英国王室主催のロイヤルアスコット開催が始まりました。今年も火曜(15日)から土曜(19日)までの豪華5日間開催(現地時間)。開催中には8つのG1競走を含む19もの重賞競走が一気に行われます。

今年の目玉となっているのは、水曜(16日)のプリンスオブウェールズS(G1、芝1990メートル)。ここから始動する4歳牝馬ラブ(父ガリレオ)と、前走のG1ドバイターフで日本のヴァンドギャルドを楽々とねじ伏せたロードノース(せん5、父ドバウィ)の初対決を軸に一流馬7頭が覇を競います。

ラブは昨年、桜花賞にあたるG1英1000ギニーを皮切りに英オークス、ヨークシャーオークスと3連勝。3歳時は自重したG1凱旋門賞に向けて好スタートを切りたいところです。一方、昨年の覇者でもあるロードノースは、ドバイのモハメド殿下の嫡男で、ゆくゆくは「ゴドルフィン」の莫大(ばくだい)な競馬資産を継ぐものとみられている9歳のザイード殿下の所有馬。「クールモア」と「ゴドルフィン」のエース同士の激突は今年のベストレースを予感させています。

この開催のホストであるエリザベス女王は4月に95歳を迎えたばかり。競馬へのあふれる情熱は変わりなく、この5日間のために11頭の所有馬をエントリー。火曜のキングズスタンドS(G1、芝直線1000メートル)に出走するキングスリン(せん4、父ケーブルベイ)は土曜日に行われるハンデ戦のウォーキンガムS(芝直線1200メートル)にも登録しており、13年のG1ゴールドC以来、8年ぶりの優勝を目指しています。

今年は日本人が所有する馬たちも随所に登場。吉田照哉氏の所有馬で水曜のG2デュークオブケンブリッジSに出走するシャンパーゼリーゼ(牝4、父エルザーム)を筆頭に、窪田芳郎氏所有のドラゴンシンボル(金曜のG1コモンウェルスC)、松本俊広氏が所有するユニークな名前の2頭、コンドウイサミ(木曜のキングジョージ5世Sに出走)とトシゾウ(木曜のブリタニアSなどに登録)、それにキーファーズの松島正昭氏がクールモアと共有するブルーム(土曜のG2ハードウィックSで1番人気)とジャパン(同レースで5番人気)などが「ザ・英国競馬」に彩りを添えています。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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