<追い斬り激論:セントライト記念>

セントライト記念(G2、芝2200メートル、20日=中山、3着までに菊花賞優先出走権)の追い切りが16日、東西トレセンで行われた。木南友輔記者はウッドコースでラスト1ハロン10秒台の猛烈な伸びを見せたタイトルホルダー(牡、栗田)をプッシュ。井上力心(よしきよ)記者は、併走遅れで動きは目立たずとも9カ月ぶりの復帰戦へ態勢を整えてきたオーソクレース(牡、久保田)が気になるよう。調教の動きは明暗が分かれたが、論争の行方は?

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井上 中山の開幕週の馬場は内外で明暗がくっきり分かれましたね。

木南 外に出すと厳しかったよな。やっぱり馬場傾向は頭に入れておかないと。強力な先行力でいかにも今の中山がマッチしそうなタイトルホルダーの動きは文句なし。たまたまスタンドで見ていた他厩舎の調教師も「すごいなこりゃ」とうなるほどだった。

井上 美浦ウッドで5ハロン68秒5-10秒9とラスト1ハロンは確かに驚異的でした。

木南 美浦ウッドで自動計測がスタートした7月27日以降の重賞の最終追い切りでは最速。10秒台は初だったんだ。

井上 ただ、全体時計は目立たないですし、しまい重点でのもの。これまでは夏場でG3メインの番組でした。秋になってG1を狙う馬が増えてくれば10秒台もざらに出てきそう。数字はうのみにできません。

木南 数字だけじゃない。体がどっしりして動きもダイナミック。栗田師は「反応がいいし強めに追う程度で力強い動きでしたね」と納得の表情だった。

井上 騎乗した横山武騎手は「こんなに(速い時計が)出てる感覚はなかった。道中はリラックスして走れていたし気持ちの面での成長は感じました」と称賛する一方で、「現状ベストは千八くらいだと思います。距離に関しては走ってみないとどうかなという感じですね」と慎重な面も・・・。

木南 しっかり折り合いはついてたし大丈夫だろ。

井上 いや、胴が詰まった体形ですし、僕は短距離志向が強い印象を受けます。それなら胴長なスリム体形で菊花賞馬を父に持つオーソクレースでしょう。

木南 美浦ウッドでいっぱいに追われて6ハロン83秒3-12秒0。反応がもうひと息でリードホースのサンダーブリッツ(古馬オープン)に半馬身遅れたからなあ。骨折明けだし、いきなりはどうだろう。

井上 ご安心を。併せ相手に騎乗していた久保田師は「どうしても調教ではとぼけて手を抜く傾向があるんだよね」と、性格的なものと捉えているよう。「脚もとの不安はないし、態勢は整っている。(母マリアライトも管理しており)思い入れのある馬。いきなり結果を求められる馬だし、ここから再スタートしたい」と力が入っています。

木南 (東京版の)正月のG1先取り予想でダービー馬に指名したからって、肩入れしすぎじゃないか。

井上 そういう木南さんも、この馬を菊花賞馬に指名していましたよね。

木南 むむ。ただ、今回は状態、舞台適性を含めタイトルホルダーが上だ。

井上 意見が分かれましたね。これが今週の馬券の明暗の分かれ目になりそうです。

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