<香港カップ>◇13日=シャティン◇G1◇芝2000メートル◇出走13頭

 武豊騎手(46)が、8年ぶり8回目の海外G1制覇を成し遂げた。香港カップ(G1、芝2000メートル)のエイシンヒカリ(牡4、坂口)で絶妙の逃げを演出。ヌーヴォレコルトの追い込みを封じ、パートナーに初の、自身に103勝目のG1を贈った。

 武豊騎手に導かれたエイシンヒカリはスタートを決めてハナを奪うと、12頭を引き連れ、軽快に飛ばした。天皇賞・秋はハナを奪えず、2番人気で9着に敗れた。「今日は迷いもなく逃げるレースにしたいと思っていた」。直線に入って、もうひと伸び。「よしチャンス! 勝てるかも」。最後は後続を突き放し、先頭でゴールを駆け抜けた。

 香港遠征でカップを選んだのは、自らの提案でもあった。「初めてのところで、競馬場で調整できるというのも賭けだったけど、いい方に出てくれたらと思っていた。先手を取りやすく、滞在競馬になるという条件も合うな、と」。このレースは過去2着2回。07年ドバイデューティフリー(アドマイヤムーン)以来の海外G1Vは、経験に基づく緻密な読みがあった。

 この日、検量室で蛯名、浜中、戸崎らと勝利を誓い合った。日本人騎手の誇りを見せたい。「前のレース(マイル)でモーリスが勝って勢いをつけてくれた。日本のジョッキーとして勝ちたいと思っていた」。13年に亡くなった先代の平井豊光氏への思いもある。「香港競馬に情熱を注がれていた。名前も豊光さん。豊とヒカリの勝利を先代のオーナーも喜んでくれると思った」と感慨深げだった。

 世界の舞台で結果を出したヒカリの能力に、鞍上も大きな期待を寄せる。「もっと成長してどんなレースでもできるようになれば距離も大丈夫だと思う。心臓が強い馬だからね。凱旋門賞にも行ってみたいね」を夢を描く。自身も今年は09年以来6年ぶり21回目のJRA年間100勝を達成。今週の朝日杯FSでは、史上初のJRA・G1完全制覇を狙う。46歳の天才と快速ヒカリの快進撃は、まだまだ止まらない。【辻敦子】

 ◆武豊騎手の海外G1勝利 日本馬では6勝目で、07年ドバイデューティーフリー(アドマイヤムーン)以来8年ぶりのVとなった。初優勝は98年モーリス・ド・ゲスト賞(シーキングザパール=日本調教馬初の海外G1制覇)。海外馬での初勝利は94年ムーラン・ド・ロンシャン賞(スキーパラダイス)だった。

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】