皐月賞(G1、芝2000メートル、17日=中山)に向けて、2戦2勝で共同通信杯を勝ったダノンベルーガ(牡3、堀)が13日、美浦トレセンで最終追い切りを行った。過去10年で5勝を挙げる共同通信杯組。同馬を管理する堀宣行師(54)が共同会見に出席し、調整過程などを詳細に語った。

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-共同通信杯に向かうまでの過程、レース内容について教えてほしい

堀師 まずプロセスですけど、初戦の新馬戦を勝った後にノーザンファームしがらきへ放牧に出し、そちらの環境は初めてでしたけど、この馬の特性というか、特異な歩様を牧場側と共有するのに時間がかかりまして、いろいろ検査したりをして、3週間ほどウオーキングマシンだけの期間がありました。左回りにこだわって2戦目は使いたいということで、この共同通信杯なり、翌週のフリージア賞というところで、その後はお正月を挟んで、新しい環境に慣れるためや歩様面の配慮から、乗り込みが足りない状況での帰厩となりました。初入厩のときは落ち着いて、健康状態も良く、調教もこなしていたのですが、2回目に関してはカイバ食いだとか、馬房内でイライラするとか、そのへんの部分が長距離輸送なり、新しい環境に短期間で移ってきたその影響があって、まずそこを整えないといけない状況でした。幸い心肺機能の方はそこまで落ちている感じはしなかったので、健康状態の方が回復してくるのを待つのとともに、心身のバランスをとって調教してきました。週1本の追い切りで最低限度整えたというプロセスでした。レースの結果については、私自身もそのような状態での出走というのもありましたし、やや重の馬場が決してこの馬に向くとも思っていませんでしたので、非常に大きな驚き、想像を超えた走りをしてくれたと思っています。

-今朝の最終追い切りを含めた中間のコンディションは

堀師 皐月賞に行くかどうかは前走の前の状態を受けて、まず健康状態の方をしっかり回復させてから気持ちの方も落ち着けて、その上でトモのバランスなり、ケアをするなり、基本的な部分を整えて、それがどの段階で整うかで今後のローテーションを決めようかということでした。健康状態は2週間ほどで整ってきて、心身のバランスは意外と競馬後は落ち着いていて、競馬前ほどの高ぶりは見せなかったので、そちらはすんなり調整に入っていけました。欲を言えば、春の大目標のダービーを見据えて、整えるだけでなく、そこで余裕が欲しいなというのが課題としてあったのですが、まだ余裕があるところまでは至らず、その中で皐月賞も視野に入れていたので、徐々に調整を始めてきました。右回りに関しては、初入厩の時に右回りでのウッドチップでの追い切りを行ったんですけど、トモが滑ってうまく走れませんでした。皐月賞に向かうにあたっては、競馬場だけではなく調教も週中に関しては右回りになりますので、そちらでの調整というのがひとつの大きな課題。まずダートやポリトラックといったグリップのいいコースで徐々に始めてバランスを取る事をこなしながらやっていきました。その後、右回りの方はこの馬なりにうまくバランスをとって走ってくれていて、調教も逆の週末の左回りを取り入れながら、左回り以前からスムーズな、悪いバランスでの走りをしませんので、共同通信杯の前よりはしっかり乗り込んで、2週前の追い切りまで終えました。その過程の中で乗ってもらうジョッキーがどう感じるかは、非常に勝負にいくにあたって重要ですから、1週前に川田騎手に乗りに来てもらって、確認してもらっています。そこまでは余裕を持つところまでには至らず、言い方が難しいのですが、仕上がっちゃったなというのが本音です。今日の追い切りに関しては、それを受けて最後は微調整。しまいは無理せず、7、8分のさじ加減で伸ばしてきました。若干、今日は後半思ったより気温が上がりましたので、暑さも手伝ってか息がこの馬としては悪いかなとも若干思いましたが、この後の微調整に生かしたいと思います。

-馬具の着用予定は

堀師 この馬は非常に性格がいいといいますか、操作性がいいので特段、矯正馬具を使用する予定はございません。

-厩舎のパターンとしては木曜追い。今回、水曜追いの意図は

堀師 天気予報が明日の方が気温が落ち着いていて、当初は木曜日に厩舎のパターンで追い切るつもりでいましたが、スタッフとの話の中で右トモのケアの方に1日かけた方がよりいいのではないかということでした。先週の日曜に関してはもう十分だということで、直前の調整程度の追い切りは抜いていましたので、水曜でも木曜でも追い切れる状況になっていましたから、今週は今朝までその判断を迷っていましたが、今日追い切ったという形です。

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