クイーンエリザベス2世C(QE2C)は例年に増して予想の難しいレースになりそうです。

まずは展開。暮れのG1香港Cを2年連続で同じように逃げ切ったタイムワープ(17年優勝)とグロリアスフォーエバー(18年優勝)は兄弟でありながら馬主、厩舎が分かれるライバル同士。これに加えて英国のエミネントの3頭がハナを争うことが予想され、どこかでポジションが定まるにしてもハイペースになるのは必至。今回は決め手のある差し、追い込み馬が大逆転というシーンも十分に考えられます。

もうひとつの注目ポイントはシャティンの芝の高速化です。英国の競馬をお手本にした香港の競馬場は芝が深く、日本より遅いタイムで決着する馬場になっていましたが、昨年2月の香港ゴールドC(G1)でタイムワープが芝2000メートルで初めて2分を切ったことをきっかけに、日本と同様にタイムはどんどん短縮される傾向が見られるようです。

QE2C出走馬の中でシャティンの芝2000メートル(良馬場)で2分を切る持ち時計があるのはエグザルタント(1分59秒46)、タイムワープ(1分59秒97)、グロリアスフォーエバー(1分59秒53)、イーグルウェイ(1分59秒30=現在の香港レコード)、ダークドリーム(1分59秒66)の5頭。

中でも4歳のダークドリームは3月の香港ダービーで4着した時のタイム(2分1秒56)を、3週後に出走した一般戦(芝2000メートル)で一気に2秒以上縮めてファンを驚かせました。香港ダービー組からは勝ち馬フローレ、2着ワイククも参戦。ダークドリームと同じように大幅にタイムを短縮する可能性を秘めていて4歳勢にも目が離せません。

騎手も予想にかかせないファクターですが、リーディングのZ・パートン騎手は3頭の候補馬の中からエグザルタントを選択しました。J・モレイラ騎手はディアドラとのコンビを解消してワイククに騎乗。地元のオーストラリアで騎乗停止を受けたH・ボウマン騎手は28日にぎりぎり間に合う幸運があって、お手馬のフローレのもとに駆け付けます。(ターフライター)

【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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