ニュージーランド競馬で活躍し、落馬事故に遭って9日に28歳で亡くなった柳田泰己騎手へ向け、同僚や仲間が追悼のメッセージを寄せている。

ニュージーランドの競馬メディア「ラブレーシング・ニュージーランド」は柳田騎手を追悼する動画「イン・ラビング・メモリー・オブ・タイキ・ヤナギダ」を公式ホームページに掲載した。

サマンサ・コレット騎手、日本人の橋詰大央騎手、浅野一哉騎手らニュージーランドでともに過ごした同僚の騎手や厩舎&牧場関係者、ジョッキーになる以前にオーストラリアのシドニーで働いていた厩舎の同僚や、現地で親交のあった日本人ホースマンたちがSNSに感謝と惜別の言葉、生前の柳田騎手との思い出や写真を投稿している。

フェイスブックやツイッターなどのSNSには天国の柳田騎手へ呼び掛けるように、追悼の言葉があふれた。

「私たちにさようならはありません。あなたがどこにいても、あなたはいつも私の心の中にいます」

「才能のある若者で謙虚で恥ずかしがり屋でした。安らかに眠ってください。天使と一緒に舞い上がり、天国で馬に乗ってください」

「愛してるよ。どこへ行ってもあなたの魂と一緒にいます。あなたと一緒に働くことができたこと、あなたと知り合えたことを誇りに思います。あなたは毎日笑顔を見せながらトップに上り詰めました。親愛なる友、ゆっくり休んでください」

「スノーデン厩舎で働いていたときの笑顔を思い出すよ」

「タイガー(柳田騎手の愛称)、笑ってください。友達になってくれてありがとう」

「私が初めて競馬場で引いた馬にあなたが乗ってくれたことを永遠に誇りに思います。何年もあなたがサポートしてくれたことを永遠に感謝しています」

「美しい魂が行ってしまいました。あなたは夢を達成するために戦ってきて、それを美しく達成していました。安らかに眠ってください」

「私はこの素晴らしい若者を愛していました。とても礼儀正しく、笑顔が美しく、馬にも人にも親切に接し、いい騎手になるために努力していました。チームの一員になってくれてありがとう。忘れません。言葉で言うのは簡単ですが、心から言いたいと思います。柳田泰己君、あなたは本当に特別な人でした」

「あなたはいつも110%で取り組みました。私はあなたと、あなたが果たしたことすべてを誇りに思います。また会う日まで、天国にいてください」

「タイキ、ゆっくり休んでね。すべての思い出をありがとう。とても寂しくなります」

「兄弟、永遠に愛してるよ」。

オーストラリアでトラックライダーをしている森信也氏は「正直、真面目過ぎる性格だし、優しすぎて騎手には向かないんじゃないかと思っていたけど、ニュージーランドでしっかり騎手になってその活躍はすごいものだったし、みんなで応援してた。特にここ最近の勢いはすごいなと思ってみていただけに・・・。今からもっと活躍できると思っていたから悲しさ、悔しさ、いろんな思いがあるけど今はただただ安らかに」。

ニュージーランドの牧場に勤務し、柳田騎手のデビュー当時から交流していた小西研二さんは「柳田君、頑張ったね。でも早すぎるよ。なんで真面目、努力家でナイスガイだった君がこんなに早く旅立たなくてはいけないんだ。世の中の不公平、残酷さに憤り、悲しさに、ただ、ただ悔しくて、今は涙しか出てきません」。

シドニーでジョッキーとして活躍し、現在はクリス・ウォラー厩舎で働く市川雄介さんは「彼がどれほど苦労をして騎手になり、そして大活躍をおさめたかを身近に知っているだけにとても悲しく辛い・・・RIP(安らかに眠ってください)Taiki Yanagida I gonna miss you brother!」と思いをつづった。

「ニュージーランド・ヘラルド」電子版は柳田騎手の死去を伝えるニュースの中で、同騎手のキャリア、6月に行われたインタビューの内容を紹介。拠点としたマタマタ(地名)で見習い騎手として師事したランス・オサリバン調教師(89年ジャパンCをホーリックスで制した元騎手)の言葉を伝えている。

オサリバン師は「彼は献身的で素晴らしい若者でした。ジョッキーとしては背が高かったので体重をコントロールするためにハードワークしなければいけなかったけど、ジョッキーであり続けるために、情熱的に運動に取り組んでいました。初めて私たちのところへ来たときはジョッキーではありませんでしたが、懸命に働いて、彼はどんどん成長していきました。彼を知っている人と競馬に携わる者にとって、とても悲しい日です」と、その死を悔やんだ。

柳田泰己騎手は高校時代に騎手を志し、日本の育成牧場で経験を積んだ後、オーストラリアへ。その後、17年にニュージーランドで騎手としてデビュー。昨シーズン(21~22年シーズン)は重賞初制覇を果たすなど、キャリアハイの42勝を挙げ、3日から始まった今シーズンもさらなる活躍を期待されていた。

「ラブレーシング・ニュージーランド」はフェイスブックに、左腕に喪章を付けた浅野騎手の写真を投稿。10日のリカートンパーク競馬場の開催ですべての騎手が喪章(黒いアームバンド)を付けることを伝えている。

現地のホースマンたちから送られた多くのメッセージや行動から、あらためて柳田騎手の素晴らしい人柄がしのばれる。

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