<中山記念:追い切り>

中山開幕週のメイン、伝統の中山記念(G2、芝1800メートル、28日、1着馬に大阪杯優先出走権)の追い切りが24日、東西トレセンで行われた。

調教師転身のため、今週でジョッキー生活に別れを告げる蛯名正義騎手(51)は、コンビを組むゴーフォザサミット(牡6、藤沢和)の手綱を取った。美浦坂路の3頭併せで2頭に併入と上々の動き。28日は最終12Rの騎乗予定はなく、中山記念が最後の雄姿になる見込みだ。

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坂路で蛯名騎手を背にしたゴーフォザサミットが、ラスト1ハロンを鋭く伸びた。カランドゥーラ(3歳1勝クラス)、アルマドラード(3歳未勝利)を3馬身追いかけて馬なりのまま併入する。時計は4ハロン54秒3-12秒2。鞍上は「いい手応えの感じで稽古ができたと思います。最後の1ハロンは行っていいよという感じ」と満足そうに振り返った。

87年3月1日のデビューから34年。いよいよ28日にラスト騎乗を迎える。

蛯名騎手 まだ実感はないですね。最後まで集中して競馬をしたい。

21日までにJRA通算2万1171回騎乗して2539勝を挙げた。「自分としては非常に勝たせてもらってありがたいですし、感謝ですね」。JRA重賞129勝(歴代6位)など華々しい活躍の根底には、1万9000回近い敗戦がある。「負けたことが勝ちにつながっているのがたくさんある。1つ1つがつながっている」と実感を込めた。デビュー戦となった34年前の中山5Rのアイガーターフは15頭立ての14着。「ダートの新馬戦でタイムオーバーでした。そのことを鮮明に覚えている」。そこから歴代4位の勝ち星を積み重ねてきた。

ゴーフォザサミットは3歳時に青葉賞勝ちに導き、レースで騎乗するのは18年9月の神戸新聞杯(8着)以来。藤沢和師は「乗り慣れたジョッキーだしね。蛯名君のために馬が頑張ってくれるんじゃないか」と期待を持って送り出す。「前回はダートでキックバック受けて競馬ができていない。今回は芝なので、いい競馬ができれば」。有終の美へ、名手は静かに闘志を燃やした。【久野朗】

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