7日日曜のG1英1000ギニー(ニューマーケット、芝1600メートル)を制したオイシン・マーフィー騎手(27)にとって、この勝利は長いトンネルを抜けた喜びと感謝の気持ちがあふれた意義深いレースとなりました。

20頭がスターティングゲートに並んだ英1000ギニーは、昨年の仏2000ギニーを制したモダンゲームズの妹で5番人気で出走したモージュ(牝3、父エクシードアンドエクセル)が、断然人気のタヒーラを一騎打ちの末に抑え込んで優勝。初コンビを組んだマーフィー騎手は、新型コロナウイルスの規律違反とレース前に基準値を超えるアルコール値の検出により、昨年に英国競馬統括機構から下された約14カ月間の騎乗停止から復帰して初のG1勝ちとなりました。

マーフィー騎手の英国クラシック制覇はカメコで制した20年の英2000ギニーに続き2勝目。今年で引退するL・デットーリ騎手の後継者として再び歩み出すための重要な勝利となったようです。

モージュを管理するS・B・スルール師は名馬ラムタラを育て、いまもモハメド殿下の競馬法人“ゴドルフィン”のお抱えとして活躍していますが、最近はメイン厩舎のポジションを若いC・アップルビー師に譲っていて英国クラシックの優勝は実に14年ぶり。マーフィー騎手が暗闇の時に陰でサポートしてきたスルール師にとっても、この勝利は格別だったらしく「オイシンで勝ったことに大きな意義があります」と締めくくり、次の目標となるG1愛1000ギニー(5月28日、カラ、芝1600メートル)も、ともに向かうことを明らかにしています。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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