<東京新聞杯>◇5日=東京◇G3◇芝1600メートル◇4歳上◇出走16頭

人馬の苦労が実った。三浦皇成騎手(33)騎乗の4番人気ウインカーネリアン(牡6、鹿戸)が内の2番枠を生かして逃げ切り、重賞2勝目を挙げた。勝ち時計は19年インディチャンプのレースレコードを0秒1更新する1分31秒8。ゲート再試験の影響で強いられた、難しい調整過程も乗り越えた。今後は登録しているゴドルフィンマイル(G2、ダート1600メートル、3月25日=メイダン)で初のダート、海外挑戦を選択肢に入れる。

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やったぞ! レース後、馬上の三浦騎手がウインカーネリアンの首筋に抱きついた。「この馬にはたくさんの経験をさせていただいて、今の僕があると思っています。ゲートという挫折をして、厩舎の方々と試行錯誤して挑んで結果が出たのでほっとしています」。鹿戸師をはじめスタッフの笑顔に、1勝の重みがにじんだ。

何とかこぎつけた。夏のマイル王として臨んだ前走マイルCSは12着。スタート直前に枠内で立ち上がり、ゲート再試験を課された。三浦騎手が付きっきりでまたがり、一からゲート練習を重ねたが1回目の試験は不合格。当初予定した年明けの京都金杯を回避せざるを得なかった。

策を練った。パシュファイヤー(目穴部分が網目状のメンコ)を装着。効果てきめんで2回目の試験で合格。レースでも装着し、やっとこの日を迎えた。師が「ゲートだけが心配。でもある程度上手に出られれば、いい競馬はしてくれると思った」と話すように、好発からマイラップを刻み、脚色は衰えず2着を頭差しのいだ。師は「若干体に余裕はあったけど、能力とジョッキーのおかげですね」とたたえた。

舞台の幅は狭めない。重賞未勝利馬より1キロ重い58キロを背負いながら、昨夏マイル王の面目を保った。次走はドバイでのダート初挑戦を視野に入れる。師は「ダート(適性)がうんぬんという馬じゃないと思う。オーナーと相談します」と話す。心を通じあった人馬の旅は、どこまでも続いていく。【桑原幹久】

◆三浦騎手のJRA重賞制覇 昨年の東京スポーツ杯2歳S(ガストリック)以来の勝利で、13年から11年連続。東京新聞杯は11年スマイルジャック以来、通算2勝目。

◆ウインカーネリアン▽父 スクリーンヒーロー▽母 コスモクリスタル(マイネルラヴ)▽牡6▽馬主 (株)ウイン▽調教師 鹿戸雄一(美浦)▽生産者 コスモヴューファーム(北海道新冠町)▽戦績 20戦8勝▽総収得賞金 2億1720万円▽主な勝ち鞍 22年関屋記念(G3)▽馬名の由来 冠名+宝石名

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