日刊スポーツ

競泳国際リーグ8・26ナポリで開幕 団体戦に北島康介GMチーム参加

競泳五輪代表へのワクチン接種6月以降か「水連の医事委ドクターが打てる」

日本水連は11日、常務理事会をオンライン形式で開催した。五輪選手への新型コロナウイルスのワクチン接種について、日本オリンピック委員会から案内が来ていることが報告された。坂元専務理事は「具体的な報告ではなかったが、ウチ(日本水連)としては6月以降になるんじゃないか、という話だった」と説明。また丸川五輪相がこの日、ワクチン接種の打ち手はまず競技団体が探すとした発言について、同理事は「日本水連の中に医事委員会があるので、ワクチンを打てるドクターもいるとは思います」と話した。

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競泳国際リーグ8・26ナポリで開幕 団体戦に北島康介GMチーム参加

北島康介氏(2021年1月24日撮影)

競泳国際リーグ(ISL)は11日、3季目のレギュラーシーズンを8月26日~9月30日、イタリア・ナポリで開催することを発表した。感染症対策に万全を期した形で、5週間にわたって世界のトップ選手が競泳では珍しい団体戦で競う。

ナポリは、イタリア南部の地中海に面して「ナポリを見てから死ね」ということわざがあるように、風光明媚(めいび)な都市。ナポリピザなど、美食でも有名だ。かつてサッカーでもアルゼンチンの英雄マラドーナが活躍した。ISLではアクア・センチュリオンズの本拠地で、会場は19年ユニバーシアード大会が行われたフェリーチェ・スカンドーネ水泳場となった。

3季目のISLは世界各地から10チームが参加。日本からは「東京フロッグキングス」(北島康介GM)が2季連続で参戦する。

センチュリオンズのドメニコ・フィオラバンディGMは現役時代、00年シドニー五輪平泳ぎで100メートル、200メートルで金メダルを獲得。100メートル決勝では北島GMとも対戦している。フィオラバンディGMは「ナポリでの開催は、イタリアの水泳界及び水泳ファンにとって、そして何よりアクア・センチュリオンズにとってうれしいニュースです。地元の応援を力にしてプレーオフ進出を目指します」とコメントした。

ISLは今季、3つのステージに分かれて開催される。ナポリでのレギュラーシーズンで、10チーム中8チームが11月のプレーオフに進出。さらにプレーオフの上位4チームが12月末か22年1月の決勝に進出する。プレーオフと決勝の開催地はアジア、ヨーロッパ、北アメリカの都市が候補になっている。

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AS日本選手権ソロFRに男子初出場 佐藤「経験が今後につながる」

ソロフリールーティンで10位となったジョイフルアスレティッククラブ・佐藤(撮影・江口和貴)

<水泳:アーティスティックスイミング(AS)日本選手権>◇最終日◇9日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム

日本選手権のソロFRで、男子が初出場した。出場15人の中で、8月の世界ジュニア選手権混合デュエット代表で高2の佐藤と高3の岩崎が出場。佐藤は78・8667点で10位、岩崎は79・0000点で9位だった。佐藤は中1だった17年に男子として同選手権初出場。当時は身長157センチだったが、現在は178センチになった。佐藤は「ソロの経験が今後につながると思った。世界ジュニアはできるだけいい色のメダルをとりたい」と話した。

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池江璃花子「6レース泳ぐのは久しぶりですが楽しめました」短水路の大会

池江璃花子(2021年4月17日撮影)

競泳女子で東京五輪代表の池江璃花子(20=ルネサンス)が9日、千葉県内で練習の一環として短水路(25メートルプール)の大会に出場した。

50メートルの3種目で、バタフライは予選26秒48、決勝25秒76、背泳ぎは予選29秒14、決勝27秒97、自由形は予選25秒49、決勝25秒02だった。バタフライと自由形は予選、決勝ともに1位。背泳ぎは予選全体の2位、決勝2位だった。

池江はマネジメント会社を通じて「練習は順調につめているので、昨日もしっかり練習して少し疲労もある中の6レースでした。ターン後のドルフィンキックやスタートで遅れるという課題はこれまでもありましたが、あらためてその課題を意識することができたので、今後さらに練習していきたいと思います。1日6レース泳ぐのは久しぶりで体はきつかったですが、楽しめました」とコメントした。

同大会は五輪、世界選手権の長水路(50メートルプール)とは違って、短水路(25メートルプール)の大会。池江は白血病から復帰した昨年8月以降で、短水路のレースに出るのは初めてで、6レースを泳ぐのは最多となった。

なお池江は、短水路でリレー種目を含めて、8つの日本記録を保持。今大会で出場した50メートル自由形は23秒95、50メートルバタフライは24秒71をマークしている。

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日本代表の乾友紀子、吉田萌が演技を披露「チーム全体にいい風を」乾

デュエットフリールーティンにオープン参加し演技する日本代表の乾(左)、吉田組(撮影・江口和貴)

<水泳:アーティスティックスイミング日本選手権>◇最終日◇9日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム◇日刊スポーツ新聞社後援◇デュエットフリールーティン(FR)

オープン参加の日本代表、乾友紀子(30=井村ASク)吉田萌(めぐむ、25=ザ・クラブピア88)が、93・6667点をマークした。「進化~エボリューション」でロボットから人間に変化する演技を披露。4月のロシア遠征以降は、足を上げる高さを約15センチ上げる特訓を行ってきた。吉田は「高さを上げることをやってきた。乾選手はその高さをみせているが、私はまだまだ。早く追いつきたい」と話した。

東京五輪でAS最初の種目は、8月2日のデュエットFR予選になる。日本は現在、ロシア、中国、ウクライナに次ぐ世界4位の位置付け。コロナ禍で国際大会が減っているため、ウクライナとの序列を覆すための直接対決を行う機会はなくなっている。本番でのデュエットFR予選の出来が、AS全体の流れを大きく左右する。エース乾は「1本目でがらりと変わったところを見せてチーム全体にいい風を吹かせたい。責任感をもって、肝に銘じて、練習しています」とした。

井村雅代ヘッドコーチ(HC、70)もデュエットFRの重要性を強調した。「まずこれで、開催国の五輪でここまできたか、と見せないとダメ。とにかくこのルーティンは日本の勢いを示すルーティン。キーパーソンは吉田です」とした。

日本代表は今、大会で五輪前最後の試合形式を終えた。今後は6月のチャレンジ杯(静岡)でエキシビションに出演する計画があり、最後の総仕上げを加速させていく。【益田一弘】

デュエットフリールーティンにオープン参加し演技する日本代表の乾(右)、吉田組(撮影・江口和貴)
デュエットフリールーティンにオープン参加する日本代表の乾(左)、吉田組は演技前に手をつなぐ(撮影・江口和貴)
デュエットフリールーティンにオープン参加した日本代表の乾(中央)、吉田(右)組に声をかける井村ヘッドコーチ(撮影・江口和貴)

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小林唄、和田彩未組が初V「すごくうれしい」と笑顔 ASデュエットフリー

デュエットフリールーティンで優勝した長野アーティスティックスイミングクラブ・小林(右)、和田組(撮影・江口和貴)

<水泳:アーティスティックスイミング(AS)日本選手権>◇最終日◇9日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム

最終日のデュエットフリー(DF)を行い、長野ASCの小林唄(うた)和田彩未(あみ)組が初優勝、デュエットテクニカル(DT)と合わせ、2冠に輝いた。

小林は「昨年の点数より多く取れたので、すごくうれしい」と笑顔を見せた。一方、和田は「すごくうれしい」と言葉をそろえながらも、「たくさん課題が見つかった」と反省。そして、最終種目のソロフリー(SF)に向け、「優勝できるように頑張る」と今大会での4冠(ST、SF、DT、DF)達成に照準を合わせた。

DFにはJAPAN(東京オリンピック日本代表)の乾友紀子(30)吉田萌(25)組がオープン参加。参考記録ながら93・6667をマークした。

優勝の得点は次の通り。

◆DF=小林唄・和田彩未(長野ASC)85・4333

<主催>日本水泳連盟<主管>大阪水泳協会<後援>大阪府、大阪府教育委員会、大阪府スポーツ協会、門真市、門真市教育委員会、門真市体育協会、日刊スポーツ新聞社、上月財団<特別協賛>ヤクルト本社<協賛>GMOクリック証券、ブルボン、味の素、東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険、ニコン、ニップン、コーセー、日本航空、ファイテン、セイコーホールディングス、ミズノ、デサントジャパン、アシックスジャパン、オーエンス、タキロンマテックス、バカラ パシフィック<協力>鈴乃屋

デュエットフリールーティンで優勝した長野アーティスティックスイミングクラブ・小林(右)、和田組(撮影・江口和貴)
デュエットフリールーティンで優勝した長野アーティスティックスイミングクラブ・小林(手前)、和田組(撮影・江口和貴)
デュエットフリールーティンで優勝した長野アーティスティックスイミングクラブ・小林(右)、和田組(撮影・江口和貴)

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池江璃花子の“叫び”に為末大さんが有森裕子さんが野口健さんが

元陸上選手で五輪に3度出場した為末大さん

白血病による長期療養を経て東京オリンピック(五輪)代表入りを決めた競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が7日に、SNSを通じて代表の辞退や五輪への反対を求めるメッセージが寄せられていることをツイッターで明かした。一夜明け、8日までに、この発信を巡る一連の動きに、多くの反応が集まった。

<池江の連続ツイート全文>

いつも応援ありがとうございます。Instagramのダイレクトメッセージ、Twitterのリプライに「辞退してほしい」「反対に声をあげてほしい」などのコメントが寄せられている事を知りました。もちろん、私たちアスリートはオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました。ですが、今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています。私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことは受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています。1年延期されたオリンピックは私のような選手であれば、ラッキーでもあり、逆に絶望してしまう選手もいます。持病を持ってる私も、開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています。私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。ただ今やるべき事を全うし、応援していただいてる方達の期待に応えたい一心で日々の練習をしています。オリンピックについて、良いメッセージもあれば、正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。長くなってしまいましたが、わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います。

◆元陸上選手で五輪に3度出場した為末大さん(ツイッターで) アスリートやその他の表現者の方も含め様々な方々が自分の夢に向かって一生懸命頑張っていることは何一つ咎められるようなことでもなく素晴らしいことで、それで勇気をもらう人もたくさんいると思います。ただその舞台を行うかどうかはまた別の話で冷静に判断することになりますが、それは別の話です。

◆陸上女子マラソンで五輪2大会連続メダリストの有森裕子さん(ツイッターで) 組織が「意固地」とも感じる発信をし続けている現状が、このような理不尽な矛先の向けられ方を生んでます!

◆登山家の野口健さん(ツイッターで) 池江さんご本人に「五輪辞退を求める」といった趣旨の投稿をした人たちは下衆の極みである。五輪開催の有無について意見があれば決定権のあるIOCや、また開催国、開催都市である国や東京都に向けるべき。最もやってはいけないのはアスリートにその刃を向けること。

陸上女子マラソンで五輪2大会連続メダリストの有森裕子さん
登山家の野口健さん
4月、競泳日本選手権女子100メートルバタフライで優勝し、涙する池江

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【記者の目】池江璃花子に「苦しいです」と言わせた おぞましい匿名の圧力

4月、競泳日本選手権女子100メートルバタフライで優勝し、涙する池江

<記者の目>

白血病による長期療養を経て東京オリンピック(五輪)代表入りを決めた競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が7日に、SNSを通じて代表の辞退や五輪への反対を求めるメッセージが寄せられていることをツイッターで明かした。一夜明け、8日までに、この発信を巡る一連の動きに、多くの反応が集まった。

   ◇   ◇   ◇

「とても苦しいです」。

その一文に、心から血がにじみ出ていると感じた。

7日夜に池江がSNSに文章を投稿した。SNS上で「代表辞退」「五輪中止表明」を求める声が届いたという。開催に賛成するのも反対するのも個人の自由だ。だが匿名で自分に都合がいい意見を、20歳の現役選手に無理強いすることが許されるはずがない。

池江は、負けず嫌いで前向きな性格だ。4年以上担当するが、取材現場でもそうだ。必ず質問者の目を真っすぐ見て答える。SNSでもつらい心情を発することもほぼない。思いつくのは19年3月、抗がん剤治療が始まった直後の「思ってたより数十倍、数百倍、数千倍しんどいです」ぐらいだ。そんな池江に「とても苦しいです」と言わせる、匿名の圧力がおぞましい。

池江は闘病中、家族に1度だけ「死にたい」ともらし、深く後悔している。何よりも命が大事であることは身をもって知っている。だからこそコロナ禍の東京五輪を俯瞰(ふかん)した時、葛藤が生まれることは想像に難くない。そんなジレンマを抱えた20歳の心を、筋違いな意見の押しつけが無慈悲に責め立てた。

そもそも東京切符は目標のパリ五輪前に思いがけず手にしたものだ。しかも池江は「ないなら次に向けて頑張るだけと思っています」としている。五輪を開催してほしいと主張しているわけでもない。

そしてもちろん五輪開催は1人の選手が決められることではない。

【水泳担当=益田一弘】

自身の思いを投稿した池江璃花子のツイッター

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小林唄、和田彩未が連覇、8月世界ジュニア活躍誓う AS日本選手権

デュエットテクニカルルーティンで優勝した長野アーティスティックスイミングクラブの小林(右)、和田組(撮影・江口和貴)

<水泳:アーティスティックスイミング(AS)日本選手権>◇第2日◇8日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム

アーティスティックスイミング(AS)の「第97回日本選手権」は、第2日のチームフリー(TF)、デュエットテクニカル(DT)、ソロテクニカル(ST)を行い、注目のDTを長野ASCの小林唄(うた)和田彩未(あみ)組が連覇した。和田はSTも初制覇した。

DTでは、和田が「優勝を目指して挑んだので、うれしい」と言えば、小林は「勝って次の大会に行けるので安心した」と笑みを漏らした。2人は8月下旬にカナダで開催予定の世界ジュニア選手権への出場が決まっている。和田は「2人でメダルを獲得できるよう、技の精度を上げていきたい」。小林は「課題の同調性を上げたい」。ともに世界の舞台へやる気を漲らせた。

STでは、初めて日本選手権優勝牌を手にした和田は「大切に飾りたい」とニッコリ。そして、9日の最終日に向け「あと2種目、明日も優勝目指して頑張りたい」と4冠獲得を誓っていた。

TFにはJAPAN(東京オリンピック日本代表)チーム、DTにはJAPANの乾友紀子(30)吉田萌(25)組がオープン参加。参考記録ながらTFで93・6667、DTで92・3760をマークした。

大会は新型コロナ感染防止のため無観客で開催されている。競技の模様は9日も日本水泳連盟ホームページでライブ配信される。

各競技の優勝と得点は次の通り。

◆TF=井村ASC・Aチーム(三橋由、熊谷、山田、川瀬、広田憩、加藤、額田、三上、R細川)85・3333 ※Rはリザーブ選手

◆DT=小林唄・和田彩未(長野ASC)83・0333

◆ST=和田彩未(長野ASC)83・0016

<主催>日本水泳連盟<主管>大阪水泳協会<後援>大阪府、大阪府教育委員会、大阪府スポーツ協会、門真市、門真市教育委員会、門真市体育協会、日刊スポーツ新聞社、上月財団<特別協賛>ヤクルト本社<協賛>GMOクリック証券、ブルボン、味の素、東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険、ニコン、ニップン、コーセー、日本航空、ファイテン、セイコーホールディングス、ミズノ、デサントジャパン、アシックスジャパン、オーエンス、タキロンマテックス、バカラ パシフィック<協力>鈴乃屋

デュエットテクニカルルーティンで優勝した長野アーティスティックスイミングクラブの小林(右)、和田組(撮影・江口和貴)

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五輪無観客でも井村雅代HCメダルへ秘策「力もらう」声援ゼロ逆手に音追求

デュエットテクニカルルーティンにオープン参加する乾、吉田組に練習で指示を出す井村ヘッドコーチ(撮影・江口和貴)

<水泳:アーティスティックスイミング(AS)日本選手権>◇第2日◇8日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム◇チームテクニカルルーティン(FR)ほか

無観客でも秘策あり。オープン参加の日本代表が、チームFRに登場した。「今日はお祭り!」を披露して93・6667点をマークした。「日本のお祭り」をテーマにホームの声援を力に変える狙いだったが、コロナ禍で東京五輪は無観客の可能性がある。井村雅代ヘッドコーチ(HC、70)は、観客なしも想定して、入念な準備を進めている。

全国の祭りばやしをちりばめたチームFR。19年の決定時は、地元観客の存在が前提だった。終盤には手で観客をあおるしぐさもある。無観客ならアドバンテージはなくなるが、百戦錬磨の井村HCは、ただでは転ばない。「観客がいると音が服に吸収されて、拍手でかき消されるから高い音を使う。でも無観客なら、高音と低音を使って、曲の抑揚までよく聞こえる。音楽からかなりの力をもらおうと思う。あるものからは何でも力をもらいます」。

無観客の今大会も3種類の音源を準備して、音楽の専門家も同行。選手の演技が引き立つ、音の領域を模索中だ。4月のロシア遠征は当初、無観客だったが、3階席のみPCR検査を受けた客を入れたという。「日本に連絡してデータをパソコンに送ってもらってCDに焼きなおした。世界はデジタル化されている。パソコンがあれば、いくらでも受け取れる」ときっぱり。吉田は「スコアを出すのは審判。そこに伝わればいいなと思う」。コロナ禍で変化する環境をいいわけにせず、知恵を絞ってメダルを追求する。【益田一弘】

○…デュエットテクニカルルーティンで日本代表の乾、吉田組が、ボーカロイド初音ミクとコラボした「忍者SAKURA」で92・3760点を出した。4月のロシア遠征後に、足を出す高さを上げることを決断。調整の途中で、不完全燃焼の部分もあったが、乾は「(初音)ミクちゃんの声が会場でさえわたるので、私たちもさえた演技とエレメンツ(規定要素)を決めたい」と完成度を上げていく。

大会スポンサーのバカラパシフィックからグラスが贈呈されたアーティスティックスイミング日本代表。左から吉田、井村ヘッドコーチ、乾(撮影・江口和貴)

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井村ASC・Aチームがチームフリー3連覇、3年連続でチーム4冠

チームフリールーティンで優勝した井村アーティスティックスイミングクラブA(撮影・江口和貴)

<水泳:アーティスティックスイミング(AS)日本選手権>◇第2日◇8日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム

チームフリー(TF)で井村ASC・Aチームが3連覇を飾った。

この結果、井村Aはチームテクニカル(TT)、フリーコンビネーション(FC)、ハイライト(H)と合わせ、3年連続でチーム種目4冠を達成した。

立役者となった三橋由莉子は「全種目でリフトを成功させ、良い演技をして優勝できて良かった」とチームとしての目標達成に笑顔を見せた。そして、来年以降に向け「課題の隊形をクリアにして、これからも井村Aチームがずっと優勝できるよう、頑張っていきたい」とさらなる目標を掲げた。

TFにはJAPAN(東京オリンピック日本代表)チームがオープン参加。参考記録ながら93・6667をマークした。

大会は新型コロナ感染防止のため無観客で開催され、競技の模様は日本水泳連盟ホームページでライブ配信されている。

優勝メンバーと得点は次の通り。

◆TF=井村ASC・Aチーム(三橋由、熊谷、山田、川瀬、広田憩、加藤、額田、三上、R細川)85・3333 ※Rはリザーブ選手

<主催>日本水泳連盟<主管>大阪水泳協会<後援>大阪府、大阪府教育委員会、大阪府スポーツ協会、門真市、門真市教育委員会、門真市体育協会、日刊スポーツ新聞社、上月財団<特別協賛>ヤクルト本社<協賛>GMOクリック証券、ブルボン、味の素、東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険、ニコン、ニップン、コーセー、日本航空、ファイテン、セイコーホールディングス、ミズノ、デサントジャパン、アシックスジャパン、オーエンス、タキロンマテックス、バカラ パシフィック<協力>鈴乃屋

チームフリールーティンへオープン参加した日本代表の演技後、笑顔を見せる井村ヘッドコーチ(右)(撮影・江口和貴)

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AS日本代表「今日はお祭り!」を披露「皆さんが楽しめるよう」福村寿華

チームフリールーティンにオープン参加し演技する日本代表(撮影・江口和貴)

<水泳:アーティスティックスイミング日本選手権>◇第2日◇8日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム◇日刊スポーツ新聞社後援◇チームテクニカルフリールーティン(FR)

オープン参加の日本代表(乾、吉田、福村、安永、塚本、京極、木島、柳沢)が、日本の祭りをテーマにした「今日はお祭り!」を披露して、93・6667点をマークした。お祭りばやしにのって、観客を手招きするなど、会場を盛り上げる要素を組み込んでいる。同調性が乱れる部分があったが、明るいムードを醸し出した。

ジャンパーを務める京極おきな(19=井村ASク)は「リフトから持ち上がるようにしたい。他のチームと違う空気が流れるように。楽しいけど、鳥肌が立つような演技をしたい」と、夏の本番を見据えて意気込んだ。福村寿華(じゅか、24=井村ASク)は「見ている人を巻き込んで、お祭りにしたい。皆さんが楽しめるようにしたい」と話した。

チームフリールーティンにオープン参加する日本代表(撮影・江口和貴)
チームフリールーティンにオープン参加する日本代表(撮影・江口和貴)
チームフリールーティンにオープン参加し演技する日本代表(撮影・江口和貴)

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池江璃花子に五輪辞退求める声「私は何も変えられない」SNSで思い吐露

池江璃花子(21年4月4日撮影)

競泳女子で東京五輪代表の池江璃花子(20=ルネサンス)が7日、自身のSNSを更新した。さまざまな意見がある東京五輪について、池江のSNSに代表の辞退を求めるようなダイレクトメッセージが届いていることについて触れた。

「いつも応援ありがとうございます。インスタグラムのダイレクトメッセージ、ツイッターのリプライに『辞退してほしい』『反対に声を上げてほしい』などのコメントが寄せられていることを知りました。もちろん、私たちアスリートはオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました。ですが、今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然のことだと思っています。私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことを受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています」とコメントを掲載した。

池江は、19年2月に白血病に見舞われた。体重が15キロ落ちて、抗がん剤の治療で髪の毛も抜けた。そこから大好きなプールで再び泳ぐことを目標にして、闘病生活に耐えてきた。同12月の退院時は「パリ五輪でのメダル獲得」を目標として、復帰の道を歩んできた。

東京五輪は、あくまで大目標であるパリ五輪の途上にある、という位置付けだった。4月の日本選手権でリレー代表に内定したが、その際も涙を流して、驚きを口にしている。大好きな水泳を心の支えとして、結果的に東京五輪の切符を手にした形だ。

その努力は「第2の水泳人生」を歩き始めた池江が「昨日の自分よりも速く泳ぎたい」「自己記録を更新したい」という競技の純粋な喜びを求めて、自身の体調と向き合いながら、ベストを尽くしてきた結果だ。

東京五輪が開催されるかどうかは、1人の選手が決められることではない。

池江は、SNSでこう続けた。「1年延期されたオリンピックは私のような選手であれば、ラッキーでもあり、逆に絶望してしまう選手もいます。持病を持っている私も、開催されなくても、今、目の前にある重症化リスクに日々、不安な生活を送っています。私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。ただ今やるべきことを全うして、応援していただいている方たちの期待に応えたい一心で、日々の練習をしています。オリンピックについても良いメッセージもあれば、正直、今日も非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」と心境を吐露した。

東京五輪が決まった13年9月、池江は中学1年生だった。自分が東京五輪に出るかどうか、ましてや白血病による闘病生活、五輪1年延期など想像できるはずもない。ただ競技に全力を尽くしてきた先に、ちょうど大学生で迎える自国開催の五輪があったに過ぎない。そんな1人のスイマーに、自分の主張に賛同するように求める、無理を強いる権利は誰にもないはずだ。

池江は、最後に「長くなってしまいましたが、私に限らず、頑張っている選手をどんな状況になってもあたたかく見守ってほしいなと思います」と締めくくった。【益田一弘】

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井村ASCが全種目制覇 エース細川「不安あったが決められて良かった」

フリーコンビネーションで優勝した井村アーティスティックスイミングクラブA(撮影・江口和貴)

<水泳:AS日本選手権>◇第1日◇7日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム

アーティスティックスイミング(AS)の「第97回日本選手権」が7日、大阪・東和薬品ラクタブドームで始まった。

第1日はハイライトルーティン(H)、チームテクニカル(TT)、フリーコンビネーション(FC)が行われ、井村ASCが全種目を制した。

Hで優勝後、エース細川朝香は「リフトに不安があったが、決められて良かった。今大会では出場する全種目で優勝できるように頑張りたい」と話し、その言葉通りに第1日を終えた。そして、8日の第2日を前に「明日はチーム種目最後なので、一丸となってやりたい」と目標達成に向け、気を引き締めた。

TTにはJAPAN(東京オリンピック日本代表)チームがオープン参加。参考記録ながら92・2269をマークした。

大会は新型コロナ感染防止のため、無観客で開催されている。競技の模様は8日も日本水泳連盟ホームページでライブ配信される。

各競技の優勝と得点は次の通り。

◆H=井村ASC・Aチーム(細川、三橋由、熊谷、広田樹、山田、川瀬、広田憩、加藤、額田、三上)84・1667

◆TT=井村ASC・Aチーム(三橋由、熊谷、山田、川瀬、広田憩、加藤、額田、三上、R広田樹)83・5429

◆FC=井村ASC・Aチーム(細川、三橋由、熊谷、広田樹、山田、川瀬、広田憩、加藤、額田、三上)86・0000

<主催>日本水泳連盟<主管>大阪水泳協会<後援>大阪府、大阪府教育委員会、大阪府スポーツ協会、門真市、門真市教育委員会、門真市体育協会、日刊スポーツ新聞社、上月財団<特別協賛>ヤクルト本社<協賛>GMOクリック証券、ブルボン、味の素、東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険、ニコン、ニップン、コーセー、日本航空、ファイテン、セイコーホールディングス、ミズノ、デサントジャパン、アシックスジャパン、オーエンス、タキロンマテックス、バカラ パシフィック<協力>鈴乃屋

チームテクニカルで優勝した井村アーティスティックスイミングクラブA(撮影・江口和貴)
チームテクニカルで優勝した井村アーティスティックスイミングクラブA(撮影・江口和貴)

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AS日本代表「空手2020」披露 井村HC「空気感を出していきたい」

チームテクニカルにオープン参加する日本代表は入場で空手ポーズを見せる(撮影・江口和貴)

<水泳:AS日本選手権>◇第1日◇7日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム

日本代表が、チームテクニカルルーティンにオープン参加した。「空手2020」を披露して92・2269点。2人が同時で飛ぶ技で乾が低くなるミスがあった。「成功率を上げたい」と乾。今大会は五輪前最後の試合形式となる。1年延期の間、個々の技術を高める練習を繰り返した。井村HCは「チームはすごくよくなっているが、同調性が不足している。影のように動くことが大事。空手はかっこいいのは空気を切るような動き。その空気感を出していきたい」とした。

練習で指示を出すアーティスティックスイミング日本代表井村ヘッドコーチ(左)(撮影・江口和貴)

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井村雅代HC、AS選手へコロナワクチン「1日も早く接種させてやりたい」

練習で指示を出すアーティスティックスイミング日本代表井村ヘッドコーチ(左)(撮影・江口和貴)

アーティスティックスイミング(AS)日本代表の井村雅代ヘッドコーチ(HC、70)が7日、大阪・門真市内でワクチン接種について感想を述べた。チームを預かる立場として「もちろんワクチンは接種したい。それも1日も早く」と話した。日本代表はこの日開幕した日本選手権にオープン参加をしている。

ワクチンは、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)が、東京五輪・パラリンピックに出場するアスリートらを対象に、ファイザー社(米国)と共同開発のビオンテック社(ドイツ)から無償提供する覚書に署名したと発表したもの。国民への供給計画とは「別枠」の扱いになる。

井村HCは「五輪が近づいたなという気がして、うれしい気持ちがした」と話した。

4月中旬にはロシア遠征を行った。閑散とした羽田空港から厳戒態勢でロシア入り。現地の空港は多くの人がいたという。「マスクをしているのは20人に1人ぐらい。鼻も出している。『なぜ?』と聞くと『私たちはもうかかったから抗体があるの』と言われた。このギャップは何なのかと思ったが、私たちはベストを尽くそうと」。外部との接触を断つ「バブル」でホテルと会場の往復をした。

帰国後も隔離期間の14日間を過ごした。ホテルのエレベーターを使用せずに非常階段を使い続けた。「何年分も階段を上り下りしました」という。「選手もルールを守ったし、周りの方々が環境を整えてくれて、今まで(感染など)何もないです。(新型コロナウイルスに)五輪の前にかかっては何もならない。1日も早く(選手に)接種させてやりたいのが本音です」。

五輪開催にさまざまな意見があることは理解している。井村HCは「何事も賛否両論があるのはわかります。『やるべきでない』という選手がいることもわかります。でもやはり世界中のアスリートは目指している。目指している選手は、1年延期も何も関係なく、ぶれずにやっていると思う。私は選手に『1%でも開催の可能性があるなら準備しよう。100%なし、といわれたらそのときにやめたらええ。毎日、毎日進化しよう』とずっと言い続けている。この選手たちは暗くなってないし、落ち込んでもいない。『こんなことしていていいのか』と考える暇もない生活をしている」と厳しい指導で選手を鍛え上げる日々を過ごす。

「五輪の舞台でパフォーマンスを見せて、それで争う、競技をする。それがアスリートの夢であり、それが一番のゴールだと思う。その気持ちは変わっていない。1年延期になっただけで、気持ちは全然変わっていません」と口にした。

16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの乾友紀子(30=井村ASク)はワクチン接種について「日本水連、JOCの指示に従ってやります。今のところ詳しいことは聞いていないです」とした。その上で自身の意見を問われて「個人的にはワクチンを接種したいと思っています。ウイルスがまん延しているので自分で自分の身を守るという面です」と話した。【益田一弘】

◆井村雅代(いむら・まさよ)1950年(昭25)8月16日、大阪府生まれ。小3で大阪・堺市の浜寺水練学校に入門、中1で競技を始める。78年から日本代表コーチ。84年ロサンゼルスから6大会連続メダル。08年北京、12年ロンドンは中国代表コーチ、16年リオデジャネイロ五輪では再び日本代表ヘッドコーチとしてメダル獲得。指導者として84年から五輪9大会連続メダル。厳しい練習と情熱で知られており、「メダル請負人」とも呼ばれる。

チームテクニカルにオープン参加する日本代表の演技を見つめる井村ヘッドコーチ(撮影・江口和貴)

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AS日本選手権が無観客で開幕 日本代表チームオープン参加

昨年の日本選手権にオープン参加した日本代表チーム(20年11月撮影)

<水泳:AS日本選手権>◇第1日◇7日◇大阪・東和薬品ラクタブドーム

アーティスティックスイミング(AS)の「第97回日本選手権」が7日、大阪・東和薬品ラクタブドームで開幕する。

第1日はハイライトルーティン(H)、チームテクニカル(TT)、フリーコンビネーション(FC)が行われ、TTにはJAPAN(東京オリンピック日本代表)チームがオープン参加する。

大会は感染防止のため無観客で開催される。競技の模様は日本水泳連盟ホームページでライブ配信される。

<主催>日本水泳連盟<主管>大阪水泳協会<後援>大阪府、大阪府教育委員会、大阪府スポーツ協会、門真市、門真市教育委員会、門真市体育協会、日刊スポーツ新聞社、上月財団<特別協賛>ヤクルト本社<協賛>GMOクリック証券、ブルボン、味の素、東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険、ニコン、ニップン、コーセー、日本航空、ファイテン、セイコーホールディングス、ミズノ、デサントジャパン、アシックスジャパン、オーエンス、タキロンマテックス、バカラ パシフィック<協力>鈴乃屋

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五輪初の飛び込みメダル「本当にチャンス」W杯好成績に水連委員長手応え

玉井陸斗(20年2月9日)

飛び込みで、五輪世界最終予選を兼ねたW杯東京大会が6日、閉幕した。日本勢は男子高飛び込み玉井陸斗(14=JSS宝塚)ら7人が新しく東京五輪代表に内定した。日本水連の手続きを待って、今月中旬にも正式に発表される。19年世界選手権で代表内定した寺内ら4人を加えて、総勢11人が東京五輪に向かう。

日本水連の伊藤正明飛び込み委員長は「今まで以上の好成績。(女子高飛び込みの)荒井(祭里)選手の銀メダルはすばらしい」と称賛した。また、玉井について「大規模な国際イベントは初めて。レベルが高い選手もいる中ですごくいい飛び込みもあった。次は五輪を想定して練習をしていってほしい」と話した。日本の飛び込みは1920年アントワープ大会の初参加から100年、五輪メダルなし。伊藤委員長は、東京五輪の目標について「今回は本当にチャンスだと思うので、メダル獲得を目指して挑みたい」とした。

○…今大会は46の国・地域から225人の選手がエントリーした。外部との接触を断つ「バブル」を形成。バブル内では選手、関係者約500人が活動した。選手は2日1度のコロナ検査を受けて、最終日の6日を迎えて陽性者は0人。コロナ対策の費用として当初の予算から1億7000万円が追加された。日本水連と国が負担する方向だ。一方で第1日に台の上が密になる事態が発生。無観客だったが、選手が仲間に声援を送ったり、祝福のハグをする場面もあった。国際水連の広報責任者は「身体接触は最大限やめてほしい。ただスポーツをしていたら、普通に起こること。すべての人に守ってもらうのは難しかった」とした。

荒井祭里(2021年5月2日撮影)

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飛び込み荒井祭里が銀メダル 日本人初の快挙 内定東京五輪も完成度で勝負

<飛び込み五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇5日◇第5日◇東京アクアティクスセンター◇女子高飛び込み決勝ほか

五輪代表に内定している荒井祭里(20=JSS宝塚)が、美しい入水で銀メダルを獲得した。準決勝を5位通過。難易度よりも完成度で勝負して、決勝で342・00点を記録。W杯の個人種目での表彰台は、04年宮崎多紀理以来17年ぶり3人目、銀メダルは日本人初となった。今大会の同種目は中国勢が出場しておらず、スコアは19年世界選手権7位相当。さらなる成長と五輪メダルを目標に掲げた。

   ◇   ◇   ◇

荒井が、2年に1度のW杯で日本人初の銀メダルを獲得した。技の難易度は高くないが、自慢のノースプラッシュで得点を稼ぐ。5本すべて65点以上でまとめた。馬淵コーチに抱き締められて「メダルが目標だったので本当にうれしい」。

世界トップは高難度技をそろえるが、荒井の戦略は逆だ。「何度か難易度を上げたり下げたりした。でも高難度は海外勢でもリスクが高い。簡単でもしっかりきれいにまとめる」ときっぱり。馬淵コーチも「感無量。感動的な入水をやればメダルにも届く。五輪もこのままでいく」とした。

19年世界選手権でも美しい入水で9位に入って、五輪内定を得た。ただ今大会は同選手権1~3位の選手が不出場でスコアも7位相当とさらなる向上が必要になる。20歳は「五輪は(強豪)中国選手も来る。百発百中の入水と言われるように。目標はメダルを獲得することです」と宣言した。【益田一弘】

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飛び込み東京五輪内定の荒井祭里が5位で決勝進出 319・20点

女子高飛び込み準決勝で演技をする荒井(撮影・菅敏)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇5日◇第5日◇東京アクアティクスセンター◇女子高飛び込み準決勝

東京オリンピック(五輪)代表に内定している荒井祭里(20=JSS宝塚)が319・20点の5位で決勝に進出した。

1本目の評価点で審判1人が「9・5」、2人が「9」をつける演技を披露して72・80点で1位スタート。3本目と4本目は50点台で順位を落としたが、最後の5本目で再び審判1人が「9」をつける美しい入水を見せた。同種目決勝は午後6時から行われる。

女子高飛び込み準決勝で演技をする荒井(撮影・菅敏)
女子高飛び込み準決勝で演技をする荒井(撮影・菅敏)

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平泳ぎ代表内定の武良竜也がコロナ感染 4月29日練習後発熱も体調は良好

武良竜也(21年4月撮影)

競泳男子平泳ぎで東京五輪代表に内定している武良竜也(24=ミキハウス)が、新型コロナウイルスに感染した。所属先のミキハウスが5日、発表した。武良は4月29日の練習後に37度の微熱と倦怠(けんたい)感を覚えた。同30日に39度の発熱、喉の痛み、頭痛があり、自宅療養を開始。5月1日に自宅で診察とPCR検査を受けて、同3日に陽性判定を受けた。同4日以降は熱もなく、体調も良好で自宅で療養している。

ミキハウスによると、武良は直近2週間で練習以外の不要な外出を控えており、保健所に行動をすべて報告。同社選手に濃厚接触者はいないが、念のために武良と最終接触日から2週間たっていない選手は自宅での健康観察を指示している。現時点で体調不良者はいないことも発表した。

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須山晴貴19位で五輪切符逃し号泣「膝の痛みも少なく」動きすぎた体悔やむ

男子板飛び込み予選で19位に終わり、会見で涙を流す須山(撮影・菅敏)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇5日◇第5日◇東京アクアティクスセンター◇男子板飛び込み予選

須山晴貴(23=栃木県スポーツ協会)が、19位で五輪切符を逃した。上位18人の準決勝まで、わずか4・35点届かず、号泣した。

5本目を終えて19位。準決勝圏内までわずか0・30点差で迎えた。最終の6本目は「5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)」。この1本、わずか2秒弱ですべてが決まる。そんなしびれる場面で板の上に立った。踏み切りは板の先端でぴたり。しかし入水で回転をオーバーして、足が水面を打った。水しぶきが立って、61・20点。18位に届かないスコアを見て黄色のタオルで顔を覆った。

「順位を気にしないで、自信をもっていった。でも試合で気持ちも体の状態も上がっていた。普段よりもいい演技ができすぎて、体の動きを処理しきれずに、オーバーしてしまった」。

「この半年はマイナスからのスタートだった」。

昨年11月に、陸上トレーニング中に左膝を負傷した。「踏み込んだ時に、左膝が内側に入ってしまった」。半月板を損傷して、すぐに手術。五輪世界最終予選まであと半年だった。入院が1カ月、患部の固定が3カ月。「ぎりぎり間に合うんじゃないかな」と希望を失わず、治療に努めた。

今年3月中旬にやっとプールに入った。膝の痛みがぶり返して、練習を2週間、休んだこともあった。周囲から「本当に出られるのか」「須山で大丈夫か」という不安視する声も耳に届いた。日本代表として五輪切符がかかる試合に挑む以上、当然の指摘だった。

須山は「3月はまだ種目も仕上がってなかった。やり始めたばかりで、そう言われることは当たり前。ナショナルチームを落とされるぐらいまでいったが、自分を信じてやってきた」。膝の状態は良くなかった。ベッドの中でズキズキとうずく痛みで目が覚めた。練習をやりすぎると、1週間も飛べなくなることもあった。日常生活に支障が出るほどの痛みだった。

それでも板の上に立った。予選では1本目が58・50点で54人中36位スタート。その後は23位→12位→14位と順位を上げた。しかし5本目で入水が乱れて60・45点と伸びなかった。この時点で準決勝圏外の19位。ラストダイブに逆転をかけたが、試合のアドレナリンが練習通りの演技を失わせた。「今日は膝の痛みも少なくて…」と、いつもよりも動きすぎた体を悔やんだ。

飛び込みは、わずか2秒弱の間に、練習と同じ動きをどれだけ忠実に再現できるかを争う競技。意気込みすぎれば、回転がオーバーして、落ちつきすぎると回転がショートする。どちらも水しぶきにつながる。平常心以外はすべてが試技にとってマイナスになる。須山は「何とか戦えるんじゃないかというレベルまでもってきたが。19番は19番。そのあとひとつが自分の実力。この大会は結果を求めていた。未熟だと思う」。

須山は、高難度の種目をそろえて、自己ベストの462・30点は19年世界選手権5位相当にあたる。一方で板を踏み外して0点になる大失敗も。見ている側をハラハラさせて「周囲から『やらかす人』と言われる」とおどけたこともあった。この日は大きなミスはなく、できる限りの演技をした。「結果は残せなかったが、自分を誇りに思います」と口にして、また目に涙を浮かべた。【益田一弘】

男子板飛び込み予選で19位に終わり、タオルで顔を覆い引き揚げる須山(撮影・菅敏)
男子板飛び込み予選で演技をする須山(撮影・菅敏)

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伊藤洸輝「人生初」板から落下し0点 飛び出す直前バランス崩し頭から水に

男子板飛び込み予選、5本目でバランスを崩し、落下する伊藤(撮影・菅敏)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇5日◇第5日◇東京アクアティクスセンター◇男子板飛び込み予選

落ちてしまった…。伊藤洸輝(21=JSS宝塚)が、5本目で板から落下して0点となった。「307C(前逆宙返り3回半抱え型)」で飛び出す直前のジャンプでバランスを崩して板の左端に着地。両手で板をつかんで何とかこらえようとしたが、力及ばず。そのまま頭から水に落ちた。

板の上で踏みとどまって仕切り直せば、減点はあっても試技は可能だった。しかし、それもかなわず。5本目終了時点で出場54人で50位。準決勝進出の18位以内は見えなくなった。

伊藤は2本目を終えて3位と好スタート。しかし3本目で背中から落ちるミス。42位まで順位を落とした。「(5本目で)取り戻そうと思っていたが、3本目のミスが頭をよぎってしまった。力がうまく入らなかったというところです。人生初めての0点で動揺してしまった。こういう結果で悔しい」と振り返った。

伊藤は男子シンクロ高飛び込みで村上とのコンビで、五輪内定を確実にしている。「これからシンクロをメインでやりたい」と夏を見据えていた。

男子板飛び込み予選、5本目でバランスを崩し、落下する伊藤(撮影・菅敏)
男子板飛び込み予選、5本目でバランスを崩し、落下する伊藤(撮影・菅敏)
男子板飛び込み予選、5本目でバランスを崩し、落下する伊藤(撮影・菅敏)
男子板飛び込み予選、5本目でバランスを崩し落下した伊藤は、首を大きく振って水を飛ばす(撮影・菅敏)

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五輪代表内定の荒井祭里が出場/飛び込み第5日見どころ

荒井祭里(2021年5月2日撮影)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇5日◇第5日◇東京アクアティクスセンター

男子板飛び込みで予選、女子高飛び込みで準決勝、決勝が行われる。

男子板飛び込みは、須山晴貴(23=栃木県スポーツ協会)と伊藤洸輝(21=JSS宝塚)が出場する。

須山は高難度の種目をそろえて、自己ベストの462・30点は19年世界選手権5位相当にあたる。高得点が見込める一方で、板を踏み外して0点をとるなど大失敗も。見ている側をハラハラさせて、自分でも「周囲から『やらかす人』と言われる。『お前はやらかすからな』と言われてきた」と苦笑いする。準決勝進出の上位18人に入れば、五輪代表に内定。安定した試技をそろえて、確実に予選を突破したい。

伊藤は、村上との男子シンクロ高飛び込みで五輪出場を確実にしている。今大会2種目目の出場となる。

同種目予選は午前10時からスタートする。

女子高飛び込み準決勝は、五輪代表に内定している荒井祭里(20=JSS宝塚)が登場。技の難易度はそれほど高くはないが、最大の持ち味はノースプラッシュを連発する美しい入水。完成度の高さで、19年世界選手権は決勝に進出して9位。まずは準決勝12位に入って、その後に行われる決勝で上位を目指していく。

同種目準決勝は午後4時、決勝は午後6時から行われる。

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レデッキー「五輪楽しみ」競泳女子でリオ大会4冠「訪問が待ち切れない」

競泳女子で2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)4冠のケイティ・レデッキー(24)=米国=が4日、中高生を対象にしたオンライン講演に臨み、東京五輪に向けて「この1年は世界規模の大会がなかったので、世界のトップと競い合えるのを楽しみにしている」と語った。

新型コロナウイルスの感染状況が厳しい中での開催に批判的な意見は米国でもあるが、レデッキーは「世界中の人たちが(困難から)立ち直れると示し、情熱を持って突き進んでいくことを促すような五輪になればいい」と前向きに捉える。

以前に訪れた東京の印象については「本当に美しい街。訪問するのが待ち切れない」と話した。(共同)

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14歳玉井陸斗、解禁4回半「109C」で自己ベスト&五輪メダル構成自信

男子高飛び込み決勝で109Cを決める玉井の連続写真(撮影・菅敏)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇4日◇第4日◇東京アクアティクスセンター◇男子高飛び込み決勝

男子高飛び込みの「超新星」玉井陸斗(14=JSS宝塚)が、五輪内定から一夜明けて早くも動きだした。決勝で424・00点の8位入賞。昨年9月以来の「109C(前宙返り4回半抱え型)」を解禁した。難易度3・7は玉井が飛べる最高難度の技。これまで五輪切符優先で難易度を落としていたが、攻めの姿勢に転じた。16年リオデジャネイロ五輪銅相当の自己ベスト528・80点を出した構成を復活させる。

   ◇   ◇   ◇

高さ10メートルの台を走った。台の先端で勢いよく踏み切る。持ち味の回転スピードで4回半。余裕をもって入水姿勢に入った。水しぶきは立ったが「109C」で77・70点。「昼の練習では真っすぐ入ったが、試合でも高得点は出せた」。最近1カ月は練習していない。試合前に1本飛んだだけだったが、体が覚えていた。

内定から一夜明けて早くも動きだした。馬淵コーチは五輪の種目構成を109Cと、さらにこの日の4本目に1回ひねりをプラスした「6245D(逆立ち後ろ宙返り2回2回半ひねり自由型)」にする方針。昨年9月の自己ベスト再現を狙う。玉井も「安定した演技でまず入賞したいと思うが。調子が上がっていれば、メダル争いをしたい」。

憧れの存在も刺激だ。この日優勝したトーマス・デーリー(英国)に「最後まで決めきる力がすごい」。09年世界選手権を15歳で制した男と少しの縁がある。

18年3月、静岡県富士水泳場で海外選手が集うワールドシリーズを観戦した。馬淵コーチから「見ておけ。いずれ、この舞台に立つ選手になれ」と言われて、兵庫県から家族で訪れた。

トップの演技を目に焼きつける、とともに大会ポスターとペンを持ってわくわく。当時は小5の11歳。選手が通る通路に陣取ってサインをねだった。デーリーが立ち止まり、引き受けてくれた。他の選手のサインまで。そのポスターは額に入れて自分の部屋に飾る。そんな選手たちと競い合い、東京五輪で再会する。

初の大規模な国際大会で8位入賞。「たくさんの人をヒヤヒヤさせましたが、決勝に残れてよかった」。決勝は4本目を終えて3位と約10点差の4位だった。「自分もこういう舞台で戦える選手なんだなと思いました。このまま突っ走りたい」。14歳は大きな自信を手にした。【益田一弘】

◆玉井陸斗(たまい・りくと)2006年(平18)9月11日、兵庫県宝塚市生まれ。3歳の時にJSS宝塚で水泳教室に通い始めて、小1で飛び込みを始める。小5から本格的に寺内らと一緒に練習する。19年4月に日本室内選手権で、12歳7カ月の史上最年少優勝。好きな食べ物は牛タン。家族は両親と兄。憧れは寺内健。155センチ、51キロ。

◆飛び込みの採点 男子は6本、女子は5本の試技で合計点を競う。種目(技)には回転数、ひねり、足の形などでそれぞれ難易度が設定されている。7人の審判は0・5点刻みの10点満点で評価点をつける。上位2人、下位2人を除く3人の評価点を合計して、難易度を掛けた値が得点になる。109C(前宙返り4回半抱え型)は難易度3・7。仮に審判全員の評価点が10点だった場合は30点×3・7=111点。同9点の場合は27点×3・7=99・90点、同5点の場合は15×3・7=55・50点になる。

男子高飛び込み決勝ですべての演技を終え、馬淵コーチ(右)とグータッチをする玉井(撮影・菅敏)
男子高飛び込み決勝で1本目の演技を終え、笑顔を見せる玉井(撮影・菅敏)
男子高飛び込み決勝で演技をする玉井(撮影・菅敏)
男子高飛び込み決勝で演技をする玉井(撮影・菅敏)
男子高飛び込み決勝で演技をする玉井(撮影・菅敏)

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五輪内定の14歳玉井陸斗8位 最高難度の技も披露「高得点とれた」

男子高飛び込み決勝で演技をする玉井(撮影・菅敏)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇4日◇第4日◇東京アクアティクスセンター◇男子高飛び込み決勝

劇的五輪切符から一夜明けた「超新星」玉井陸斗(14=JSS宝塚)が、出場12人の決勝に臨み、424・00点で8位入賞した。

決勝の種目構成では、今大会で初めて「109C(前宙返り4回半抱え型)」を投入した。難易度3・7は玉井が使用する種目の中で最高難度。決勝の舞台で披露した。

玉井は「109Cは練習ではまっすぐ入ることができた。練習よりうまくいかなかったけれど高得点(77・70)はとれたと思います。今後は苦手な後ろ入水と307C(前逆宙返り3回半抱え型)の強化をしていきたい」と話した。

大会について「いろいろな人をひやひや緊張させてしまったけれど決勝に進めて良かったです」と笑顔をみせていた。

◆飛び込みの採点 男子は6本、女子は5本の試技で合計点を競う。種目(技)には回転数、ひねり、足の形などでそれぞれ難易度が設定されている。7人の審判は0・5点刻みの10点満点で評価点をつける。上位2人、下位2人を除く3人の評価点を合計して、難易度を掛けた値が得点になる。109C(前宙返り4回半抱え型)は難易度3・7。仮に審判全員の評価点が10点だった場合は30点×3・7=111点。同9点の場合は27点×3・7=99・90点、同5点の場合は15×3・7=55・50点になる。

男子高飛び込み決勝で109Cを決める玉井の連続写真(撮影・菅敏)
男子高飛び込み決勝で演技をする玉井(撮影・菅敏)
男子高飛び込み決勝で演技をする玉井(撮影・菅敏)
玉井陸斗

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飛び込み三上紗也可が必殺技を国際大会で初披露し6位 榎本遼香は8位

女子板飛び込み決勝ですべての演技を終え、涙ぐむ三上(撮影・菅敏)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇4日◇第4日◇東京アクアティクスセンター◇女子板飛び込み決勝

19年世界選手権5位の三上紗也可(20=米子DC)が307・20点を出して6位に入った。

最後の5本目に必殺技「5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)」を繰り出した。飛び出しで高さが足りずに、きれいに入水できなかった。審判の評価点は「6」で、得点は59・50だった。三上は「板にうまく乗れなかった。100%で飛べれば、真っすぐ入ったと思います。70点が目標でした」。それでも国際大会で初披露して「決勝で5154Bを披露できたことがいいことだった。もしかしたらメダルがとれるんじゃないか、という気持ちが無駄な緊張をよんだ」と話した。安田コーチは「練習では評価点8が出るようになった。コンディションと気持ちが入れば、精度は高まると思う」とした。

榎本遼香(24=栃木県スポーツ協会)は、4位タイで迎えた4本目にミスが出た。合計299・10点で8位入賞。「なかなか300点を出させてくれないなと思った。ただこの試合は自分の演技がどう評価されるかわからないものだった。自分がいいと思った時はいい得点が出る。それは一致している。そこが収穫だと思います」と口にした。

◆飛び込みの採点 男子は6本、女子は5本の試技で合計点を競う。種目(技)には回転数、ひねり、足の形などでそれぞれ難易度が設定されている。7人の審判は0・5点刻みの10点満点で評価点をつける。上位2人、下位2人を除く3人の評価点を合計して、難易度を掛けた値が得点になる。109C(前宙返り4回半抱え型)は難易度3・7。仮に審判全員の評価点が10点だった場合は30点×3・7=111点。同9点の場合は27点×3・7=99・90点、同5点の場合は15×3・7=55・50点になる。

女子板飛び込み決勝で演技をする三上(撮影・菅敏)
女子板飛び込み決勝で演技をする三上(撮影・菅敏)
女子板飛び込み決勝で6位の三上(左)と8位の榎本は、笑顔でポーズをとる(撮影・菅敏)
女子板飛び込み決勝で演技をする榎本(撮影・菅敏)

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安田舞、五輪切符するり…最終5本目失敗 2月に鼓膜破れ急ピッチ仕上げも

女子高飛び込み予選で24位に終わり、悔しがる安田(撮影・菅敏)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇4日◇第4日◇東京アクアティクスセンター◇女子高飛び込み予選

安田舞(18=米子DC)は、最終5本目の失敗でオリンピック(五輪)切符を逃した。上位18人が進出する準決勝で東京五輪が内定する予選。4本目を終えて、圏内ぎりぎりの18位だった。しかし最後の1本で回転が足りずに大きく水しぶきが上がった。28・80点と得点が伸びずに合計239・60点。24位に後退して、東京切符はするりと手から滑り落ちた。

安田は黒いタオルで顔を覆って肩をふるわせた。父の千万樹(ちまき)コーチにそっと肩に手を乗せられても震えは止まらなかった。

「一番は悔しい気持ちが大きい。でも憧れてテレビの向こう側だった試合に出られた。それを自信にして次に向かっていきたい」

2月に練習中に入水に失敗。衝撃を受けた耳の鼓膜が破れた。「あーあ、やっちまったな、と思った」。負傷から2週間はめまいもあって、陸上トレーニングも難しい状況だった。急ピッチで仕上げて、五輪世界最終予選に臨んでいた。最終5本目は調整が間に合わずに、本来の得意種目ではないものを選択していた。「練習からいい感覚ではなかった。順位は気にしないで、やれることをやろうと思った。5本目は3回半の種目をやろうと思っていた。だけどできなくて、ひねりの種目にした。そこは少し悔いが残っています」と振り返っていた。

19年世界選手権9位で五輪に内定している荒井祭里(20=JSS宝塚)は、319・80の5位。5日の準決勝に進出。3日には同じ馬淵コーチ門下生の14歳玉井が劇的に五輪切符をつかんだ。荒井は「ずっと一緒に練習してきた。ひやひやしたけど、最初と最後をしっかり決めてくれた。私も気持ちが上がりました」と笑顔を見せていた。

女子高飛び込み予選で24位に終わり、悔しがる安田(撮影・菅敏)
女子高飛び込み予選で24位に終わり、安田千万樹コーチ(左)に声をかけられ目頭を押さえる安田舞(撮影・菅敏)

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演技中の“緊急メス” 14歳玉井陸斗劇的逆転でつかんだ飛び込み五輪切符

男子高飛び込み予選の1本目の演技後、馬淵コーチ(右)とタッチを交わす玉井(撮影・鈴木みどり)

<飛び込み:五輪世界最終予選兼W杯東京大会>◇3日◇第3日◇東京アクアティクスセンター◇男子高飛び込み予選

男子高飛び込みで「超新星」玉井陸斗(14=JSS宝塚)が、劇的五輪を決めた。上位18人の準決勝に進出すれば代表に内定する予選。圏外の19位タイで迎えた最終6本目で91・80点の高得点。合計405・20点で逆転の15位に入った。準決勝は421・30点で9位通過。4日の決勝に進出した。コロナ禍による五輪延期で日本男子夏季五輪最年少出場は幻となったが、初の五輪切符。飛び込み界を担う中3は、14歳10カ月で東京五輪開幕日を迎える。

   ◇   ◇   ◇

東京五輪への美しいダイブだ。玉井は「絶対、決めてやる」と高さ10メートルの台に立った。19位タイで迎えた6本目。高く飛び、ひねりを加えた。水しぶきのないノースプラッシュ。91・80点。18位以内を確信して馬淵コーチとグータッチ。「追い詰められてあまり記憶がない。うれしかった」。

「初めて足の感覚がなくなるぐらい緊張した」

多くの最年少記録を誇る14歳も緊張した。大規模な国際大会は初めて。46人出場の予選は約4時間に及んだ。2本目に苦手な後ろ入水でミス。その後も精彩を欠いて4本目を終えて24位。5本目を待つ約30分の間に、馬淵コーチが駆けつけた。プールサイドにマットを敷いて後ろ宙返りを2度。異例となる演技中の“緊急メス”。わずか5分の指導だったが、息を吹き返した。5本目で19位、6本目で15位と順位を上げて「素直にホッとしています」。

自宅から車で約15分。3歳で兵庫・JSS宝塚にスイミングで通い出した。そこは馬淵コーチのもとで寺内、板橋らも練習する「飛び込み界の虎の穴」だった。小1でもらってきた体験教室のチラシが始まり。父隆司さんは「ぱちゃぱちゃ泳いでいるかと思ったら、飛んでいた」と振り返る。

馬淵コーチは、玉井の体を見て仰天した。「腹筋が割れている小学生なんていない。体幹が強い。宝くじに当たった」。すぐに生年月日を調べて、東京五輪に間に合うことを確認。小4の冬には寺内らの中国合宿に同行させた。隆司さんに「パリ五輪を目指せる。ワンランク上のものを食べさせてください」とお願いした。父は戸惑いながら、息子の「ヤクルト」を「ヤクルト400」に格上げ。中1の19年4月に日本室内選手権で12歳7カ月の最年少優勝を飾って、目標が東京五輪へ前倒しになった。

陸斗の由来は「大陸のように広い心を持った人になってほしい」。五輪1年延期で、日本男子夏季五輪最年少記録「13歳10カ月」での出場は幻になったが、五輪をつかんだ。「トップ選手たちとライバルとして戦っていける選手になりたい」と決勝で修正を誓った。

小学校の卒業文集では「オリンピックでメダル」と書いた。飛び込みの日本勢は1920年アントワープ大会で初出場も五輪メダルはなし。玉井の自己ベストはリオ五輪銅メダル相当の528・80点。14歳は、飛び込み界100年の夢を目指していく。【益田一弘】

◆玉井陸斗(たまい・りくと) 2006年(平18)9月11日、兵庫県宝塚市生まれ。3歳の時にJSS宝塚で水泳教室に通い始めて、小1で飛び込みを始める。小5から本格的に寺内らと一緒に練習する。19年4月に日本室内選手権で、12歳7カ月の史上最年少優勝。好きな食べ物は牛タン。家族は両親と兄。憧れは寺内健。155センチ、51キロ。

▼玉井の五輪までの道のり

◆19年4月 日本室内選手権で474・25点を記録。12歳7カ月の史上最年少V。五輪切符がかかる同7月の世界選手権、同9月のアジア杯は国際水連の年齢制限で出場できなかった。

◆同年9月 日本選手権を13歳0カ月で優勝。同選手権男女通じて最年少V。

◆20年2月 五輪世界最終予選の出場権を獲得。

◆同3月 コロナ禍で東京五輪が1年延期。夏季五輪日本男子では1932年ロサンゼルス五輪競泳の北村久寿雄(14歳10カ月)を抜く13歳10カ月での最年少出場記録が消滅。21年五輪開幕時では8日足らず。

◆同8月 関西ジュニア選手権で半年ぶりに復帰。

◆同9月 日本選手権で3メートル板飛び込みでも14歳0カ月の最年少優勝を飾る。

◆21年4月 国際水連が五輪世界最終予選を中止する意向を発表。19年世界選手権ランクを使う選択肢が浮上した。玉井は年齢制限で同選手権不出場のため東京の道が断たれるピンチ。「正直やらないのでは、と思った。すぐやるということになってほっとした」。

◆21年5月 2週間延期で五輪世界最終予選開催。。

男子高飛び込み予選で演技する玉井(撮影・鈴木みどり)
男子高飛び込み予選の6本目の玉井の演技(撮影・鈴木みどり)

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