<ヴィクトリアM>◇15日=東京◇G1◇芝1600メートル◇4歳上牝◇出走18頭

大人になったソダシ(牝4、須貝)が古馬マイル女王に輝いた。好位から直線残り100メートルで抜け出し、4番人気ながら快勝。3戦ぶりに芝に戻ってフルに実力を発揮し、無傷の5連勝で制した昨年の桜花賞以来、G1・3勝目を挙げた。

2着に2馬身差で勝ちタイムは1分32秒2。これで芝マイルは4戦4勝。強い白毛のアイドルホースが、府中でよみがえった。

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主役は私よ-。純白のドレスをまとったソダシが、緑のカーペットの上で視線を独占した。道中は好位の内。直線残り100メートル。逃げ馬をかわす。白毛をなびかせ、先頭でゴールを駆け抜けた。吉田隼騎手は沸き立つファンへ、右拳を力の限り握った。完璧なエスコートを遂行し「残り1ハロンは夢のような感じ。馬以上に僕がふわふわしてまさか勝っちゃうのか、と。いい経験をさせてもらいました」とパートナーに感謝した。

乙女が淑女になりつつある。デビューから無敗でG1・2勝もオークスは8着で初黒星。秋華賞、初ダートのチャンピオンズCはともに2桁着順と繊細さを潜ませる。ただ、この日は違った。須貝師が、マジックキャッスルを出走させた国枝師とのパドックでのやりとりを明かす。「先生から『目が違う』と。2、3歳の時はカリッとしていたけど、穏やかな目をしていて『これならいいね』と言ってもらいました」。ゲート前で立ち止まる場面はあったが、鞍上も「いつもらしさはなかったですが、ゲートに入ればピリッとしました」とうなずいた。

成長ぶりにアテンド役の苦労がにじむ。希少な白馬のG1馬。活躍ごとにファンの人気は右肩上がり。毎日のように厩舎、調教中は報道陣が集う中、圧に負けじと厩舎一丸で闘争心を保たせた。師が「責任重大でいつもおなかが痛いです」と苦笑すれば、デビューから手綱を握る鞍上も「変な競馬はできないという覚悟はあります」と語気を強める。自然なガッツポーズは「はねのけたというのもあります」と安堵(あんど)がこもった。

勲章を増やし、可能性は広がる。放牧後は札幌記念からマイル路線へ向かう見込み。2月にはダートG1のフェブラリーSで3着。再び芝で結果を出し、師は「本当に大谷だね。馬の世界に二刀流がいてもいいんじゃない?」と、野球界のスターを引き合いに未来を見据えた。じゅうたんは緑色でも茶色でも構わない。どんな敵が来ようとも、主役は私よ-。【桑原幹久】

◆ソダシ ▽父 クロフネ▽母 ブチコ(キングカメハメハ)▽牝4▽馬主 金子真人ホールディングス(株)▽調教師 須貝尚介(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績11戦7勝▽総収得賞金 5億142万円▽主な勝ち鞍 20年札幌2歳S(G3)アルテミスS(G3)阪神JF(G1)、21年桜花賞(G1)札幌記念(G2)▽馬名の由来 純粋、輝き(サンスクリット語)

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