<秋華賞:追い切り>

「無敗牝馬3冠」未踏の島へ上陸寸前! 牝馬3冠最終戦秋華賞(G1、芝2000メートル、18日=京都)の最終追い切りが14日、東西トレセンで行われた。無敗2冠馬デアリングタクト(杉山晴)は坂路で最終リハーサル。デビュー4連勝に導く松山弘平騎手(30)を背に堂々と登坂した。オークスから前哨戦を挟まず5カ月ぶりの実戦にも、陣営は不安なしで本番に臨む。

未踏の地へ“上陸”スタンバイOKだ。無敗2冠牝馬デアリングタクトが栗東の坂路を堂々と駆け上がった。不動のパートナー松山騎手を背に4ハロン54秒7-12秒7。ゆったりとした入りから、ラストにかけて速いラップを刻んでいく。体全体を使い、しなやかに加速した。最終追い切りは「S」評価。鞍上は「今週が競馬ということで、あまり負荷をかけすぎず、リラックスした状態で、非常にいい追い切りができたと思います」と明るい口調だった。

デビュー4戦無敗。桜花賞、オークスとG1を連勝し夏休みを過ごした。負け知らずで挑む秋華賞は前哨戦を挟まず、2冠目から直行するローテーションを選んだ。杉山晴師が、状態と春のパフォーマンスを見て決断した。

「オーナーサイドとは、ローズSを使うか秋華賞に直行するかという話をしていました。その時々の馬の状態を見て、最終的に、直行の方がよりパフォーマンスを発揮できるという風に、私が判断しました」

“ぶっつけ本番”になっても力を出せる。G1初制覇した4月桜花賞も、中8週と間隔が空いたレースだった。「(直行に)マイナスのイメージは感じていないし、もともと間が空くのは苦にするタイプではない」。カイ食いのいい牝馬で食べたものは実になる。在厩でもストレスをため込むことなく、追い切るごとに集中力が増している。

コントレイルが無敗の牡馬3冠を目指す菊花賞(25日=京都)、アーモンドアイが史上初の芝G1・8勝目に挑む天皇賞・秋(11月1日=東京)。競馬界が、記録にも記憶にも残る盛り上がりをみせるこの秋の“先陣”を切るのが、18日の秋華賞だ。過去に牝馬3冠を成し遂げた5頭とも、1度はレースに敗れていた。史上初となる無敗での達成なるか。松山騎手が「自分にとって特別な存在」というデアリングタクトが、誰もが見たことのない“特別な場所”に競馬ファンを連れて行く。【辻敦子】

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