<きさらぎ賞>◇6日=中京◇G3◇芝2000メートル◇3歳◇出走11頭

ノリノリの勢いだ。2番人気のマテンロウレオ(牡、昆)が登竜門を制した。根性の差し切りで鼻差の重賞初制覇。絶好調の横山典弘騎手(53)は早くも今年重賞3勝目となった。

同じ寺田千代乃オーナー&昆厩舎のシンザン記念勝ち馬マテンロウオリオン(牡)とともに、今春の3歳戦線を席巻しそうだ。

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如月(きさらぎ)も53歳の手綱がさえる。ゴールまで200メートルを切り、大外を伸びてきたマテンロウレオが内のダンテスヴューと馬体を並べた。荒れた芝を蹴り上げ、人馬とも互いに歯を食いしばっての壮絶な根比べ。名手の左腕に首筋を押され、黒鹿毛に映える白い流星がわずかに前へ出た。鼻差の栄冠だ。横山典騎手は口角を上げ、相棒の走りをねぎらった。

「勝ててよかったです。リズム良く行って1コーナーの入りも良かった。頭数も少なかったのでゆっくり乗って気分良く走っていた。ボコボコしたタフな馬場で最後はアップアップになったけど、よくしのいでくれた。たいしたものです」

仕事人がまた1つ、若駒へタイトルをもたらした。今年早くも重賞3勝目。「調子がいいみたいなので、このまま頑張りたいです」と、ひとごとのように笑った。昨秋から栗東に長期滞在中。昆師からの誘いもあったという。そのトレーナーは「ノリちゃんに『来たら?』と言った理由が分かってもらえたのでは」と胸を張る。デビュー前から調教に乗せ、二人三脚で素質馬を育ててきた。

寺田オーナーも含めたトリオは、マテンロウオリオンで先月のシンザン記念も制したばかりだ。昆師は「レオはダービー系、オリオンはマイル系かなと思うけど、若い馬なのでどう成長するか見極めたい。寺田オーナーにG1をプレゼントしたい」と意気込む。2頭とも次走は未定だが、狙うはもちろん春の大舞台。円熟のホースマンたちの導きで“摩天楼”の頂点が見えてきた。【太田尚樹】

◆マテンロウレオ▽父 ハーツクライ▽母 サラトガヴィーナス(ブライアンズタイム)▽牡3▽馬主 寺田千代乃▽調教師 昆貢(栗東)▽生産者 猪野毛牧場(北海道新ひだか町)▽戦績 3戦2勝▽総収得賞金 4739万9000円▽馬名の由来 摩天楼+星座の名

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