チャイナマネーがついに米国最高峰のクラシックレースをつかみました。5日のケンタッキーダービー(G1)を制したのは1番人気ジャスティファイ(牡3)。16年9月のケンタッキー1歳馬セールで会員制投資組合のチャイナホースクラブ(以下CHC)が米国の競馬法人とともに50万ドル(約5500万円)で落札した馬。1冠目を快勝し、3冠が見えてきました。

 マレーシア出身の華僑で建築家のテオ・アーキン氏によって10年に創設されたCHCは、入会金100万ドル(約1億1000万円)で同胞から集めた多大な資金を元手に馬の世界に参入。クールモア、カタール王族、それにオーストラリアやケンタッキーの名門牧場が持つ有望な馬資源に相乗りするスタイルで成績を伸ばしてきました。

 CHCがラッキー? だったのはクールモアと初めて共有したガリレオ産駒のオーストラリアが4年前の英、愛ダービーを連覇して種牡馬になったこと。これによりサラブレッドビジネスにより専念してきました。カリフォルニアクロームなど有名種牡馬の所有権獲得や、シンガポールでの高額賞金レースの創設などさまざまな形で競馬にコミットし、14年からはクールモアとの共同事業としてアイルランドとオーストラリアで生産に乗り出すまでになっています。

 馬主としては実質5年間で世界6カ国の重賞を制覇。ジャスティファイのケンタッキーダービーが20度目のG1制覇と重賞50勝目となりました。CHCの会員数は16年末時点で300人を超えたと公表されていて、それだけでも原資は300億円以上。自国では内モンゴル自治区のオルドス市の競馬場を舞台に「中国馬文化フェスティバル」の名のもとに馬券発売を伴わない競馬を毎年秋に開催し、海外の競馬パートナーとともに中国本土での競馬普及に熱を入れています。

 もちろん、アジア最大の競馬国である日本のことも気にかけている様子。欧州でのディープインパクト産駒の活躍が新たな投資意欲を刺激しても不思議ありません。

【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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