鹿戸雄一師(59)が、ゆかりの血統馬で年男イヤーの幕開けを飾る。昨年はエフフォーリアで有馬記念などG1を3勝。「いろんなことがあった1年だったけど、最後を締めることができてよかったね」とかみしめる。今年5月で60歳。節目の1年に「年男だからって、特に変わらないよ」と笑い飛ばしながら「今年も変わらずに、いつも通りコツコツとやっていきたいね」と寒風吹く正月の美浦トレセンで、足元を見つめる。

自身5度目の寅(とら)年初の重賞出走は1月10日中山のフェアリーS(G3、芝1600メートル)で、昨年10月にデビュー勝ちしたスクルトゥーラ(牝3)を予定する。同馬の祖母ハッピーパスは騎手時代の終盤から師事した藤沢和師の管理馬。調教でまたがったこともあり、約20年の時を経て師匠が育んだ血をつなぐ責務を担う。鞍上はエフフォーリアと同じく横山武騎手。縁あるコンビで勝利を狙う。

08年から厩舎を開業し、昨年までJRA通算4063戦363勝。酸いも甘いも経験し、まもなく還暦を控える。「とにかく人も馬も健康に1年を過ごしたい。それが一番だね」。師匠から学んだ馬最優先の精神を心に、新たな1年に臨む。【桑原幹久】

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