<追い斬り激論:ヴィクトリアマイル>
結論は“買い”だ。ヴィクトリアM(G1、芝1600メートル、16日=東京)の最終追い切りが12日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では、松田直樹記者と三嶋毬里衣(まりえ)記者がG1・4勝馬グランアレグリア(牝5、藤沢和)の取捨を議論した。
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まりえ 大丈夫ですか?
松田 参ったよ。昨晩スーツケースのロックが壊れてさ。着替えなしの出張生活になるところだった。
まりえ ん?
松田 苦闘30分、3桁のダイヤルキーを「000」から順に回したら開いたよ。ロックがずれてたんだ。
まりえ 違います。グランアレグリアのことです。
松田 あー。そっちね。大丈夫。問題ない。で、そのロックなんだけど・・・。
まりえ ちょっと! 大阪杯であれだけ厳しい競馬をしたんですよ。重馬場に、初の芝2000メートル。疲労度が鍵ですからね!
松田 ロックだけにね。
まりえ 真面目にやってください。
松田 普段の調教に乗り、1週前追い切りもつけた杉原騎手が「疲れはないですね」と言っていたよ。
まりえ 最終追い切りはルメール騎手騎乗でした。6ハロン82秒5-12秒5。レッドサイオン(障害未勝利)に半馬身先着しました。
松田 ルメール騎手も「全部良かった。息遣い、フットワーク。いい状態だと思う」って。先週のシュネルマイスターも最終追い切りで好感触をつかんで勝ったんだから。具合はいい。今週も勝つよ。
まりえ 私も推したいけど、気になるところはまだあるんです。
松田 心配性だねえ。
まりえ ルメール騎手が2戦続けて最終追いに乗ったことです。ルメール騎手が乗った調教って前向きさが出すぎてる気がして。
松田 それね、藤沢和師に聞いたんだ。「先週こっち(美浦)に来ていて乗りたそうだったから今日は乗せたんだ」って最初はかわされたけど、心配ないって言い切っていい。
まりえ なんでですか?
松田 大阪杯の前の追い切りを思い出してみ。単走スタートの後、後続2頭に抜かせる調教とか、折り合い不安解消にいろいろと試していたでしょう。
まりえ そうでしたね。
松田 あれで師も手応えを深めたんだと思うよ。「精神的に大人になって折り合いは大丈夫だとは思ったけど、あの時は細かいところを見てみたかった。ジョッキーが乗ると気合が乗るけど、気になるほどじゃない」って。だから今回も最終追いにルメール騎手を乗せたんだ。
まりえ 考えようによっては、適度な気合乗りも期待できますもんね。馬もマイル仕様に戻ったということですか。
松田 そういうこと。2000メートルを「いい条件でもう1回走らせたい」(藤沢和師)という思いもあるみたいだけど、今週のG1では負けないと思う。
まりえ 馬券、勝負ですね。
松田 1着“ロック”で買うよ。