「よかよ!」。G1へ向かう意気込みを聞こうと、電話をかけると、元気な声が聞こえてくる。熊本県の本田土寿(つちとし)さん。ヨカヨカの生産者だ。「40年やってきて、生産馬がG1に出るのは初めて。競走馬の生産を始めた頃からの夢。先週から眠れなくて、夜中に目が覚める」。新馬戦で破ったモントライゼはその後、小倉2歳Sで2着、京王杯2歳Sを制し、来週の朝日杯FSの有力馬。「前走よりも状態がいいと聞いていますし、あの馬の、ヨカヨカのはじけるゴールが見たいです」。

本田さんの息子で獣医師の博代壽(はやと)さんがつないだ縁で本田土寿牧場へやってきた母ハニーダンサーが生んだ馬が、ヨカヨカだ。昨年の九州1歳市場で340万円でJRAが落札し、今年4月のブリーズアップセールでは岡浩二オーナーに1020万円で落札された。祖母の半弟がピルサドスキー、半妹がファインモーションという血統だった。「九州に目を向けてもらう努力をしていきたい。血統を良くして、走る馬をつくって、買ってもらう」。本田さんの信念が誕生させた馬だ。

とにかくレース当日が待ち遠しい。生産者は競馬場へ来場できないが、指定席のチケットが当選し、その走りを見届けることができる。「G1に出られることをオーナー、厩舎、関係者の皆さんに感謝、感謝です。まずは無事に帰ってきてくれればと思います。今年はすごいことがたくさん起こっていて、そういう年にあやかって、ヨカヨカが勝ってくれれば一番ですね」。牡牝の無敗3冠馬などスターホースの誕生に沸いた競馬界。大相撲9月場所では正代が史上初の熊本県出身力士による幕内優勝を成し遂げた。本田さんと熊本の熱い思いを背にヨカヨカが走る。【木南友輔】

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