万感の思いを胸に思い出の地へ。3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)が、4日土曜に小倉競馬場でのラスト騎乗を迎える。小倉ではこれまで重賞6勝を含む通算245勝。00~02年には3年連続で夏のリーディングに輝くなど存在感を発揮した。騎手生活もあと1カ月。自らを鍛えてくれた小倉競馬場、そして九州の多くのファンに恩返しの勝利を届ける。

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ジョッキー生活も残り1カ月となった福永騎手が昨年の9月4日以来、5カ月ぶりに小倉でその雄姿を披露する。4日土曜が騎手として最後の小倉競馬場での騎乗になる。

「ラストだね。ありがたいことに多くの騎乗依頼をいただいている。本当にありがたい。(師匠で元調教師の)北橋先生に『来ないのか?』と声をかけてもらって、行くタイミングがここしかなかった。最後に小倉で乗れてよかったよ。勝てればいいね」

懐かしい思い出がよみがえる。さかのぼること27年-。96年のルーキーイヤーから夏の拠点は小倉だった。トップジョッキーを目指して汗を流した地。福永祐一の原点は小倉にあるといっても過言ではない。

「お世話になっていた北橋厩舎、瀬戸口厩舎が、夏は小倉(が拠点)だったからね。夏は10年くらい滞在していたし、そりゃ思い入れは多いよ。北橋厩舎のエイシンプレストンで重賞(01年北九州記念)も勝ったから」

小倉では、JRAの10競馬場の中で阪神、京都、中京に次ぐ自身4番目の245勝を挙げ、00~02年、10年の計4回、夏のリーディングを獲得した。「小倉、新潟、札幌と夏のリーディングを取っているんよね。芝のレースが多いからだと思う」。自身の成績を支えた得意の競馬場だった。

小倉ラストライドの4日土曜は、くしくもJRA4400勝に王手をかける武豊騎手も小倉で騎乗する。「本当やな。ちょうどタイミングが良かった」。騎手を目指すきっかけをくれたレジェンドの目の前で、渾身(こんしん)の手綱さばきを見せるつもりだ。【藤本真育】

◆福永騎手と小倉 先週終了時点でJRA通算2630勝を数える福永騎手。競馬場別で勝利数を見ると、小倉では245勝を挙げる。これは阪神794勝、京都712勝、中京338勝に次ぐ数字。小倉通算の勝率、連対率、複勝率はそれぞれ15・5%、27・9%、38・1%で、すべて全場成績(同13・5%、24・9%、35・5%)を上回る。JRA重賞は通算160勝のうち6勝を小倉で挙げている。

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