<秋華賞>◇2006年10月15日=京都◇G1◇芝2000メートル◇3歳牝◇出走18頭

2番人気のカワカミプリンセス(牝3、栗東・西浦)が、史上初めて、無敗のオークス&秋華賞制覇を成し遂げた。ベテランの本田優騎手(47)が気迫の騎乗を見せ、逃げ粘るアサヒライジングをゴール寸前で差し切った。3歳女王の地位を確立し、次走のエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、11月12日=京都)では牝馬最強に挑戦する。

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無敗の女王へ向けて、カワカミプリンセスの本田が追い続ける。残り200メートル、逃げるアサヒライジングとの差は、まだ3馬身。「4角では一瞬、ダメかと思った」。スタンドの西浦勝一師(55)が1度は敗戦を覚悟したが、あん上は信じ続けた。「絶対に前の馬を捕まえてくれる」。揺るぎない信頼をステッキに込めて追った。2馬身、1馬身、前の背中が大きくなっていく。残り50メートル、捕らえた。勝った。史上初、無敗のオークス&秋華賞馬の誕生だ。

持ち味を存分に出し切った。「一瞬の切れ味というよりも長くいい脚を使えるタイプ」(本田)。末脚勝負のライバルたちが直線を向くまで仕掛けを我慢する中、3ハロン標識を過ぎてゴーサインを出した。「後ろには差されない」。絶対の信頼があった。強気の競馬が勝利へと導いた。

本田は47歳。平地の最年長騎手とは思えない力強い騎乗ぶりだ。500メートルを追い続けた腕っ節の強さ。4角ではサンドリオンと接触したが、バランスを崩すことなく、即座に態勢を立て直した。50に手が届こうかという年齢とは思えない肉体の強さだ。

6月24日の函館競馬で騎乗馬がレース中に故障。ラチにたたきつけられ、腰と首を骨折した。2カ月間の加療。しかし、予定より大幅に早く、8月の声とともに復帰を果たした。まだ足を引きずる様子を見せながらも「体は問題ない」と気丈に答え、復帰週でいきなり勝った。勝負にかける執念は他の追随を許さない。

そんな本田をして、プリンセスは「理解できない強さを持っている」という。これで5戦5勝。果たしてどこまで強いのか。同じ騎手と調教師のコンビで勝った01年のテイエムオーシャンは短距離向きの印象が強かったが、こちらは距離への融通がある。「オーシャンを越えるような馬を作っていくのが僕らの仕事」(西浦師)。秋華賞の勝利で、夢は広がった。

次走は年内ラストランが予定される11月12日のエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル=京都)。本田は平然と言う。「無事にいってくれればいい」。古馬との初対戦もこの馬の力なら突破できる。来年に控える牡馬との戦いの前に、足踏みはしていられない。【鈴木良一】

◆カワカミプリンセス▽父 キングヘイロー▽母 タカノセクレタリー(シアトルスルー)▽牝3▽馬主 (有)三石川上牧場▽調教師 西浦勝一(栗東)▽生産者 三石川上牧場(北海道新ひだか町)▽戦績 5戦5勝▽総収得賞金 2億5567万円▽主な勝ちクラ 06年オークス(G1)

(2006年10月16日付 日刊スポーツ紙面より)

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