今年限りで引退を表明している世界的名手、ランフランコ・デットーリ騎手(52)は現役最後の凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月1日=パリロンシャン)でどの馬とコンビを組むのか-。
20日、レーシングポスト電子版は凱旋門賞で史上最多7勝目を狙う同騎手がヨークシャーオークス2着のフリーウインド(牝5、J&T・ゴスデン、父ガリレオ)に騎乗する可能性が出てきた、と報じている。
デットーリが今年コンビを組んだ馬で実績最上位の存在はエミリーアップジョン(牝4、J&T・ゴスデン、父シーザスターズ)で、当初は凱旋門賞でエミリーアップジョンに騎乗する可能性が高いとされていた。昨年の英チャンピオンズ・フィリー&メアズSを制し、今年初戦となったコロネーションCではウエストオーバーに快勝した実力馬。ただ、エクリプスSでパディントンの2着に敗れた後、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSは勝ったフクムから27馬身差の7着に敗れており、今後は英チャンピオンズデーか、米国のブリーダーズカップ開催に向かうとみられている。
レーシングポスト電子版によると、20日朝、ニューマーケット調教場の芝コース(ライムキルン)でデットーリがフリーウインドの追い切りに騎乗。ジョン・ゴスデン調教師は「彼女の状態はいいので、次の凱旋門賞の登録には残す予定です」とコメントしている。
フリーウインドはこれまでに重賞4勝。前走ヨークシャーオークスはG1初挑戦で首差2着に敗れたが、勝ったウォームハート(凱旋門賞には出走しない予定)は次走でヴェルメイユ賞を勝利。愛オークス馬で、凱旋門賞有力候補の1頭だった3着セーブザラストダンスには先着を果たしていた。
デットーリがフリーウインドの調教にまたがったニュースを受け、大手ブックメーカーのパディーパワー社は同馬の凱旋門賞前売り単勝オッズを51倍から21倍まで一気に上昇させている。デットーリはこれまでに凱旋門賞で史上最多6勝を挙げており、最後の凱旋門賞騎乗で劇的な勝利をおさめるのか、パートナー候補に浮上してきたフリーウインドとともに注目が集まっている。
◆デットーリの凱旋門賞制覇 95年ラムタラ、01年サキー、02年マリエンバード、15年ゴールデンホーン、17、18年エネイブル