<セントライト記念>◇16日=中山◇G2◇芝2200メートル◇3歳◇出走18頭◇3着までに菊花賞の優先出走権

役者が違った。1番人気リオンリオン(牡3、松永幹)が重賞2勝目を飾った。

従来の逃げではなく、3番手から抜け出す盤石のレース。横山典弘騎手(51)は騎乗停止でダービーには騎乗できなかったが、秋初戦で新たな一面を引き出した。勝ち時計は2分11秒5。菊花賞(G1、芝3000メートル、10月20日=京都)では松永幹夫師(52)と念願の同期タッグで最後の1冠に臨む。2着馬サトノルークス、3着ザダルまでが優先出走権を手にした。

白地の勝負服にはトレードマークのピンク色の星柄だけではなく、茶色い斑点が浮いていた。リオンリオンが力任せに馬混みをこじ開けた。泥を浴び、直線で逃げ馬アトミックフォース、2番手ナイママの間を割る。半ば強引に進路をつくると、一気に前に出た。ゴールまで1ハロン。後続の影を振り切るように、そのわずかな距離で2馬身差をつけた。横山典騎手は「秋初戦としては言うことない」とクールに言った。

青葉賞1着、1000メートル57秒8の激流を生み出した前走のダービー15着。逃げで名を上げた馬が、この日は3番手にいた。「今日は久しぶりに抑えられた。いい感じで馬がうなっていた」。道中は脇を締め、手綱を抱え込む。なんとか馬をなだめて、菊花賞を前に好結果と戦術強化を両立させた。「次は3000メートルなので、僕の体力をつくるにはよかった」。そう言うと、ようやく白い歯がのぞいた。

大きな借りを少しだけ返した。前走のダービー。直前に騎乗停止処分を受け、勝負服を着ていたはずの場所にスーツ姿で訪れた。悔しさはぬぐえない。だが、三男の武史騎手に手綱を託してくれた陣営に対する感謝の気持ちが勝っていた。「馬には申し訳なかった。けど、オーナーにも、幹夫にも感謝しかない。いつか恩返しさせてもらう」。特別な思いを持って臨んだ秋初戦だった。前走から12キロも増量した相棒の成長を感じながら、一発回答で菊行きの切符をつかんだ。

いよいよ念願の同期コンビでのクラシック参戦がかなう。松永幹師は「さすがですね。こういう競馬ができれば。3000メートル、もってもらいたいです」と全幅の信頼を置く。横山典騎手は「菊花賞もダービーの時と同じように、騎乗停止にならないようにしたい」とジョークで締めた。5週後に待つのは春にともに上がれなかった夢舞台。磨いた先行力で期待に応える。【松田直樹】

リオンリオン▽父 ルーラーシップ▽母 アゲヒバリ(クロフネ)▽牡3▽馬主 寺田千代乃▽調教師 松永幹夫(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 10戦4勝▽総収得賞金1億3748万4000円▽主な勝ち鞍 19年青葉賞(G2)▽馬名の由来 ライオン(仏語)

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