大塚海渡騎手(20)が、当時師弟関係にあった木村哲也師(48)からパワハラや暴行などを受けて精神的苦痛を受けたことを巡り、木村調教師に損害賠償請求をした民事裁判が8日、水戸地裁土浦支部で和解が成立した。

木村調教師側が19年12月25日に美浦トレセンの調教スタンドの調教師室で調教見学中だった大塚騎手を廊下へ引きずり出し、頭をたたいたことなどをわびること、和解金として80万円を支払うことを、大塚騎手の代理人弁護士が明らかにした。

大塚騎手の代理人弁護士を務めた鈴木和憲弁護士は「裁判所が間に入って被告代理人と原告代理人で何回かやりとりをして、そういうふうになりました」と話し、高倉太郎弁護士は「大塚騎手が競馬学校在籍中の頃から木村師のもとで指導を受けていて、その頃から暴言、暴行を受けていたことを聞いていました。競馬界が騎手の育成の中で、いまだにそういうことが行われる土壌があるのだとすれば、競馬界としても責任を持って対応すべきではないかと思いました。そういった対応を切に望むのは代理人としても、大塚騎手と同じ気持ちです」と話した。

大塚騎手は報道関係者向けに文書を出し、「和解に応じた理由としては、裁判所から提示された和解条項に、木村調教師が私に対して行った暴言・暴力について謝罪するという内容が織り込まれていたことが、一番の理由です」と記している。大塚騎手によると、和解金80万円は競馬サークル、スポーツ界をはじめ、世間から暴言や暴行がなくなる活動に尽力している機関、団体に寄付をするという。

訴状には、同騎手が19年12月21日に自転車での転倒によって脳振とうを起こし、医師の指示もあって年内のレース騎乗を見合わせていた中、同25日に木村調教師から頭部を殴りつけられたことなど、同騎手が鮮明に記憶している事案に加えて日時不明ながら複数回の暴力、暴言を受けていたことが記されていた。また、20年1月の落馬負傷による療養中に、かねて木村師より受けていた精神的苦痛から2度の自殺を図ったことや、うつ病の診断を受けたことなども記されていた。

大塚騎手は現在、復帰に向けて美浦トレセンに隣接されている乗馬苑で乗馬トレーニングを重ねている。父哲郎氏は「現在は医師に乗馬の馬にしか乗ってはいけないと言われています。復帰時期は明確には言えませんが、今後JRAについている医師にOKをもらえれば、トレセン内で競走馬に乗ることができます。今、許されている範囲で活動しています」と大塚騎手の現状を伝えた。

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