<阪神JF>◇13日=阪神◇G1◇芝1600メートル◇2歳牝◇出走18頭

競馬の2歳女王決定戦、阪神JF(G1、芝1600メートル)が13日、行われ、1番人気の白毛馬ソダシ(須貝)がデビュー4連勝でG1を初制覇した。白毛馬のG1制覇はJRA史上初で世界でも例がない。吉田隼人騎手(36)の手綱に導かれ、ゴール前はルメール騎手騎乗の2番人気サトノレイナス(国枝)と壮絶なたたき合い。大接戦を約7センチ差で制した。

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2年前の冬だった。まだコロナ禍などはなく、競馬関係者と気軽に食事にも行けた頃、吉田隼騎手との酒席に参加させてもらった。

美浦所属ながら栗東トレセンへ駆けつけて、矢作厩舎を中心に多くの馬の調教にまたがり、関西の各厩舎との関係を築こうとしていた時期。なかなか阪神や京都では乗り鞍が増えず、福島などのローカルでも乗っていた。その年(18年)は、5年ぶりに重賞勝利0。世界のトップ騎手が来日していた余波があったのかもしれない。15年有馬記念を制した“グランプリジョッキー”が突きつけられた厳しい現実・・・。いろんな思いが重なったのだろうか、終始にこやかだった酒席の終盤に「僕なんかね、どうでもいいんですよ!」と語気を荒らげた姿が忘れられない。

それでも、あきらめなかった。人当たりのいい誠実な性格は、時間の経過とともに関西の関係者にも伝わったのだろう。昨年3月ファルコンSを栗東・武幸厩舎のハッピーアワーで約2年ぶりに重賞制覇。そして今年、ソダシと出会うチャンスに恵まれた。白毛に似合う「王子キャラ」という声も聞こえるが、泥臭く努力を重ねてきたからこそつかめた5年ぶりのG1タイトルだった。【競馬担当=木村有三】

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