前右)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 準優勝に終わり引き揚げる報徳学園の、左から大角監督、間木、今朝丸、福留(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 9回表報徳学園2死一塁、二盗を決めた代走西川に拍手を送る大角監督(後方)(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】健大高崎が群馬県勢初の春制覇 報徳学園、2年連続準優勝/詳細

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇決勝

センバツ高校野球は決勝戦。高崎健康福祉大高崎(群馬)が報徳学園(兵庫)を3-2で破り初優勝。群馬県勢は初めて春の甲子園を制した。報徳学園は2年連続の準優勝。

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎(撮影・上山淳一)

チーム
報徳
健大

【健】石垣

【報】今朝丸

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・滝沢徹郎)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回表報徳学園1死、福留は中前打を放つ(撮影・上山淳一)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回表報徳学園2死一、二塁、安井は右翼に先制2点適時二塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 報徳学園先発の今朝丸(撮影・滝沢徹郎)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回裏高崎健康福祉大高崎2死一、二塁、森山は左翼に2点適時二塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回裏高崎健康福祉大高崎2死一、二塁、森山竜之輔は同点の左適時打を放つ(撮影・石井愛子)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏、高崎健康福祉大高崎・青柳監督(右)は生還した斎藤を迎える(撮影・滝沢徹郎)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏高崎健康福祉大高崎無死、斎藤は右へ三塁打を放つ(撮影・上山淳一)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏高崎健康福祉大高崎1死三塁、高山(手前)の右前適時打で盛り上がる高崎健康福祉大高崎の選手ら(撮影・上山淳一)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏高崎健康福祉大高崎無死、斎藤銀乃助の三塁打に喜ぶ金井俐樹(撮影・石井愛子)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ佐藤龍月(中央)、高崎健康福祉大ナイン(撮影・石井愛子)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎(撮影・上山淳一)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大の選手たち(撮影・滝沢徹郎)

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大ナイン(撮影・石井愛子)

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【センバツ】報徳学園が戦後初の2年連続準優勝、今朝丸裕喜は8回3失点も無念の逆転負け

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を逃し悔しげにあいさつに向かう報徳学園の選手たち(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:報徳学園2-3高崎健康福祉大高崎>◇31日◇決勝

報徳学園(兵庫)が、高崎健康福祉大高崎(群馬)に接戦の末に敗れた。2年連続の準優勝は1933年の明石中以来。

初回2死一、二塁から5番安井康起外野手(3年)の右翼線への適時二塁打で、相手のミスもあり2点を先制。しかし、直後に先発した今朝丸裕喜投手(3年)が2点を失い、同点に。3回1死三塁から高山裕次郎内野手(3年)に勝ち越しとなる右前タイムリーを浴びた。

1点ビハインドのまま試合が進み、今朝丸は8回3失点と力投。最後まで追い上げ届かず、無念の2年連続で決勝で敗戦となった。

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 8回の攻撃を前にベンチ前で報徳学園の大角監督の話を聞くナインら(撮影・上山淳一)

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【センバツ】健大高崎が初優勝 群馬県勢初の春制覇 報徳学園2年連続準優勝

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇決勝

高崎健康福祉大高崎(群馬)が報徳学園(兵庫)を破り初優勝した。群馬県勢は初のセンバツ制覇。報徳学園は2年連続の準優勝。

1回に2点ずつを取り合って迎えた3回裏、健大高崎が1点を勝ち越した。1死三塁から3番高山裕次郎が右前適時打を放った。

守っては先発の2年生右腕・石垣元気が力投。1回に2点を失ったが2回以降8回まで無失点に抑えた。9回は同じ2年生の左腕、佐藤龍月が登板。無失点に抑えて逃げ切った。

報徳学園は2回以降、得点が奪えず。6回には無死二、三塁としたが得点できず。22年ぶりの優勝を逃した。

今大会から低反発バットが導入された。全31試合で本塁打は3本(うち1本はランニング)。金属バットが導入された1975年以降、最少となった。

◆低反発バット導入 今春から新基準となる金属バットが導入。「打球による負傷事故(特に投手)の防止」と「投手の負担軽減による(肘、肩などの)ケガ防止」などが目的。「バットの太さ」が最大径は67ミリから64ミリ、「打球部の肉厚化」では従来の約3ミリから4ミリ以上に変更された。

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏、追加点に喜ぶ高崎健康福祉大高崎・金井(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 1回裏高崎健康福祉大高崎2死一、二塁、森山は左翼に2点適時二塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】「野球の華」本塁打わずか3本で大会終わる 低反発の新基準バット導入

阿南光対豊川 8回裏豊川1死一塁、モイセエフは右越え2点本塁打を放ちダイヤモンドを1周する(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇決勝

低反発の新基準バットが導入された今大会は「野球の華」と言われる本塁打が激減した。全体の本数は3本で、サクを超えたのは豊川(愛知)のモイセエフ・ニキータ外野手(3年)と神村学園(鹿児島)・正林輝大外野手(3年)の2本。残る1本は大阪桐蔭・境亮陽外野手(3年)のランニング本塁打だった。

金属バットが導入された1975年以降、最少は96年の5本だった。その記録を更新する結果になった。「芯で捉えないと飛ばない」と言われた低反発バット。本塁打激減が直接的な要因かどうかは今後の検証が必要だが、決勝に勝ち進んだ高崎健康福祉大高崎(群馬)と報徳学園(兵庫)ですら本塁打はゼロだった。報徳学園・今朝丸裕喜(3年)や高崎健康福祉大高崎・佐藤龍月(りゅうが=2年)ら好投手の投球の影響も大きいだろうが、甲子園に集う観客の楽しみの1つが激減する結果に終わった。

大会への注目度を示す指標の1つ、観客数も苦戦した。大会の総数は、決勝の3万4200人を含めて32万6900人。17年以降では、動員数に新型コロナ感染拡大を防ぐ上限が設けられた21、22年を除けばワーストの数字に。開幕後、季節が冬に逆戻りしたかのような寒さが続き、グラウンドに雪が舞った日もあった。気候は観客動員に直結するが、全国的に名前を知られた大会のアイコン的な選手の不在、地元の近畿勢の5校が初戦で姿を消したことも響いた可能性はある。

作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、神村学園・正林は大会2号となるソロ本塁打を放つ(2024年3月22日撮影)
神村学園対大阪桐蔭 5回裏大阪桐蔭無死、ランニング本塁打とする境(2024年3月27日撮影)

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【センバツ】健大高崎が初V「うまくかみあえば…」就任22年目の青柳監督、大会前の言葉が現実に

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大の選手たち(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園>◇31日◇決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎(群馬)が報徳学園(兵庫)を下し、悲願の甲子園優勝を果たした。同校は春夏通じて初優勝で、センバツでは群馬県勢としても初優勝となった。

この日は初回にミスも絡んで2点を先制されたものの、5番森山竜之輔内野手(3年)の2点適時二塁打ですぐさま同点に。3回には3番高山裕次郎内野手(3年)の適時打で勝ち越した。

投げては2試合連続先発の石垣元気投手(2年)が2回以降は粘り、試合を作った。勝負どころでは140キロ台中盤もマーク。再三のピンチを乗り切った。

同校は群馬・高崎市にある私立校で、00年度までは群馬女子短大付属という女子校だった。01年に共学化し、野球愛好会が誕生。青柳博文監督(51)が02年に監督就任し、正式に野球部に昇格した。

足を使った攻撃スタイルを始めた。「最初は選手もなかなか集まらないし、足をつかってやる以外になかったんですよ。打てないので、1つの攻撃パターンとして作って」。それが“機動破壊”のフレーズで高校球界に認知され、強豪校の仲間入りを果たした。

青柳監督は就任22年目。「選手は本当にいいと思うんですよ。中学時代の実績からいえば全国でも屈指のチームで、タレント軍団って言われて。うまくかみあえば日本一になれる力はあるかもしれません」と大会前に話していた。その同校史上最強軍団をともに作り上げてきた仲間の1人、赤堀佳敬コーチ(30=4月から磐田東監督)が健大高崎で指導する最後の日。全てが結実した。【金子真仁】

報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(右)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 優勝を決め喜ぶ高崎健康福祉大高崎・箱山(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 初優勝を決め歓喜する高崎健康福祉大高崎(撮影・上山淳一)
報徳学園対高崎健康福祉大高崎 3回裏、高崎健康福祉大高崎・青柳監督(右)は生還した斎藤を迎える(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】決勝先発予定の健大高崎エース佐藤龍月「覚悟を持って投げる」群馬県勢初の春V狙う

高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏星稜2死、萩原を空振り三振に仕留め雄たけびを上げる佐藤(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎5-4星稜>◇30日◇準決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎(群馬)が春夏通じて初の決勝進出を決めた。左手中指を負傷しているエース佐藤龍月投手(2年)が終盤2回を締め、新チームで公式戦無敗だった星稜(石川)に5-4で逆転勝ち。報徳学園(兵庫)は4-2で中央学院(千葉)に勝利し、2年連続で決勝に駒を進めた。決勝は31日午後0時半開始予定。高崎健康福祉大高崎が勝てば群馬県勢初の春V。報徳学園は22年ぶり3度目の優勝を目指す。

格別の光景だ。無意識の雄たけびを生んだのは、この日最速142キロの直球だった。「今までずっと磨いてきたボールだったので」。高崎健康福祉大高崎の佐藤は、真っすぐで締めたかった。先輩箱山のサインを意気に感じ、空振り三振で星稜に土を付けた。

磨いた直球の回転数は、2400回転にまで達した。極めた指先の感覚で知らぬ間に負荷がかかり、準々決勝の試合途中、中指先の血豆がぺろっとめくれた。29日は水ばんそうこうでケア。この日も試合中に血がにじんだ。だからブルペンでは「70%くらい」と焦ったが、解放されたアドレナリンで28球を投げ抜いた。

神奈川・川崎で育ったが「長崎出身なんです」と言う。両親の出会いの地。父正博さん(53)は海上自衛隊に従事し、艦長経験もある。孤独な仕事だ。「マウンドにいる投手みたいなもんですよね。最後は自分で考えるしかない」。アルプスから息子を見つめ「もう気力で行くしかないですよね」と願った。

息子は今大会初のリリーフへ。マウンドは荒れている。「いつもと違う感じはあったんですけど、どんな環境でも投げられるように練習してきたので」。優しい顔をして、海と歩んできた男のマインドをちゃんと受け継ぐ。決勝は先発するつもりだ。

「どれだけ痛くなっても、どんな体になっても、エースナンバーを背負わせてもらっているので、しっかり覚悟を持って投げたいと思います」。孤独だけれど孤独じゃない。仲間とファイナルに挑む。【金子真仁】

◆3年生が投げずに決勝進出 高崎健康福祉大高崎の登板投手はここまで4試合とも石垣、佐藤の2年生。最近では14年準Vの履正社が溝田、永谷の2年生だけで決勝に進んで以来。3年生が投げずに優勝なら04年済美(福井、藤村)以来20年ぶりとなる。

高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏、高崎健康福祉大高崎2番手で力投する佐藤(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏星稜2死、佐藤は最終打者・萩原を空振り三振に仕留め勝利し喜ぶ(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 星稜に勝利しタッチを交わす佐藤(右)と捕手箱山(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 星稜に勝利し、校歌を斉唱する高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 星稜に勝利し歓喜する高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 4回表高崎健康福祉大高崎無死二、三塁、加藤の中2点適時二塁打から生還した箱山(右)はチームメートと喜ぶ(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 4回表高崎健康福祉大高崎無死二、三塁、中2点適時二塁打を放った加藤(右)はアクシデントでベンチへ引き揚げる(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 2回裏星稜2死三塁、石垣は中島幹の打球に反応するも捕れず、先制遊撃適時内野安打を許す(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏星稜2死、萩原を空振り三振に仕留めガッツポーズする佐藤(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 指の皮がむけた高崎健康福祉大高崎2番手で登板した佐藤(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 試合後、感極まった表情の高崎健康福祉大高崎・青柳監督(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 決勝進出を決め応援団のもとへ駆け出す高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】星稜あと1歩で県勢初の決勝逃す「石川から力をもらったような気はします」監督

高崎健康福祉大高崎対星稜 決勝進出を逃し悔しげな表情の星稜・山下監督(右)と芦硲(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:健大高崎5-4星稜>◇30日◇準決勝

星稜があと1歩で県勢初の決勝進出を逃した。2回2死三塁から中島幹の遊撃内野安打で先制するなど序盤で主導権を握ったが、7回に逆転を許し、1点差で惜敗。山下智将監督(42)は「選手たちはよく頑張ってくれましたけど、悔しいです」と下唇をかんだ。これで新チーム始動から続いていた公式戦の連勝は「16」でストップした。

昨秋の明治神宮大会を制し、優勝候補に挙げられて臨んだ大会だった。ただ、秋から絶好調だったエース佐宗が、2月末にインフルエンザに感染。1週間の療養を経て復帰も、本調子に戻らないまま甲子園に入った。この日は1人で投げきり、5失点で完投負け。左腕は「ふがいない投球ばっかりしてしまった。夏に絶対戻ってきて、エースらしいピッチングができれば」とリベンジに燃える。

1月には地元が能登半島地震で被災し、全力プレーで勇気を届けようと臨んだ大会で4強入りまで勝ち進んだが、指揮官は「逆に(石川から)力をもらったような気はしますね」と感謝の思いをつづった。春夏通じて悲願の初優勝へ、石川に戻って鍛錬を積む。【古財稜明】

高崎健康福祉大高崎対星稜 高崎健康福祉大高崎に敗れ引き揚げる星稜の芦硲主将(手前)(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 3回裏星稜1死、芦硲は左翼に三塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 3回裏星稜1死、芦硲は左翼に三塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】健大高崎が春夏通じて初の決勝進出「気負わず群馬県に優勝旗持ち帰りたい」青柳監督

高崎健康福祉大高崎対星稜 決勝進出を決め応援団のもとへ駆け出す高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・滝沢徹郎)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎5-4星稜>◇30日◇準決勝◇甲子園

高崎健康福祉大高崎(群馬)が春夏通じて初の決勝進出を果たした。

エースの佐藤龍月投手(2年)が左手中指の負傷で長いイニングを投げられない状況で、石垣元気投手(2年)が7回4失点で何とか踏ん張った。青柳博文監督(51)も「試合を作ってくれたので感謝しています」と評価。最後の2イニングを佐藤が投げ、指先を赤くしながらも28球を投げ、逃げ切った。「痛みに耐えてよく投げてくれました」と感謝を重ねた。

打線も7回に適時打を集中させての逆転勝利。「気負わず、群馬県に優勝旗を持ち帰りたいです」と31日の決勝へ意気込んでいた。

高崎健康福祉大高崎対星稜 試合後、感極まった表情の高崎健康福祉大高崎・青柳監督(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 星稜に勝利し歓喜する高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 星稜に勝利し、校歌を斉唱する高崎健康福祉大高崎ナイン(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 星稜に勝利しタッチをかわす高崎健康福祉大高崎の佐藤(右)と捕手・箱山(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 指の皮がむけた高崎健康福祉大高崎2番手で登板した佐藤(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏星稜2死、萩原を空振り三振に仕留めガッツポーズする佐藤(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏星稜2死、萩原を空振り三振に仕留め雄たけびを上げる佐藤(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 高崎健康福祉大高崎先発の石垣は先頭打者・吉田を遊ゴロに仕留め笑顔を見せる(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 2回裏星稜2死三塁、石垣は中島幹の打球に反応するも捕れず、先制遊撃適時内野安打を許す(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 4回表高崎健康福祉大高崎無死二、三塁、中2点適時二塁打を放った加藤(右)はアクシデントでベンチへ引き揚げる(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 4回表高崎健康福祉大高崎無死二、三塁、加藤の中2点適時二塁打から生還した箱山(右)はチームメートと喜ぶ(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】報徳学園が2年連続の決勝進出 健大高崎は初の決勝/詳細

<センバツ高校野球>◇30日◇準決勝

センバツ高校野球は準決勝2試合。第1試合は高崎健康福祉大高崎(群馬)が逆転で星稜(石川)を破り初の決勝進出。第2試合は報徳学園(兵庫)が中央学院(千葉)を破り2年連続の決勝進出を決めた。決勝戦は明日12時半から行われる。

第2試合:中央学院2-4報徳学園

チーム
中央
報徳

【報】間木、今朝丸

【中】臼井、蔵並、颯佐

中央学院対報徳学園 報徳学園先発の間木(撮影・滝沢徹郎)

中央学院対報徳学園 中央学院先発の臼井(撮影・滝沢徹郎)

中央学院対報徳学園 1回裏報徳学園2死二塁、斎藤は先制の中前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 1回裏報徳学園2死二塁、二走・橋本(左)は斎藤の中前適時打で先制生還する(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 4回表中央学院2死二塁、颯佐は左越え適時三塁打を放つ(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 4回表中央学院2死二塁、颯佐(左)は左越え適時三塁打を放つ(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 4回裏報徳学園1死一、三塁、辻本は右前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 4回裏報徳学園1死一、三塁、辻本は右前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 4回裏報徳学園1死一、三塁、間木はスクイズを決める(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 4回裏報徳学園1死一、三塁、三走・徳田(右)は間木のスクイズで生還する。捕手・飯山(撮影・上山淳一)

中央学院対報徳学園 9回表中央学院2死二、三塁、岩崎を左飛に打ち取りガッツポーズする今朝丸(撮影・滝沢徹郎)

中央学院対報徳学園 試合後、報徳学園先発の間木(右)は、2番手で試合を締めた今朝丸とハグする(撮影・滝沢徹郎)

第1試合:星稜4-5高崎健康福祉大高崎

チーム
健大
星稜

【星】佐宗

【健】石垣、佐藤

高崎健康福祉大高崎対星稜 星稜先発の佐宗(撮影・滝沢徹郎)

高崎健康福祉大高崎対星稜 高崎健康福祉大高崎先発の石垣(撮影・滝沢徹郎)

高崎健康福祉大高崎対星稜 2回裏星稜2死三塁、中島幹は先制の遊適時内野安打を放つ(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 2回裏星稜2死三塁、中島幹は先制の遊適時内野安打を放ち喜ぶ(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 4回表高崎健康福祉大高崎無死二、三塁、加藤は中2点適時二塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死三塁、高山は左に適時二塁打を放つ(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死三塁、高山は左適時二塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死三塁、高山(右)は左適時二塁打を放ちガッツポーズする(撮影・滝沢徹郎)

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死二塁、二走・高山(左)は箱山の左前適時打で生還する。捕手・能美(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死二塁、二走・高山(4)は箱山の左前適時打で生還する。右は次打者の森山(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回裏星稜1死二塁、服部(左)は左に適時二塁打を放ち喜ぶ(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 8回、高崎健康福祉大高崎2番手で登板の佐藤(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏星稜2死、萩原を空振り三振に仕留めガッツポーズする佐藤(撮影・滝沢徹郎)

高崎健康福祉大高崎対星稜 高崎健康福祉大高崎に敗れ、選手たちと引き揚げる星稜の山下監督(手前)(撮影・上山淳一)

高崎健康福祉大高崎対星稜 高崎健康福祉大高崎に敗れ、引き揚げる星稜ナイン(撮影・上山淳一)

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【センバツ】報徳学園が2年連続決勝進出 4戦36安打中35本が単打のスモールベースボール

中央学院対報徳学園 4回裏報徳学園1死一、三塁、間木はスクイズを決める(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:報徳学園4-2中央学院>◇30日◇準決勝

報徳学園(兵庫)が中央学院(千葉)を破り、2年連続の決勝進出を決めた。明日31日の決勝戦で22年ぶり3度目の優勝を目指し高崎健康福祉大高崎(群馬)と対戦する。

先発の間木歩が9回途中まで2失点の好投。9回2死二、三塁で救援の今朝丸裕喜が一打同点のピンチを抑えた。攻めてはスクイズも絡めて4点を奪った。

1回、2死二塁から4番斎藤佑征の4試合連続の適時打となる中前打で先制。4回表に同点に追いつかれたがその裏、8番辻本侑弥の適時打、9番間木のスクイズで2点を勝ち越し。5回にも6番山岡純平の適時打で4点目を奪った。スクイズを含む5本の犠打を決め確実に得点をもぎとった。

この試合は8安打を放ったすべて単打。今大会4試合で36安打を放ったが35本が単打で、長打は初戦の二塁打1本だけ。犠打は12。飛ばない低反発バット導入元年。スモールベースボールで2年連続の決勝進出を決めた。

中央学院は8回に2点差に迫り、9回も一打同点と粘りを見せたが一歩及ばず。甲子園初勝利から3連勝で4強入りを果たしたが初の決勝進出を逃した。

◆前年準優勝校の決勝進出 昨年決勝で山梨学院に敗れた報徳学園が決勝進出。センバツで準優勝の翌年に決勝進出は05年愛工大名電以来8度目。過去7度は6勝1敗と雪辱Vが目立ち、前年準V校の6連勝中。

中央学院対報徳学園 4回裏報徳学園1死一、三塁、辻本は右前適時打を放つ(撮影・上山淳一)
中央学院対報徳学園 4回裏報徳学園1死一、三塁、辻本は右前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

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【センバツ】健大高崎が逆転で初の決勝進出 群馬県勢69年ぶり 星稜、初の決勝逃す

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死二塁、二走・高山(4)は箱山の左前適時打で生還する。右は次打者の森山(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:高崎健康福祉大高崎5-4星稜>◇30日◇準決勝

高崎健康福祉大高崎(群馬)が星稜(石川)を逆転で破り春夏通じて初の決勝進出を決めた。群馬県勢としては1955年(昭30)の桐生以来69年ぶり。群馬県はこれがセンバツ40勝目、春夏通算110勝目。

2-3で迎えた7回表、1死一塁から1番斎藤銀乃助の適時三塁打で同点。2死後、3番高山裕次郎の適時二塁打で4-3と勝ち越し。さらに4番箱山遥人の適時打で5-3とした。

守っては今大会初先発の2年生右腕、石垣元気が力投。最速150キロの直球にスライダーを織り交ぜ星稜打線を7回まで4失点に抑えた。8回からはこれまで3試合先発した同じ2年生の左腕・佐藤龍月が登板。2イニングを無失点に抑え逃げ切った。

星稜は1点差で敗れ、石川県勢として初の決勝進出を逃した。

高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死二塁、二走・高山(左)は箱山の左前適時打で生還する。捕手・能美(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死三塁、高山(右)は左適時二塁打を放ちガッツポーズする(撮影・滝沢徹郎)
高崎健康福祉大高崎対星稜 7回表高崎健康福祉大高崎2死三塁、高山は左に適時二塁打を放つ(撮影・上山淳一)
高崎健康福祉大高崎対星稜 9回裏星稜2死、萩原を空振り三振に仕留めガッツポーズする佐藤(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】日替わりヒーロー続出の星稜「全員野球」だ!山下智将監督「また次は違った選手が」

調整する選手とともにランニングする星稜・山下監督(撮影・滝沢徹郎)

日替わりヒーロー続出の星稜が、「全員野球」でセンバツ初の決勝進出を狙う。1、2回戦、準々決勝では2桁背番号の選手の活躍が光り、県勢初の4強入りを決めた。山下智将監督(42)は「20人みんながいつでも行ける準備をしてもらって、頑張ってもらいたい。また次は違った選手が出てくるんじゃないかなっていう期待もあります。みんなに期待」と新たなヒーローの登場を心待ちにした。

兵庫・西宮市内のグラウンドで素振りなど約30分の軽めの調整を行い、高崎健康福祉大高崎との決戦に備えた。相手は夏の大会前の6月下旬に毎年練習試合を行う旧知のチーム。指揮官は青柳博文監督(51)について「何をしてくるかわからない。奥が深くて、勉強することばかり」と話し、「なかなか厳しい試合になるかもしれないですけど、うちらしく1点を大事に取りにいって、最後1点でも多く取って勝ちたいです」と力を込めた。

調整する選手を見守る星稜・山下監督(左)と谷村部長(撮影・滝沢徹郎)
練習前に集合する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・佐宗(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・山下智将監督(中央)(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)
調整する選手を見守る星稜・谷村部長(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】中央学院 蔵並龍之介、臼井夕馬、颯佐心汰の右腕トリオが優勝へ導く

調整を終え記念撮影する、左から中央学院の臼井、蔵並、颯佐(撮影・滝沢徹郎)

第96回選抜高校野球大会(甲子園)で初の4強入りを果たした中央学院が休養日の29日、兵庫・西宮市内のグラウンドで練習を行った。走り込み中心のアップから始まり、ロングティーに2カ所バッティングと、約2時間、たっぷり汗を流した。

右腕トリオが初優勝へ導く。準々決勝の青森山田戦で今大会初先発し7回0/3を1失点と好投したエースの蔵並龍之介投手(3年)と、3試合連続で抑えで登板した颯佐心汰投手(3年)はブルペンには入らず、打撃練習に専念。蔵並は「自分だけ出遅れていたので安心しました。良かったです」と笑顔を見せると、颯佐は「ショートから蔵並を見ていても、エースに相応しいピッチングでしたね」と、頼もしく見つめた。

1、2回戦と先発の臼井夕馬投手(3年)は「試合前日は、登板があってもなくても必ず投げているので」と、30球を投げ込んだ。「今は調子がいいんです。報徳学園さんは強豪。失投は許されない。コースを間違えないように投げたい」と、気持ちを引き締めた。

エース・蔵並の復活で役者がそろった。臼井は「明日と明後日は3人で勝ち上がりたい」と力を込めると、颯佐は「3人で全力でいこうと話しています」と話し、力を合わせ優勝まで駆け上がる。

ブルペンで投球練習する中央学院・臼井(撮影・滝沢徹郎)
調整する中央学院・颯佐(撮影・滝沢徹郎)
リラックスした表情で調整する中央学院の颯佐(左)、中村(中央)、蔵並(撮影・滝沢徹郎)
調整する選手を見守る中央学院・相馬監督(撮影・滝沢徹郎)
リラックスした表情で調整する中央学院・臼井(中央)(撮影・滝沢徹郎)
練習中に声を出す中央学院・中村(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】「健大園芸」で心ひとつ 健大高崎ナインが泥水と格闘「バケツ、洗って返さなきゃ」

センバツ準決勝前日の練習をグラウンドの水抜きから始めた高崎健康福祉大高崎(撮影・金子真仁)

雨の多かった選抜高校野球大会は30日、準決勝を迎える。初の決勝進出を目指す高崎健康福祉大高崎(群馬)は29日、兵庫・西宮市内での練習を、グラウンドの水抜きから開始。“健大園芸”で心を1つにし、新チームの公式戦で無敗の星稜(石川)にぶつかる。報徳学園(兵庫)は中央学院(千葉)と戦う。

  ◇  ◇  ◇

準決勝開始の22時間前、高崎健康福祉大高崎ナインが泥水と格闘した。前夜の雨の影響で、グラウンドには二遊間の定位置などに大きな水たまりが。20人のメンバーも練習補助の部員も一丸で排水を始めた。

箱山遥人主将(3年)らが泥水いっぱいのバケツを運び、一塁ファウルエリアの排水溝に流す。「もう5、6往復してます」。ちりとりも活用しながら約30分で“健大園芸”を完了。打撃練習が可能なコンディションに回復させた。

青柳博文監督(51)は自チームについて「中学時代の実績でいえば全国屈指のチームなんですよね」と評し「でもいい選手が多いとバラバラになるんですよね、意外と」と添えた。箱山主将もその真理を悟っていた。だから。

「遠回りをしてでも、心を使って、力のある選手が泥くさくという思いを全員に浸透させたくて」

箱山は続ける。「控え部員も遠方から来て寮生活する選手が大半。いろんな感情を持っていると思うので」。全員で作る部活動。心技とも強くなり「日本一を取れるチーム」と自負するまでになった。決勝進出へ快音を響かせるグラウンドの外で「バケツ、洗って返さなきゃ」と蛇口をひねる部員がいた。【金子真仁】

センバツ準決勝前日の練習をグラウンドの水抜きから始めた高崎健康福祉大高崎(撮影・金子真仁)
センバツ準決勝前日の練習をグラウンドの水抜きから始めた高崎健康福祉大高崎(撮影・金子真仁)

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【センバツ】石川県勢初4強星稜、準決勝前日に30分軽め調整「厳しい戦いになる」山下智将監督

調整する選手を見守る星稜・山下監督(左)と谷村部長(撮影・滝沢徹郎)

第96回選抜高校野球大会(甲子園)で石川県勢初の4強入りを果たした星稜が休養日の29日、兵庫・西宮市内のグラウンドで練習を実施した。ジョギングや素振り、小さめのバドミントンの羽打ちなどを行い、約30分の軽めの調整で練習を切り上げた。山下智将監督(42)は「とにかく疲労除去というか、明日に備えてということが第一で」と説明した。

30日の準決勝で対戦する高崎健康福祉大高崎(群馬)とは、毎年夏の大会前の6月ごろに練習試合を行う旧知のチーム。山下監督は「投手に打者に走塁、全てにおいて全国トップクラスのチーム。特に今年は戦力が非常に整っている」と警戒し、「なかなか厳しい試合になるかもしれないですけど、うちらしく1点を大事にとりにいって、最後1点でも多く取って勝ちたい」と力を込めた。

調整する選手とともにランニングする星稜・山下監督(撮影・滝沢徹郎)
練習前に集合する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・佐宗(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・山下智将監督(中央)(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)
調整する選手を見守る星稜・谷村部長(撮影・滝沢徹郎)
調整する星稜・芦硲(手前)ら(撮影・滝沢徹郎)
取材に応じる星稜・芦硲(撮影・滝沢徹郎)

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