<大阪杯>◇5日=阪神◇G1◇芝2000メートル◇4歳上◇出走12頭

明るい未来へ、力強く-。M・デムーロ騎手(41)騎乗の2番人気ラッキーライラック(牝5、松永幹)が、牡馬混合のG1を初めて制し、昨年のエリザベス女王杯以来のG1・3勝目をつかんだ。

鞍上はG2時代も含めて大阪杯3勝目。コロナウイルスの影響で無観客競馬が続く中、勝利とともに力強いメッセージを世界へ送った。

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真っすぐ差し込む西日に照らされ、黄金に輝くラッキーライラックが仁川のターフを先頭で駆け抜けた。好スタートから3番手。道中は前走で敗れたダノンキングリーをマークする。4コーナーで馬群は密集。内に閉じこめられたかと思ったその時、名手がビクトリーロードへと導いた。前の2頭の間を力強く抜け出し、ミルコはフライング気味にガッツポーズ。左こぶしを1回、2回、強く握りしめ、喜びを爆発させた。

「ガッツポーズはいつも通り少し早かったね。G1を勝ててすごくうれしい。前走、初めて乗った時とは全然馬が違う。3、4コーナーで自分でハミをとって、抜群の手応えだった」

自身は昨年のオークス以来のJRA・G1制覇。笑顔で愛馬をねぎらった。

ただ、胸を痛める日々が続いている。新型コロナウイルスの影響で、母国イタリアは外出禁止。ガソリンスタンドも閉まり、両親は買い物にも行けなくなった。愛する娘は学校に行けず、1日1時間だけテレビ電話での授業。収束が見えない状況に「すごく心配」と表情を曇らせる。

東日本大震災が起こった11年には、窮地の日本に勇気を与えた。ヴィクトワールピサで日本馬として史上初めてドバイワールドCを制覇。日の丸に手を当て、涙を流し、日本へ勇気を贈った。今度は世界の窮地。各国で競馬開催が延期、中止となる中、無観客で開催を続ける日本から、勝利でメッセージを伝えた。

「お客さんがいないのはすごくさみしいし、コロナウイルスはしんどいけど、みんなで一生懸命、頑張りましょう」

母国の、日本の、また世界の明るい未来を信じて、ミルコは前を向いた。光り輝く黄金コンビの躍進が、少しでも力になればいい。【藤本真育】

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