<明日への伝言 先人から競馬界の後輩へ>

「明日への伝言 先人から競馬界の後輩へ」。今週からは「チョウサン」の冠名で知られるオーナーの長山尚義氏(71)が登場する。J・G1・3連覇を達成したオジュウチョウサン(牡6、和田郎)の名前の由来からクラブ馬主としての体験まで、長年にわたって楽しんでいる競馬の面白さを伝える。

競馬は1頭の馬を応援していると、みんなの和ができる。それがいいですよ。「チョウサン」というのはもちろん、私のあだ名です。07年の毎日王冠をレコードで勝ったチョウサンの単勝配当は“444”0円。長嶋茂雄さんの通算本塁打(444本)と同じだって、テレビで井崎脩五郎さん(評論家)が大興奮だったそうですね。

所有馬には家族の名前を付けます。オジュウチョウサンのオジュウって? ファンの方も気になっているかな。答えは、息子(次男)が子どもの頃、自分のことを「俺」って言えずに「オジュウ(俺)オジュウ(俺)」って発音していて。そこからです。オジュウの全兄ケイアイチョウサン(13年ラジオNIKKEI賞を勝利)は妻の紀美代の頭文字を。コウキチョウサンのコウキは孫の名前です。

昨年の中山大障害はスーツを着た社員とみんなで口取りをしました。今年1月のJRA賞表彰式は初めて出席しましたが、私も和田郎師も石神騎手もモーニングを着ました。礼儀正しく、正装する。それが写真として記録に残るのも競馬の素晴らしさだと思います。

馬主になるきっかけはテレビの「イレブンPM」という番組でした。昨年亡くなられた大橋巨泉さんが「馬主もどきができる」と話していたのを偶然見てね。競馬は大好きだった。当時は30代でサラリーマンでしたが、すぐに社台サラブレッドクラブの会員に申し込んだんです。最初に当たったのがサッカーボーイ。一口65万円はそのときの自分には大きなお金だよ。「お願いだから6万5000円の10回払いにしてもらえないか」って頼んだなあ・・・。

周囲から「そんなに走る馬はもう出会えないぞ」って言われたけど、バブルガムフェロー、ダンスインザダーク、お母さん(ゴールデンサッシュ)がサッカーボーイの全妹だったステイゴールド・・・、種牡馬としても活躍したね。個人で馬主免許を取ってからも縁を大事にしてます。チョウサンは母が所有馬、父、母の父、母の母が出資馬でした。

11年のクラシックはオルフェーヴル、12年はジェンティルドンナ。3冠馬2頭に出会い、ダービーの口取りも経験できた。今年の3歳馬はソウルスターリングに出資。日曜はオークスの口取りに参加できました。

今はクラブの数が増え、一口馬主を楽しむ人が増えた。私は一口でも1頭の所有でも気持ちは同じだと思っています。自分の選んだ馬が活躍すれば優雅な気持ちになれる。続けていくのは簡単ではありませんが、あきらめずに努力を続けることが大事です。オジュウチョウサンだって、ここまで活躍するとは思っていなかったんだから。(つづく)【取材・構成=木南友輔】

◆長山尚義(ながやま・なおよし) 1945年(昭20)5月25日生まれ、東京都出身。事務機器の販売やオフィスの総合管理を手掛ける株式会社エース事務機で代表取締役会長を務める。個人の馬主資格取得は85年。家族は妻と2男1女。法政二高野球部(父の急死で家業を継ぐために途中退部)では2学年上に柴田勲氏(元巨人)、1学年上に日本人初のメジャーリーガー村上雅則氏がいた。これまでに出資&所有した馬は118頭。出資馬で272勝、所有馬で29勝を挙げている。現役の出資馬は9頭、所有馬は7頭。

(2017年5月23日付掲載)

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