<スプリングS>◇20日=中山◇G2◇芝1800メートル◇3歳◇出走13頭◇1~3着までに皐月賞優先出走権

5番人気ビーアストニッシド(牡、飯田雄)が番狂わせを演じた。発馬でつまずきながらも果敢にハナに立って、鼻差残した。勝ち時計は1分48秒4。岩田康誠騎手(48)は前日の若葉Sデシエルトに続く、2日連続の皐月賞トライアル逃げ切りとなった。2着にはアライバル(牡、栗田)、3着にはサトノヘリオス(牡、友道)が入った。

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してやったり。岩田康騎手は下馬後、高らかに右手でVサインを作って後検量に向かった。前日阪神での若葉Sデシエルトに続く、2日連続の皐月賞トライアル逃げ切りだ。鞍上は「馬場が読めている」と歓喜の表情で勝利騎手インタビューに臨んだ。5戦続けてコンビを組むビーアストニッシドと重賞初制覇。匠(たくみ)の技が光った。

勝負師ここにあり、を思わせるリードだった。発馬直後につまずきながら、すぐに他馬を制してハナを切った。「(1000メートルを)61秒で行ければ。この馬のスタイルで、ラスト3ハロンから仕掛けていけば脚は残る。そこだけを計算した」。2番手にいた2着馬アライバルには脇目も振らず、淡々とリズムを刻む。1000メートル通過は60秒8。思い描いたラップに落とし込み、鼻差の勝利をものにした。

馬名の通り、走れば走るほど驚きを与える。この日は5番人気での番狂わせ。意外性の馬はこれで6戦全てで人気以上の走りを見せた。鞍上は「じゃじゃ馬みたいだけど、競馬ではこういうパフォーマンスができる。誰が距離を決めるのか。人間が決めることではない。馬はもつ。間違いない」と2000メートル対応にまで言及した。本番で乗るのはデシエルトか、ビーアストニッシドか。現時点では定かではないが、皐月賞の展開の鍵はこの男が握っている。【松田直樹】

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