全力を振り絞ったサトノダイヤモンド、サトノノブレスの抵抗もむなしく、日本馬による凱旋門賞初制覇は今年も見ることが出来ませんでした。勝ったエネイブルのJ・ゴスデン師は愛馬に最大級の賛辞を贈るとともに、現役を続けるならという条件付きで来年新装されるロンシャン競馬場での凱旋門賞を目指すと語っています。

 レース前に発表されたワールドベストレースホースランキングではオーストラリアで20連勝中のウィンクス(牝6)が132ポンドで芝部門の首位(総合首位は米国のアロゲートの134ポンド)。126ポンドのエネイブルとは6ポンドの差がありましたが、英国で最も権威のあるタイムフォーム誌が月曜に発表した独自レーティングでは2頭が134ポンドで肩を並べました。

 歴史的名牝の仲間入りを果たしたエネイブルは、2歳11月のデビュー戦となったオールウエザー競馬を含め8戦7勝(うちG1・5勝)。唯一の敗戦は、今年初戦で初の芝競馬だった4月の芝2000メートル戦(ニューバリー)の3着です。この時、W・ビュイック騎手が騎乗したエネイブルを競り落として2馬身3/4差をつけて勝った同厩のシャッタースピードにはデットーリ騎手が騎乗していました。のちのパートナーというのは何とも皮肉な話です。

 エネイブルは大種牡馬サドラーズウェルズの娘コンセントリックの5番目の子供。サドラーズウェルズ直子のガリレオを父に持つナサニエルが交配種牡馬に選ばれたことによって、サラブレッドではあまり例のない同一種牡馬を両親の3代目と2代目に共有する近親交配となりました。生産者兼オーナーのK・アブドゥラ氏の配合顧問はエネイブルが2歳を迎えた昨春、この近親交配による弊害がないことを確認して再びガリレオ直子の人気種牡馬をコンセントリックの配合相手に選択。今年2月22日にエネイブルの妹にしてフランケル産駒という極めつきの超良血馬が誕生しています。【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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