美浦の田中博康調教師(36)が先週日曜(15日)にJRA通算100勝を達成した。JRA広報によれば、36歳での達成は平成以降では最年少の記録になる。

田中博師は06年に騎手としてデビューし、09年のユニコーンS(シルクメビウス)で重賞初制覇、エリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)でG1制覇を達成。栗東滞在やフランスへ長期の遠征を行うなど、騎手としてさまざまな経験を積んだのち、18年3月に32歳で厩舎を開業した。開業当初から馬の体調に合わせ、その馬にとってベストの条件のレース選択、その馬に合った騎手選択を心掛けている。新進気鋭のトレーナーの仕事ぶりに妥協はない。

美浦トレセンで取材していると、ひときわ美しい縦列で動く集団を見かけるが、それが田中博厩舎だ。「これが理想なんです」。そう言って、師が携帯電話に収めてある1枚の写真を見せてくれたことがある。シャンティイ(フランス最大の競馬の街)の調教場の森の中を、縦1列にビッシリと、一糸乱れずという感じで、数十頭の人馬がきれいに連なる光景だった。「(馬と馬との間隔はどのくらいの距離なんですか?)理想は0メートルです」。

田中博厩舎は今年ここまで19勝を挙げているが、特筆すべきは全国トップの勝率2割9厘という数字だと思う。師が意識し、目標としているのは関西のトップステーブルである中内田厩舎。「中内田先生が開業したとき(14年3月)から調教を手伝わせてもらって、厩舎の様子も見てきました」。中内田師は欧州や米国で経験を積み、世界的なつながりを持っているホースマン。JRAで厩舎開業後は多くの重賞を制し、ダノンプレミアム、ダノンファンタジー、グレナディアガーズなどのG1馬を育て、17、19、21年と3度のJRA賞「最高勝率調教師」に輝いている。中内田厩舎の今年ここまでの勝率は2割4厘で2位。田中博厩舎がわずかに上回っているが、田中博師は「出走させているレースのクラスが全然違いますし、もっと厩舎のレベルを上げて、追いつけるようにしたいです」と話す。

開業5年目を迎えた田中博厩舎は管理馬のラインアップも大物感のある馬が増えてきた。現4歳世代はプリンパルSを勝ってダービーに出走したバジオウ(牡4)、ダートで6戦4勝&オール連対のレモンポップ(牡4)など。3歳世代は毎日杯2着のベジャール(牡3)、山藤賞を7馬身差で圧勝したローシャムパーク(牡3)、秋華賞を目標にするサンカルパ(牝3)がいて、今週日曜中京の鳳雛S(リステッド、ダート1800メートル、22日)にはセイルオンセイラー(牡3)が出走する。いずれG1をにぎわすであろう素質馬たちがそろった田中博厩舎の活躍をこれからも期待していきたい。【木南友輔】

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