<桜花賞>◇10日=阪神◇G1◇芝1600メートル◇3歳牝◇出走18頭◇5着までにオークス優先出走権

新スター誕生だ。7番人気のスターズオンアース(高柳瑞)が鼻差の激戦を制して桜の女王に輝いた。

川田将雅騎手(36)の手綱に応え、馬群をこじ開けて根性で差し切った。高柳瑞樹調教師(46)は開業12年目でJRA・G1初制覇を果たした。次走は5月22日東京のオークス(G1、芝2400メートル)を見据える。

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馬群にさえぎられていた前方の視界が晴れ、緑の芝生が見えた。残り200メートルで開いた活路。次の瞬間には左右から挟まれたが、人馬はひるまない。上下に躍動する川田騎手のアクションに応え、スターズオンアースが額の白い星を突き出すように前へ出た。鼻差の戴冠。舞い散る桜を横目に、素質を開花させた新女王が引き揚げてきた。

「何よりも勝ち切ることができて、ありがたかったです。届いた感触はありましたが、着差はわずかだったので。スペースも狭く、他馬と接触もしながら、気持ちが強く、最後まで走りきってくれました」

パートナーをねぎらう鞍上の右こめかみには赤と青のあざがにじんでいた。前日9Rの直線で落馬。大事には至らなかったが、場内インタビューで自ら切り出し「大変ご迷惑をおかけして申し訳なく思っています」と観客席へ頭を下げた。

初騎乗で最高の結果を出した。頭角を現した20代半ば。「僕はテン乗りが多いので、1回で結果を出さなければいけないんです」と胸の内を明かしていた。勝ち切る-。口癖のように繰り返す信条は、今も変わらない。そのために最善を尽くす。今週は美浦へ駆けつけて追い切りに騎乗。右へもたれる癖を把握した上で、序盤で流れに乗れなくても「彼女のリズムを大事に」と冷静に導いた。

馬上の執念に根性で応えた新スターは、オークスで2冠に挑む見通しだ。「これからよりコントロールが利いて、能力を出せるようになれば」。今春もまだまだ多くの大仕事を担うリーディングジョッキー。鋭い視線で見据えるのは、次なる白星だ。【太田尚樹】

◆スターズオンアース ▽父 ドゥラメンテ▽母 サザンスターズ(スマートストライク)▽牝3▽馬主 (有)社台レースホース▽調教師 高柳瑞樹(美浦)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 6戦2勝▽総収得賞金 1億9835万3000円▽馬名の由来 地球上の星

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