日仏でG1・5勝を挙げた98年の年度代表馬タイキシャトル(牡)が17日早朝に急死した。28歳だった。引退馬協会が公式サイトで発表した。

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岡部幸雄騎手がよく言っていた。「絶好調でなくてもいい。この馬の場合は普通の状態ならいいんだ」。タイキシャトルが日本競馬の歴史を大きく動かした1998年夏の仏ドーヴィル競馬場。週中にシャンティイで追い切りに乗った後、主戦は自信を深めた様子で同じように語った。大いに冗舌だったのを覚えている。頭のいい馬で、レースが近づくとカイバを調整して自分で体をつくるという。併せ馬で抜かさない調教をしても、競馬では自分の仕事をよくわかっていた。

77回目を迎える伝統のジャックルマロワ賞で、日本馬が単勝1・3倍の1番人気。スピードシンボリやタケシバオー、シンボリルドルフなど数多くの名馬が海外の厚い壁にはね返されていたが、前週のモーリスドゲスト賞でシーキングザパールが日本調教馬初の海外G1制覇を成し遂げ、機運は最高潮に達していた。アマングメン(M・キネーン)、ケープクロス(L・デットーリ)とのたたき合いから半馬身抜け出す。日本馬が初めて海外(米国)に遠征したハクチカラからちょうど40年がたっていた。

「海外に行くからといって騒がれているうちはまだ駄目。2、3年後には海外で重賞を勝つのが日常茶飯事になる」。名手の予言は現実になった。日本のホースマンに自信をもたらしたことが、タイキシャトルの最大の功績なのではないだろうか。【岡山俊明】

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