Mr.ダービーだ。武豊騎手(53)が3番人気ドウデュース(牡、友道)をG1・2勝目に導き、歴代最多記録を伸ばすダービー6勝目を手にした。直線外から鋭い末脚を発揮し、勝ち時計の2分21秒9はレースレコード。53歳2カ月15日での勝利は、11年桜花賞をマルセリーナで勝った安藤勝己元騎手の51歳14日を更新するクラシック最年長制覇となった。

秋はフランスの凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)に進む。

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府中の空に「ユタカコール」が響いた。ドウデュースをダービー馬に導いた53歳武豊騎手のウイニングラン。入場制限が緩和され、東京競馬場に訪れた6万2364人の大勢から自然とコールが出た。「懐かしいなと思いました」と武豊。コロナ禍でファンは大歓声を控えていた。それでもJRA最多の通算4350勝を誇るレジェンドの手綱さばきを称賛した。「一昨年は無観客。そして昨年は4000人ほど。いろんな意味でうれしかった。勝ってウイニングランができて、ジョッキーとして最高だと思います」。13年キズナで勝って以来9年ぶり6度目の制覇。20代、30代、40代、そして50代になっても3歳の頂点を極めた。

昨年の最優秀2歳牡馬。皐月賞3着からのリベンジに成功した。「4コーナーではしびれるくらいの手応えだった」。最後の直線。先に抜け出したアスクビクターモアを外から差し切りにかかる。抜群の加速力を見せ、残り200メートルで先頭に立った。外からイクイノックスが強襲してきても、ステッキを入れてげきを飛ばした。「感無量です。あっという間に先頭に出た。最後にちょっとふらついたけど、2着馬の気配を感じ取って、また伸びてくれた」と晴れ晴れとした表情で言った。

注目の今後が決まった。皐月賞後、ダービーの成績次第でフランスに行くプランを立てていた。この日の勝利で胸を張って凱旋門賞に挑む。馬主の(株)キーファーズ松島正昭代表は昨年の同レース、アイルランドの厩舎に所属して共同所有するブルームの手綱を武豊に任せた(11着)。「古い友人で、よき理解者だし応援者です。ともにビッグレースを勝つことが夢でした」と2人は深い絆で結ばれている。

レジェンドは「こんなに胸が躍ることはないですね。ダービーを勝って、凱旋門賞に行くというのは」とうなずいた。日本調教馬が厚い壁に阻まれている。武豊は外国馬の騎乗を含めて過去9度挑戦。ディープインパクト、メイショウサムソン、キズナのダービー馬にまたがっても勝てていない。10月。日本競馬界の悲願をまた背負い、ドウデュースとのコンビで今年こそ世界一を取りにいく。【舟元祐二】

◆ドウデュース ▽父 ハーツクライ▽母 ダストアンドダイヤモンズ(ヴィンディケイション)▽牡3▽馬主 (株)キーファーズ▽調教師 友道康夫(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 6戦4勝▽総収得賞金 3億8595万1000円▽主な勝ち鞍 21年朝日杯FS▽馬名の由来 する+テニス用語(勝利目前の意味)

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