21世紀が始まろうとしたころ。NHKの子供番組『おかあさんといっしょ』で『ジャングルポケット』という曲が歌われ、子供たちに人気だった。当時、幼い子がいた記者は「ジャングルポケット」という名の馬がデビューした時、すぐに「あの歌(が馬名の由来)だ」と分かった。

以来、親しみを持っていたが、そのような馬がダービー馬になるとは、長い記者生活の中でもめったにないことだった。

渡辺栄厩舎の先輩にフジキセキという名馬がいた。故障でクラシックを走れずに引退。ジャングルポケットはフジキセキと同厩舎、同厩務員、同馬主、同騎手。それだけにダービーを勝った時、競馬マスコミは「フジキセキの無念を晴らした」という報じ方をした。

あのダービーを現地で取材し勝利記事を書かせてもらった記者もゴール後、荒々しく首を振り頭を上げる姿を「北海道にいるフジキセキに勝利を伝えた」と表現した。担当デスクに「ちょっと(表現が)くさいな」と言われた。

同じダービーを走ったクロフネ(5着)も今年の1月17日に死んだ。時代の移ろいを感じている。【中央競馬担当=岡本光男】

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