日本馬最多4頭が出走する凱旋門賞(G1、芝2400メートル、パリロンシャン)が10月2日に迫ってきた。G1・3勝タイトルホルダーを送り出す栗田徹調教師(44)が、レース出走のいきさつや意気込みなどを語った。

<一問一答後編>

-入厩当初からモノが違った

栗田師 いい素材というか、動きすぎちゃって怖いところがありました。スピードがあって、走ることに対してすごく前向きで、逆に距離がもたないんじゃないかという評価でした。

-セールスポイントを改めて

栗田師 逃げて、なおかつペースをつくって、ハイラップを刻んでも最後までその脚が衰えないというところですね。宝塚記念を見ていても、どうやって負かすかというような。ゲートでも遅ければ、馬群に入った時の危うさはあるのかもしれないけど、それがないので。捉えにいっても他の馬は脚を使ってたれちゃうし、前に行ってハイラップを刻んでもたれちゃうし・・・。すごく難しいと思います。逃げ馬がペースを落とそうと思っても、こっちが逆に前へ行けちゃうので。自分のペースを保って競馬ができる良さがあります。それは操縦性にもかかってくると思いますが、和生とマッチした感じです。

-欧州にはラビット(チームの戦略上、隊列を先導する逃げ馬)もいる

栗田師 毎年、スローペースで団子状態になります。凱旋門賞の週は内ラチを外すので、外に行って伸びるかというと、そういう感じでもありません。8月頭にパリロンシャンに行った時はすごくきれいな馬場だったので、それがどう変わるのかは当日になってみないと分かりません。

-鞍上の横山和騎手は初めて海外で大レースに乗る。信頼は揺るがない

栗田師 それは僕も初めての遠征ですし、逆に和生から栗田厩舎は初めてだけど大丈夫かって言われちゃうと思います。お互いさま。初めてだから準備していくしかないです。和生も15日に視察に行くことで、当日の変なストレスをなくすようにしたかったんだと思います。やっぱり独特ですし、日本の競馬の流れとはまるで違いますから。現地の流れを知るのは大事なこと。自分も視察に行ってよかったです。

-相手関係はどう捉えている

栗田師 自分の競馬をするだけなので、どうもこうも・・・。凱旋門賞ですから。相手というより、いつも通りのパフォーマンスでどこまで抵抗できるかというところですね。どの陣営もそう思っていると思います。

-タイトルホルダーの手綱を取る横山和騎手はどんな騎手

栗田師 馬のことをよく考えていますし、馬を良くしていこうとして輪に入ってきてくれている感じがします。いいことだと思います。自分なりに歯がゆい思いをして栗東に行ったりして、最近はいろんな光が見えてきて、やっとこの2、3年、いい馬に巡り合えてきたのかなと思いますね。

-今回は59・5キロを背負う

栗田師 58キロまでは背負っていますからね。そんなには心配はしていませんが、それが要因で日本馬が届かないレースというわけでないと思います。馬場だとか、ペースだとか。視察を通じて調教は本当に難しいと思いました。日本みたいに1周が2000メートルで、じゃあ1・5周で3000メートル乗るとか、坂路だったら1本行けば1200メートルだとか。ハロンごとに時計が出ているわけではありません。日本ならこのペースで乗ったら次の日はこうしようとか、なんとなく肌感覚でわかりますが、そこは今回注意していきたいと思っています。毎日ハロン14秒を乗っている厩舎もあったりしますし、難しいだろうな、と。

-毎年10月のパリは雨が多い

栗田師 去年もずっと雨が降っていました。天気は気にしていないというか、それに対応するしかないですからね。きれいな走りをするタイプではないので、苦にしなそうな感じはします。(馬場を)捉えられるというか。きれいな走りをすると、その推進力が全部馬場に取られてしまうので、こういうタイプがいいんじゃないかな、と。

-今までの日本馬とはタイプが違う

栗田師 そういう声は多く聞きますね。

-多くのファンレター届いている

栗田師 200通くらい来ていると思います。菊花賞の後くらいからぽつぽつ来て、凱旋門賞を目指すと決まった時点でまた増えました。オーナーから聞きましたが、ぬいぐるみが増販になって売り切れているそうですね。人気のある馬ですよね。

-最後に意気込みを

栗田師 そういう(勝つ)つもりで連れて行ってあげたいです。安易にそういう言葉は出せないけど、ベストな状態でどこまでやれるかというところ。この馬のパフォーマンスをすれば良い結果はついてくると思うので、応援よろしくお願いします。

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