全国から精鋭が集う競馬の2歳ダート最強馬決定戦、全日本2歳優駿(統一G1、ダート1600メートル)が15日に南関東の川崎競馬場で行われる。8日に地方所属の選定馬が確定し、ホッカイドウ競馬からは3頭が出走する予定。桜井拓章師(48)は、9月4日に他界した林和弘師(享年57)から転厩馬として託されたシルトプレ(牡2)で恩師にささげるビッグタイトルを狙う。

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開業3年目の桜井師が特別な思いを胸に、昨年に続いて重賞ビッグレースに管理馬を送り出す。シルトプレは自身が騎手時代に所属した恩師から引き継いだ素質馬だ。桜井師は「(林)先生はもちろん、預けてくださったオーナーや関係者の皆さんの思いにも応えられるようにベストを尽くしたい」と意気込みを口にする。

昨年の同レースにも林厩舎からの転厩馬2頭(ラッキードリーム10着、リーチ12着)を出走させているが当時とは状況が違う。「去年は厩舎の都合で一時的に預かったものでした。先生はまだ元気でしたし実質的には代行の業務をしただけ。でも今年は違う。いろいろな意味で責任を感じています」と気を引き締める。

シルトプレは昨年1歳秋のセリ市、北海道オータムセールで林師に見いだされた。競走馬としてデビューするために課される春先の模擬レース(能検)では6頭中最下位で入線。新馬戦の勝ち時計も平凡で目立たない存在だったが、ここまで5戦4勝と一気に頭角を現してきた。

くしくも林師の葬儀が行われた9月7日のオープン戦を勝ち上がり、そこから3連勝で前走の重賞、鎌倉記念を制し、ここへの出走権を手にしている。「セリにも何度も同行させてもらいましたが、馬を見る目は本当にすごかった。最初は腰や後肢に甘さがあったのですが、今はパンとして前向きさも出てきています。この成長力には驚かされます」。馬名はフランス語で「お願い」の意。恩師の遺志を受け継ぎ、13年ハッピースプリント以来となる道営勢Vを目指す。【奥村晶治】

○・・・JBC2歳優駿2着のナッジ(牡2、田中正)も選定された。初勝利まで3戦を要したが、距離が延びて一気に素質が開花。3連勝で重賞のサンライズCを制し、1番人気に支持された前走で1着アイスジャイアントと0秒3差2着の好勝負を演じた。田中正師は「惜しいレースだった。左回りでコーナーのきつい川崎の馬場がどうかだが追ってしっかりしている。展開ひとつでは楽しみ」と話している。

○・・・モリデンブラック(牡2、桧森)は、補欠からの滑り込みで出走可能となった。夏以降は他場に目を向け、中央札幌と盛岡に2度遠征。2走前ジュニアGで重賞初勝利を挙げると、続く南部駒賞でも小差3着など地力を強化してきた。桧森師は「馬っぷりが良く期待していた馬。門別に戻ってからも順調。前2走で左回りを経験している強みを生かし、少しでも上位を狙いたい」と意気込みを口にした。

◆全日本2歳優駿 川崎競馬場が開設された1950年(昭25)に施行された同競馬場最古の重賞で今年72回目。02年に統一G1に昇格し、2歳ダート戦では国内唯一の統一G1となった。1着賞金4200万円で、フルゲート14頭(中央馬5頭、地方馬9頭)。過去19回でJRA14勝、地方馬は5勝。うち1勝は13年ホッカイドウ競馬ハッピースプリント(田中淳)。

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