<マイルCS>◇22日=阪神◇G1◇芝1600メートル◇3歳上◇出走17頭
無敵の女王がマイルを“卒業”する快勝だ。1番人気グランアレグリア(牝4、藤沢和)がG1・3連勝で、牝馬では26年ぶり2頭目の春秋マイルG1連覇を果たした。
年内は休養し、来年からは距離を延ばすプランも浮上した。クリストフ・ルメール騎手(41)はG1騎乗機会3連勝で、今年G1・7勝目を挙げた。
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絶対女王アーモンドアイを倒した走りを、仁川のマイル戦で再演した。安田記念、スプリンターズSとG1を連勝したグランアレグリアがまた威厳を示した。好スタートから好位の内めで脚をためる。4コーナーでも手応え抜群。直線に入り、残り200メートルで外に持ち出すと、ルメール騎手のアクションに応えて差し切った。
「彼女のおかげで勝つことができた。本当に瞬発力がすごいです。残り150メートルでギアアップした。とても強くなった。まだ信じられないですね」
G1タイトルを積み重ねる名手も驚きの強さだった。直線入り口では5番手の内。「人気馬が前を走っていたのでポジションを取りに行った」と前を射程圏に入れ、あとはスペースを抜けてくるだけだったが、前が壁。「高速の渋滞だった」と想定外の展開にも、名手は焦らない。「いいタイミングで外に出せなかったから我慢させた。ちょっと心配したけど、残り150メートルではすごい脚。また勝つ自信をもった」。パートナーを信頼し、勝利へと導いた。
安田記念ではお手馬アーモンドアイを撃破された。「彼女はめちゃくちゃ強い。それは知っている」。悔しさを味わったライバルで、秋のマイルG1を制覇した。「2、3歳はまだテンションが高かったけど、大人になった。競馬を分かってきたし、乗りやすくなった。まだ4歳。間違いなくトップレベルの馬。来年も楽しみ」と成長に目を細める。
G1・4勝目を挙げ、短距離~マイル路線を“卒業”する。ジョッキーが「乗りやすくなっているし、能力が高いから距離は延ばしても大丈夫」と言えば、藤沢和師も「1200メートルは向いてなかった。安田記念、今回と1600メートルは上手に走ったし、距離はもう少し延ばしてもいい」と距離延長を示唆した。年内は休養。女王が来年から新境地をひた走る。【藤本真育】