懐かしさがこみ上げる。ディープインパクトの現役14戦全てで手綱をとった武豊騎手が8日、ノーザンホースパーク(北海道苫小牧市)で行われた「ディープインパクトゲート」のお披露目式に出席した。

完成したモニュメントを見て、第一声は「美しいですね」。高さ7・6メートル、大きな額縁のような白いモニュメント「天聖」、アブソルート黒御影石によってつくられたモニュメント「意心帰」を眺めて、ため息をもらした。

今でもディープは心の支えだ。「全てが思い出深くて印象的でした。レースはそれぞれ思い出があって、引退レースの有馬記念は一番ディープといい関係になれたレースだったと思います。今でも僕が沈んでいる時は(映像を)見ますね。元気になります。日本の宝ですから」。気分が上がらない時はかつての相棒が活力をくれる。

そんな名馬が何十年、何百年と時代に残っていくモニュメントになった。現3歳世代が産駒の最終世代。残り少ない産駒からついに、オーギュストロダンが英ダービーまでもを制した。子孫は血をつなぎ、ファンは思い出を語り継ぐ。最高のタイミングでのお披露目となった。

「景色を含めてすばらしいと思います。いろんな想いがよみがえって感動しました。あれだけの馬に巡り会えたことは幸せでしたし、宝物のような馬。一緒に歩んでこれましたし、すばらしい馬に巡り会えた。あらためてディープインパクトのすごさは、さすがだと思います。(オーギュストロダンが勝った)英ダービー、本場ですからね。主戦を務められて幸せでした。金子さんの馬が先週の土曜の昼に重賞(鳴尾記念ボッケリーニ)を勝って、夜には英ダービーを勝ったので、日曜日は(主戦だった)僕かなと思いましたが、うまくいきませんでしたね(安田記念ジャックドール5着)。でも、きれいですね。ディープインパクトにぴったりだと思います。これだけの馬ですからね。旅立ったときは悲しかったですね。モニュメントの先に馬がいて、その中にディープの血を引き継いでいる馬がいて。飛行機を飛び立つところも入って、すごいなと思いました。じーんときましたよ」。

同ゲートは9日より一般公開が始まる。

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