名物オーナーが名馬との思い出を涙ながらに語った。ディープインパクトを所有した金子真人オーナー(名義は(株)金子真人HD)が8日、ノーザンホースパーク(北海道苫小牧市)で9日より一般公開が始まる「ディープインパクトゲート」のお披露目式に出席した。

除幕式の前に金子オーナーはモニュメントの台座で列席者にあいさつを行った。後にファンに、世界に深い衝撃を届ける成績を残すことになった同馬の名付けの理由はいまだにわからないのだという。「例えばキングカメハメハはキングマンボの子だから、という理屈はあるんですけど。(ディープインパクトは)ポッと降りてきた」。

デビュー戦の圧勝、無敗のダービー制覇。多くの夢を見た。「ものすごく走る馬がいるから、(競馬を)見に行ったほうがいいと言われて。いつもは競馬を見るときは家内と一緒ですが、1人で飛行機に乗って見に行って、目の前で武君が乗って飛んできました。これは大変な馬だとその時に思いました。それ以降は快進撃。ダービーも無敗で制しました。ありがたい出会いだと思いました。その後に海外遠征もありましたが、この馬は勝った負けたでオーナーが喜ぶ馬ではない、ちゃんと将来に血を残さないと、ということで4歳で(現役を)上がらせました。当時、4歳で上がるのは非常識の塊で、5歳までは最低限でも走らせる時代でした。そして、子どもたちが競馬で走ったらとんでもないパフォーマンスを見せてくれました」。最強馬への思い出は今も色あせない。

19年7月に同馬の死を聞いた時の心境を語ると、声を詰まらせた。「私は馬をたくさん持っていますが、馬が亡くなったからって泣きだしたことは1度もない。ただ・・・」。そう言うと、我慢ができなかった。「この子が亡くなったときは大泣きしました。そのくらい、私の心の中に残っているのがディープインパクトです。ありがとう」。壮大なモニュメントに頭を下げ、感謝の思いを口にした。

同ゲートの入り口には石碑も設置されている。金子オーナーは「世界に強い衝撃を残し サラブレッドとして燦然たる道を駆け抜けてきた ディープインパクト その道は過去 現在そして未来へと続いていく」とメッセージを刻んでいる。

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